中小企業の中には、自社ビルの保有を検討することがあります。大規模のオフィスビルや商業ビルであれば規模の大きい不動産会社が建築するため、中小企業にとって縁がありません。ただ、通常の自社ビル保有の場合、儲かっている会社であれば手を出すことができます。

一人社長なら関係ないですが、会社経営をして社員を雇う場合、必ずビルやマンション内に賃貸で事務所用の部屋を借ります。

ただ、会社規模が大きくなって自社ビルを保有すれば、そうした賃貸料を支払わなくて済みます。そのため、経営者の中には自社ビルを購入して節税できないかと考えるケースがあります。

これについては、何も考えずに自社ビルを建築すると無駄金が出ていくようになります。そこで、ビジネス戦略を練ったうえでオフィスビルを作らなければいけません。ここでは、「ビルを作って支出を抑えるための考え方」について解説していきます。

キャッシュフローが悪くなる自社ビル

大前提として、昔からある大企業でない限りほとんどの会社が自社ビルを保有せず、オフィスビル内にテナントとして借ります。

確かに自社ビルを保有するとかっこいいです。ただ、それでも中小企業に限らず大多数の大企業がオフィスビルをテナントとして利用しているのです。これには、当然ながら理由があります。それは、自社ビルを保有すると圧倒的にキャッシュフローが悪くなるからです。

自社ビルの建築費としては、ビルである以上は何億円にもなります。規模や内装によって値段は異なりますが、いずれにしても高額な現金が出ていくようになります。

このとき、建物を減価償却によって経費にするとはいっても初年度に全額経費にできるわけではありません。減価償却費として徐々に経費化していく必要があり、このときは以下のように耐用年数が決められています。

  • 鉄筋コンクリート(RC):47年

しかも、土地の購入費用は経費にできません。47年という年月をかけて経費化できるのは、建物の部分のみになります。

つまり不動産の購入費用について、購入初年度に経費化できるお金は非常に少なく、ほぼ内部留保したお金の中から支出しなければいけません。もちろん銀行融資に頼ってもいいですが、その場合は急に借入金が大きくなって月々の返済が苦しくなります。

そのため、通常は法人税を支払った後、内部留保のお金がたくさんたまった段階で自社ビルを購入するのが基本です。いずれにしても会社内の現金が少なくなるので大幅に資金繰りが悪化してしまい、ビルを保有した瞬間からデメリットが目立つようになります。

ちなみに賃貸であれば、税引き前のお金で支払えます。家賃は全額経費であり、法人税を支払った後のお金で支払うわけではありません。さらには不動産購入のように、最初に一括でお金が消えるわけでもないため、資金繰りの面では賃貸のほうが圧倒的に優れています。

オフィスビルを保有するとテナントを移動できない

また、賃貸であれば会社規模に応じてテナントを借りることができます。社員数が多くなれば大きめのテナントに移ればいいし、事業縮小をする場合は小さなテナントへ移ります。こうして、規模に応じて自由に移動できるのが賃貸の最大のメリットです。

ただ、これが自社ビルだと自由な引越しができません。多くの建築費用が必要になるだけでなく、ビルの場所も固定されてしまうのです。

会社を拡大させるに伴い、本社社員の人数を増やすことがないのであれば、ビルの大きさは関係ありません。しかし、会社規模を大きくさせることを考えている場合、自社ビルだと本社に入れる人数は制限されます。

・地方の支店に本社ビルは関係ない

ちなみに、本社ビルを完成させるとなるとお祝いをしたくなりますが、地方にいくつもの支店を構えている場合は注意が必要です。自社ビルを作ることで、地方にいる社員のモチベーションが下がってしまうことがよくあるからです。

地方にいる従業員にとって、キレイでかっこいい本社ビルがあるかどうかは実際のところどうでもいいです。むしろ、「稼いだお金で無駄な自社ビルを社長が作った」と思われてしまうこともよくあります。自社ビルだと、こうしたリスクもあるのです。

不動産オーナーとして、本社ビルをテナントで貸すのが原則

ただ、それでも本社ビルを保有したいと考える社長もいます。その場合、どのようにするのが最適なのでしょうか。

これは建築するオフィスビルについて、すべて自分の社員だけで埋めようとするから資金繰りが大幅に悪くなり、社員の反発を受けるようになるわけです。そうではなく、自社ビルを保有するにしても「不動産投資の一貫」であれば経営状況は大きく悪化しません。

実際のところ、ほとんどの中小企業の経営者は自社ビルを作るときに自分たちだけで使うことを考えます。ただ、そうした考えだと自分の会社を潰すことになります。そこで、オフィスビルオーナーとして賃貸に出すことを考えるといいです。

つまり、オフィスビルのうち自社は一部だけを利用し、その他の階層や部屋については他社に貸し出しをするのです。

そうすれば、賃料収入を得られるようになります。最初に土地・建物の購入費用は出ていくものの、テナント料を得ることで数年後には収支をプラスにできるようになります。賃貸でなければ、内部留保のお金を食いつぶすだけです。これを防ぐため、他社へ貸し出すことを考えましょう。

個人の賃貸マンションとして貸すのもいい

なお、ビルを建築するときはすべてをオフィスビルにする必要はありません。ビルの1階や2階だけを会社事務所にして、それよりも上の階層を賃貸マンションとして個人に貸し出してもいいのです。

こうした形態のビルは非常に多く、あなたも「一階は会社が入っており、その上は個人が住んでいる」という形式の賃貸マンションを何度も見かけたことがあると思います。よくあるのは、一階に飲食店やコンビニ、クリニック、学習塾などが入っており、その上が賃貸マンションになっている形式です。

当然、自社ビルなので事務所スペースについては他の会社を入居させるのではなく、あなたの会社が入ることになります。

ただこうした場合であっても、問題なく不動産オーナーとして会社に賃料収入が入ってきます。賃料が入れば数年後には土地や建物代を取り戻すことができ、さらには収支がプラスとなって会社の経営に良い影響をもたらすことが可能です。

特に賃貸マンションの場合、一階は不人気で賃料が低くなりがちです。一階は洗濯物を干すと外から丸見えですし、防犯面に不安が残ります。そのため、一階に会社が入ってその他の余った上層部分を貸し出すのは理にかなった方法だといえます。

「ビルを建てることを検討している場所」が法人用のテナントに適していない立地の場合、個人へ貸し出すことで賃料収入を得ても問題ありません。

社員が増えたらリフォームで事務所を増築できる

このようにオフィスビルを建築すると同時に他社(または個人)に貸すのが、自社ビルを建てるときに中小企業の社長が考えるべきポイントとなります。数年で土地や建物費用の元を取ることができるようになりますし、ビルの維持費についても賃料収入から補えるようになります。

何も考えずに自社ビルを作ると、ほとんどの会社が倒産への一歩を踏み出し始めます。ただ、このように不動産収入を得ることまで考えている場合、自分のオフィスを持ちながら事業を継続できるようになります。

また、テナントや個人への賃貸として貸し出している場合、リフォームをすることで自分たちが利用する事務所スペースを増やすこともできます。

半年前や1年前など、事前に通告していればたとえ既に入居者がいたとしても、立ち退きを依頼することができます。そうして出て行ってもらったあと、リフォーム工事をすれば自分たちの事務所部分を増やすことができます。

増改築した部分だけ賃料収入は減りますが、事務所スペースを確保することで問題なくビジネスを継続させることが可能です。

ビルを購入してもいいが、将来ビジョンを考えるべき

経営者で自分のオフィスビルを購入することを考えるケースがあります。中小企業であっても、ある程度のスペースをテナントとして借りていると「毎月の賃料収入を支払うよりも、ビルを購入したほうがいいのでは」と考えるようになります。

ただ、自社ビルを建てると急にデメリットが目立つようになります。内部留保のお金が消えてキャッシュフローが悪くなり、銀行融資での借入金が一気に増えて経営を圧迫するのです。支出だけ増え、経費にできる額も少なく節税できません。

そのため、何も考えずにオフィスビルを建築するのはおすすめしません。たとえ大企業であっても、ほとんどの会社が自社ビルをもたないのは理由があるのです。

そこでビルを建築するにしても、他社や個人へ貸し出すことを前提に考えるといいです。そうすれば建築費用を賃料収入によって取り戻せますし、維持費についても賄えるようになります。

ここまでを考え、自社ビル保有をどうするのかを検討するといいです。本社ビルを建てるとき、自分たちだけで利用するのは良い選択肢ではありません。他の人へ貸し出すことまで視野に入れ、ビル保有を考えましょう。


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