物流に関わるビジネスをしている人は多いです。物流センターを保有して運送業を経営している会社があれば、倉庫を保有して物販をしている会社もあります。業態や規模は異なりますが、売上に占める経費割合が物流業界で大きいのは共通しています。

これら物流コストが大きいと、利益に直接反映されます。特に運送業は利益率が低く、赤字になることも多いです。

そこで、積極的なコスト削減をしなければいけません。物流費・運送費の積極的な経費削減をすることで、利益が出るようにするのです。

それでは、ロジスティクス(物流)に関わる固定費・変動費削減をするにして、どのように実践すればいいのでしょうか。ここでは、物流費用を抑えるコツを解説していきます。

ロジスティクスの物流費削減だけでは不十分

物流には大きなコストがかかるため、どうしても利益率が低くなりがちです。例えば運送業だとこの傾向はより顕著であり、一般的に利益率は3~5%といわれています。これがトラック輸送の会社だと、利益率0.2~0.3%などはよくあります。

そのため多くの会社で経費削減を既に実行しており、以下のロジスティクスの物流費については既に実践していると思います。

  • 物流センターの拠点を集約させる
  • 物流管理システムを導入する
  • 倉庫内作業のルールを作る

物流業に関わる会社について、これらは一般的にいわれているコストカットの方法です。ただ、多くの経営者が「それらについては既に試している」と考えてしまいます。既に物流センターの最適化を済ませ、本業に関わるコスト削減を可能な限り実践しているのです。

それでは、他に経費を削れる部分はないのでしょうか。実際には、運送業を含めて物流に関わる多くの法人で、見逃している経費削減の方法があります。そのため固定費・変動費削減では、倉庫管理での物流システム以外にも着目しなければいけません。

賃料削減によって物流センターや倉庫の家賃を抑える

経費削減をするとき「物流センターや倉庫のロジスティクスの仕組みを調節する」という方法以外であれば、最も手軽に行えるやり方として家賃の削減があります。土地や建物を含めて自社保有なのであれば関係ないですが、物流センターや倉庫を賃貸している場合、家賃の下落が可能です。

毎月の賃料は大きなコストですが、「既に2年以上は賃貸して契約更新しているにも関わらず、家賃が変わっていない」という場合、賃料の払い過ぎが起きている可能性が高いです。日本では建物価値が毎年下落するからです。

また土地についても、都市部では値段は上がるかもしれませんが、物流では田舎の土地であることが多く、価値が下落する可能性のほうが高いです。

こうした事情があるため家賃交渉によって賃料を下げることができます。もちろんあなたが交渉するのではなく、家賃交渉の専門会社に依頼します。このときは依頼後に3~6ヵ月ほど待てば交渉が完了し、家賃が下がります。

参考までに、以下は月290万4,068円の賃料を支払っていた法人での家賃削減の最終結果です。

この会社の場合、専門会社に依頼することで10.8%の賃料削減に成功しました。年間での削減総額は379万6,272円であり、非常に高額な削減金額といえます。

ダンボール代替品の資材で変動費削減する

また普段利用する資材を工夫するようにしましょう。商品を詰めて送るとき、何も考えずにダンボールを常に利用していることはないでしょうか。

ただ、ダンボールをメインの梱包材として利用している場合、使用量が多いとかなりのコストになってしまいます。またダンボールは重く、場所を取ります。

しかし、そもそも梱包材はダンボールでなければいけないでしょうか。いまではダンボール代替品の梱包資材が広く開発されています。例えば薄い紙の梱包材はたくさん利用されており、ダンボールのように場所を取らず、さらには安いです。

製品を丁寧に梱包するとき、プチプチなどを利用することはよくありますが、こうした製品をダンボールに入れて送っても、紙の梱包資材に入れて送っても基本的に変わりません。またダンボール代替品であっても雨に強く、破けることはありません。

それでいて、ダンボールの利用時よりもコストを2~3割ほどカットできます。物流では「ダンボールが不可欠」という固定概念があるものの、これを取り去ってみましょう。

自動車保険の金額を落とす

また運送業なのであれば、車を利用する場面が多くなります。「輸送部分について外注化している会社」では関係ないですが、自社でトラックを保有している場合だと、こうした車の管理をしなければいけません。

そうしたとき、高額になりやすいのが自動車保険の支払いです。トラックなどを保有する場合は必ず支払わなければいけない費用ですが、10台以上の社用車をもつ会社の場合、自動車保険の支払い費用を削減できます。

自動車保険の切り替えによる費用削減効果は一般的に5~6%と割合は高くありません。ただそれでも、自動車保険の金額自体が高額になりやすいため、結果として大幅な固定費削減が可能になります。

例えば以下は31台の社用車をもつ会社について、自動車保険の切り替えをしたときの結果です。

この会社については、全体で5%の割引となりました。物流費としてトラックのコストを下げる方法としては、デメリットのない手法なので必ず行うようにしましょう。

トラック輸送や営業車のリース契約で管理コストを下げる

なおトラックや営業車を含めて20~30台以上の車を保有している会社であれば、さらなるコスト削減が可能です。これについて、リース契約を有効利用しましょう。

法人で車を保有する場合、購入費用や燃料代(EV車なら電気代)だけでなく、以下のようなメンテナンス代もたくさんかかります。

  • 自動車保険(車両保険)
  • 重量税、自動車税
  • 車検・点検
  • 消耗品(タイヤ、パッドなど)

リース契約にしてしまえば、これらのメンテナンスをすべて丸投げできます。車の台数が多いと、車両管理のための社員が必要だったり、メンテナンスのために多くの時間を取られたりと、さまざまなコストがかかってしまいます。

これがリースであれば、すべてリース会社が手続きを代行してくれます。社用車に関するコストは高くなるものの、メンテナンスなどその他の関連費用まで考慮するとリース契約のほうが圧倒的に経費削減できるというわけです。

またリース契約に切り替える場合、いま持っている車はリース会社へすべて売却することになります。買取してもらうため、その分だけ現金が会社に入ってきます。つまり、会社の資金繰りが大きく改善されます。

ある程度の保有台数のある会社に限定されますが、その場合は社用車のリース契約によるコスト削減を考えてもいいです。

倉庫の電気代を削減する

さらなるコスト削減として、電気代を安くすることを考えましょう。物流センターや倉庫の電気代は高額になりやすいため、これを抑えるのです。

もちろん、電気の使用量を少なくしようと考えても難しいです。そうではなく、特に節電しなくても大幅に電気代削減できる方法を採用しましょう。具体的には、電力会社の切り替えをします。

日本には中小を含めると何百社の電力会社が存在します。そこであなたの地域に対応している電力会社に対して競争入札をかけ、底値の電力会社と契約しましょう。専門のコスト削減会社に依頼することで、最安値にて契約できます。

例えば以下は、社員17人ほどの会社について電気代削減をしたときの見積書です。

この会社では、年間の電気代が459万3812円でした。そこで競争入札をかけた結果、年間で約64万円の電気代削減に成功しました。削減率は約14%です。

電気代削減については、発電や送電の部分について削減することはできません。ただ電力会社の切り替えによって、小売コストを大幅に減額できます。そのため平均削減率は15%と高めですが、物流に関わるすべての会社で有効です。

火災保険や賠償責任保険は保険料を簡単に下落できる

また運送業など、物流が関わる場合だと損害保険料が高額になりやすいです。倉庫については火災保険をかけているのが基本ですし、物流がある場合は賠償責任保険に加入していないと事故があったときにビジネスが破綻します。

例えば物流センターや倉庫について、自社保有であっても賃貸であっても火災保険をかけるのは当然です。自然災害で破損したとき、火災保険があれば補償してくれます。

また輸送中に商品を壊したときであっても、賠償責任保険に入っていれば補償してくれます。そのため特に物流会社では、賠償責任保険が高額になりやすいです。

そこで、損害保険料を下落させましょう。保険料は各会社が自由に設定できるため、加入会社を切り替える場合であれば、「補償内容は同じであるものの、値段のみ安くなる」ことが可能です。例えば、以下は火災保険と賠償責任保険の両方を切り替えたときの結果です。

この会社では、以前は年間766万3,080円の損害保険料を支払っていました。そこで切り替えをしたところ、年間365万1,480円に下落できました。約53%の削減率であり、こうした固定費が毎年浮くようになります。

業務自体をアウトソーシングしてもいい

なお、物流に関与する会社の中には「そもそも倉庫を保有する必要があるのか」についても考えましょう。つまり、倉庫業務自体をアウトソーシングするのです。

卸売会社など、物流自体がコア技術の場合だとさすがに無理です。ただそうでない場合、アウトソーシングを考えても問題ありません。外注化は経費削減の基本であり、物流が自社のコア技術でないのであれば外注化を検討しましょう。

例えば私の場合、物販をしていますが、いまは自社倉庫などは保有していません。そうではなく、物流センターを保有する外部の会社にすべて丸投げしています。注文が入ったとき、遠隔にてネット上から配送指示を出すだけです。そのため、私は人や在庫を管理しなくてもいいです。

考え方としては、先ほど説明したリース契約と同じです。支払う費用だけで考えると、倉庫を賃貸契約してパート社員を雇い、自社で発送したほうが物流コストは安いです。ただ在庫管理や人材管理、発送の手配、梱包作業などの間接費用を考えると、外注化したほうがいいというわけです。

これについては、あなたの経営判断になります。自社倉庫を持ち続けるのか、それとも物流に関する作業をすべて外注化するのか、どちらが正しいというものはありません。ただ物流業務のほぼすべてを外注化することは可能なので、ロジスティクス業務がコア技術の会社でない場合は検討してみましょう。

物流コストの削減はあらゆることが可能

物流費用(ロジスティクス費用)の経費削減を考えるとき、多くの経営者はどうしても「物流センターや倉庫内の業務改善によってコストダウンを図る」ことに目が行きがちです。

そのために物流システムの導入やルールの厳格化を検討しますが、これについては既に実施しており、いま以上のコスト削減が無理になっていることが多いです。そこで、それ以外の固定費・変動費削減についても視野に入れましょう。

トラックやその他の社用車を保有しているのであれば、自動車保険料の削減やリース契約でのコストダウンができます。また賃料削減や電気代削減など、他にも経費削減できる方法が存在します。ダンボール以外の資材を使っても問題ありません。これらは倉庫内を最適化するときのような新規投資が不要であり、簡単に行えるので必ず実施しましょう。

どうしても物流コストは高くなりがちなので、運送業や倉庫が関わるビジネスだと利益が低くなりがちです。そこでこれらのアイディアによって物流費・運送費を引き下げ、利益を残せるようにしましょう。


法人コスト削減法の中でも、損害保険(自動車保険、賠責・工事保険、取引信用保険、火災保険)の削減を考えるのは重要です。そこで、専門業者を利用することで損害保険の一括見積をしましょう。

新規加入は当然として、既に法人用の損害保険に加入している場合であっても、こうした見積もりによって大幅に損害保険の金額を下落できます。

もちろん、法人によって加入している保険や必要な保険は異なります。そこで必要な損害保険の値下げを考えましょう。損害保険は内容を同じにしつつ、さらなる値下げが可能であるため、いますぐ大幅なコスト削減が可能です。

【自動車保険】

車を法人所有している場合、法人自動車保険の契約・乗り換えをしましょう。自動車保険は高額であるため、コスト削減の威力は大きいです。

【火災保険】

店舗経営者やオフィスを利用している法人であれば、ほとんどの人で火災保険に加入しています。そこで一括見積をすれば、一瞬で保険料の減額が可能です。

【賠償責任保険・工事保険・労災上乗せ保険】

賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険など、損害賠償に備えるための保険は多くの会社で必須です。ただ賠償額が大きいと保険金額も高くなります。そこで、これら賠償責任保険や工事保険、労災上乗せ保険の見直しをして無駄な経費を抑えましょう。

【貨物保険】

貨物自動車の運送事業者について、お客さんから預かった荷物が輸送中に破損してしまうリスクがあります。そこで、物流に関わる事業をしている会社にとって貨物保険は必須です。

【取引信用保険】

法人経営でよくあるリスクが取引先の倒産や一定期間の支払遅延などの債務不履行です。これによって連鎖倒産してしまいますが、取引信用保険を利用すれば貸倒損失リスクを軽減できます。特に売掛金が多い場合、取引信用保険を活用しましょう。