ビジネスをしている場合、すべての経営者はあらゆる場面でビジネス上のリスクを負わなければいけません。そうしたとき、事故によって急に高額な損害賠償を負うことになるケースがあります。

その一つがアレルギー事故です。特に飲食物で頻発しますが、食事を提供することによってお客さんにアレルギー反応が表れてしまい、そのまま入院するケースはよくあります。場合によっては、死亡することもあります。

そこで賠償責任保険を利用しなければいけません。その中でも、アレルギー事故に対応できる損害保険として生産物賠償責任保険(PL保険)が知られています。

ただ、どのようにPL保険を利用してアレルギーに対処すればいいのか理解している人は少ないです。そこで、生産物賠償責任保険を用いたアレルギー事故へのリスク補償を解説していきます。

アレルギーが原因での高額賠償は普通

ビジネスでは思わぬトラブルに巻き込まれることがよくあります。その一つがアレルギー事故であり、特に飲食物を提供する場合は注意が必須です。

これが食品加工やジュエリー、化粧品などであれば特に問題になることはありません。これらは成分表示が記載されているのが当然であり、どのようなアレルギー成分が含まれているのか事前に記す必要があります。

こうした表記をしている以上、たとえアレルギー反応が起こったとしても「お客さん側の不注意」といえます。ただ中には、そうした表示なしに飲食物を提供する形態のビジネスもあります。

  • 飲食店・レストラン
  • 学校(給食や食堂など)
  • 病院

例えば、これらが該当します。もちろんこれらのビジネスでも飲食物を提供するときは細心の注意を払います。ただそれでも、以下のように救急搬送されるケースは多いです。

このようなアレルギー反応が起こり、アナフィラキシーショックなどによって救急搬送されると、飲食物を提供した法人が賠償責任を負わなければいけない可能性が高いです。「事前にアレルギー成分が含まれていることを通知していなかった」などの理由によって、慰謝料の支払いが必要になるのです。

飲食物の提供で最も注意が必要なのは食中毒ですが、同様にアレルギーによる事故も多いことを認識しましょう。

特に子供相手ではアレルギー事故が多い

なお、こうしたアレルギー事故は特に子供で発生しやすいです。大人でもアナフィラキシーなどのアレルギー症状は起こりますが、子供は特に起こりやすいです。

また例えば学校であれば、子供は提供される食事をそのまま食べるのが一般的です。大人のように「〇〇の成分は入っていないですよね?」と毎回聞くことはありません。この場合、子供のアレルギー状況を把握していなかった学校法人側に責任があるといえます。

飲食店であっても、隠し味として「アレルギー成分が含まれている食材」を利用することがあるかもしれません。その場合、事前に通告せずに食事を提供してアナフィラキシー症状が発生した場合、やはり店側に責任が発生します。

こうした実情があるため、すべての飲食店や学校、病院を含めて「利用者に食事を提供したとき、アレルギー反応に対する補償」を加える必要があります。

すべての責任は法人が負う

なお、飲食ビジネスをするとき実際に飲食物を作ったり、提供したりするのは社員やアルバイトです。

そうなると、お客さんに対してアレルギーがあるかどうか事前に聞く役割は社員にあります。ただ、働いている人の不注意によってお客さんに不具合が起こったとき、賠償責任を負わなければいけないのは法人側になります。

会社で働いている人がいるからこそ、法人は利益を作ることができます。つまり法人には従業員やアルバイトの使用者責任があり、監督しなければいけません。

当然、社員が起こした事故は監督者の責任です。ただ従業員がお客さん一人ずつアレルギーについて確認するなど、事故が起こらないように対応するのは現実的に不可能です。そこで、損害保険への加入が必要になるというわけです。

生産物賠償責任保険・PL保険で事故が補償される

そうしたとき、提供した食事によるアレルギー事故について、補償してくれる損害保険が生産物賠償責任保険(PL保険)です。PL保険は商品提供後のお客さんの不具合について全般的に補償されますが、この中にはアレルギーによる事故も含まれます。

提供した食事によってお客さんの健康状態が悪化した場合、どうしても賠償責任の問題が発生してしまいます。そのため、食品提供に関わるビジネスをしている人は全員がPL保険に加入するべきです。

なお生産物賠償責任保険では、一般的に弁護士特約も含まれます。事前の確認は必要ですが、弁護士特約が入っている場合、損害賠償や慰謝料、和解金、治療費などの支出だけでなく、弁護士費用についても補償してもらえます。

※弁護士特約がオプションになっている損害保険の場合、必ず加えるようにしましょう。

またアナフィラキシーによる急な症状悪化の場合、その場で緊急措置を取らなければいけません。こうした急な支出が発生した場合、あなた側の賠償責任に関係なくお金を補助してくれる仕組みがPL保険にあります。PL保険では、賠償責任を負わなくても保険金を利用できる場面がいくつもあります。

・その他の賠償責任もカバーできる

なお、PL保険は飲食店・レストランや学校など飲食物提供に関わるあらゆる施設で必須になりますが、これにはアナフィラキシーによる症状悪化だけでなく、「食中毒の発生、異物混入の疑いなどにも対応している」という理由があります。

何か消費者に提供したもので不具合が起こった場合、あらゆる事象で補償されるのが生産物賠償責任保険です。

見舞金の特約を付ければ自主的なお金の出費を補償される

ただ場合によっては、訴訟まで発展しないケースもよくあります。この場合、オプションでの特約を利用できます。

飲食店などで提供するすべての食事メニューにアレルギー表示をしていればいいですが、実際のところそうではないケースがほとんどです。そうなると、完全なるお客さんの不注意というわけではなく、店側にも責任があるといえます。そのため弁護士を雇って争うまでいかないにしても、店側から入院などに対する見舞金を送ることはよくあります。

通常、こうした自主的な見舞金の支払いは賠償責任保険の対象外です。ただPL保険では、見舞金に対する特約を付けることができます。

見舞金に対する特約については、必須ではありません。ただ、実際に事故が発生したときは補償されるため、事故があったお客さんに対して保険金から見舞金を出せるようになります。任意にはなりますが、見舞金への特約を付けたい場合は活用しましょう。

お客さんのアナフィラキシーへ損害保険で備える

ビジネスをしていると、驚くべきトラブルに巻き込まれるのは普通です。特に飲食店・レストランや学校など、食事を提供する施設では、お客さんの容態が食事後に悪化することがあります。

容体悪化の原因はさまざまですが、その理由の一つがアレルギー症状です。アナフィラキシーによるショック症状が現れることで、緊急搬送されることもあります。

すべての食事メニューについて食品表示されているわけではありません。誤ってお客さんがアレルギー物質を体の中に入れてしまうことはよくあります。その結果として健康被害が表れますが、場合によっては法人側が責任を取らなければいけない場合があります。

そこで、生産物賠償責任保険(PL保険)を利用しましょう。特約があれば弁護士費用も含めて補償されますし、アレルギー以外の容体悪化にも適用されるので利便性の高い賠償責任保険です。こうした損害保険を利用することで、食事提供時のリスクを最小限に抑えるようにしましょう。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。