会社の良し悪しは過去の業績だけで判断できません。売上高や現金残高が全く同じの同業他社でも、「経営者の資質」などの要素で将来に差が生じます。

例えば、A社は経営者の人材育成が功を奏して10年後に成長拡大しているのに対して、B社は社長が急死して銀行や得意先など取引先に対する信用不安から事業の縮小を余儀なくされることはよくあります。

このような「過去の業績以外の要素を融資審査で加味する」ように銀行へ通達しているのが、金融庁の発行している金融検査マニュアルです。

そこで、金融検査マニュアルの中から銀行融資を円滑にする6つの方法を解説します。

金融検査マニュアルを活用する

金融検査マニュアルとは、金融庁が金融機関に対して、「会社に融資するときはこのように査定しなさい」ということを記載した指針書です。

金融検査マニュアルが作成された当初、会社の評価方法は過去の業績に偏っていました。しかし、それでは会社を正しく評価できないという批判が出て、「融資審査するときは過去の業績以外の要素も考慮すべき」となって内容は少しずつ補強されています。

例えば、3年後に販売数量が2倍以上見込める会社に対して銀行が融資するとき、「過去の業績だけで評価するのではなく、将来の成長性を加味する必要がある」ことを金融検査マニュアルでは銀行に対し要求しています。

このように金融検査マニュアルでは会社の実情を考慮することが明記されています。金融庁の方針である以上、銀行が融資審査するときにこのことを無視することはできません。つまり、金融検査マニュアルに明記されている内容と会社の体制が合致すれば融資担当者へのアピールになります。

会社の体制を金融検査マニュアルの内容へ近づけることが銀行融資を円滑にするポイントになります。

銀行融資を円滑にする6つの方法

「金融検査マニュアル」の中に、会社の実情を考慮した評価方法はたくさん存在しますが、すべての会社に当てはまるわけではありません。そこで、銀行融資を円滑にするために経営者が実行可能な6つの項目を取り上げます。

これら6つの項目について、具体的には「経営者の資質」と「販売能力」とに大別できます。

経営者の資質を高める

中小企業は「経営者(社長)次第」といわれています。会社へ融資するとき、銀行は社長に連帯保証人となることを求めます。また、社長が所有する不動産などの担保を要求するのも普通です。

このように、銀行融資は会社の信用だけで実施(実行)されているわけではありません。所有財産を含め、あくまでも経営者(社長)の資質が加味されているのです。

1.経営者の個人財産を蓄える

金融検査マニュアルでは、会社の資金繰りが苦しいときに経営者(社長)の私財を投入するかどうかの覚悟が問われています。会社と経営者は一体しているとみなしているためです。

例えば、稼いだ利益を会社に残すのか、経営者の給料(役員報酬)として個人に分配するのかは社長の裁量で決定できます。また、会社の資金繰りが苦しいとき、社長の現金預金を投入しなければなりません。

そのため、「経営者がいくら入金し、どのぐらい支出するのか」という収支状況のチェックを促す内容が金融検査マニュアルに記載されています。

さらに、経営者が会社以外の保証人になっているかどうかも金融機関は注目します。借入金の返済を肩代わりするリスクがあるため、他にも連帯保証人になっている場合は当然ながら審査は厳しくなります。

このように、経営者は会社の資金繰りが苦しいときに、いつでも私財を投入できるように心がける必要があります。

2.人材育成を積極的に実施する

金融検査マニュアルでは、銀行が経営者の資質をチェックする項目に、会社の人材育成に熱心かどうかを挙げています。この場合の人材育成は社員が対象となります。

例えば、同じエリア内にC店とD店のフレンチレストランがあると仮定します。来客者に気分よく食事をしてもらうためには、接客マナーが欠かせません。

C店は接客マナーの研修を積極的に実施しているのに対して、D店は店員の教育に力を入れていなければ5年後には来客者数に差が出ます。

そのため、金融検査マニュアルでは人材育成を重視しているのです。「定期的に社内研修を実施する」「外部研修に社員を派遣する」などを実施して、銀行にアピールしなければなりません。

3.後継者を育てる

経営者の資質として、後継者の有無が問われます。経営者(社長)の信用で会社の事業活動が円滑に実施できていると金融庁や銀行が見ているためです。

その経営者が不在のとき、信用不安が生じて得意先が離れるなどによって業績が悪化して、融資した借入金の返済が滞ることを銀行は恐れています。

例えば、引っ越し業者の社長が営業活動から作業の段取りなどの大事な業務を一人で決定して、社員に細かく指示を出しているとします。社長が元気なうちは事業活動を円滑に進めることができます。

しかし、不慮の事故などで社長が入院した場合、営業活動に支障をきたすなど事業活動の遂行が困難になってしまいます。

このように経営者が不測の事態に陥った場合のリスクを銀行はチェックしています。そのため、「経営者(社長)の不在=事業活動に支障をきたす」ことのないように、後継者に会社の経営を任せられる体制づくりが求められています。

4.業務日報を活用する

金融検査マニュアルでは、業務日報をチェック項目に挙げています。会社や経営者の評判を把握するためです。そこで、銀行融資を円滑にするために、業務日報には会社や経営者に対する良い評価を記録するように注力しなければなりません。

例えば、あなたが飲食店を営業しているとき、来客者から「この料理おいしかった。また来るね」などのフィードバックがあれば、忘れずに業務日報へ記録しましょう。

また、新たな食材を仕入れるため購買担当者が仕入先を訪問したとき、「貴社(自社のこと)は食材の代金を期日より前倒しで支払ってくれるから助かります」など感謝の言葉をもらったとき、業務日報にその内容を記載すると、融資を希望するときに銀行の融資担当者へアピールすることができます。

このように、会社や経営者に対する些細なほめ言葉を業務日報に記録することで、銀行は「経営者が良い経営を実践している」ことを把握することができます。

販売能力をアピールする

金融検査マニュアルでは、会社の販売力を重視しています。例えば、同じ業績の電気工事業E社とF社があると仮定します。E社は営業活動によって仕事を受注しています。一方、F社は大手企業の下請けがメインで、新規の得意先を開拓する営業力はありません。

不景気で電気工事の受注量が減少した場合、上記2社のうち業績を回復させる可能性の高いのは、明らかに営業力の高いE社です。

このため、銀行は業績ダウンした後のリカバリーができるかどうかをチェックする意味で、会社の販売能力を重視しています。

そこで、会社の販売能力を銀行が判断する項目を解説します。

5.インターネットによる集客力

金融検査マニュアルでは、販売経路の中でもインターネットからの集客力に注目しています。インターネットを活用している場合、「販売エリアの制約がない」「低コスト」という特徴があることを金融庁は理解しているためです。

どういうことなのかについて、以下でより詳しく確認していきます。

・販売エリアの制約がない

ホームページやブログなどを活用することで、無名の会社でも全国に自社を認知させるができます。

例えば、鹿児島県のデザイン会社がホームページを開設したとします。このとき、鹿児島県内に限らずあらゆる都道府県から仕事を受注できるようになります。デザインは電子媒体で納品するのが基本であるため、どこから注文を受けても問題ないです。

タウンページの掲載や折り込みチラシなどアナログの手法では、広告宣伝するエリアは限定されます。例えば、大阪府在住の人が北海道の会社情報をタウンページで探すことはできません。また、折り込みチラシも同様に、広告宣伝できるエリアは新聞の配達エリアに限定されます。

このように、インターネットを駆使して、遠隔地から仕事が受注できるかどうかで、銀行は会社の販売力を判断しています。

・低コストである

また、ウェブサイト運営にはほとんど経費が必要ないという特徴があります。インターネットによる集客が低コストであることは、紙ベースのダイレクトメールと比較するとよく分かります。

例えば、企業研修会社がセミナーの開催をダイレクトメールで告知するとき、Eメールを使用すれば無料で済みます。一方、印刷されたパンフレットを1社ずつに郵送すれば、通信費と紙やパンフレットの作成費用を負担しなければなりません。

このように、インターネットで集客すれば広告宣伝費用を低く抑えられるので、手元に残せるお金が多くなります。

6.商品やサービスの品質を高める

顧客や得意先がお金を負担してまで会社の商品やサービスを求める理由は、品質がよいと判断しているためにほかなりません。そのため、金融検査マニュアルは、会社が提供している商品やサービスの質を重視しています。ただ、商品の品質の高さを客観的に証明しなければ銀行には伝わりません。

そこで、品質の高さを客観的に記す方法を解説します。

・商品やサービスに対するお問い合わせを記録する

見込み客がお問い合わせをする理由は、会社の提供する商品やサービスに関心があるためです。例えば、自動車販売するとき、百万円単位の買い物を即決することは考えられません。事前に販売会社へ問い合わせしてから、購入するかどうかを慎重に検討するはずです。

ただ、たとえ販売に至らなくても、お客様から問い合わせがあるということは「この自動車はニーズを満たしてくれそう」など商品に魅力があることを意味します。

そこで品質の高さを客観的に証明するために、お客様からの問い合わせを忘れないように記録しましょう。

・マスコミ記事を活用する

また、マスコミの記事も会社の信頼を高めるときに有効です。

会社へ訪問取材してまで商品やサービスを記事にする理由は、「品質が高いことを読者に説得できる」とマスコミが判断したためです。こうした理由から、金融検査マニュアルではマスコミ記事を重視します。

例えば、中華料理店のメニューがグルメ雑誌に掲載されると、読者は「この店の料理はおいしい」という先入観をもち、店の集客力はアップします。また、製造業の会社が業界紙に掲載されれば、同業者の中でも製品の品質が高いことを銀行の融資担当者にアピールできます。

銀行融資を円滑にするためには、マスコミへ掲載される記事の量を増やすことが大切です。そこで、新聞記者や雑誌記者の取材には快く応じましょう。

会社の良さを最大限にアピールしよう

金融検査マニュアルに記載されている中から、銀行融資を円滑にするために経営者が実行できる6つの項目を取り上げました。まずは6つの項目うち、着手できるところが実施するようにしましょう。

しかし、実施するだけは不十分です。銀行は融資する会社や業界のことをあまり知りません。そのため、6つの項目を実行したうえで、「自社ではこうした取り組みを実施している」などのようなことを融資担当者にアピールしなければ会社の良さは伝わりません。

例えば、「人材育成を積極的に実施している」といっても、経営者が口で説明しただけでは、銀行に対する説得力に欠けます。銀行へアピールするためには、受講する外部研修のパンフレットや社内研修のスケジュールなど紙ベースの資料を用いることが大切です。

金融検査マニュアルでは、「お金以外の要素を含め、融資する会社を審査する」ように記載されています。銀行融資を円滑にするためには、まず6つの項目を実施して融資担当者にアピールしましょう。


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