ビジネスをする場合、すべての人が事務用品を利用することになります。会社から社員に対して、備品を提供するのです。

ただ、多くの経営者が経費削減したいと考えます。その場合、オフィスの消耗品に対する経費削減は非常に手軽であり、誰でも思いつくコスト削減法だといえます。それでは、事務用品のコスト削減はどのようにして行えばいいのでしょうか。

備品の経費削減にはやり方があります。ただ、やりすぎるとむしろコスト高になってしまいますし、一般的な方法では効果が薄いです。そのため、本来はより根本的な改革によってオフィス消耗品の削減をしなければいけません。

そこでオフィスの事務用品について、どのように経費削減を行うべきか解説していきます。

備品は購入場所を比較してコスト削減する

消耗品費を削減するとき、最も分かりやすい方法としては、購入場所(店舗)の比較があります。ボールペンや紙、のりなど多くの消耗品があるものの、どの会社で購入するのかによって値段がバラバラなのです。

購入場所としてはさまざまですが、例えばAmazonでポストイットを購入すると以下の値段になります。

このように、一つ555円です。一方でアスクルでは、同じ大きさ・同じ枚数ですが以下のように値段が安くなります。

このように、一つ418円です。事務用品を売っているECサイトは非常にたくさんあります。これらの中で、それぞれ値段を比べることで備品の購入場所を検討するのは、最も簡単に経費削減を行う方法だといえます。

管理者を決め、重複注文をなくす

また、事務用品費を出すときは管理者を一人に決めるようにしましょう。社員が自由に備品購入できるようにするのではなく、「支店の備品管理をする人だけが注文できる」ようにするのです。その結果、注文の重複を防げるようになります。

多くの人がバラバラに注文すると、本来であれば不要なオフィス備品を購入しがちになります。

一方で一人の人間が管理すればどうでしょうか。例えばのりを注文するにしても、「既にのりの在庫がここにあるため、新たに買わなくてもいい」と判断できるようになります。

好きなように購入させるとなると、社員にとっては便利です。ただ、自由に注文することができる状況では、経費の無駄が発生しやすくなることを理解しましょう。

まとめ買い購入で値引きや送料削減を行う

なお、注文する人を決めることの利点は他にもあります。それは、まとめ買いによってオフィス備品を購入するときの単価を低くできることです。

消耗品の購入は1つ単位で行うことができます。ただ事務用品では、大容量の商品を販売していることがよくあります。1本で売っているのではなく、例えば10本セットで売られているのです。以下であれば、先ほどポストイットの大容量での値段です。

先ほど、450枚(5冊)で418円であることを記しました。それが900枚(10冊)の購入では、763円になります。少ない量を買うよりも、大容量によるまとめ買いのほうが当然ながら値引き率は高くなります。

さらに注文日を決めておけば、一回の注文金額は大きくなります。こうしたオフィス備品は一つの単価が安く、少額決済では送料がかかります。ただ、まとめ買いによってある程度の金額になれば、送料無料になります。例えば、以下の事務用品の販売会社では1,000円以上で送料無料です。

社内での消耗品の購入窓口を一つに絞るのは、このようにさまざまな経費削減効果を生むことにつながるからです。

事務用品や紙の削減は効果が薄い

このように効果が分かりやすく、方法は簡単であり、誰でも思いつくコスト削減法であるため、多くの人がオフィス備品の経費削減に着手します。ただ、これまで述べたようなコスト削減は可能であるものの、実際のところ消耗品費のコスト削減は効果が薄いです。

事務用品は一つの単価が非常に少額です。また必要ではあるものの、頻繁に購入するわけではありません。事実、一つの支店で月に何度もボールペンを購入するケースはほぼありません。

本来のコスト削減というのは、一つの対策の実施によって年に数十万円、数百万円のレベルで無駄な経費を削減するのが正しいやり方だといえます。例えば、以下はビル一棟(地上5階&地下1階)をもつ大家について、電気代削減に関する見積もりです。

これについては、年間で約249万円のコスト削減に成功しました。また実施したことは利用する電力会社の見直しだけであり、特に労力はかかっていません。それにも関わらず、これだけ高額な経費削減を1~2ヵ月で実現しました。

本来、コスト削減はこうした威力がなければ意味がありません。事務用品代の支出を抑えるにしても、効果のある経費削減法に比べると、わずかしか経費を減らすことができません。

過度の備品の経費削減はむしろコスト高になる

また問題なのは、これら備品に関する経費削減を積極的に推し進めることによって、むしろコスト増になることです。消耗品費の支出は減るものの、他のコストが高くなってしまうのです。

例えば事務用品を注文するとき、毎回いろんなECサイトで商品の値段を一つずつチェックしていればどうでしょうか。確かに値段は最安値になるものの、その分だけ事務員としては「商品の値段を比較する時間」が大幅に増えるようになります。

当然、社員は無料で仕事をしているわけではありません。あなたの会社が給料を支払うことで働いてくれています。

従業員の給料は非常に高いです。それにも関わらず、本業ではなく消耗品の価格差の比較ばかりをしていたらどうでしょうか。本業が進むことはなく、時給換算するとむしろ労働生産性の低下によってコストが高くなってしまいます。

他にも、トイレ掃除でのウェットティッシュを禁止すればどうでしょうか。雑巾を利用する必要があり、その場合は準備や片付けが大変です。ウェットティッシュならトイレにそのまま流せるものの、そうしたことができなくなり、手間がかかるようになります。

オフィスの備品について経費削減を進めるとき、ある程度は推進してもいいですが、「本当に経費削減になっているのか?」を必ず確認するようにしましょう。

ペーパーレス化で紙の書類を全廃するべき

それでは、オフィスの備品購入を控えるのがコスト削減で微妙なのかというと、当然ながらそういうわけではありません。より根本的に会社の制度を変えてしまえば、すべての社員にとって効率化が進み、さらには事務用品費の支出が圧倒的に少なくなります。

具体的には、消耗品費をカットしたい場合はペーパーレス化を推し進めるようにしましょう。IT化するだけで、オフィスで必要な備品は圧倒的に少なくなります。

実際のところ、ほとんどの会社で無駄な紙の書類があります。例えば、以下のような書類がこれに該当します。

そこで、こうした書類を全廃しましょう。紙を印刷させて提出させると、以下のような消耗品を利用します。

  • A4用紙
  • インク
  • ボールペン
  • ポストイット
  • のり
  • 封筒

また遠く離れた本社に郵送する場合、これらに加えて切手代がさらに必要になります。ただ、これらの書類は電子データで十分なはずです。そうすれば、すべての事務用品代が不要になります。

社員や書類をチェックする上司、管理部門の従業員にしてみても、ペーパーレス化するだけで書類を処理する手間がなくなり、業務効率化が進みます。消耗品を利用しなくてもいいオフィス環境にするのが、本当の意味での備品の経費削減だといえます。

作業効率化すれば、人件費など他の費用までカット可能

またこのように作業効率化が進めば、消耗品費に限らずその他の高額なコスト削減が可能になります。例えば、アウトソーシングによって人件費の削減が可能です。

あらゆる会社において、最も高額な固定費が人件費です。ただ人件費の削減は非常に難しいです。そうした人件費であったとしても、ペーパーレス化を推し進めれば、無駄な人員を抑えることができるようになります。

例えば経理精算の書類をすべて電子化すればどうでしょうか。この場合、あらゆる消耗品費を削れるようになり、書類の管理コストもなくなります。それと同時に、経理部門を自社で用意する必要がなくなります。最低限の人員だけ残し、あとは外注化すれば問題ありません。

経理や総務、秘書などこれらは最も外注化が簡単な部署でもあります。ペーパーレス化によってオフィス備品を少なくするのは、「積極的な外注化によってさらなるコスト削減が可能になる」という副次的効果も期待できるのです。

正しい事務用品の経費削減法を学ぶ

非常に分かりやすいコスト削減法が消耗品の削減・整理です。価格を比較したり、まとめ買いしたりすることによって、事務用品費をいますぐ下げることが可能です。

ただ注意しなければいけないのは、過度のオフィス備品の制限をすると、むしろコスト増になってしまうことです。これは、社員の労働コストのほうが圧倒的に高いからです。

そこで単に事務用品代を削減するのではなく、より根本的に会社の働き方を変えるようにしましょう。ペーパーレス化を推進することで、そもそも事務用品をほぼ利用しなくても、社員がビジネスできる環境に変えるのです。

これらの改革を進めれば、オフィス備品の購入がほぼなくなるだけでなく、アウトソーシング可能な部署について外注化することでさらなる固定費削減が可能です。このようにして消耗品費の支出を少なくすることが、本当の意味でのオフィス備品に対する経費削減の方法だといえます。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。