利益率の低い業態の一つが飲食店です。そのため少しのコスト削減であっても、非常に大きな効果を見込めるという特徴があります。

ビジネスをする場合、特に重要なコスト削減のポイントが電気代です。少しの作業をするだけで、大幅に電気代をカットすることができるからです。

他の業態に比べると、飲食店は電気代を節約できる部分が非常に少ないです。ただ電力会社の見直しをするなど最適な作業をすれば、いますぐ10~30%の電気代を削減できるようになります。あなたが経営している店舗すべてについて、これだけの電気代が安くなります。

そこで法人や個人事業主の飲食店経営者がどのようにして電気代を削減すればいいのか、具体的な方法を解説していきます。

平均して一店舗あたり1ヵ月5~20万円の電力料金

まず、法人や個人事業主の飲食店経営者は一店舗あたり1ヵ月で平均どれくらいの費用を支払っているのでしょうか。中でも電気代については、一般的な相場としては平均して月5~20万円になります。

一般的な個人事業主や中小企業の店舗であれば、月5~10万円ほどの電気代です。これが、幹線道路沿い(ロードサイド)にある比較的大きめの店舗だと月20万円ほどの電力料金になるのが一般的です。

店舗の規模によって異なりますが、このように高い電気代を支払うことになります。

あなたが支払っている電気代について、少なくとも10%以上がいますぐ安くなります。例えば月2万円の電気代を削減できるだけでも、利益率10%であれば月20万円の売上に相当します。そのため飲食店経営者は、削減しやすい電気代の引き下げを考えましょう。

低圧電力の基本料金と単価を下げるべき

それでは、どのように考えて電気料金を下げればいいのでしょうか。基礎知識として、飲食店が契約する電気の形式について理解しましょう。

電気には低圧と高圧があります。一般家庭が契約するのは低圧です。一方でビルや工場など大きな施設で契約するのは高圧です。飲食店については、一つの店舗がビル一棟になることはないため、よほどの理由がない限り低圧電力での契約になります。

高圧よりも、低圧のほうが使用電力あたりの単価は高いです。そのため、単価を引き下げることが電気代の節約で重要です。

また電気代は基本料金も重要です。電気を使用しても使用しなくても、課せられるのが基本料金です。電気料金の削減では、基本料金を削減することも考えなければいけません。

空調やLED照明による節電は限られる

そうしたとき、電気代の削減で最も一般的な方法として空調の調節があります。クーラーの温度を1度上げる(暖房なら1度下げる)だけでも、空調機器の電気代を5~10%ほど下げることが可能です。

しかし、飲食店で空調の温度を上げる(または下げる)のは微妙です。店内でお客さんは快適に食事することを望んでいます。空調が弱く、夏に異常に暑い店内(または冬に寒い店内)で食事をしたいとは考えません。

そのため空調による節電を飲食店経営者が選択することはできません。

同じことはLED照明にもいえます。照明をLEDに切り替えることで、大幅に電気代を節約しながら明るさを保つ方法は一般的です。ただ飲食店の場合、厨房は明るいほうがいいものの、お客さんが座る店内は敢えて照明の明るさを抑えているケースがよくあります。

明るすぎる店内では、お客さんは落ち着いて食事できません。これが居酒屋やバーであると、より店内の照明は暗くなります。そのため、飲食店にとってLEDを利用するのは重要であるものの、他の業態に比べると重要度は少ないです。

換気扇や業務用冷蔵庫と飲食店の節電ポイントは少ない

それでは、他の機器について電気代を節約することは可能なのでしょうか。これについては、飲食店ではやはり微妙になります。

例えば換気扇について、電気料金を節約できないのか考える法人や個人事業主の飲食店経営者はたくさんいます。ただ、換気扇の電気代は24時間つけっぱなしだったとしても、一ヵ所の厨房の換気扇で月200~400円ほどにしかなりません。

これが小さい換気扇だと、月100円未満の料金です。つまり、換気扇の節電を考えるのは効果が弱すぎて意味がありません。また、換気は飲食店経営において重要であり、そもそも節電の対象にするべきではありません。

また飲食店の場合、業務用冷蔵庫を利用します。業務用冷蔵庫はたしかに消費電力が大きいです。ただ、業務用冷蔵庫の電気代を節約するのは実質的に不可能です。冷蔵庫の買い替えによって電気代を抑えることはできますが、電気料金節約のためだけに高額な冷蔵庫の買い替えをする経営者は存在しません。

これらさまざまな要因によって、飲食店経営者が店内の電気代を節約するのは実際のところ無理だと考えましょう。他の業態であれば節電可能な方法がいくつもあるものの、飲食店では厳しいのです。

電気会社の切り替えで大幅な削減が可能

それでは、飲食店はどのようにしても電気代を削減することができないのでしょうか。これについて、唯一ひとつだけ方法があります。

また、この方法を実践することによって1~2ヵ月以内にトータルの電気代が10~30%も安くなります。平均的には15%ほど電気代を抑えることが可能です。その方法が利用する電気会社の見直しです。

「頑張って節電を考えよう」とするアイディアでは、「空調を弱くする」「冷蔵庫を買い替える」など無理のある内容になってしまいます。一方で電気料金のプランそのものを見直す場合であれば、電力使用量を減らさなかったとしても電気代を節約できます。

また電力使用量を減らす方法だと、基本料金まで下げることはできません。一方で新電力会社への切り替えなど、契約プランを見直せば基本料金と電気の単価の両方を引き下げることが可能です。

電気契約の見直しで光熱費を下げた実例

どのようにして電力会社を見直すかというと、専門の電気代削減コンサルティングに依頼します。自ら新電力に申し込んだり、一括見積もりを依頼したりしたとしても、頑張って5社ほどの相見積もりを取って比較するのが限界です。

そこで専門会社を利用すれば、あなたの地域に対応している電力会社50社以上に対して一気に競争入札できます。こうして電気代の底値を出させることで、最も安い電力会社と契約できます。

電力については、電気が通っている電線や発電所は同じです。電気代の費用だけ安くなるため、デメリットがほぼ存在しない珍しい手法です。

具体的にいくら安くなるかというと、例えば以下は3店舗経営する飲食店にて、電気削減の底値を出した後、作成された見積書の一部です。

店舗によって使用電力量は異なるため、それぞれの店舗ごとに電気代の削減率は異なります。ただ、3店舗合計で月36万2077円だったのが、月32万3794円へと下げることに成功しました。月の削減金額は約3万8000円であり、年間で約46万円ものコスト削減です。

全体の削減率は約11%であるため、今回の見積書では一般的な電気代削減よりも削減率は低めです。ただそれでも利益率10%の飲食店の場合、46万円の経費削減は売上460万円に相当します。

飲食店経営の場合、確かに電気使用量を減らすのは難しいかもしれません。ただ電力会社の見直しによって、このように基本料金や単価の下落によって電気代を大幅に減らすことができます。

複数店舗が別エリアにあっても新規契約が可能

なお飲食店では、一店舗だけではなく複数店舗をもつ法人や個人事業主の経営者はたくさんいます。しかも特定のエリアではなく、離れた場所に店舗を構えているケースはよくあります。

そうした複数店舗が別エリアにある場合であっても、電気会社の見直しは有効です。異なる県に店舗があったとしても、電気料金の削減会社に依頼することで50社以上から競争入札でき、問題なく電気代の削減が可能です。

先ほど提示した事例についても、3店舗に関する電気料金の削減提案です。あなたが経営するすべての店舗について、電気料金の底値にて契約できるようになっています。

実際のところ、複数店舗があると手続きが面倒なために電力会社の見直しを検討していない経営者がほとんどです。そこで実際に電気料金の競争入札を行えば、あなたが保有する全店舗について一気に最安値で契約できるようになります。

飲食店の光熱費を減らす方法を理解する

元々が利益率の低い業態であるため、すべての経営者が発生するさまざまなコストを削減できないか考えるのが飲食業です。ただ電気代については、電力使用量を減らそうと努力しようとしても、実際のところ不可能に近いです。空調や照明、業務用冷蔵庫など見直しのやりようがありません。

そこで、すべての飲食店が行うべき電気料金の削減法が「契約している電力会社の見直し」です。電力使用量はまったく同じであり、電気の品質は変わらないものの、毎月の減額分だけ低くなります。

平均して15%ほど電気代を安くできますが、場合によっては先ほど示した見積書のように、削減率11%ほどに留まることもあります。またうまくいけば、削減率が30%ほどになることもあります。

これだけ電気代を削減できれば、年間の売上に換算すると非常に高額なお金になります。店の利益を上げる非常に手っ取り早い方法の一つが電気料金の契約を見直すことです。早めに法人や個人事業主は契約を切り替え、底値の電気料金にて店舗運営するようにしましょう。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。