いまはインターネットが発達しているため、IT化によって大幅なコスト削減が可能です。クラウドシステムを利用したり、その他のITシステムを活用したりすることで、経費削減するのです。
クラウドシステムを利用すれば、ペーパーレス化が可能になって無駄な経費が大幅に少なくなります。業務効率化が進み、本業以外の作業を減らすことができ、社員としては本当に必要な作業だけに注力できるようになります。当然、無駄なお金の支払いも少なくなります。
もちろんIT化とはいっても、さまざまな対策があります。そこで、これらすべてについてクラウド化・ペーパーレス化を実施すれば、年間にして数百万円、数千万円レベルでの経費削減が可能になります。
そこで、インターネットを利用した経費削減をどのようにして推進すればいいのかについて、その効果や事例まで含めて解説していきます。
もくじ
IT化で最も重要なのはペーパーレス化と自動化
通常、パソコン内に存在するファイルは一人の人間だけで管理することになります。ただクラウドサービスを利用すれば、一つのファイルに対して社員全員が操作できるようになります。また誰かがファイルを更新すれば、全員に対しても同じように更新されます。
こうしたインターネットの技術がクラウドです。ITクラウドを利用することで、紙の書類を大幅に減らせるようになります。
もちろんクラウド化に限らず、予約システムやWeb会議などのIT技術を導入すれば、ペーパーレス化を推進できます。
それだけではありません、IT化を利用すれば集客やセールス、入金まで含めて自動化することもできます。多くの人は電話で予約を受けたり、入金チェックを手動でしたりして、本来のビジネスとは関係ない部分に多くの時間を割いています。そこで、これらをIT技術によって自動化しましょう。
IT化によるコスト削減では、最も重要なのがペーパーレス化とビジネスの自動化です。これを実行するだけでも、圧倒的に業務効率化が進むようになります。
消耗品費、管理コストなど、あらゆる無駄がなくなる
ペーパーレス化すると、何が優れるのでしょうか。この場合、無駄な書類が減ります。それに伴い、消耗品の利用がほとんどなくなります。
- A4用紙
- インク
- ボールペン
- ポストイット
- のり
- 封筒
これらは会社が社員に提供する備品です。また実際に書類を印刷するとなると、高額な複合機を購入(またはリース)しなければいけません。そのため、より費用は膨れ上がります。ただ、ペーパーレス化すればこれらがほぼゼロになります。
それだけではありません。書類やその他の備品を管理するコストも減ります。棚に書類が積み重なっている状況から解放されるようになるのです。
もちろん、どこに書類があるのか探す手間もなくなります。クラウド上で電子書類を一括管理しておけば、検索するだけで目的の電子書類を発見できるようになります。紙の書類をなくすだけで備品の量が少なくなり、会社内のスペースも多くなります。
外注費が増え、人件費まで削れる
それだけでなく、人件費まで削減できることがIT化で非常に重要です。業務効率化を推進すれば、その分だけ社員は無駄な書類作成や入金チェックなどの事務処理時間が減ります。当然、その分だけ無駄な仕事量が減り、本業に集中できるようになり、残業代を含めた人件費をカットできます。
またほとんどの書類をペーパーレス化すればどうでしょうか。その場合、事務部門の社員をあなたが雇う必要はなくなります。
- 経理部門
- 総務部門
- コールセンター、秘書
- その他の管理部門
これらはすべて外注化できます。さすがに人事部門をアウトソーシング化するのは無理ですが、事務部門の人員をあなたの会社が雇う意味はありません。例えばコールセンターであれば、いまは格安で代行してくれる会社がいくらでもあるため、そうした会社にすべて丸投げするだけでいいです。
社員を雇うと、給料の倍のコストがかかると一般的にいわれています。さらに、給料を出すと社会保険料として給料の約15%負担し、消費税負担も上乗せされます。これら税金の負担まで考えると、圧倒的に高額なコストの発生だといえます。
会社を高利益体質にする基本としては、固定費をできるだけ削り、変動費に変えることがあげられます。社員の外注化によって、外注費という変動費を増やすことは、非常に大きな固定費削減となります。
ペーパーレス化というのは、単に必要ない書類を減らして業務効率化を図るだけではありません。そこから派生する、人件費というより高額な固定費を削減することにもつながるのです。
実際のIT化によるコスト削減の事例・アイディア
それでは、実際に法人経営者や個人事業主がIT化を進めるとき、どのようにすればいいのでしょうか。多くの経営者が実践している事例・アイディアとしては以下があります。
- 紙の書類をすべて廃止する
- 予約管理システムを導入する
- 集金部分を自動化する
- Web会議の導入
他にもたくさんありますが、メインとなる項目について記すとこれらになります。それぞれの内容について確認していきましょう。
紙の書類をすべて廃止するべき
前述の通り、IT化で最も重要なポイントの一つがペーパーレス化です。クラウドサービスを利用するなど、インターネットを利用することで紙の書類をなくすのです。
重要なのは、中途半端にペーパーレス化しないことです。本当にコスト削減したいのであれば、紙の書類を全廃しましょう。あらゆる紙の書類をなくさなければいけません。そこで、まずは社内で流通している各種の申請書類をすべてなくしましょう。
例えば、以下のような書類を社員に用意させて申請させてはいないでしょうか。
紙の書類を利用するとなると、社員はこうした紙を印刷して記入し、上司にチェックしてもらいます。その後、書類を本社まで郵送しなければいけません。そのため紙代やトナー代、切手代など、ありとあらゆる無駄が発生します。また、チェックのために長い時間を取られます。
一方でこれがすべて電子申請であればどうでしょうか。社員としては、仕事のすき間時間に入力して送信するだけです。上司や管理部門の人たちにしても、内容に目を通して承認するだけです。印鑑を押す必要はなく、チェック作業は数秒で終わります。
またこれらをクラウド上で管理すれば、管理部門としては特に何か入力作業をしなくても、自動的に有給休暇の計算をしてくれるようになります。多くの会社で無駄な書類を提出させているケースが多いため、最初はこれらの書類申請をすべてなくすことがペーパーレス化で必須です。
・法令に関わる書類以外は削減可能
もちろん、法令に関わる書類については削減できません。法律によって「紙の書類で残さなければいけない」と明確に規定されている書類が、これに該当します。
ただ実際のところ、そうした書類はほぼないはずです。そのため、あらゆる業態でペーパーレス化が可能です。
領収書・請求書など、経費精算で紙は不要
それと同時に、経費精算の処理を簡素化しましょう。経費精算をペーパーレス化することで、先ほどの有給休暇の申請書類と同じように無駄をなくすのです。例えば領収書をもらって経費精算する場合、紙の場合だと以下の無駄が発生します。
- 紙の書類を用意
- 上司がチェック
- 経理部門への転送・郵送
- 金額の入力&書類の保管
これをすべてカットできます。社員としては、携帯で領収書を撮影した後に経費精算したい金額を入力させればいいです。電子データとして請求書や領収書をもらわなかったとしても、写真で写せば問題ありません。
その後、上司は金額と内容をチェックしてOKするだけです。経理としては、新たに数字を打ち直す必要はなく、既に他の人(この場合は上司)による金額のチェックを受けているため、数字の入力ミスはほとんどありません。
また経費精算をクラウド上ですべて申請させれば、そもそも自社で経理部門の人員を雇う意味はほとんどなくなります。もちろん最低限は残さなければいけないものの、大部分は外注化できます。そのため人件費削減という意味でも、経費精算の自動化は意味が大きいです。
契約書はクラウド上で電子契約すると節税にもなる
またビジネスを行う場合、ほとんどの場合でビジネスの相手先と契約書を交わすことになります。これらの契約書について、以下のように紙の書類を交わしても問題ありません。
ただ、これら契約書を交わすときにクラウド上で簡単に行えるサービスがいくつも存在します。しかも、契約書の数が少ない場合は無料で利用できます。
私の会社についても、いまでは契約書で印鑑を利用することはありません。また紙の書類も利用しません。以下のように、インターネット上で契約しています。
またこのようにすれば、紙の書類を紛失するリスクがなくなります。また契約書サインのために対面で会ったり、郵送したりする必要がなく、業務効率化をするうえでクラウド上での契約書のサインは重要です。
さらにいうと、契約書へのサインを電子化すれば節税にもなります。契約書のサインをするとき、金額が高ければ印紙税(印紙代)の支払いが必要です。例えば5万円のサービスに関する契約であれば200円の印紙代です。契約書の数や金額が高額だと、かなりの費用になります。
ただ電子契約であれば、印紙税の支払いが不要になっています。そのため紙代や打ち合わせのコスト、郵送代だけでなく、無駄な税金を省けるのも電子契約の利点です。
予約管理システムを導入し、電話対応をなくす
他には、予約管理システムによるIT化を進めましょう。つまり、受付での電話業務をほぼゼロにするのです。
仕事の効率を圧倒的に悪化させるツールが電話です。電話がかかってくると、その時点で作業が途中で中断されます。また思考回路がストップし、社員としては「次に何の仕事をしようとしていたのか?」と忘れてしまいます。
そこで店舗運営を含め、可能な限り電話対応をやめましょう。例えば顧客からは、予約管理システムによってクラウド上で勝手に予約してもらうといいです。こうした予約管理システムについても無料で利用できますし、誰でも利用できるようになっています。
例えば私の場合、過去にWeb会議システムを利用して、一対一のオンラインセミナーを開催したことがあります。このとき、以下のように「一枠2時間について、一人だけが予約できる」ように設定して予約システムを作りました。
もちろん、「一つの予約枠について5人まで予約可能にする」「予約できる時間や曜日を限定させる」などは自由に設定できます。またキャンセルや日時変更も顧客が自動的にしてくれます。お客さんが電話をして、キャンセルの手続きをする必要はありません。
実際のところ、いまでは美容室でもクリニックでもネット上から予約できるようにクラウドシステムを導入しているケースがよくあります。こうした仕組みを利用すれば、電話対応の業務を大幅に圧縮できます。
集金部分やお金のチェックを完全自動化する
さらに、お金の入金やチェックについてもゼロにする努力をしましょう。例えば私の場合、お金の後払いは一切受け付けていません。必ず事前払いです。例えば、先ほどの予約管理システムにしても、「クレジットカード決済を済ませた人にのみ、自動返信メールにて予約用のURLが送られる」ようになっています。
さらにいうと、私の場合だといまは銀行振込をほぼ利用していません。カード決済ばかりです。そのため、会社の銀行口座にログインしての入金チェック作業がありません。
IT化では、どれだけビジネスが自動で回るのか考える必要があります。私の事例の場合、集金や顧客の予約(または日時変更)を含め、完全自動化にしています。
もちろん、店舗運営や高額商品を取り扱っているなど、先払いシステムが不可能なケースもあります。ただ、その場合であっても入金チェックの手間を省くことは可能です。特に現金商売をしている場合、以下のようにレジを使います。
これらの作業をほぼゼロにできないでしょうか。いまの時代、アイディア次第でいくらでも自動化が可能です。
例えばお客さんにタブレット端末で注文してもらい、会計時はタブレットに表示されるQRコードを読み込んでもらって電子決済してもらえば、レジ打ちをする必要がありません。つまり、従業員の負担は圧倒的に軽くなります。
こうしたクラウドによる電子決済システムを利用すれば、店舗を閉めた後にお金を数える作業も不要です。つまり、事務作業が大幅に減ります。
電子決済だと、決済会社に3~4%の手数料支払いが必要です。ただ、このデメリット以上に人件費のほうがコスト高になることを理解しなければいけません。この事実に気づき、積極的なIT化によって無駄な作業を減らすのが経営者として優れているといえます。
Web会議でのIT化は必須
さらにIT化ではWeb会議も積極的に取り入れましょう。無駄な定例会議をすべて廃止するのは当然としても、必要な会議についてまで削減することはできません。単発にて、必要な人数だけ集めて開催される「本当の意味で必要な会議」は実施しなければいけません。
ただ、こうした会議は必ずしも対面で行う必要はありません。積極的にWeb会議システムを導入するようにしましょう。
支店が離れている場合、対面会議では社員を一ヵ所に集めなければいけません。そうなると交通費の支払いが必要です。また社員は会議への出席のために一日をつぶすことになるため、人件費のコストが上乗せされます。
これは、支店が一ヵ所しかない会社であっても同じです。例えば社外の人と打ち合わせするとき、相手先に出向くとなると時間がかかります。そこで、Web会議にて打ち合わせできないか検討しましょう。そうすれば、交通費と時間を節約できます。
さらにいうと、テレビ会議であれば「紙の資料を印刷する」という無駄な作業もなくなります。会議室を予約する必要もありません。このように考えると、メリットが非常に大きいです。
もちろん、すべての打ち合わせをテレビ会議にできるわけではありません。Webと対面を臨機応変に使い分ける必要はありますが、実際のところ非常に多くの会議をWeb上で実施しても問題ないはずなので、積極的にテレビ会議へ移行しましょう。
テレワークであらゆる固定費を削減する
以上の項目以外に、より高額なIT化での経費削減としては、テレワークがあります。「仕事をクラウド化することで社員を外注化する方法」と似ていますが、従業員を出社させるのではなく在宅勤務させるのです。
この場合、以下のようなあらゆる経費削減が可能です。
- 残業代が確実にゼロになる
- 通勤手当の支給がなくなる
- オフィスの人員減の分だけ、賃貸オフィスを小さくできる
- 水道光熱費の大幅減
そのため、さまざまな固定費を減らせるようになります。またテレワークを導入できる場合、将来は外注化によって変動費に変えることもできるため、コスト削減する場合は積極的な導入を検討しましょう。
ITインフラのコストは、本来は不要
なお、これらクラウドサービスの利用によってペーパーレス化を積極的に推し進めるとなると、ITインフラを整備するためのコストが非常に高額になるのではと考えてしまいます。
ただ、そうした心配は不要です。本来、ITインフラの導入コストはゼロだからです。あなたの会社が大企業であり、年間で数億円以上もの利益があるのであれば、社内SEを雇って独自システムを開発させればいいです。
しかし私たち中小企業では、システム開発企業以外、ほぼそうした独自のITインフラ構築は不要です。私の会社であっても、長くサイト運営を含めてインターネットビジネスを手掛けていますが、高額なお金を出してITインフラを整えたり、独自システムを開発したりした経験はゼロです。
理由は単純であり、あらゆるIT企業がITインフラを既に開発しており、格安にて提供してくれているからです。前述の通り、電子契約や予約管理システムは無料で利用できます。また、テレビ会議システムも無料です。特にお金を払わなくても、いますぐIT化できてしまいます。
もちろん上位版は存在します。例えばWeb会議の場合、一対一では無料ですが、3人以上の会議となると以下のように年間150ドル(年15,000円:月1,200円)の費用になります。
ただ、わずか月1,200円で何十人を集めたWeb会議を実施できるようになります。交通費を考えると、一瞬で元を取れてしまいます。
ITインフラを整えるとき、だいたいは無料または格安にて可能です。IT化するとはいっても、既存のクラウドサービスを利用すればいいだけなので、高額なシステム開発費用は不要だと理解しましょう。
システム化は固定費削減のキモとなる
非常に効果の高い経費削減方法の一つがIT化です。ペーパーレス化を行い、できるだけ自動でビジネスが回る仕組みを構築するようにしましょう。そうすれば、紙の書類がなくなるだけでなく、人件費削減や節税まで行えるようになります。
私の会社の事例・アイディアについても解説しましたが、参考までに私の会社はほぼ完全に自動でビジネスが回る仕組みを構築しています。私の会社はシステム開発会社ではないものの、既存のITインフラを無料または格安にて利用させてもらい、IT化しているのです。
事実、私の会社の場合、いまは書類でのやり取りがほぼゼロですし、会議はWeb上です。お客さんからの集金や予約も自動です。こうした仕組みのため、本業だけに専念できるようになっています。
同じように、あなたもIT化によって大幅なコスト削減を実現しましょう。非常に効果が高く、いますぐ行える経費削減法がクラウド化などITシステムの利用です。ペーパーレス化を含め、こうしたシステムを利用した自動化の仕組みを作り上げることで会社の無駄を省いていきましょう。
法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。
新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。
もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。
【自動車保険】
車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。
【火災保険】
店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。
【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】
賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。
【貨物保険】
貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。
【取引信用保険】
法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。