会社を経営していると利益があっても現金預金が足りないという壁にぶつかることが多々あります。例えば、売上額100万円、利益額40万円であるのに、得意先からお金が振り込まれていないために現金預金が不足しているようになるのです。

このような場合であっても、家賃や給料などの人件費の支払い、借入金の返済は現金預金で行わなければなりません。いくら利益額があっても、手元資金がなければ資金繰りは苦しくなります。

この原因の一つに売上代金の回収が滞っていることが考えられます。実際に100万円売り上げても、代金を回収しなければ現金預金は残りません。

しかし、売上代金が未回収であっても会社の決算書では売上額に計上されて、利益額は増加します。

決算書上の利益額がいくらあっても、資金繰りが苦しければ儲かっている実感を得られないのです。

そこで、資金繰りを少しでも楽にするために、売上代金の回収をスムーズにするポイントを紹介します。

売上代金の回収が滞る会社は経理体制に問題がある

売上代金の回収に苦労している中小零細企業は多いです。そのような資金切りに困っている会社の経理体制の特徴を知ることは、売上代金の回収をする上での反面教師になります。

経理体制とは、経理部のようなセクションだけはありません。すべての会社に関係します。たとえ一人社長で従業員がいない会社でも、売上代金をスムーズに回収する仕組み作りは必要になります。

売上代金の回収に苦労している経理体制の特徴を理解するため、具体例を紹介する前に一つ質問します。

あなたはA社とB社から100万円ずつ、計200万円を借りました。しかし、返済期日が到来しても手元には100万円しかありません。この場合、先に返済するのは金銭管理のしっかりしているA社しますか? お金にルーズなB社にしますか。

この場合、金銭管理のしっかりしているA社に返済するのは目に見えています。B社はお金にルーズなので、返済を後回しにしても許してもらえる可能性はA社より高いからです。

売上代金の回収に苦しんでいる会社の特徴は上記のB社のように、「お金にルーズ」だと得意先から認識されていることに尽きます。

B社のような経理体制の具体例を紹介します。

請求書の発行がいい加減なケース

得意先に請求書を発行することは「売上代金を必ず支払って下さい」という意思表示にほかなりません。請求書があるからこそ、得意先があなたの会社にお金を支払うのです。

このとき、売上代金を回収する意思表示がいい加減だと、得意先の資金繰りが苦しくなったときに支払う順番は後回しにされます。

請求書の発行がいい加減なケースは3パターンに分かれます。

・請求書の発行を失念する

いくら売り上げても請求書を発行しなければ入金されません。このようなミスは経営者や経理担当者よりも、売上代金の回収まで責任を持つ営業マンに多いです。営業マンは会社の資金繰りに直接関与しないからです。

また、売上代金が未回収でも営業マン自身は「毎月の給料=生活費」が保証されています。請求書の発行をしなくても営業マン自体にペナルティがない場合、請求書の発行は後回しになりやすいです。

・納品した商品・製品の一部を請求書に記載漏れする

特に品数を多く扱う卸売業や製造業などに記載漏れが多く見受けられます。

例えば、加工食品の卸売業は毎日スーパーへ納品します。その都度、卸業者はスーパーへ納品書を発行しているはずです。スーパーの検品担当者は納品書と実際に納品された加工食品を照らし合わせてチェックを行います。

納品書をもとに月1回、あなたの会社は請求書を発行します。具体的には今月、納品した加工食品の単価、数量などを請求書に転記しますが、その際に記載漏れをする可能性があります。

記載漏れした製品については、次回の請求書に含めれば、予定より1ヶ月遅れにはなるものの入金されます。

請求するのが予定より遅れても入金されるため、「結局はお金が振り込まれるので問題ない」と思ってしまい、請求書への転記ミスに対する認識が甘くなってしまうことにつながります。

このような請求書に記載漏れが多い会社に対して、得意先は不信感をもちます。「お金にルーズなのか」「経理体制に不備がある」など、あなたの会社に対するマイナスのイメージを抱くのは確実です。

・請求書の発行が遅い

請求書の発行は「売上代金を必ず支払って下さい」という得意先に対する意思表示です。それでは、請求書の発行スピードによって生じる不具合について、このときの「早めに請求書を発行する会社」と「遅めに請求書を発行する会社」を比較しましょう。

具体例として、3月中に納品した商品の売上代金200万円を得意先が翌月末日(4月30日)までに支払う条件の取引で考えてみましょう。

「早めに請求書を発行する会社」なら4月の初めには必ず請求書を得意先に送付します。この場合、「売上代金を4月中には必ず支払って下さい」というメッセージを得意先に対して送ることができます。

その反対に「遅めに請求書を発行する会社」は4月中ならいつ請求書を送付しても平気だと考えています。ただ、これでは「売上代金の回収を軽視している会社だ」と思われてしまいます。

例えば、4月中であればどのタイミングで請求書を送っても問題ないと考え、4月25日に請求書を送ればどうでしょうか。この場合、4月30日まで時間が短いため、得意先から「請求書発行が遅く、支払いを先延ばししてほしい」といわれてしまいます。

上記2社の差は何でしょうか? それは、請求書の発行に対するスタンスの違いです。前者の会社は請求書の発行を優先順位の高い業務と考えているのに対して、後者の会社は後回しにしてもよいという認識です。

後者の会社のように「請求書の発行を後回しにしている」ことを得意先に悟られれば、自ずと売上代金に対する支払いは後回しにされる可能性が高いです。

支払期日までに支払わない得意先に対して督促しない

また、いくら請求書を発行しても、売上代金が回収できなければ意味がありません。こうしたとき、支払期日までに支払わない得意先に対して督促しない会社は多いです。「いずれは入金される」という性善説の考えでは、売上代金が入金されないリスクは高くなります。

入金されないリスクを説明する前に支払期日までに支払わない得意先の特徴を知っておく必要があります。得意先が支払わない理由は2つ考えられます。

  1. 得意先がお金にルーズである
  2. 得意先の資金繰りが苦しい

まず、お金にルーズな得意先は支払期日から数日遅れてあなたの会社へ売上代金を支払うのが特徴です。いずれは入金されると思って支払いの督促をしないというのは、相手に「期日までに支払わなくてもいいですよ」とメッセージを発信しているのと同じです。

例えば、電気代の支払いを滞納したとしても、電力会社はすぐに支払いを督促することはありません。そのとき、「支払期日に遅れても大きな問題は起こらない」と思い、本当にお金に困ったとき、家賃や住宅ローンの支払よりも電気代の支払いを後回しにするのではないでしょうか。

これと同じように得意先は、代金の支払いを督促する会社から先に支払います。「この会社は支払期日に遅れると大変な問題になる」と認識されるからです。反対に代金の支払いを督促しない会社は「支払期日に遅れても大きな問題は起こらない」と思われ、支払いは後回しにされます。

また、得意先の資金繰りが苦しい会社は現金預金残高が少ないために、支払い能力がありません。そのとき、あなたの得意先は支払先に優先順位を付けます。

前述の通り、優先順位の基準は「金銭管理のしっかりしている会社」かどうかです。お金にルーズな会社は得意先からの支払いを後回しにされます。

売上代金の回収をスムーズに行う経理体制を構築する具体的方法

単に商品を売り上げただけでは、売上代金を回収できるわけではありません。得意先の都合で売上代金の回収が滞るリスクが常に付きまといます。

例えば、得意先がお金にルーズな場合や資金繰りが苦しくなったときは「売上=入金」とは限りません。得意先の資金繰りが苦しい場合でも売上代金の回収をスムーズに行うためには経理体制を構築が必要不可欠です。

そこで、あなたの会社の資金繰りを良くする経理体制のポイントを2つ取り上げます。

請求書の発行をきちんとする

「売上代金を必ず支払って下さい」という意思表示を得意先に対してするためには請求書の発行はきちんと実行しなければなりなせん。

請求書の発行がいい加減であると得意先から不信感をもたれ、あなたの会社へ支払う順番が後回しにされるリスクが高くなります。そのような事態を防ぐため、請求書を発行するポイントを紹介します。

・請求書の発行漏れを防ぐ方法

請求書の発行漏れについては、営業マンを重点的に管理する必要があります。会社の資金繰りに携わっている経営者や経理担当者が請求書の発行漏れをするのは考えられず、主に営業マンによる発行ミスが多いです。

もし売上代金が入金されなければ、経営者や経理担当者は資金繰りに悩まされることになります。一方、営業マンにはそのような苦しみとは無縁です。

そのため、売上代金の回収ができなければ営業マンの営業成績に大きく反映されるような評価体制を構築しなければなりません。

具体的には「賞与(ボーナス)の査定では、未回収分の売上は販売実績に反映しない」など、売上代金の回収まで責任を持たせるようにしましょう。「単に商品を売っただけでは社内で評価されない」と営業マンに認識させることがポイントです。

・納品した商品・製品の一部の請求漏れを防ぐ方法

請求漏れの原因は請求書を作成するときに、人間の手で納品書から転記するために請求漏れが起こります。

例えば、ワードやエクセルなどを用いて納品書や請求書を作成した場合に転記漏れが起こります。納品書のデータが請求書に連動していないからです。人間の手で転記するとミスを完全に防止するのは至難の業といえます。

このような転記ミスによる請求漏れを防ぐためには、販売管理ソフトやクラウド型の請求書発行システムを活用する必要があります。ワードやエクセルと違い、専用のシステムを使って納品書を発行すれば、自動的に納品した商品のデータが請求書に連動するからです。

この連動システムによって、請求書への転記ミスが限りなく減少します。

・目指すは請求書の即時発行

納品書はその都度発行しても、請求書は1ヶ月に1度の頻度でまとめて発行するのが常識です。しかし、得意先に対して、「あなたの会社は金銭管理がしっかりしている」と認識させるためには、納品するのと同時に請求書を発行したほうが効果的だといえます。

そのためには納品書と請求書を同時に発行して送信できる、クラウド型の請求書発行システムを用いるのが有効です。スマートフォンやタブレットからでも得意先へ送付することができるため、移動中の電車やタクシーであっても請求書を発行することが可能になります。

クラウド型の請求書発行システムの登場により、今までのように納品するたびに請求書を発行する事務的手間のデメリットが解消されました。

売上代金の未回収分を迅速に督促する体制の構築

売上代金の未回収を督促する目的は得意先に対して「金銭管理がしっかりしている」と思わせて、あなたの会社への支払い優先順位を上げるためです。得意先の資金繰りが苦しくなっても、支払い優先順位が高ければ売上代金の未回収リスクを軽減できます。

そのためには売上代金の未回収分を迅速に督促する経理体制を構築しなければなりません。そのために必要な具体的な手順を紹介します。

・入金予定表を作成する

売上代金の入金予定表を作成することが迅速に督促する体制を構築する第一歩です。入金予定表とは、「得意先別に売上代金の未回収分の金額がいくらで、何日が支払期限なのか」を管理する表です。

例えば、6月にC商事に300万円売り上げたとします。150万円は売り上げた月の翌月末(7月31日)、残りの150万円は翌々月の15日(8月15日)が支払期限の場合には、「7月31日までに150万円」「8月15日までに150万円」と回収予定日を基準に管理します。

このとき、「C商事の売上代金の未回収額300万円」と得意先別に管理するのは厳禁です。なぜなら、支払期限までに入金される金額が把握できず、得意先に対して正確な金額を督促することができないからです。

あくまでも支払期日までに得意先から入金されたかどうかをチェックするのがポイントです。

・入金された情報を素早くキャッチする

売上代金の未回収分を迅速に督促するためには、入金されていない情報を素早くキャッチする必要があります。具体的には支払期日の15時までに入金されているかどうかを確認するようにしましょう。そして、売上代金が回収できていないと分かった時点で素早く督促します。

実際の入金を確認するとき、通帳記帳でないと把握できないでは非効率的です。現在はネットバンキングを活用し、インターネット上で銀行口座の入出金を把握するが鉄則になります。

ただ、入金を確認するたびに画面にログインしなければいけません。そうした画面にログインする時間がない経営者には、さらに便利な方法があります。

それは楽天銀行やジャパンネット銀行を入金口座に利用するという方法です。入出金の情報をメールで送信してくれるからです。そのため、銀行口座の画面にログインしなくても得意先から入金されたことが把握できます。

支払い督促するタイミングは支払期日の当日がベストだといえます。得意先に対して「金銭管理がしっかりしている。」と思わせるのに最も効果的だからです。

・入金されたら得意先に報告する

迅速に支払督促する体制を構築する目的は、得意先に「金銭管理がしっかりしている。」と思わせることです。それをより効果的にするためには「ご入金ありがとうございました」「入金されたことを確認いたしました」などとメールで得意先に報告することがあります。

報告することで得意先に対して「入金のチェックはしっかりしている」とアピールできて、あなたの会社の信用度は増します。これはほとんどの会社で実行できていないからです。

また、入金されたことを報告することで、得意先に「2重に請求されることはない」と安心感を与えるメリットがあります。

まとめ

売り上げたら「得意先がお金を支払うのは当たり前」だと思われがちです。そのため、販売することには一生懸命であっても、売上代金の回収まで神経をつかわない経営者は多いです。

得意先の金銭管理がしっかりして、資金繰りに問題ない場合には、商品を販売すれば滞りなくあなたの会社へ入金されます。

しかし、得意先の会社が不景気などにより資金繰りが苦しくなると話は別です。得意先がそのような事態に陥ることまで、経営者は頭の中に入れておかなければなりません。売上代金の回収をスムーズにするために必要な経理体制を構築する目的はここにあります。

しっかりした経理体制の構築するためには、「請求書の発行」と「売上代金が未回収の場合の督促」を取り上げました。2つとも会社が行うべき基本的なことであり、ルーチンワークにすることができます。

基本的な動作を繰り返すことで、得意先はあなたの会社に対して優先的に支払ってくれるようになります。

一度、こうした仕組みが構築した後であれば、商品やサービスの販売に専念しても、売上代金の回収はスムーズにおこなわれるようになります。その結果、会社の資金繰りが苦しくなる原因を一つ摘み取ることができます。


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