店舗運営やマンション経営など、不動産を利用することで利益を出している経営者は非常にたくさんいます。ただ、こうした経営では常に施設リスクが存在します。その中でも、わりと高頻度で事故が起こる設備としてエレベーターが知られています。

これまで、エレベーター(昇降機)が関わる事故によって、後遺症が残る(最悪の場合は死亡)などによって、高額賠償となった例はたくさんあります。

そうしたとき、エレベーター事故に備えられる損害保険として施設賠償責任保険があります。この損害保険にさえ加入していれば、エレベーターが関わるあらゆる事故に対応できます。

そこでどのように考えて、施設賠償責任保険を利用することでエレベーターの事故に備えればいいのかについて、損害保険の中身を確認しながら解説していきます。

エレベーターが関わる事故はたくさんある

商業施設やビル、マンションを含めて非常に多くの不動産にエレベーターが設置されています。こうしたエレベーターは使用頻度が高く、人の出入りがある場合は常に稼働しているのが特徴です。

このとき、特にけが人が出ない場合であれば問題ないですが、実際のところ急な停止などによって負傷者が出てしまうケースはそれなりに発生しています。最悪の場合だと、死亡事故に発展してしまった例もあります。

例えば、以下のようなニュースは特に珍しくありません。

この場合は業務用エレベーターでの事故ですが、こうした事故はビル・マンションなどあらゆる不動産で発生する可能性があります。

エレベーター設備が正しく稼働していれば、エレベーターによって人がケガをすることはありません。ただ不具合があると、こうした事故に発展してしまいます。

メーカーだけでなく、施設側も慰謝料の支払い命令

これらの事故が起こって賠償責任を負うと、慰謝料や和解金などの支払いによって高額なお金を払わなければいけません。

ただこのとき、人によっては「エレベーターを製造したメーカー側に責任が生まれることはあっても、エレベーターを設置している不動産保有者側は特に関係ないのでは」と思うかもしれません。

確かに、エレベーター事故ではメーカーが必ず責任を負うことになります。過去の事例でも、事故を起こしたエレベーターを製造したメーカーは責任を追及されています。また、それと同時にエレベーターを設置している不動産保有者側にも慰謝料支払いの判決を下されている事例があります。

例えば以下は、ホテルに設置されていたエレベーターが急停止したことでケガをした事故に関するニュースです。

この事故では、女性がヘルニアを悪化させたとして訴訟になりました。ヘルニアなので、実際のところ既に腰痛もちであったことは容易に想像できますが、エレベーターによる急停止が原因として訴えられたわけです。

ただ、こうした内容であってもエレベーターを製造したメーカーだけでなく、ホテル側についても裁判所から賠償命令が出されています。ここから、不動産を設置している側の法人についてもエレベーター事故について責任を負わなければいけないと分かります。

施設賠償責任保険への加入で補償できる

そうしたとき、どのような損害保険であればエレベーター事故に対する補償を得られるのかというと、前述の通り施設賠償責任保険になります。賠償責任保険にはいくつか種類があり、その中でも施設賠償責任保険を利用するというわけです。

施設賠償責任保険では、施設が関わる事故について広く補償してくれます。エレベーターは施設の一部と考えるため、施設賠償責任保険に加入していれば、自動的にエレベーターでのトラブルがカバーされるようになります。

・エレベーターに限らず広く補償される

もちろん、施設賠償責任保険はエレベーターに限りません。その他の施設や業務中の事故を広く補償してくれます。

  • 建物の看板が落ち、歩行者がケガをした
  • 誤ってコーヒーをこぼし、お客さんの服を汚した
  • 爆発事故が起こり、周辺住民に迷惑をかけた

これら建物に起因する事故であったり、業務中のトラブルだったりする場合に施設賠償責任保険が適用されます。店舗やマンション、工場・倉庫など不動産を利用してビジネスをする場合、すべての人が加入するべき損害保険が施設賠償責任保険であり、多くの賠償をカバーできるようになっています。

昇降機賠償責任保険は施設賠償責任保険に含まれる

なおエレベーターに関わる事故を補償する損害保険として、昇降機賠償責任保険という名前で出されていることもあります。

出典:損保ジャパン

ただほとんどの場合、昇降機賠償責任保険は施設賠償責任保険と一緒になっています。先ほどのパンフレットについても、昇降機賠償責任保険という名前と同時に、施設所有管理者賠償責任保険という商品名が存在します。

施設所有管理者賠償責任保険というのは、要は施設賠償責任保険のことです。ここまで説明した通り、施設賠償責任保険に加入すれば自動的にエレベーターが補償対象になります。そのため昇降機賠償責任保険は特に考える必要がなく、施設賠償責任保険を利用しましょう。

・メーカーの場合は生産物賠償責任保険(PL保険)になる

参考までに、商品製造する立場のメーカーについては、施設賠償責任保険ではありません。施設賠償責任保険というのは、対象の不動産(エレベーターが設置されてある建物)が原因で事故が起こったときに補償される損害保険です。

一方でメーカーとしては、出荷した商品についてエレベーター事故に備えなければいけません。この場合は製造物責任法(PL法)が重要であり、出荷後の製品による不具合を補償する損害保険として生産物賠償責任保険(PL保険)があります。

不動産保有者は施設賠償責任保険ですが、メーカーはPL保険となります。製造したメーカー側と不動産の保有者では、同じ賠償責任保険ではあるものの、エレベーター事故への備えで加入しなければいけない損害保険が異なります。

最適な保守管理で事故が起こらないのは最も良い

なおこのように損害保険に加入することでエレベーター事故に備えるのは当然としても、最適な保守管理によって「そもそも事故が起こらない」ようにすることが最も重要です。

もちろん不動産を賃貸したり保有したりしてエレベーターを設置している場合、定期的な点検を依頼していると思います。こうした保守管理を続けることによって、事故がそもそも起こらないように調整しましょう。

ただこれらの保守点検を継続しており、特に異常がなかったにも関わらず、稀にエレベーター事故が発生してしまうことがあります。事実、発生したエレベーター事故の多くは、日常点検では異常なしでした。

そうした点検を定期的にしていたとしても事故が発生してしまいます。だからこそ損害保険への加入が必要というわけです。

エレベーター事故に施設賠償責任保険で備える

できる限りビジネスでのリスクを少なくしなければいけません。このとき店舗やマンション、ビル、工場など不動産を活用してビジネスをしており、エレベーターを設置しているケースは非常に多いです。

昇り降りで便利なエレベーターですが、場合によっては凶器に変わってしまうこともあります。急な不具合によって、エレベーターが原因によるケガをしてしまうことがあるのです。場合によっては、死亡事故に発展してしまうこともあります。

そうなるとメーカーだけでなく、不動産を利用してビジネスをしている法人についても賠償責任を負うリスクが高いです。そうした事態に備えて、施設賠償責任保険を利用しましょう。

エレベーターの保守点検については、すべての法人で実施していると思います。ただそれでも事故が起こることはあるため、突発的な慰謝料や和解金の支払いに備えるため、損害保険に加入するといいです。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。