会社組織や個人事業主として利益を出すためには、コスト削減を積極的に進めなければいけません。売上を出すにしても、経費額が多ければ利益を得られないのです。

このとき、経営を圧迫する高額な経費の一つが電気代です。そうしたとき、電気代の計算方法はどのようになっているのでしょうか。また、基本料金はどう違うのでしょうか。1kWhごとの料金はどうなっているのでしょうか。

これについては、事業所によって大きく異なります。高圧や低圧で違いますし、契約会社によっても電気代は大幅に変わります。

そこで、どのように考えて電気代を計算すればいいのか、また高い電気代をどう節約すればいいのか解説していきます。

法人契約の電気代の基本料金と計算方法

水道光熱費の中では、どうしても高額になりやすいのが電気代です。このとき法人や個人事業主の電気代について、どのように計算すればいいのでしょうか。

家庭用でも業務用でも、電力料金の基本的な計算方法は同じです。そのため、電気代の計算方法のザックリとした概念は変わらないと考えましょう。

電気代は必ず以下の3つによって決定されます。

  • 基本料金
  • 電力量料金:1kwhの単価×使用電力量
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金

つまり、電気代は「基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金」で決まります。このうち、重要なのは基本料金と電力量料金です。

基本料金については、電気を利用してもしなかったとしても費用は固定です。そのため基本料金が高ければ、電気代は高くなります。また使用電力量が多ければそれに応じて値段が大きくなるものの、これには1kwhの単価が大きく左右しています。

個人と法人の違いには高圧・低圧がある

そうしたとき、個人ではどの一般家庭でも低圧電力を利用します。一般家庭には、電線を通って電気が送られます。このときの電気は変圧器を通っており、100Vや200Vほどの電圧になっているため、電気をそのまま利用できるようになっています。

もちろん一般住宅に限らず、飲食店や美容院、小型店舗なども低圧での法人契約(または個人事業主での契約)になります。低圧電力の場合、個人も法人も違いはありません。

一方でビルや工場、病院など大きめの施設であると、より多くの電気を使用します。その場合、高圧電力になります。発電所から送られてくる電圧は6600Vほどになります。これが高圧電力です。

当然、この電圧の電気をそのまま利用することはできません。そこで、キュービクルと呼ばれる変電設備を設置する必要があります。以下はキュービクルであり、大型施設ではこの機械がどこかに設置されています。

個人と法人で異なるのは、「業務用の電気では高圧電力を利用していることがある」という事実です。

1kWhの単価が高いと電気代が高額になる

なぜ、低圧と高圧を見分けるのが電気代の計算で重要かというと、1kWh当たりの単価がまったく異なるからです。

高圧電力というと、値段が高いように思ってしまいます。ただ、低圧電力のほうが電気の単価は高いです。電線を通すとき、変圧器を通さなければいけないため、手間がかかる分だけ低圧では値段が高くなっているのです。

地域や契約会社によって電気代の単価は異なりますが、一般的に低圧と高圧では1kWhあたり以下の金額だといわれています。

  • 低圧:1kWhあたり25~35円
  • 高圧:1kWhあたり11~17円

そのため低圧と高圧を比較したとき、高圧のほうが1kWhあたり10~15円ほど電力料金が安くなります。そのため単価当たりの電気代を計算する場合だと、業務用の高圧電力のほうが安いです。

・キュービクルの維持費や購入費を考慮する

なお、法人や個人事業主などビジネスをしている人であれば、高圧電力に変えることができます。例えばマンションを保有している人であれば、高圧に変えることで大幅な電気代の節約になります。

ただキュービクルは定期的なメンテナンスが必要になるなど、維持費がかかります。また設置するためには200万円以上の費用が必要です。規模の大きい施設だと、より高額な金額になります。そのため電気代だけを考えるのではなく、これらの初期投資や維持費を含めて考慮しなければいけません。

電気代は変わる?平均金額の推移

なお、これらの要因だけでなく、他にも電気代が変わる要素があります。それが「その年の電気代」です。電気代は常に一定というわけではなく、年によって変化すると考えましょう。

燃料価格など、電気代はさまざまな要因によって変化します。例えば、以下は経済産業省が掲載している「電気料金平均単価の推移」です。

出典:経済産業省・資源エネルギー庁

「家庭向け」が低圧の平均価格であり、「産業向け」が高圧の平均価格です。いずれにしても、その年によって値段が大きく変動していることが分かります。

1kWhあたりの単価が5円違えば、電気代はまったく違ってきます。そのため、実際のところ年によって電気代は大きく変わってくることを理解しましょう。

電気代は競争入札でコスト削減すると大幅に下がる

このように電気料金の計算方法や低圧・高圧の違い、単価の平均価格などについて確認してきました。それでは、これらの電気代を大幅に削減する方法はないのでしょうか。

これについては、リスクなしでいますぐコスト削減可能な方法があります。それが競争入札です。よくある一括見積もりではなく、「50社以上の電力会社から一気に入札させ、比較検討した後に最も安い業者と契約する」という方法です。

電気代削減の優れている点としては、電力会社の切り替えをするときのデメリットがほぼないことが挙げられます。電気は電線を通っているため、どの電力会社で契約したとしても品質に違いはありません。変わるのは値段だけです。

競争入札について専門のコスト削減会社に依頼する必要はありますが、ほぼデメリットなしにて電気料金を下げられるようになっています。

基本料金と1kWhの単価が変わる

なお、このとき変化するのは基本料金と1kWhあたりの単価です。法人や個人事業主が契約している電力会社を見直すことで、これらの基本料金や平均単価が下がるのです。

例えば、以下は「オフィスビル一棟(地上5階、地下1階)の電気代削減の依頼に対する最終見積書」です。

年間の電気代は1629万5172円です。このうち、電気代を見直すことによって基本料金が年間で約半分になっています。また1kWhあたりの単価も「夏季:17.07円 → 16.07円」「その他の季節:15.94円 → 14.44円」へと下がっています。

これら全体を合計すると、電気代での年間コスト削減金額は248万9956円になります。全体の割引率は約15%であり、電気代の競争入札を実施するだけでこれだけの大幅な経費を削減できます。

もちろん、一店舗だけの個人事業主や経営者だと利用する電気代が少ないため、威力は少なくなります。一方でより大きな施設をもつ人だと、さらに高額なコスト削減が可能になります。電気代を計算するとはいっても、基本料金や単価は業者によってまったく異なることを理解しましょう。

電気料金は業者で異なる

法人や個人事業主で自らビジネスを展開している場合、一般家庭に比べて必然的に電気料金が高くなります。こうした高い電気代の分だけ経費が大きくなり、利益を圧迫します。

これら電気代は3つの要素から成り立っています。その中で重要なのが基本料金と電力量料金です。ただ、1kWhあたりの料金は低圧・高圧で違いますし、年によっても平均単価が変わります。さらには、契約している業者によって基本料金と単価がまったく違ってきます。

電気代が高い場合、無駄な経費を下げるために電気代の競争入札を実施しましょう。それだけで、圧倒的なコスト削減が可能になります。

売上を生み出す苦労に比べると、電気代のコスト削減はリスクなしにて実践できます。このとき、1~3ヵ月ほどで何百万円も削減できるのが普通です。一店舗の小さい事務所でも問題ないので、あなたがビジネスをしている場合は電気代の削減を考えるようにしましょう。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。