商品を製造または販売する会社は非常にたくさんあります。そうしたメーカーや販売店の中には、子供向けの商品を扱っていることがあります。おもちゃを売っていたり、公園の遊具を設置したりする会社がこれに該当します。

ただ大人向けの商品とは異なり、こうしたメーカーや販売店は常に訴えられるリスクがあります。子供は予想外の使い方をするため、結果として重大な事故につながることがあるからです。

実際に過去には高額賠償を法人が負ったケースは多く、そうしたときに備えるのが生産物賠償責任保険(PL保険)です。

なぜ、子供向け製品を製造したり販売したりする会社にとって、PL保険が重要なのでしょうか。ここでは、子供向け製品のメーカーや販売店がどのように考えて生産物賠償責任保険を利用すればいいのか解説していきます。

おもちゃや公園遊具は販売後も責任を負う

商品は製造・販売をして終わりではありません。実際にお客さんの手に渡った後についても、責任を負う必要があります。そのため販売後の製品の不具合によってお客さんがケガをした場合、製造したメーカーや販売店が責任を負うことになります。

こうしたことを定めた法律が製造物責任法(PL法)です。PL法があるため、特に子供向け製品を取り扱っている法人は気を付けなければいけません。

実際のところ、子供がおもちゃを口の中に含んだり、公園の遊具で危険な遊び方をしたりするのは普通です。

ただそうした子供の突発的な行動について、おもちゃや遊具のメーカー・販売側は予想しておかなければいけません。つまり、そうした行動をしたとしても大きな事故につながらないように最初から製品を設計しておく必要があるのです。

理不尽なように感じるかもしれませんが、それが子供向け製品を作ったり売ったりする側の責任といえます。

過去、高額賠償になった事例は多い

しかし、どれだけ注意していたとしても完ぺきに事故を防ぐことはできません。中には、製品自体には欠陥がなかったとしても、高額賠償に発展した事例はいくつもあります。

例えば以下は、過去に発生したおもちゃによる窒息事故に関して調査が入った事例です。

またこうした事故について、カプセル玩具の誤飲事故で製造会社に対して製造物責任が認められ、賠償金の支払いを命じられたケースもあります。

子供向け製品では「製品に穴を開けることで、たとえ誤飲が起きても息ができるようにする」など、あらゆる事態を想定しなければいけません。ただそれでも、事故が起こってしまうというわけです。その場合、あなたの会社が大きな責任を負わなければいけません。

これが、損害保険に加入するべき理由です。損害保険がなければ、こうした突発的な事故に対処することができません。

生産物賠償責任保険・PL保険で補償を加える

そうしたとき、特におもちゃや公園の遊具など子供向け製品で利用するべき損害保険が生産物賠償責任保険です。生産物賠償責任保険はPL保険とも呼ばれています。

製造したメーカーや販売店が商品を製造・出荷・販売した後、お客さんに起こったトラブルに対して広く補償してくれるのがPL保険です。

生産物賠償責任保険に加入していれば、仮に販売先の家庭で子供がケガをしたとしても、保険金が下りるために問題なく対処できるようになります。またお客さんに販売するとき、PL保険に加入していることをアピールすることも可能です。例えば、以下のような感じになります。

このように生産物賠償責任保険に加入していることを積極的に伝えることで、あらゆる場面に備えていることをお客さんに伝えるのは有効です。

PL保険に加入しているからといって、製品が安全になるわけではありません。ただ万が一の事故に備えることができるため、メーカー・販売店舗だけでなく、お客さん側としても安心するというわけです。

弁護士費用を含めて補償される

なお実際に事故が発生した場合、お客さんと交渉するのは経営者や社員ではなく、弁護士になるのが一般的です。その場合、弁護士に対しても高額な費用支払いをしなければいけません。

ただPL保険に加入していれば、弁護士特約が最初から加わっているのが普通です。つまり弁護士費用が出されるため、弁護士に依頼するときは損害保険から保険金を出すことができます。損害保険によっては、弁護士特約がオプションになっているので確認は必要であるものの、普通は保険から費用が出されるというわけです。

出典:あいおいニッセイ同和損保

そのため生産物賠償責任保険を利用すれば、慰謝料・和解金の支払いだけでなく、弁護士費用や訴訟費用、仲裁・調停まで含めて費用補償があると理解しましょう。

リコール保険に加入するのも必須

また子供用品を扱うメーカーの場合、生産物賠償責任保険に加入しているだけでは不十分です。その他の損害保険についても利用するようにしましょう。

特に製品による不具合があったり、欠陥によって子供がケガをしたりした場合、製品回収しなければいけません。もちろんトラブル時に限らず、誤出荷を含めて製品回収しなければいけないことはよくあります。

そうしたときに備えて、リコール保険を活用しましょう。製品回収をするとき、リコール保険に入っていれば費用を損害保険で補えるようになります。重要なのは、「リコール費用については生産物賠償責任保険(PL保険)の対象外である」ことです。

商品出荷後に高額な回収費用を生じたとしても、PL保険で出してもらうことはできません。そのため、リコール保険を利用する必要があります。

通常、損害保険に一つだけ加入することはありません。複数の損害保険を利用するからこそ、ビジネスでのリスクに備えられるようになります。そうしたとき、おもちゃや遊具のリコールに備えるようにしましょう。

複数の損害保険をまとめ、交渉で安くする

なおビジネスをする場合、損害保険としては他にも火災保険に加入するのが基本です。店舗や工場を運営している法人であれば、全員が火災保険に加入しているはずです。このとき火災保険に加えて、生産物賠償責任保険やリコール保険に加入するというわけです。

そうなると複数の損害保険を利用することになりますが、個別に契約すると無駄に保険契約の数が多くなってしまいます。そこで、それぞれの損害保険を一つにまとめましょう。

PL保険やリコール保険、火災保険についてすべてを一つの損害保険契約に集約できるようになっています。そうすれば損害保険の管理が楽になりますし、一本化されるので割引を得られるようになります。

さらにいうと、損害保険会社の切り替えをすることによって安い金額にて保険契約できるようになります。新規契約の場合は単純に契約するだけですが、乗り換えであっても効果が非常に大きいです。

損害保険は、それぞれの保険会社で補償内容を完全同じに設計可能です。それでいて、支払う保険料の金額は損害保険会社が自由に設定できます。そのため補償が同じなのであれば、値段の安い損害保険ほど優れているといえます。

そこで損害保険でコスト削減に優れる代理店を通じて交渉することによって、大幅な値引きが可能です。乗り換えであれば20~50%ほど値引きできるのは普通なので、保険契約を一つにまとめると同時に値段についても考慮するようにしましょう。

子供用品のメーカーや販売店は損害保険を利用するだけでなく、無駄な費用を省くことで経営状況を良くする必要があるため、こうした乗り換えまで視野に入れるといいです。

PL保険を含め、損害保険を利用する

おもちゃを作ったり、公園の遊具を設置したりなど、子供が関わる商品を取り扱っている会社が存在します。こうした子供関係のビジネスでは、大人が対象ではないので思いもよらない事故が発生するリスクがあります。

事実、過去にはおもちゃや遊具について製造責任が認められ、高額な賠償支払いが必要になったケースがあります。

そのため、生産物賠償責任保険(PL保険)を利用する必要があります。また、同時にリコール保険も活用しましょう。これにより、ビジネスでのリスクに備えられるようになります。

さらには損害保険を一つにまとめ、代理店を通して安い保険料を実現しましょう。こうして優れた内容の損害保険に加入すれば、リスクに備えながらも保険料の支払いを最小限にできます。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。