個人事業主や法人経営者など、店舗・事務所オフィスでビジネスをしている人は非常に多いです。賃貸オフィスであったり、自社保有の店舗であったり業態は異なりますが、いずれにしても自宅とは別にオフィスにて仕事をします。

そうしたとき、どうしても家庭の電気代に比べると電気料金が高くなります。これが複数拠点にてビジネスを展開している経営者の場合、より電気代は高額になります。

一般的に電気代削減をする場合、節電を考えます。電気使用量を減らすことによって、会社の経費を削減しようとするのです。この方法については、店舗や事務所オフィスだと効果的です。ただ法人や個人事業主の場合、さらに効果的な電気代削減の方法があります。

そこでビジネスをしている法人や個人事業主の経営者がどのようにして、店舗やオフィスの電気料金を下げればいいのか解説していきます。

店舗や事務所オフィスの電気代の内訳・目安を知る

工場や病院、ホテルなどを運営している人では、電気代の内訳は非常に複雑になります。一方で店舗や事務所オフィスとしてビジネスをしている場合、そこまで複雑な電気代の内訳にはなりません。

これら電気代の内訳をみると、主に以下のようになっています。

  • 空調(クーラーや暖房):約50%
  • 照明:約25%
  • OA機器:約15%

どのような店舗や事務所オフィスであっても、ほぼこのような内訳になっています。そのため、電気利用料を削減するためには、これらの電気代を抑えればいいことが分かります。

なお当然ながら、店舗やオフィスの電気代は部屋の大きさや社員の人数によって変わります。ザックリと以下のようになると考えましょう。

  • 10坪(社員5人ほど):月2万円
  • 30坪(社員15人ほど):月4万円
  • 50坪(社員30人ほど):月6~7万円

また業態によっても電気代は異なります。例えば美容室であれば、1店舗あたり月3~10万円です。飲食店であれば、1店舗あたり月5~20万円の電気代が一般的です。ただいずれにしても、電気代の内訳はほぼ同じだというわけです。

低圧での基本料金と使用料の2つを下げる

なお、これら店舗や事務所オフィスで電気契約する場合、ほぼ低圧での契約になります。ビルや工場など大量の電気を使う場合、高圧電力で契約することがあります。ただ一つの賃貸オフィスや自社店舗を保有する場合、一般家庭と同じ低圧での契約になると考えましょう。

低圧では、高圧電力に比べて電気を使用するときの単価が高いです。そのため、電気を消費するときの単価を抑えることは社内の電気代節約に効果的です。

ただ電気代では、電気の使用量だけでなく基本料金も重要です。電気を使っても使わなくても、発生する費用が基本料金です。節電するだけでは基本料金は下がらないため、どのようにすれば基本料金を下げられるのか理解しなければいけません。

いずれにしても、会社の電気代削減ではこうした節約の考え方があります。

店舗や事務所オフィスの電気代節約法

先ほど、店舗やオフィスで電気代が大きくなりやすい要因の内訳を紹介しました。そのため電気使用量を減らすことで節電するためには、これらの電気代を抑えればいいことが分かります。つまり、以下のようになります。

  • 空調を調節する
  • 照明を省エネ化する
  • OA機器を節電する

ただ実際には、実現不可能なこともあります。そこで、具体的な内容を確認していきます。

空調温度の調節は節電アイディアで最も効果的

先ほど示した通り、クーラーや暖房などの空調は店舗やオフィスで利用する電気代の半分ほどを占めます。社員数が少なかったり、お客さんの来店がほぼなかったりする場合、空調代はそこまで高くなりません。一方でお客さんの来店が前提の店舗や社員数が多い場合、いくつもの空調機器が必須です。

以下のように、大きな店舗や事務所であればいくつもの空調機器が天井に備え付けられています。

これらの空調を冷房時に1度上げる(暖房なら1度下げる)だけでも、空調の電気代を5~10%ほど下げられると一般的にいわれています。

半分の電気代のうち、5~10%が減るため、これだけでも月の電気代は大きく変わります。もちろん空調温度による快適性は社員満足度や顧客満足度に直結するため、空調ゼロにすることはできません。ただ空調温度を通常よりもゆるくするだけで、社内節税を推し進められるようになります。

照明のLED化は電力料金の低下につながる

同時に照明の適正化も行うようにしましょう。照明をLEDに転換することで、電気料金の大幅な低下を見込むことができます。

LED照明は非常に高額です。そのためすべての照明機器をLED化するとなると、かなりの出費になります。ただコストはかかりますが、全体の電気代はかなり安くなります。一般的には、LED化によって照明の電気代が約65%減るといわれています。

前述の通り、照明は電気代全体の約25%です。そのためLEDにすることで、全体の電気代を16%ほど削ることができます。

またLEDは寿命が長く、10年以上もちます。そのため値段は高いですが、その後の交換はほとんど発生しません。

OA機器の社内の電気代削減は無理

なお、OA機器についても店舗や事務所オフィスでは電気使用量が多いです。ただ店舗でOA機器の電気を削減することはできません。

店舗やオフィスでは、パソコンやプリンターなどが置かれていることはよくあります。ただ、これらのOA機器についてシャットダウンするわけにはいきません。また高価であるため、節電のためだけに省エネ対応機器に交換する経営者は存在しません。

また事務所には、OA機器は無数に存在します。それらすべての機器の省エネ化に対応するのは現実的ではありません。

「空調の温度を調節する」「照明をLED化する」などのように、OA機器の省エネ化は単純ではありません。そのため、OA機器の節電については無視するようにしましょう。

電力会社の見直しは効果的な経費削減法

それでは、これら電気の使用量そのものを減らす方法でしか電気代の削減はできないのでしょうか。これについて、他の方法によって大幅に電気代を減らす方法があります。それが利用する電力会社の見直しです。

あらゆる電気代削減の方法の中でも、電力会社の見直しは最も効果的です。電力会社を見直さない場合、いくら電気代の節約を考えたとしても、電気の使用量削減分しか電気代は減りません。電気の基本料金まで下落させることはできないのです。一方で電気契約そのものを根本的に見直せば、電気を使用したときの単価だけでなく、基本料金まで減らすことができます。

また電気については、電力会社を変えたとしても電線は同じ設備を使用します。また発電所は同じです。そのため、電気代を削減したとしても品質は同じです。

違うのは小売価格だけであり、電力会社を変えることで電気代だけが安くなります。そのため、デメリットがほぼ存在しないという通常では考えられないコスト削減法になります。

事務所オフィスでの電気代削減の実例

それでは店舗やオフィスの電気代を見直すことで、どの程度料金が安くなるのでしょうか。実際の電気代削減では、新電力会社(東京電力や関西電力など、その地域の大手以外の会社)を利用するのが基本です。

重要なのは、電気代削減の専門会社」を利用することで競争入札をかけることです。自ら新電力会社のうち数社に相見積もりを取ってもいいですが、それでは底値になりません。あなたの地域に対応している電力会社の全部、50~100社について一気に競争入札をかけることで底値を出さなければいけません。

これを実施することで、電気代の基本料金と単価の両方が安くなり、結果として10~30%(平均は15%ほど)の電気代を1~2ヵ月以内に安くできるようになります。

参考までに、以下は当サイトがお手伝いをさせてもらった「5店舗を運営する自動車用品販売店」での電気代削減の内容です。

店舗によって削減率は異なりますが、全体では約11%の電気代削減に成功しました。以前は月に60万7882円の電気代を支払っていましたが、競争入札をかけることによって月53万9595円にまで落とすことができました。

その差は月6万8287円であり、年間では約82万円もの経費削減となります。削減した経費はそのまま利益に反映されるため、非常に高額な利益を労力なしに生み出すといえます。

店舗やオフィスの電気代削減は利益を増やす

法人や個人事業主としてビジネスをする場合、当然ながらできるだけ利益を大きくしなければいけません。そうしたとき、無駄な経費を減らすようにしましょう。必要な経費であればいいですが、ビジネスではどうしても無駄な経費が多くなりがちです。

そうした無駄な経費の代表例が電気代です。このとき電力会社の見直しをするだけで、特に努力することなく電気代を10~30%も一気に下落させることができます。もちろん節電を頑張ってもいいですが、労力なしにコスト削減することも可能なのです。

社内で節電アイディアをひねり出し、努力するのは大変です。また節電は社員や顧客の満足度にも直結します。ただ、電気代削減では必ずしも節電アイディアを実施しなければいけないわけではありません。

店舗や事務所オフィスの電気代削減では、正しいやり方があります。空調温度の調節や照明のLED化は重要であるものの、それと同時に電力会社の見直しまですることで、大幅な電気代の節約が可能になります。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。