銀行が会社へ融資する理由は「この会社は貸したお金を返済してくれる」ことを見込んでいるためです。その裏づけとなるのは、商品などを過去に販売した実績です。言い換えれば、販売活動があれば現金預金を増やした後、利子を上乗せして返済できると融資担当者は判断しています。

ところが、開業前の会社は販売実績がありません。そのため、「商品などを販売して現金預金を増やせる」という裏付けのない開業前の会社に対して融資することに銀行は消極的になってします。

そこで開業前の会社は、開業資金のために必要な国民生活金融公庫など公的な金融機関から「創業融資」を引き出すのが普通です。

実際に創業融資を申し込む場合には、販売金額など事業展開を予測する書類である「事業計画書」を提出しなければなりません。

ここで創業融資を引き出すために大切となるのは、「この会社は実際に商品を販売できる」ことを融資担当者に対して説得させるために事業計画書を練ることがポイントとなります。

それでは、開業してから販売できることを公的な金融機関に対して説得させるため、事業計画書を作成するポイントを解説します。

事業の概要を説明する

融資担当者は、これから開業する会社の業界や取り扱う商品などについて何に知りません。創業する会社のことを理解できないため、「この会社は本当に商品などを販売できるのか」と融資担当者は不安になってしまいます。

そのため、自社のことを理解してもらうために事業の概要を事業計画書へ記載する必要があります。融資担当者に分かりやすく記載するのがポイントとなります。ここでは、家電リサイクルショップを例にして解説します。

取り扱う商品・提供するサービスを記載する

家電リサイクルショップの場合、電子レンジなど販売する商品を事業計画書に記載します。そのとき、単に取り扱う商品だけを記載するのではなく、「購入した壊れた電子レンジを修理して販売する」など具体的な販売方法を盛り込みます。

また、家電の販売に関連する事業を行う場合には、必ず創業計画書へ記載する必要があります。例えば、家電製品を修理するノウハウを活かして、顧客に対して洗濯機などの訪問修理するサービスを提供する場合などが挙げられます。

販売単価をできるだけ記載する

販売単価が明確な場合はもちろん、家電リサイクルショップのように販売する商品によって異なる場合であっても目安となる金額を事業計画書へ記載する必要があります。

例えば、「修理したものを電子レンジ5,000円、洗濯機1万円で売る」などであれば、「この会社は低価格で販売する予定」というイメージを融資担当者に与えることができます。

また、販売単価を明確にできない場合は、「商品の購入単価が安いため、市場の相場より低価格で販売できる」など、根拠とセットに販売単価を記載します。そうすることにより、融資担当者に対して説得力をもたせます。

このように、開業前に設定した単価で販売できることについて、融資担当者を説得することが大切となります。

ターゲットを明確に記載する

また、販売先となるターゲットを明確にすることにより、販売方法が違ってきます。例えば、家電リサイクルショップの場合、ターゲットがお年寄りか若者かによって、取り扱う商品やサービスの提供方法が異なります。

お年寄りの場合は家電製品の取り扱い方法をあまり知らないケースが考えられるため、電子レンジなど商品自体の価値に加えて、操作方法を教えるといったプラスアルファの価値を提供することが可能となります。

それによって、「他の家電リサイクルショップより販売単価が多少高額でも販売できる」ことを融資担当者に対して説得することができます。

一方、若者の場合は家電製品の取り扱い方法を知っています。そのため、お年寄りのように訪問して丁寧に説明するという付加価値を加えることは難しいです。

それよりも、商品価格の安さから家電リサイクルショップで購入する可能性が高いです。そのため、家電を低価格で大量販売しなければなりません。

そのため、低価格の家電を大量販売することができることを融資担当者へ説得する必要があります。

このように、ターゲットによって販売方法が異なってくるため、顧客層について事業計画書へ記載しましょう。

仕入ルートを記載する

家電リサイクルショップのように商品を取り扱う業種は、仕入先から購入しなければ販売することは不可能です。

例えば、家電リサイクルショップの場合、中古や故障した家電製品を購入することにより、はじめて販売が可能となります。そのため、「引越し直前の家庭から安く購入する」「ごみ置き場にある故障した電子レンジを回収する」など仕入ルートを確保しなければなりません。

仕入ルートを事業計画書へ盛り込むことにより、「この会社は販売できる商品を確保することができる」と融資担当者を説得することができます。

スタッフの数・外注先を記載する

販売と直接関係ありませんが、スタッフの数や外注先は融資担当者が創業会社のことを理解するために必要な要素となります。

事業活動に必要な仕事のうち、スタッフに任せる部分と外注先へ発注する部分を明確にすることで、自社のことを融資担当者が理解しやすくなります。

したがって、例えば経理担当者であれば「給料の計算はスタッフの仕事」「決算書の作成は税理士へ依頼する」など、自社の役割分担を事業計画書へ記載しましょう。

過去の経験を説明する

開業する事業について、開業前に経験を積んでいるかどうかにより、事業で成功する可能性は変わってきます。もちろん、経験値のあるほうが成功する可能性は高いと融資担当者は判断します。

例えば、フレンチレストランを開業すると仮定します。その場合、フレンチ料理を調理した経験のあるほうが事業は成功しやすいです。

フレンチ料理に必要なソースの味を顧客のニーズに合わせるために試行錯誤したなど、レストランを開業して集客に結びつけるために必要な経験値を積んでいるためです。

そのため、販売できるかどうかを裏付ける材料として、創業者が積んできた過去の経験を融資担当者は重視します。そこで、過去の経験を記載した事業計画書のうち、金融機関がチェックするポイントを解説します。

開業する事業に関連ある業種の経験を記載する

事業を始める以上、その業種について精通していることが大切となります。ここでは、インテリア雑貨のショップを開業すると仮定して説明します。

例えば、インテリア雑貨の販売経験を積んで商品知識を身に付けることにより、顧客層に応じた販売方法の違いなどが分かります。具体的には、顧客が高額所得者なら、高額でもインテリア雑貨のデザインがよければ販売できる可能性が高いです。

一方、中流階級以下の顧客の場合は収入から生活費を差し引いた自由に使えるお金に制限があります。そのため、インテリア雑貨は手ごろな販売単価である必要があります。言い換えれば、デザインがよくても販売単価が高額の場合は売れない可能性が高くなります。

反対に、インテリア雑貨の販売経験がなく、開業する業種の常識を知らないことはハンディキャップになってしまいます。例えば、「中流階級以下の顧客に対して販売単価を高額にする」など、販売できない失敗を犯す可能性を否定できません。

そうすると、適正な販売価格を知るまでの間、商品を販売できず事業が軌道に乗らないという事態に陥ってしまいます。

こうしたことから、開業する人が過去に開業する事業に関連ある経験したことを金融機関は重視しています。

集客・営業の経験を記載する

実績のない会社に対して融資するとき、融資担当者は「この会社は開業した後に商品を販売できるかどうか」を重視します。そのため、事業計画書へ記載するときは、過去の経験に「集客・営業」の部分を必ず盛り込まなければなりません。

例えば、中華料理を開業すると仮定します。当然、厨房での調理や接客の経験は大切ですが、融資担当者は集客するノウハウを培っているかどうかを気にします。

実際に店長などの立場で集客に携わった場合には、「販促活動の一環として近所にチラシを配って口コミで顧客が来店した」「顧客の好みが変化したことに気づき、味付けを変えて集客に成功した」などを事業計画書へ盛り込みましょう。

過去に集客の成功した事例は、「開業してからも活かせるはないのか」と融資担当者は考えます。

集客の成功事例をアピールするのが、事業計画書の過去の経験欄へ記載するポイントとなります。

競合相手について説明する

創業する会社の取り扱う商品などが消費者のニーズを捉えていても、必ずしも販売に結びつくとは限りません。具体的には「同業他社=競合相手」に顧客を奪われるケースがあるためです。

例えば、和食の飲食店を開業すると仮定します。近くのエリアに和食を提供している他の飲食店へ顧客が来店すれば、自社の販売数量を伸ばすことはできません。

「商品を販売できる」ことと、「自社の販売に結びつく」ことはイコールではないのです。

そこで、「競合相手を加味して、いかに自社の販売に結びつけられる」ことを事業計画書へ記載するのかについて、そのポイントを解説します。

競合相手の少ないことを記載する

消費者のニーズを捉えた商品やサービスなら販売できる見込みは高いといえます。そこで、「取り扱う商品を自社の販売に結びつける」ことを融資担当者に対して説得するために、同業他社(=競合相手)が少ないことについて事業計画書へ盛り込むことは有効です。

これは、顧客を同業他社に奪われるリスクが少ないためです。例えば、駅前の商店街にカレー専門店が少ない場合、カレーを食べたい消費者は、このカレー専門店に来店する可能性が高くなります。

また、もともとラーメン屋の多い飲食店街にラーメン専門店を開業したいと仮定します。その場合、「ラーメン」という広いカテゴリーで見ると同業他社は多くなってしまいます。

ところが、「熊本ラーメン」といったように取り扱う商品を限定すれば、同業他社は少なくなります。「ラーメンを食べたい人」ではなく、「熊本ラーメンを食べたい人」へとターゲットとなる顧客を絞ることができるためです。

言い換えれば、熊本ラーメンを食べたい人は、熊本ラーメン専門店しか来店する場所がありません。

このように、ターゲットを明確にすることにより、同業他社(=競合相手)を少なくすることができます。そのことについて事業計画書へ記載しましょう。

セールスポイントを記載する

セールスポイントとは、「会社の提供する商品やサービスに対して顧客が感じるメリット」を意味します。例えば、家具を購入した場合、顧客がメリットを感じるパターンは2つに大別できます。

  • 家具の材質は普通でも、販売単価が安い(販売単価の相場が1万円のところを7,000円で購入した場合など)
  • 高単価の家具であり、高級材質に満足している

要するに「販売単価」と「品質」との2つの軸によって、提供する商品やサービスに顧客はメリットを感じます。このようなメリットを顧客に提供できることがその会社のセールスポイントとなります。

・販売単価の安いことをアピールする

提供する商品やサービスの質が全く同じ場合、顧客は販売単価の安いほうを選択するのが普通です。例えば、全く同性能のパソコンをA社は10万円、B社は15万円で販売していれば、消費者は前者を購入するはずです。

このように、販売単価の安さは、「開業した後に商品を販売できること」を融資担当者に説得する材料になります。

しかし、「販売単価が安ければ儲けは少ないのでは」と金融機関は不安を持ちます。会社へ融資した金額は「販売単価から購入した商品や諸経費を差し引いて、残ったお金から返済する」と融資担当者は考えるためです。

そのため、販売単価の安さをアピールするだけでは不十分だといえます。そこで、販売単価が安くても儲かる理由を事業計画書へ盛り込む必要があります。

前述のA社のようにパソコンを低価格で販売する場合、安く購入できる仕入ルートとセットで説明することにより、「販売単価が安くても儲かる」ことを融資担当者へ伝えましょう。

・商品やサービスが高品質であることをアピールする

同じ販売単価の商品やサービスを提供する会社が2社ある場合、顧客は品質の高い会社に対してお金を負担します。例えば美容院の場合、髪のカットが上手など品質の高さは顧客の選択する基準となります。

しかし、融資担当者は美容業界について詳しくありません。言い換えれば、美容院の品質のよさを銀行が判断することは不可能です。そこで、品質の高さを客観的にアピールする必要があります。

「キャリアが長い」「勤務先の美容室で顧客からの指名が1番多かった」など、高品質である客観的な根拠を示すことが大切となります。それによって、過去に培ったノウハウを開業してからも活かせることを融資担当者に説得することができます。

このように、過去の経験から高品質の商品やサービスが提供できることを裏付ける内容について事業計画書へ記載しましょう。

販促活動を説明する

ここまで、融資担当者に対して「この会社は商品などを販売できる可能性が高い」と説得するために必要な、事業計画書に記載する方法を説明してきました。しかし、実際に販売活動をしなければ、売上を出すことはできません。

そこで、ここからは実際に販売する方法を事業計画書へ記載するポイントについて解説します。具体的には「新規の顧客を獲得する」「リピーターの獲得」という2つの視点から記載する必要があります。

新規の顧客を獲得する

開業したばかりの会社の存在を周囲は知りません。そのため、まずは会社のことを認知してもらう必要があります。例えば、オフィス街に居酒屋を開業した場合、見込み客から認知してもらう方法はチラシなどの「紙媒体」とインターネットなどの「電子媒体」に大別できます。

紙媒体で広告宣伝する場合には、駅前で「居酒屋のオープニング」のチラシを配るなどを実施することができます。一方、電子媒体を活用する場合は、「ホームページの作成」や「飲食店専門の大手ポータルサイトへの広告」を利用する方法があります。

当然、広告媒体の多いほうが開業してから販売できる可能性が高いと融資担当者は判断します。

このように、新規の顧客を獲得するために実施している広告宣伝の方法を事業計画書へ漏れなく記載しましょう。

リピーターを獲得する

美容院など、新規の顧客を獲得すると、お客さまがリピーターになり得る業種はありますが、飲食店のように1回の販売で終わる可能性のある業種もあります。

ただ、飲食店の場合でも、販売数量を伸ばすために「リピーターの獲得」は欠かせません。新規の顧客を獲得するときに比べて、広告宣伝をするコストや労力が省けるためです。

言い換えれば、このようなコストや労力に費やす分を商品やサービスの品質向上のために力を注ぐことができます。

その結果、「この店は味がおいしい」などの評判が広まれば、「顧客が新たな顧客を連れてくる(口コミしてくれる)」といった好循環を生み、販売活動は有利となります。

具体的には前述の居酒屋の場合、リピーターを獲得するために「500円のワンコインランチ」を提供することで、料理の美味しさをオフィス街のビジネスマンに認知してもらう方法があります。

それによって、「この店の料理は美味しい」と顧客に理解してもらえば、ランチ営業の顧客の一部をリピーターとして夜の時間帯に来店してもらうことが可能となります。

このように、事業計画書へ販促活動を記載するときはリピーターの獲得を意識しましょう。そうすれば、「この会社は販売能力がある」と融資担当者に対して説得力をもたせることができます。

まとめ

事業計画書には、販売による収入予想金額を記載する必要があります。しかし、実績のない会社が販売できる保証はどこにもありません。

だからこそ開業する人は、創業融資を引き出すためには、開業した後に商品やサービスを販売することできる根拠を事業計画書へしっかりと記載する必要があります。

そのため、日本政策金融公庫の事業計画書の書式へ記載しきれない部分は、必要に応じて別紙に「販売できる根拠」を融資担当者に分かりやすく説明しましょう。


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