これから創業する会社への融資に対して、金融機関は不安を抱きます。販売実績はなく、「会社が売上金額や利益額を獲得して、貸したお金を金融機関へ返済できる」という裏付けがないためです。

しかし、創業する会社が販売実績を積み上げるためには、物件の賃貸費用や商品(在庫)の仕入れなど販売するのに必要な初期投資を実施しなければなりません。

したがって、初期投資に必要なお金を賄うために創業する会社は創業融資を活用するのが普通です。創業融資とは、販売実績のない会社に対して、創業する会社を支援するための融資制度です。主に日本政策金融公庫など公的な金融機関が創業融資を実施しています。

創業する会社が創業融資を引き出すためには、「販売実績を積み上げて、会社が借りたお金を金融機関へ返済できる」ことについて、融資担当者を説得する必要があります。その資料が事業計画書です。

事業計画書とは、会社が希望する融資額について、金融機関への返済計画などを記した資料です。当然、事業計画書の通りに事業遂行ができることについて、融資担当者を説得することが創業融資を引き出すポイントとなります。

しかし創業融資を引き出すためには、事業計画書を練り、金融機関へ提出するだけでは不十分です。提出後に融資担当者との面談が必要となります。

「この経営者は事業計画書の通りに事業遂行ができるのか」と金融機関は不安を持っているためです。そのため、経営者と直接会って質問してきます。

そこで、創業融資を引き出すために、質問に対する回答など融資担当者と面談する際のポイントを解説します。

金融機関との面談前に事前準備をする

融資担当者は創業する会社のことについて何も知りません。

「この会社の経営者は事業計画書の通りに事業遂行が実現できるだけの力量があるかどうか」など面談しないと分からない要素がたくさんあります。そのため、面談によって判断された経営者に対する評価次第で、創業融資を引き出せるかどうかの成否が左右されます。

したがって、経営者は面談において融資担当者から不信感をもたれないようにしなければなりません。

そこで、面談により経営者が金融機関にマイナスイメージをもたれないよう、準備するポイントを解説します。

事業計画書と整合性をもたせる

経営者と面談するとき、融資担当者は事業計画書をもとに質問を行います。言い換えれば、事業計画書の通りに事業が実現できるかどうかを金融機関は確かめているのです。

そのとき、「事業計画書の内容」と「面談で経営者が話している内容」が食い違っていれば、融資担当者は融資することに不安を感じます。

例えば、移動式パン屋の事業計画書で「月平均の利益額30万円」と記載されているのに対して、面談では「月平均の利益額25万円」と金融機関に話したと仮定します。このとき、事業計画書と面談との食い違いは次の通りです。

  • 月平均の利益額:事業計画書の利益額30万円-面談で話した利益額25万円=差額5万円

この差額を年間ベースに換算すると、「月平均の利益額の差額5万円×12ヶ月=年間の差額60万円」となります。

そうすると、「この会社は事業計画書を真剣に練っていないのでは」と融資担当者は疑ってしまいます。言い換えれば、「創業融資を引き出すために事業計画書の体裁を整えているだけでは」と金融機関は判断します。

このように、「事業計画書の内容」と「経営者が面談で話した内容」が食い違うと、融資担当者にマイナスの評価を受けてしまいます。したがって、両者の内容に整合性をもたせるために、面談する前に事業計画書を熟読することが必須となります。

面談するときのポイント

創業融資を引き出すための面談というのは、金融機関との商談だといえます。そのため、経営者は融資担当者から信用を勝ち取る必要があります。

そこで、金融機関から信用されて、創業融資を引き出すために必要な「面談するときのポイント」を解説します。

第一印象をよくする

「人の印象は見た目で決まる」といわれています。金融機関は面談する経営者のことを知りません。そのため、「第一印象」が大切となります。

例えば、パソコン部品の製造業を志望する「明るい表情の経営者」と「暗い表情の経営者」が同時に創業融資を申し込んだと仮定します。通常、製造業は卸売業など得意先に対する営業力が求められます。

そのとき、パソコン部品の性能にあまり差がない場合、第一印象が得意先から信用される大きな要素となります。そうすると、「暗い表情の経営者」より「明るい表情の経営者」の方が信用される可能性は高くなります。

経営者の第一印象が後の事業展開を左右することを融資担当者は熟知しています。そのため、表情などの第一印象をよくする必要があり、融資担当者と面談するときはスーツで望むのが無難だといえます。

やる気をアピールする

会社を創業するのは大変なことです。経営者はサラリーマンのように収入が保証されず、常に販売実績を積み重ねていかなければならないためです。

例えば、喫茶店を創業したと仮定します。事業を継続するためには、常にドリンクなどを提供して収入を得なければなりません。そのためには顧客の来店が必要不可欠となり、経営者は集客し続けることを求められます。

収入が得られないと、家賃などの諸経費を賄えなくなり、事業を継続することができません。

このように、会社を創業すると経営者は収入を確保するために、集客などに神経を費やさなければなりません。この大変さを金融機関は認識しているため、創業融資の面談では経営者のやる気を必ずチェックします。

具体的には、融資担当者は創業動機などを質問します。この質問に対して、経営者はやる気をアピールしなければなりません。

例えば喫茶店を創業する場合なら、「地域の住民の笑顔が見たい」「他店にはないコーヒー豆を提供したい」など熱心に金融機関へアピールするのがポイントとなります。

結論から話す

金融機関は融資の案件をたくさん抱えているため、融資担当者は忙しいです。そのため、経営者は分かりやすく話すことを意識する必要があります。こうしたことから、融資担当者には結論から伝えるようにしなければなりません。

例えば、コンビニエンスストアを創業すると仮定します。このとき、「同業他社との競争力に自信がある」と融資担当者へ伝えるとき、結論から話すのが鉄則です。結論部分が金融機関の知りたい情報であるためです。

反対に「他のコンビニエンスストア(=同業他社)は惣菜の数が不足しているが、当店は品数が充実している」「接客対応に力を入れて差別化を図る」など、「同業他社との競争力に自信がある」ことの結論を最後に述べ、その前にダラダラと説明を加えるのは問題です。

「話の最後になるまで金融機関は経営者の言いたいことが分からない」ためです。

したがって、忙しい融資担当者へ配慮するためにも、経営者は結論から話すようにしましょう。

ネガティブなことは自ら話さない

創業融資を引き出すことが金融機関と面談する目的です。言い換えれば、「金融機関へ借入金を返済できること」を融資担当者へアピールしなければなりません。つまり、面談では創業する会社を金融機関へ売り込むのが鉄則です。

反対に質問されていないのにネガティブなことを話すと「この会社は本当に融資したお金を返済してくれるのか」と融資担当者は不安になってしまいます。

例えば、雑貨の輸入業を創業すると仮定します。このとき、面談をしているときに「輸入先の人件費が高騰して、商品の購入金額が高くなってしまう」など融資担当者へ漏らすのは厳禁です。金融機関は次のように考える可能性があるからです。

  • 販売利益を確保するために雑貨の販売単価を値上げする=販売数量が減少する要因になる
  • 雑貨の販売単価を値上げせず据え置く=販売利益が減少する要因になる

創業融資を引き出すため、創業する会社のことをアピールする場が融資担当者との面談です。したがって、ネガティブなことは自ら話す必要はありません。

質問されたことだけに答える

金融機関との面談では、事業計画書をもとに経営者に融資担当者が質問します。

融資担当者は経営者とのやり取りで、「この会社は事業計画書通りに実行できるかどうか」をチェックしています。そのため、質問されたことだけに答えたほうが金融機関の知りたい情報を的確に伝えることができます。

それによって、融資担当者に創業する会社のことを確実にアピールすることができます。

反対に質問されていないことまで話すと「事業計画書の内容」と「経営者の話した内容」に食い違いが生じるリスクがあります。

例えば、創業する中華料理店が集客方法について事業計画書には「リピート客を中心に集客する」と記載していると仮定します。

ところが、面談で「新規の顧客獲得にも力を入れるため、広告宣伝に力を入れる」などと全く別のことを経営者が話すと、「この会社は事業計画書を練っていないのでは」と金融機関から疑われてしまいます。

あくまでも経営者と面談するのは「事業計画書通りに実行できるかどうか」を融資担当者が確認することが目的です。したがって、融資担当者へ売り込むつもりでも、事業計画書に記載されていないことを経営者が話すのは金融機関からマイナス材料として判断されてしまいます。

分からない質問に対しては即答しない

経営者と面談するのは、事業計画書だけでは分からない部分を融資担当者が確認するのも目的のひとつです。当然、経営者が即答できないことを融資担当者が質問するケースは考えられます。

そこで、無理に即答しようとして、あいまいな答えを返すと金融機関からマイナスの評価を受けてしまいます。

例えば、創業するラーメン屋が「雇用したスタッフの社会保険料の見積もり負担額」を融資担当者から質問されたとき、即答できない場合が生じます。

質問内容の中に、経営者が即答できない項目があることを金融機関は熟知しています。融資担当者が知りたいのは経営者の社会保険料に対する知識ではなく、見積もり負担額です。

そのため、分からない場合は「質問内容について正確に答えるため、きちんと調べてから後ほど回答します」のような回答し、あいまいな回答を避けなければなりません。

このように、分からない質問に対しては即答せずに調べてから後ほど回答しましょう。

今後の事業の見通しについて回答できるようにする

創業融資は創業後に数年間で金融機関へ返済します。そのため、融資担当者は今後の事業の見通しに対する経営者の考え方を注視しています。このときの見通しとは、「事業が順調である場合」と「事業がうまくいかなかった場合」に大別できます。

そのため、創業して2~3年後までの見通しについて金融機関へ回答できるようにする必要があります。

そこで、「事業が順調である場合」と「事業がうまくいかなかった場合」にケースに分けて回答するポイントを解説します。

・事業が順調である場合

面談で金融機関へ話す内容は、創業してから2~3年後の売上金額や獲得できる利益額など具体的な数字がメインとなります。このとき、これら金額の根拠もあわせて説明する必要があります。

例えば、創業後の和食レストランの業績が次の通りと仮定します。

  • 創業した年:売上金額1,000万円、利益額50万円
  • 2年目:売上金額1,500万円、利益額150万円
  • 3年目:売上金額2,000万円、利益額250万円

このとき、上記の数字を融資担当者へ話すだけでは不十分です。「店の周辺エリアで開発が進んでオフィスが増えているため、来店するサラリーマンの人数が増加する」など、売上金額が順調に伸びる根拠を合わせて説明しましょう。

それによって、上記の数字について金融機関を納得させることができます。

・事業がうまくいかなかった場合

面談で金融機関へ話す内容は、主に「事業計画書の通りに事業がうまくいなかったときの対処方法」についてです。融資担当者は必ずしも売上金額や利益額の獲得が順調に推移するとは思っていません。

しかし、そのようなときでも「融資先からは貸したお金を返済してほしい」と金融機関は考えています。

そのため、「事業がうまくいかなったとき、どのようにして売上金額や利益額を獲得するのか」という具体的な方法についての対策案を融資担当者へ回答できるようにする必要があります。

例えば、創作料理店で創業後に売上金額や利益額が思うように獲得できないと仮定します。そのとき、「もっとがんばります」など抽象的な対策では不十分です。

「周辺エリアの繁盛店へ足を運んで、接客方法を学ぶ」「顧客のニーズを探るために、アンケートを実施する」など、具体的な対策案を金融機関へ話す必要があります。

経営者は現金預金を貯金するべき

金融機関は「創業するときの開業資金を賄うため、経営者は現金預金を貯金している」のが普通だと考えています。このような現金預金の貯金のことを自己資金といいます。

具体的には、銀行通帳へ記帳されている金額のことを指します。反対にタンス預金(自宅の金庫にあるお金など、銀行口座へ預け入れていない現金預金)は認められていません。

金融機関は経営者自身に対して、自己資金(=現金預金の貯金)を用意することを要求します。自己資金の額が経営者のやる気の目安となるためです。例えば、「自己資金の2倍までなどを創業融資の限度額とする」という金融機関は存在します。

つまり、銀行通帳に480万円が貯まっている経営者であれば、「自己資金480万円×2倍=960万円」が創業融資の限度額となります。

ここで、融資担当者が気になるところは、経営者自身の現金預金の貯め方です。例えば、経営者が毎月10万円ずつ貯金して、480万円まで現金預金を増やした仮定します。

これであれば、「現金預金480万円÷毎月の貯金額10万円=48ヶ月(4年間)」にわたって創業するために準備していたことが融資担当者に分かります。この場合、「経営者は4年前から計画的に創業準備をしている」と金融機関からプラスに評価されます。

このように、貯金の仕方により、金融機関は経営者のやる気の度合いを分析しています。

融資担当者と喧嘩をしない

創業融資では、販売実績のない創業する会社に融資します。そして、融資した金額を金融機関へ返済できる根拠となる資料が事業計画書です。当然、「この会社は本当に貸したお金を返済できるかどうか」について融資担当者は事業計画書を吟味します。

吟味する過程において、融資担当者が会社の事業計画書に対して厳しい指摘をしてくることが想定できます。

例えば、創業する手打ちうどん専門店が事業計画書に記載した1日平均の販売金額を「販売単価1,000円✕50人=販売金額5万円」と仮定します。

金融機関は立ち食いそば屋と比較しながら、「販売単価1,000円は高すぎるのでは」と事業計画書に対して疑問を呈する可能性はあり得ます。

この指摘に対して、経営者は感情的になって融資担当者と喧嘩すれば、創業融資を引き出すのに不利になってしまいます。創業融資を実施する公的な金融機関は日本政策金融公庫などに限定されているため、このチャンスを逃せば創業融資を引き出せなくなるためです。

要するに、ここで面談に失敗すると別の金融機関から創業融資を引き出すという選択肢がなくなるのです。

このような事態に陥らないためにも、金融機関からの厳しい指摘に対して経営者は冷静に対応する必要があります。

前述の手打ちうどん専門店の場合なら、「うどん屋で店長をした経験から、手打ちうどんなら販売単価1,000円でも顧客は来店してくれます」など、経営者は根拠を示す必要があります。

まとめ

創業融資を引き出すためには、事業計画書を練ることが大切です。そして、金融機関との面談により、融資担当者に説得し、「事業計画書の通りに事業遂行できること」を納得させることが面談のポイントになります。

そのため、事業計画書の内容と経営者が面談で話す内容に整合性をもたせたり、やる気を金融機関にアピールしたりする必要があります。

このように、事業計画書を練り、経営者が面談で金融機関へ信憑性をアピールすることによって、はじめて創業融資を引き出すことに成功できます。


年間350万円以上を節税

「優秀な税理士」の判断は一つだけです。それは、「どれだけ節税のノウハウがあり、節税方法を教えてくれるか」です。

ただ多くの税理士の場合、記帳などの事務作業は得意であるものの、節税について積極的に教えてくれることはありません。あるとしても、保険商品の活用を勧められるくらいです。そのため、何も対策を講じなければ会社経営者や相続額が多い人は無駄に税金を支払うことになります。

ただ、私は優秀な税理士に乗り換えたことで「家賃の個人負担が家賃総額のわずか6%」「出張に行くたびに30万円以上の非課税の現金を手にできる」「社会保険料を年間130万円削除」など、何も対策を講じなかったときに比べて一瞬で年間350万円以上も節税できています。

現在では、海外口座の活用や再保険(キャプティブ)の利用など、あらゆる節税策によって年間にして何千万円もの節税をしています。

高額な財産を相続する人や会社経営者は節税に精通した税理士が必須です。そこで、実際に節税に強い税理士(=当サイトの運営会社がお世話になっている税理士)を紹介します。税理士を変え、節税コンサルを受けるだけで、あなたの会社の財務状況は一変するようになります。

節税コンサルの応募ページへ


Twitterでビジネス情報を確認