ビジネスで物販をしていると、送料をお客さんから徴収することが頻繁にあります。特に通販やネットショップを運営している人であれば、お客様負担で送料をもらうことがよくあります。

ただ、このとき気になる点として仕訳があります。送料を経費にするにしても、どのように経費処理すればいいのか分からないのです。お客さんが負担している送料について、売上に含めて計上しても問題ないのでしょうか。

お客さんから送料を一律でもらうにしても、送る商品のサイズによって送料は違ってきます。そのため、どう会計処理すればいいのか困ってしまうのです。

そこで、個人事業主・フリーランスや法人経営者がどのように送料を正しく経費化すればいいのかを解説していきます。

厳密にするなら立替金(預り金)や雑収入を使う

経費処理をするとき、厳密に考えるのであれば送料部分については預り金にします。まさにお客さんから送料を預かっているため、立替金(預り金)の勘定科目を利用することになるのです。

例えば通販やネットショップを運営し、3,000円の現金(送料を含む)が振り込まれたとします。このとき、送料を一律300円で徴収している場合、以下のような仕訳になります。

勘定科目借方勘定科目貸方
普通預金3,000売上2,700
立替金300

その後、実際に商品を発送したとき、それぞれで仕訳作業をしていきます。例えば、実際の送料が300円ではなく200円だった場合、以下のようになります。

勘定科目借方勘定科目貸方
立替金300普通預金200
雑収入100

このようにして会計処理していきます。記帳するとき、自営業や法人はそれなりに面倒な作業をすることになりますが、売上に運賃を含めないようにするのが厳密なやり方になります。ちなみに、徴収した預り金よりも送料のほうが多い場合は雑収入ではなく、雑損失を使うようになります。

送料を売上に含める方法が一般的

ただ、個人事業主・フリーランスや法人経営者を含め、厳密に売上と送料を分ける方法は非常に面倒です。商品サイズによって送料は違いますし、それに応じて雑収入や雑損失を活用し、立替金に関しても計算しなければいけません。

ビジネスでは、会計処理をできるだけ簡単にするのが基本であり、利益や経費の金額さえ合っていれば厳密さは求められません。そのため、大多数の会社が「送料を売上に含める」ようにしています。

送料が売上に入ったとしても、最終的な利益や経費金額、税額(法人税や消費税の金額)は変わりません。利益や消費税額を含めどれも変化がない以上、送料を売上に含めて問題ないのです。

この場合だと、経費処理は簡単になります。3,000円の売上があって銀行口座に入金された場合、以下のように処理すれば問題ありません。

勘定科目借方勘定科目貸方
普通預金3,000売上3,000

また、200円の送料の支払いがあった場合は単に荷造運賃として処理をするだけです。以下のようになります。

勘定科目借方勘定科目貸方
荷造運賃200普通預金200

立替金・預り金のような面倒な項目はなく、単に売上から送料を差し引くだけの記帳作業になります。そのため非常に単純です。

特に通販やネットショップなどの場合、非常に多くの商品を送ることになります。しかも商品ごとにサイズが異なり、送料が違うので、それぞれについて細かく計算していると記帳作業だけで何時間も潰してしまいます。

これでは非効率であるため、いったんすべて売上に計上してしまい、送料として支払ったお金をまとめて経費化する方法が一般的になっています。

通販・ネットショップを含め、宅配便の勘定科目はどちらでもいい

なお、宅配便などの送料について「立替金を利用する方法」と「売上に含める方法」については、どちらも正解です。両方とも広く実施されている手法になります。売上に含めるほうが圧倒的に多いものの、どちらの方法を活用しても問題ありません。

ただ当然ながら、「あるときは立替金を利用し、あるときは配送料を売上に含める」などのようなことはしません。必ずどちらか一方の方法に統一する必要があります。

なお、郵送料を売上に入れる方法は簡単であるものの、見た目上の売上金額が増加するデメリットがあります。送料がお客様負担にも関わらず、たくさん売れているように見えてしまうのです。

そのため「送料を除いた売上金額を正しく把握したい」という場合であれば、厳密に会計処理しても問題ありません。

しかし、実際のビジネスでは厳密に処理しようとするほど無駄に時間がかかり、その分だけ人件費も上乗せされるようになります。そのため、できるだけ簡単な処理をするために、送料を売上に含めてしまう方法が広く採用されているのです。

梱包資材も荷造運賃で経費

なお、宅配便や郵送を利用するにしても単に送料を支払うだけではありません。商品を仕入れて発送するとき、梱包資材を購入して包装することになります。通販やネットショップを含め、以下のような資材を購入するのは普通です。

  • 梱包用の緩衝材・プチプチ
  • ダンボール
  • 封筒類

こうした梱包資材についても、荷造運賃で損金計上します。

または、仕入商品を送るための梱包資材は消耗品費にしても問題ありません。10万円未満の製品を購入したときは無条件で全額を経費にでき、このときは一般的に消耗品費を利用します。

どちらの勘定科目を使っても正解なので、特に厳密に考える必要はありません。ただ、いずれにしても、仕入商品を送るための資材についても送料に関する費用として経費にしましょう。

仕入れの送料負担も同様

なお、ここまで述べたことは送料をお客様負担にするケースに限らず、あなたが送料を負担して商品を仕入れるときについても同様です。

ただお客さんに商品を発送するときとは異なり、「売上に含めるかどうか」については考える必要がありません。単にあなたが送料を負担して商品を仕入れた場合、荷造運賃を利用して仕訳をするだけとなります。

例えば、商品を仕入れるときに200円の送料をあなたが負担した場合、以下のようになります。

勘定科目借方勘定科目貸方
荷造運賃200普通預金200

そのため、特に難しくはありません。

固定資産の取得に関わる送料は取得金額に含める

ただ、中には高額な機械を購入するなどのケースがあります。このとき、30万円未満であれば特例を利用して一括損金化するものの、30万円以上であれば固定資産として減価償却しなければいけません。

そうしたとき、固定資産については例外的に「送料を固定資産の取得金額に含める」ようになります。つまり固定資産の本体価格ではなく、「本体価格 + 送料 + 設置料 + ……」で固定資産の取得金額を考えるようにしましょう。

機械を動かすようにするためには、実際に送ってもらって設置しなければいけません。そのため、固定資産の取得金額に送料を含めるようになっているのです。

例えば、高額で特殊なパソコンを購入したときであっても送料を固定資産に含めます。送料は基本的に荷造運賃として全額損金にできるものの、30万円以上の高額な固定資産を購入するときだけ例外が起こると考えるようにしましょう。

個人事業主や法人が送料を損金化する

通販やネットショップの運営者であれば、宅配便を含め非常に多くの送料が発生します。また、それ以外のビジネスをしている人であっても、送料を支払う場面があるのは普通です。そうしたとき、個人事業主・フリーランスや法人経営者はどのように送料を取り扱えばいいのか理解するようにしましょう。

経費処理は、できるだけ簡単に済ませるのが原則なので、一般的には「お客様負担の一律送料」は売上に含めます。ただ、立替金を活用する手法も存在します。

またあなたが商品を仕入れて送料を負担するときについても、通常通り経費にしましょう。ただ、高額な固定資産の送料については例外的に取得金額に含め、減価償却するようになります。

自営業者や法人がビジネスをするとき、送料についてはこうしたルールがあります。どの方法が最適なのかは会社ごとに異なるため、あなたのビジネスに最適なやり方を採用するようにしましょう。


年間350万円以上を節税

ビジネスの継続を考えるとき、最も重要なのは節税です。節税策を一つ実施するだけで100万円以上の無駄な税金が減るのは普通ですが、何も対策をしなければ会社経営者や相続額が多い人は無駄に税金を支払い続けることになります。

ただ、私は優秀な節税の専門家(税理士やファイナンシャルプランナー)に依頼したことで「家賃の個人負担が家賃総額のわずか6%」「出張に行くたびに30万円以上の非課税の現金を手にできる」「社会保険料を年間130万円削除」など、何も対策をしなかったときに比べて一瞬で年間350万円以上も節税できています。

現在では、海外法人(タックスヘイブン)の活用や再保険(キャプティブ)の利用など、あらゆる節税策によって年間にして何千万円もの節税を実現しています。

高額な財産を相続する人や会社経営者は節税に精通した専門家が必須です。そこで、実際に節税に強い税理士やファイナンシャルプランナーを紹介します。節税コンサルを受けるだけで、あなたの会社の財務状況は一変するようになります。

節税コンサルの応募ページへ


YouTubeでの節税情報

Twitterでフォローする