会社の資金繰りを行っていく上で「損益分岐点」を把握しておくことは重要です。損益分岐点とは、売上高を増減させた場合に、損失と利益が分岐する点であり、会社の損益が「プラスマイナスゼロ」の状態を指します。

つまり、損益分岐点となる売上高を超えれば、その分だけ会社の利益となるのです。そのため、損益分岐点を把握して実際の売上高と比較することで、会社の収益性や安全性を確認することができます。

そこで今回は、「資金繰りに欠かせない損益分岐点の求め方」について解説します。

損益分岐点とは

損益分岐点とは、会社の損益がトントンである状態をいいます。つまり、「売上高 = 費用(固定費 + 変動費)」ということです。

そしてこの式は「売上高 - 変動費 = 固定費」と変換できます。売上高から変動費を引いた値は、会社が固定費を吸収できる力である「限界利益」と呼ばれます。そのため損益分岐点は、「限界利益と固定費がイコールの状態」ということもできるのです。

例えば、以下のような会社があったとします。

売上数量

(個)

売上高

(万円)

変動費

(万円)

限界利益

(万円)

固定費

(万円)

利益

(万円)

100 100 50 50 75 -25
150 150 75 75 75 0
200 200 100 100 75 25

ここでは、一商品しか扱っておらず、商品の売価が10,000円、単位変動費を5,000円、固定費を75万円と仮定します。

こうした場合、売上高が100万円のときには、限界利益(50万円) < 固定費(75万円)となるため、会社の損益はマイナスになります。ただ、売上高が150万円に増えると、限界利益(75万円) = 固定費(75万円)となり損益はプラスマイナスゼロです。

そのためこの会社では、150万円が損益分岐点の売上高であるといえます。つまり、150万円以上売り上げた場合には、その分だけ会社の利益は増えていくということです。

このように、会社の損益がプラスマイナスゼロになる状態を損益分岐点といいます。

損益分岐点が大切な理由

それでは、なぜ会社を経営していく上で損益分岐点を把握しておかなければいけないのでしょうか。ここからは、損益分岐点を把握しておく必要性について記します。

会社の規模が大きくなると、それに伴って固定費が増加していくのが一般的です。

例えば、規模拡大に伴う設備投資や人員増加などを実施すれば、その分だけ設備投資にかかった減価償却費や人件費などが固定費として必要になります。

そうなると、固定費が増えるということは、損益分岐点は高くなるということです。

先ほどの例で、規模拡大によって固定費が75万円から100万円になったとします。そうした場合には、損益分岐点の売上高も150万円から200万円に上がってしまうのです。つまり、規模を拡大して固定費が増えるときには、これまで以上に売上高を上げないと会社の利益は減ってしまいます。

損益分岐点を把握せずに「これまで順調だったから大丈夫」と考えて経営していると「いつの間にか固定費の増加によって資金繰りが苦しくなっている」ということになりかねないのです。

こうした事態を防ぐためにも、損益分岐点を意識した経営管理が重要になります。

損益分岐点は幅を持って考える

基本的に損益分岐点は、固定費や変動費率(単位変動費)を一定のものとして考えます。変動費率とは、単位変動費を売値で割った値です。先ほどの例のように売価が10,000円、単位変動費が5,000円であれば「5,000円(単位変動費) ÷ 10,000(売価) = 0.5(50パーセント)」となります。

ただ、実際に経営しているとわかると思いますが、固定費や変動費率は多少なりと変動するのが普通です。

例えば、固定費である水道光熱費は当然ながら毎月違いますし、テナントを借りている場合、テナント代が上がることもあります。また、商品の原材料費が変われば、単位変動費も変動するため変動費率も変化します。

このように、経営している中で固定費や変動費率は変化するのが普通です。そのため、損益分岐点に関しても幅をもって考えることが重要になります。

具体的には「最も良いとき」と「最も悪いとき」を算出して考えると良いでしょう。例えば、以下のように2つのケースにおける損益分岐点を考えます。

最も悪いとき 最も良いとき
売上高 2000万円 2000万円
変動費

(変動費率の百分率)

1500万円

(75パーセント)

1300万円

(65パーセント)

限界利益

(限界利益率の百分率)

500万円

(25パーセント)

700万円

(35パーセント)

固定費 600万円 500万円
利益 -100万円 200万円

*限界利益率 = 1 - 変動費率

このように、固定費や変動費が変化すると、同じように売上高が2000万円であっても、損益には大きな違いが生じます。そうなると、当然ながら損益分岐点も変わります。

そのため、損益分岐点は「固定費と変動費率は変動するもの」として考える必要があるのです。

損益分岐点の求め方

それでは、ここからは実際に損益分岐点の求め方について解説していきます。

損益分岐点を算出する公式

損益分岐点は「損益分岐点の公式」を使うことで簡単に求めることができます。具体的には、以下のような式になります。

損益分岐点 = 固定費 / 限界利益率

これは、損益分岐点が「売上高 - 費用 = 0」の状態であるということから、この式を以下のように変換することで導き出されたものです。

売上高 - 費用 = 0

*費用 = 変動費 + 固定費

損益分岐点(売上高) = 固定費 ÷ (1 - 変動費 / 売上高)

*変動費 / 売上高 = 変動費率

損益分岐点(売上高)= 固定費 / (1 - 変動費率)

*1 - 変動費率 = 限界利益率

損益分岐点(売上高) = 固定費 / 限界利益率

このように、損益分岐点である売上高は、固定費と限界利益率から算出することができます。

損益分岐点売上高を算出する

それでは、実際に先ほどの例で損益分岐点売上高を算出します。

最も悪いとき 最も良いとき
売上高 2000万円 2000万円
変動費

(変動費率の百分率)

1500万円

(75パーセント)

1300万円

(65パーセント)

限界利益

(限界利益率の百分率)

500万円

(25パーセント)

700万円

(35パーセント)

固定費 600万円 500万円
利益 -100万円 200万円

最も悪いときの損益分岐売上高 = 600万円(固定費) / 0.25(限界利益率)= 2400万円

最も良いときの損益分岐売上高 = 500万円(固定費) / 0.35(限界利益率) = 1428万円

つまり、最も悪いときは2400万円以上の売上高を上げなければ会社の損益はマイナスになるのに対して、最も良いときは1428万円以上でプラスになるのです。

このように、損益分岐売上高を実際に算出してみると「損益分岐点は幅を持って考えなければいけない」ということが実感できるはずです。

損益分岐点から販売量を算出する公式

損益分岐点の売上高を算出した後は、損益分岐点の販売量を求める必要があります。損益分岐点の販売量とは、「その数以上販売しなければ儲けが出ない」という数値になります。実際の現場においては、売上高よりも販売数で目標を立てた方がわかりやすいのです。

そして、損益分岐点の販売量は、以下の式から算出できます。

損益分岐点販売量 = 固定費 / (売価 - 変動費 / 販売数量)

さらに「売価 - 変動費 / 販売数量 = 単位限界利益」となるため、以下のように変換できます。

損益分岐点販売量 = 固定費 / 単位限界利益

損益分岐点販売量を算出する

それでは、先ほど例で売価を500円と仮定して損益分岐点販売量を算出します。

最も悪いとき 最も良いとき
売上高 2000万円 2000万円
変動費

(変動費率の百分率)

1500万円

(75パーセント)

1300万円

(65パーセント)

限界利益

(限界利益率の百分率)

500万円

(25パーセント)

700万円

(35パーセント)

固定費 600万円 500万円
利益 -100万円 200万円

*単位限界利益 = 売価 × 限界利益率
最も悪いときの損益分岐点販売量 = 600万円(固定費) / 125円(単位限界利益) = 48,000個

最も良いときの損益分岐点販売量 = 500万円(固定費) / 175円(単位限界利益) = 28,571個

このように、損益分岐点販売量を算出することで、より具体的な販売数で目標を立てることができるようになるのです。

今回述べたように、会社を経営していく上で、損益分岐点について理解しておくことは重要です。損益分岐点を把握しておくことで、固定費の増加による急な資金繰りの悪化を防ぐことができるようになります。

また、損益分岐点である売上高や販売数量は、公式に当てはめることで簡単に算出できます。以上に記した公式を活用して、会社の損益分岐点を算出してみてください。きっとこれまでよりも明確な経営管理をできるようになるはずです。


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