ゴルフ場経営をするとき、ゴルフ人口は年々減少しているにも関わらず、広大な敷地の管理をすることで何とかして利益を出し続けなければいけません。

特にゴルフ場の場合、固定資産が大きくなりやすく、コース管理費だけでも年間で平均5,000万円ほどの費用がかかります。当然、それ以外にもさまざまな固定費を支払わなければいけません。こうしたコストを何とかして削減できないのでしょうか。

ゴルフ場経営については、実はアイディア次第で簡単に数千万円単位での経費削減が可能です。またコストカットによって利用料金を下げ、競争力を上げることも可能です。

どのようにして、ゴルフ場は経費削減をすることで経営を安定化できるのでしょうか。ここでは、ゴルフ場経営で必要なコスト削減の方法を解説していきます。

ゴルフ場は超高額な固定費削減が可能

ゴルフ練習場(打ちっぱなし)やゴルフコースを含めて、どうしても高額な固定資産をもつようになります。そのためこうした会社だと、必然的に超高額な経費を毎年支払っているため、正しく経費内容の見直しをすることで、多くの固定費削減が可能になります。

もちろん、経費削減とはいってもゴルフコースの芝生の整備など、必要なコストを減らすことはできません。これらの経費を落とすと、そのまま売上の大幅減につながります。そのため、ゴルフ練習場やゴルフコースとしての質を落とさない方法によって経費削減しなければいけません。

このとき、一般的にゴルフ場経営は非常に高額な固定費がかかっているため、アイディア次第で圧倒的に高額なコスト削減が可能です。例えば、以下のような方法になります。

  • 客の出入りを自動化する
  • クラブハウスを廃止する
  • コースや芝生の管理を外注化する

これらを行うだけでも、年間にして何千万円もの経費を一瞬にしてカットできてしまいます。

自動化によって人件費を削減するべき

コスト削減を検討するとき、手を付けなければいけない最終手段が人件費の削減です。ただゴルフ場の場合、例外的に最初から人件費に手を付けても問題ありません。実際のところ、本来は人の配置が必要ないにも関わらず、人を雇っているケースが非常に多いからです。

ゴルフ場については、ほぼすべての営業工程を自動化できます。極端な話、お客さんがゴルフコンペを開催するにしても、完全無人化によってゴルフコースを提供しても問題ありません。

ゴルフ場の予約については、いまではネット上からすべて可能です。コースの空き時間についてお客さんがWeb上で調べて予約させれば、従業員がわざわざ対応する必要はありません。もちろん、キャンセルもWeb上でお客さん自ら行わせることができます。

また、チケットの発行やゲート通過についても完全自動化が可能です。わざわざ人が確認する必要はありません。

もちろん、これらはゴルフ練習場でもコースでも可能です。ゴルフ場のスタッフがお客さんに対してチェックしている作業はすべて無人に変えることができます。

すべての会社で非常に高額な経費が人件費です。仮に年収400万円のスタッフがいるとすると、その社員が利用する会社の経費や福利厚生の整備を含めると給料の2倍のコストがかかります。つまり、年間800万円の出費です。

これに加えて、給料を支払うと会社負担の社会保険料約15%や消費税10%が上乗せされます。そのため営業工程の自動化によって社員を一人減らすだけでも、年間にして1,000万円ほどの経費削減が可能です。

実際のところ、正しく自動化できていないゴルフ場は多いです。そこでIT化や機械システムなどを導入すれば、いますぐにでも人件費を減らすことで数千万円レベルでのコスト削減が可能です。

クラブハウスの廃止で何千万円も削減する

またゴルフ場の場合、敷地内にクラブハウスを有することが多いです。ただ、多くのゴルフ場にとってクラブハウスは高額な経費を使う「お荷物」になっているケースが多いです。クラブハウスを開けている場合、以下の費用が発生します。

  • 人件費
  • 浴槽でのボイラー
  • 店内の照明・空調
  • レストランの運営費

これだけで年間で何千万円ものコストです。ただ、このクラブハウスは本当に必要でしょうか。

会員制の超高級路線のゴルフコースであれば、クラブハウスは確かに必要かもしれません。しかし、そうでない場合にクラブハウスは不要です。事実、日本にはクラブハウスを完全廃止して、その代わりに値下げをした結果、平日を含めて毎日予約でいっぱいになったというケースがあります。

ゴルフ場でわざわざ食事しなくても、車で移動すればレストランは近くにあります。また、スーパー銭湯や日帰り温泉など入浴施設はいろんな場所にあります。わざわざゴルフ場がこれらの設備を自前で用意する必要はありません。それより利用客にとってみれば、低料金でサービスを提供してくれるほうがありがたいです。

またいきなりの廃止でなくても「多くの人の配置が必要なレストランを廃止する」「平日の営業を廃止して、土日だけ運営する」などのように、まずテストしてみても問題ありません。

経営では、可能な限り無駄を排除しなければいけません。いまある施設を有効活用するよりも、そもそも施設の経費が重荷なのであれば、それらを廃止しても問題ありません。

ゴルフ場・芝生のコース管理について委託・外注化を行う

なお前述の通り、人件費は非常に高額なコストになります。優れたグリーンキ-パ-を雇うには、経営コストが大きいといえます。またゴルフ場コースの管理について、自前で芝生の管理をするとなると、人件費だけでなく専用機器の購入やメンテナンスなどで高額な支出が発生します。

そこで、これらを外部会社に委託しましょう。そうすればグリーンキーパーを雇う必要がなく、人材の採用コスト・教育コストもありません。社会保険料や消費税の上乗せもありません。

もちろん専門業者なので、ティグラウンドやフェアウェイ、グリーンの管理をきちんとしてくれます。むしろ技術力不足や急な人材不足など、あらゆる問題を解決できます。

経費削減で最も効果的な方法の一つが外注化です。外注化はコスト削減の王道であり、非常に多くの企業が実施しています。これは、ゴルフ場でも当然ながら同じだといえます。コース管理のために人を雇うよりも、業務委託したほうが圧倒的に安上がりになります。

ゴルフ場の経営では、こうしたコスト削減や集客を含めて、必要な経営のみに集中しなければいけません。人材、芝・顧客情報の管理などは、 すべて外注化または自動化させましょう。これにより、何千万円ものコスト削減が可能です。

電気代削減など、一般的なコスト削減は必須

それに加えて、一般的なコスト削減についても積極的に行うようにしましょう。ゴルフ場経営者だけでなく、その他の業態の会社が広く実施している固定費削減を行うのです。

こうした方法はいくつかありますが、その中でも高額なコスト削減が可能な方法として電気代削減があります。あなたの地域に対応している電力会社について、50~100社ほどから競争入札を受けることにより、電気代の底値を出すという手法によって電気代を安くします。

これによって平均15%(10~30%ほど)の電気代削減が可能です。送電や発電の部分は削減できないものの、小売の部分は大幅に削減できます。その結果、全体で約15%の削減率となります。

同じ送電線を使うことになりますし、発電所も同じです。そのため電気代だけ下がるようになり、デメリットがほぼない手法になります。

クラブハウスの見直しやゴルフ場コース管理の外注化をするにしても、ゴルフ経営ではやはり高額な電気代を使います。そこで、電力会社を見直すことで大幅な電気代の引き下げを行わなければいけません。

損害保険など、その他のコストカットも重要

もちろん、行えるコスト削減は電気代だけではありません。他にも多くの項目が存在します。例えば損害保険料です。電気代と同じように、損害保険についても保険会社の見直しによって高額な経費削減が可能です。補償内容はほぼ同じであるものの、保険料だけ安くなるのです。

ゴルフ練習場やゴルフコースをもつ会社であれば、必ず火災保険や賠償責任保険に加入しているはずです。これらの費用については、以下のような値下げが可能です。

  • 火災保険:10~30%を削減
  • 賠償責任保険:30~60%を削減
  • 火災保険と賠償責任保険の両方:50~60%を削減

火災保険に加入しているからこそ、台風などの自然災害があったときに補償してもらえます。また賠償責任保険があれば、施設内でお客さんが事故に遭ったとしても補償がおります。

例えば、以下は火災保険のみを見直したときの内容です。

年間211万5010円の火災保険でしたが、見直しをすることで192万2040円に保険料を落とすことができました。約10%の下落なので、今回の内容について下落率は低かったですが、いずれにしてもこのように損害保険料を落とすことができます。

電気代のみならず、損害保険の見直しについても特にデメリットは存在しないため、利益の出るゴルフ場にするために無駄な固定費をカットするようにしましょう。

利益を生み出す効果的な方法が経費削減

ゴルフ場を経営する場合、他の業態に比べてコストが非常に大きくなりやすいという特徴があります。固定費が大きいため、できるだけ稼働率を多くして利益を確保しなければいけません。ただ、ゴルフ人口が減っている中での経営なので利益の増大は簡単ではありません。

そこで、大幅なコスト削減を実施しましょう。ゴルフ場経営の場合、毎月の固定費が非常に大きいため、少し工夫をするだけで数千万円の固定費削減は意外と簡単です。

そこでIT化や機械化によって自動化・無人化を推進し、従業員を削るようにしましょう。同時にクラブハウスやゴルフコース管理など、支出している固定費が本当に必要かどうかを考え、可能な限りカットしたり外注化したりしましょう。

またその他の一般的なコストカットも行えば、何千万円ものコスト削減はわりと簡単です。経費削減した分については、利用料金を減額するなどによってお客さんに還元すれば、稼働率を上げることにもつながります。こうして利益を生み出せる経営改革をしていきましょう。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。