仮想通貨投資に対する税金は異常なほど税率が高いことで知られています。そのためビットコインやイーサリアムなどへ投資する人では、海外口座を利用して節税できないか考える人がたくさんいます。
日本の仮想通貨取引所を利用する場合、当然ながら100%の確率で得られた利益は筒抜けになります。一方で海外口座を利用する場合、税金対策できるのではと考えがちです。
ただ、海外の仮想通貨取引所を利用したとしてもまったく節税できません。日本に納税する義務があり、課税逃れをする場合は脱税になります。こうした脱税ではなく、別の方法による海外口座の利用によって合法的に節税しなければいけません。
なぜ海外仮想通貨取引所の利用だけでは節税できないのでしょうか。また海外口座を利用するにしても、正しい節税対策には何があるのでしょうか。ここでは、海外口座を利用して正しく節税する方法を解説していきます。
もくじ
海外口座で重要になる取引所
ビットコインやイーサリアムなどへ投資するとき、日本の仮想通貨取引所ではなく、海外の仮想通貨取引所を利用する人は多いです。
こうした海外口座を開設して仮想通貨の取引をすれば、ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨だけでなく、ありとあらゆる種類の仮想通貨へ投資できるようになります。また何百倍ものレバレッジをかけることができ、日本の仮想通貨取引所に比べて規制がゆるいです。
海外の仮想通貨取引所はいくつも存在します。海外の仮想通貨取引所ではあっても日本語対応しているケースは多く、特に問題なく口座開設が可能です。
海外仮想通貨取引所の利用は節税対策にならない
それでは、こうした海外取引所を利用してビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨へ投資するのは優れているのでしょうか。実際のところどうかというと、投資環境は優れているといえます。国内の仮想通貨取引所に比べて手数料が低く、取引条件は良いです。そのため、多くの人が海外口座を利用しています。
一方で海外仮想通貨取引所を利用して節税になるかというと、話は別になります。海外口座を利用したとしても、まったく税金対策にならないと考えましょう。
日本の税制では、「日本に住んでいる人は海外取引での利益についても課税する」ようになっています。つまり、日本の取引所で投資しようが、海外口座を利用して投資しようが課せられる税金は同じです。
そのため仮想通貨の海外取引所を利用したとしても、最高税率55%なのは変わりません。海外口座を利用しても節税できないと理解しましょう。
日本の銀行へお金が振り込まれた時点で納税が必須
またお金を利用するためには、銀行にお金が着金しなければいけません。日本円でも米ドルでも、何でもいいので現金として銀行にお金が振り込まれることによってようやくATMからお金を引き出したり、クレジットカード払いしたりできるようになります。
そのため海外の仮想通貨取引所を利用したとしても、どこかの段階で日本の銀行にお金を送ることになります。例えば、以下のようになります。
- 日本の取引所へ仮想通貨を送り、現金化する
- 海外の仮想通貨取引所で現金化し、日本の銀行へ送る
このように、いずれにしても日本の銀行にお金を送金しなければお金を利用することができません。そうなると、確実に税務署にバレるようになります。銀行を利用しなければお金を利用できない以上、海外口座を利用したとしても税金対策はできません。
・仮想通貨で支払いをしても納税
なお仮想通貨であるため、仮想通貨を利用して支払いをすることもできます。ただ仮想通貨によって支払いを済ませ、商品・サービスを購入する場合についても、「投資によって増えた仮想通貨」を利用するので課税されます。
しかも、この場合は税額の計算が非常に面倒になります。いずれにしても、仮想通貨を利用する場合は納税義務が発生します。
海外の銀行口座利用は租税条約で簡単にバレる
ただ中には、「日本の銀行ではなく海外の銀行口座を利用すればいいのでは」と考える人もいます。この場合、日本の銀行を経由することはありません。
海外仮想通貨取引所を利用して資産を増やした後、米ドルやユーロなどに交換することができます。米ドルやユーロを送金するとき、海外の仮想通貨取引所の口座から、海外の銀行口座へ送金することは可能です。
例えば日本人であれば、香港にて海外口座を開設する人は多いです。香港では世界的に巨大な金融機関がいくつも存在し、米ドルやユーロなど自由に口座開設できます。例えば以下は、世界的に巨大な銀行で知られるHSBC銀行です。
このとき海外の仮想通貨取引所の海外口座を利用して、こうした海外の銀行口座へ送金することは問題ありません。その後、海外銀行のクレジットカードを利用することによって、銀行口座のお金はあなたの自由に使えます。
ただ、この方法は脱税です。また日本は世界各国と租税条約を結んでおり、たとえ海外の銀行口座にお金を移動させたとしても、税務署は簡単に海外の銀行情報へアクセスできます。つまり、海外の銀行口座を利用して脱税していることが簡単にバレます。
海外の銀行口座を利用する方法は古典的な脱税手法であり、税務署はやり方を熟知しています。そのため、ビットコインやイーサリアムなどへの投資で海外の仮想通貨取引所や海外銀行口座を利用するのは意味がないと考えましょう。
海外移住でなければ海外口座節税は意味がない
海外口座を利用するとき、税金対策にならないのはここまで解説した事情や理由があります。仮想通貨として保有しているのであれば特に問題ないものの、銀行にお金を移したらその時点で課税されます。
そのため個人で海外口座をもち、節税する方法としては海外移住が基本になります。
日本に住んでいる場合、海外の仮想通貨取引所を利用することを含めて、何をどうやっても日本政府へ納税義務を生じます。一方で海外移住すれば、その時点で課税ゼロです。つまり、まったく税金を支払う必要はありません。
もちろん、単に海外移住をすればいいわけではありません。オフショア法人を設立するなど、正しい手順があります。これらをすべて行うことによって、ようやく仮想通貨に対する利益への課税がなくなり、完全非課税にて利益確定できます。
日本人の生涯年収は2億円ほどといわれています。そのため特に、仮想通貨によって数億円規模の利益を出している人の場合、日本に住み続ける意味はなく、ほとんどの人が海外移住によって無税にすることを考えます。海外口座を利用しての節税は海外移住以外に不可能と理解しましょう。
海外取引所利用でビットコイン・イーサリアムの節税は無理
仮想通貨投資に対する税金は異常なほど高額な税率であるため、いくら儲けたとしても投資効果は薄く、半分以上が税金です。そのため、含み益が大きかったとしても税金のために利益確定できない人が非常に多いです。
そのため、多くの人が海外口座の利用を考えます。ただ海外の仮想通貨取引所を利用したとしても税金対策にはなりません。投資できる仮想通貨が多く、レバレッジをかけることができ、手数料が安いことはメリットです。ただ、節税については対策できないというわけです。
海外にある銀行口座を利用するにしても納税は必須です。仮に申告しない場合、それは脱税です。しかも租税条約によって簡単に脱税がバレます。
海外を利用しての仮想通貨節税では、海外移住だけが唯一の方法です。これ以外に海外口座を使っての節税は無理と考えましょう。こうした事情を理解したうえで、正しく外国の制度を利用して投資&節税するようにしましょう。
ビジネスの継続を考えるとき、最も重要なのは節税です。節税策を一つ実施するだけで100万円以上の無駄な税金が減るのは普通ですが、何も対策をしなければ会社経営者や相続額が多い人は無駄に税金を支払い続けることになります。
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