海外法人で節税をするためには、その国のビザを取得しなければいけません。また、日本の非居住者にならなければ節税が不可能なのは当然として、好きに節税対象の国に住めるわけではないため、住んでも問題ないという許可をもらう必要があります。

そうした許可がビザですが、タックスヘイブン(オフショア)で知られるラブアン法人を設立する場合、就労ビザを取得することができます。

そうしたとき、実際にラブアン法人で就労ビザを取得するときはどのような手続きになるのでしょうか。またマレーシアのビザとしてはMM2Hビザが有名ですが、ラブアン法人の就労ビザとはどのような違いがあるのでしょうか。

これらを理解したうえでビザ取得をすれば、節税のためにラブアン法人を立ち上げるにしてもスムーズです。そこで、ラブアン法人での就労ビザがどのようになっているのか解説していきます。

家族帯同OKの就労ビザを出せるラブアン法人

ビザにはさまざまな種類があります。その中でも、ラブアン法人を設立して獲得できるビザは就労ビザに属することになります。

就労ビザというと、社員として雇われている人が取得するように思ってしまいます。ただ代表取締役についても就労ビザを活用すると考えましょう。

ラブアン法人を設立すれば、あなたはその会社の役員として働くことになります。そこでマレーシアに滞在できるように、ラブアン法人からあなたに対して就労ビザを発行するというわけです。また、このときは家族帯同できるため、家族分のビザも申請できるようになっています。

私についても家族で移住したため、ラブアン法人を設立したときは私を含めて家族3人について戸籍謄本を翻訳し、申請を出すことになりました。参考までに、以下は実際に提出した戸籍謄本(翻訳バージョン)になります。

こうした書類を提出することで、家族全員分のビザ取得が可能というわけです。

MM2Hと違い2年更新であり、納税者番号が付与される

なおマレーシアで非常に有名なビザとしては、MM2Hビザが知られています。リタイアメントビザであり、10年の一度の更新となるビザです。

ただラブアン法人の就労ビザとMM2Hはかなり性質が異なります。MM2Hビザとは、要は「お金さえ積めば誰でもマレーシアへ移住し、住める権利を持つビザ」と考えれば問題ありません。マレーシア国内での就労はできませんが、移住して自由に住めるようになるのです。

リタイアメントビザではありますが、若い人でも問題なく取得できるため、MM2Hビザを個人的に取得している人はそれなりにたくさんいます。

一方でラブアン法人の就労ビザは2年に一度の更新になります。ただMM2Hビザのように簡単に更新できるわけではなく、初回ほどではないにしても、ビザ更新時もきちんと審査されると考えましょう。

また、MM2Hビザだと納税者番号が付与されませんが、ラブアン法人の就労ビザは納税者番号が付与されます。ラブアン法人ではマレーシアにて法人税や所得税を支払うことになるので当然ではありますが、こうした納税者番号が存在すると考えましょう。

納税者番号がある利点としては、マレーシア国内にて納税していることが明確になることにあげられます。これにより、日本の非居住者であることが明確になることで日本国内での納税義務はなくなります。

MM2Hビザを保有した状態で日本で収益を得ている場合、マレーシアに住んでいたとしても「どこにも税金を納めていない状態」となります。そうなると、税務署から指摘される危険性が高いわけです。

・ラブアン法人だとマレーシア国内にて就労はできない

なおMM2Hビザとラブアン法人の就労ビザに共通することとして、どちらもマレーシア国内で勤務できないことがあげられます。

ラブアン法人はマレーシアの個人・法人と取引できないことで広く知られています。そうしたとき、ラブアン法人の就労ビザは「ラブアン法人で働くためのもの」であり、マレーシア国内の企業での勤務は無理だと理解しましょう。

クアラルンプールやジョホールバルに住める就労ビザ

ちなみにラブアン法人の就労ビザの大きな特徴として、ラブアン島以外であっても問題なく住めることがあげられます。

通常、ビザを出してくれた場所のみに居住するのが基本です。例えば香港やシンガポールでは、対象の国に住むことになります。ただマレーシアの場合、ラブアン島以外にも居住できる世界的にも珍しいビザとなっており、これによってクアラルンプールやジョホールバルなどマレーシア国内の都市に居住できるというわけです。

実際のところ、ラブアン島は圧倒的な田舎です。参考までに、以下は実際のラブアン島の様子です。

市街地の様子ですが、街の中心部でもこうした様子です。そのためラブアン島に日本人が住むのは無理なケースが大多数です。そこで、クアラルンプールやジョホールバルに住むというわけです。

事前に就労ビザ取得に必要な書類を集める

そうしたとき、ビザ申請に必要な書類を集めるようにしましょう。「ラブアン法人を立ち上げるが、実際に住むのはマレーシア以外の国」という特殊な人を除き、全員がマレーシア国内に住むための就労ビザを申請することになります。

このとき、以下のような書類の提出を求められます(そのときによって必要書類が変更になることはあります)。

  • 履歴書(英文)
  • パスポートのコピー:コピー認証が必要
  • 最終学歴の卒業証明書(英文)
  • あれば保有資格の証明書(英文)
  • ラブアン法人でのビジネスプラン(英文)
  • 戸籍謄本:家族で移住する場合
  • 証明写真(パスポートサイズ)

このように、意外と就労ビザ申請での提出書類が多いことに気が付きます。どの国でもビザ申請はかなり厳重ですが、これは「ダメな外国人や犯罪者を自国内に入れたくない」からです。これはある意味、当然だといえます。変な人を国内に住まわせたくないのはすべての国で同様だといえます。

そこで、これらの書類を事前に集めるようにしましょう。基本的にどれも英語書類になりますが、英文にて取り寄せるといいです。例えば、以下は私がラブアン法人で就労ビザ申請をするために取り寄せた最終学歴の書類になります。

このように英文での証明書を取り寄せたわけですが、いずれにしてもこうした必要書類を集める必要があります。

ラブアン法人を設立すること自体は非常に簡単です。ただ難しいのが「就労ビザの申請」であり、ラブアン法人設立のエージェントのもとでビザ申請に通るように書類を作るといいです。

1.5~2ヵ月ほどかかる就労ビザの許可申請

ちなみにラブアン法人については2週間ほどで問題なく設立できます。このとき、特にトラブルを生じることはありません。

ただ就労ビザの審査はかなり慎重に行われるようになります。また、その分だけ時間がかかります。一般的には、就労ビザ申請では審査が下りるまでに1.5~2ヵ月ほどの時間が必要になると理解しましょう。

必要書類を集める時間を考えると、ラブアン法人にてすべての準備が完了するためには、早くても3ヵ月ほどの時間が必要になります。これだけの時間がかかる主な原因は就労ビザにあります。

ビザ認可後、本格的にマレーシア移住を行う

こうして就労ビザの許可が下りたら、ようやく本格的にマレーシア移住となります。ザックリとした流れは以下のようになります。

  1. ラブアン法人を作る(設立後、クアラルンプールへ渡航して法人口座を開設する)
  2. 就労ビザの申請を行う
  3. ビザの許可が下りたらマレーシア移住

つまり、マレーシア移住のタイミングは就労ビザの許可が下りたタイミングになると考えましょう。ビザの許可が下りる前に移住するのは無理なので、「ビザを取得して正式にマレーシアに住んでも問題ない」とマレーシア政府からお墨付きをもらわなければいけません。

ビザ取得者全員でラブアン島へ行き、2日がかりでビザを取る

そこでクアラルンプールへ渡航し、ラブアン島へ出向くようにしましょう。片道航空券にて、「マレーシアへの移住&ビザ取得のための渡航」をするのです。

参考までに私の家族の場合、就労ビザの許可が下りた後に日本国内の家の中にある大型家具をすべて捨て、スーツケース3つだけ持ってマレーシアへ渡航することにしました。クアラルンプールへ到着後、そのままラブアン島へ家族全員で行くことになったわけです。

就労ビザの取得では、家族全員(ビザを取得したい人全員)が出向く必要があります。その人の顔をその場で確認されるわけです。参考までに、以下がラブアン島でのイミグレーションです。

こうした場所で手続きを行い、ラブアン法人の就労ビザを取得するための手続きをすることになると考えましょう。

なお、手続きの方法はその年によって変わりますが、私が最初に就労ビザを取得したときは「必ずラブアン島で一泊しなければいけない」という状況でした。要は初日に申請し、次の日にビザを受け取るというわけです。

ただ謎だったのは、「火曜から木曜しかイミグレーションが開いていない」というルールでした。つまり1週間のうちチャンスが3日しかなく、そのうち2日を消費して申請するという意味不明なマレーシアルールに従う必要がありました。

手続きは秘書会社の人が代行してくれる

ちなみにラブアン法人では必ず秘書会社を雇わなければいけません。そうしたとき、すべてのビザ取得の手続きは秘書会社が代行してくれると考えるようにしましょう。

事前に「この住所まで来てくれ」といわれるため、当日に秘書会社のオフィスを訪ねることで、あとは秘書会社の人がすべての作業を代行してくれるというわけです。そのため私の場合、家族で出向いて秘書会社のお姉さんにいわれるがまま、書類へサインすることになりました。

こうして手続きを進めていき、2日目の朝に就労ビザを受け取ることになります。就労ビザとはいっても、パスポートにビザを貼り付けられるだけになりますが、そうして問題なくマレーシアへ滞在できるようになります。

参考までに、以下が私のラブアン法人にて取得した就労ビザとなります。

これにより、マレーシアにて正式に長期滞在できるようになります。また「就労ビザの発行=納税者番号の付与」になるため、日本での高額な納税義務からも解放されます。ラブアン法人では家族分の就労ビザの発行まで終えることで、すべての作業が完了すると考えましょう。

就労ビザを取得するため、ラブアン島で手続きする

オフショア法人の中でも、圧倒的に低い税率を実現できるのがラブアン法人です。このとき発行される就労ビザは家族帯同が可能であり、家族全員にてマレーシア移住できると考えましょう。

またMM2Hビザとはまったく性質が異なり、ラブアン法人にて会社を作るので納税者番号が付与されます。節税という観点では、納税者番号があるかどうかは非常に重要です。MM2Hビザだけ取得し、どこにも税金を納めていない状態で日本国内にて収益を出していると、税務署に指摘される可能性があることは理解しましょう。

ただ就労ビザの審査はそれなりに厳正して実施されます。そのため事前資料の用意を含め、エージェント会社を活用しながら準備するようにしましょう。

なお審査が下りた後の手続きについては、秘書会社がすべて段取りをしてくれるので簡単です。日程調整はありますし、わざわざ家族全員でクアラルンプールからラブアン島まで行く必要があるので面倒ですが、こうした手続きの流れを事前に理解しておきましょう。

年間350万円以上を節税

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