会社を運営していく上で、資金繰りは非常に重要です。資金繰りが上手くいかなくなってしまうと、会社は倒産してしまいます。そうならないためにも、経営者は資金繰りについて学び、お金が不足しないようにすることが大切です。
そしてそのためには、資金繰りが悪化する原因を把握しておく必要があります。会社からお金が無くなる理由を理解しておくことで、資金不足を予防したり、実際に資金不足となったときに素早く対処できたりするようになるのです。
こうしたことからも、経営者は資金繰りが悪化する原因について知っておく必要があります。
そこで今回は、「資金繰りが悪化して会社のお金が不足する原因」について解説します。
もくじ
会社の資金が無くなる5つの原因
経営者の中で「資金が無くなったら会社を運営できなくなる」ということを理解していない人はいません。そのため、ほとんどの経営者は会社のお金について常に考えています。
ただ、そうした状況にあるにも関わらず「いつの間にか資金が不足して倒産してしまった」という会社は少なくないのです。これには、会社の資金繰り状況が非常にわかりにくいことが関係しています。
以下に、資金繰りが悪化して会社の資金がなくなる5つの原因について記します。
お金の動きが見えなくなる
知らぬ間に会社のお金が無くなってしまう一つ目の原因は「お金の動きが見えなくなる」ということです。
以前は、現金商売で毎日お金に触れて、会社に出入りするお金をリアルに感じていました。その一方で現在では、現金商売をしているところは少なくなっており、お金に対する感覚が薄れてきているのです。
その結果、会社における資金の増減に対する意識が低くなって、お金が不足していることに気付きにくくなっているのです。
例えば、商品販売にクレジットカードを利用している会社であれば、お客様に商品を渡すのと、実際に現金が会社に入ってくるタイミングにズレが生じます。ただ、毎日の業績に関しては、売れた数と販売価格から売上を計算します。つまり、売上はプラスであるにも関わらず、会社のお金は増えないのです。
このように、会社の売上だけを把握して、「会社に実際にどれくらいのお金が残っているのか?」というお金の動きを把握していないことが原因で、資金不足となる会社は少なくありません。
お金が漏れている
会社の中には、知らない間にお金が漏れてしまっていることが原因で、資金繰りが悪化してしまうケースもあります。つまり、無駄なコストによって必要以上のお金が流失してしまっているのです。
例えば、利益が出ていない赤字事業などは、知らない間にお金が漏れる代表的な原因です。儲からない事業をそこまで赤字額が大きくないからという理由で、そのまま放置している会社は少なくありません。確かに、わずかな赤字程度であれば、すぐに会社の資金を圧迫する程の問題になる可能性は低いです。
ただ、そうした事態が長く続いたり、いくつもの事業が赤字の状態になったりすると、いつの間にか会社の資金不足を作り出す原因となるのです。
その他にも、知らぬ間に無駄なコストとして漏れている例には以下のようなものが挙げられます。
・赤字店舗の維持管理費用
・売れない商品やサービスの維持、販売費用
・売上を上げない社員の人件費
・使わなくても定期的に口座振替される会費など
このように、知らない間に無駄なお金が漏れていることが原因で、資金繰りが悪化する会社も多くあります。
お金が形を変える
会社が事業を行っていく中で、お金は一旦、商品やサービス、備品などとなり、最終的に会社の利益となるお金に戻ります。
例えば、小売店であれば、資金を使って卸業者から販売する商品を仕入れます。そして、その商品が消費者に売れれば会社のお金になります。つまり、「お金 → 商品、サービス → お金」という流れを経て、利益が生まれるのです。
そして小売店は、仕入れた商品に付加価値を付けることで、仕入額よりも高いお金で商品を販売するため、その分だけ利益となります。
当然、商品が売れなければ利益は減ります。ただそれだけでなく、こうしたお金の流れを経る過程で、商品の価値が下がってしまい、会社のお金が減ってしまうことがあるのです。
例えば、季節物の商品などは、その代表的な例です。クリスマスに関連した商品は、クリスマスの時期を過ぎると売れなくなります。そのため、小売店は割引することで、商品を買ってもらおうとします。そうなると、たとえ商品が売れたとしても、仕入額よりも低くなってしまい、お店にとってはマイナスとなるのです。
このようにお金は、最終的に会社の利益になるまでに姿を変えます。そうした中で、価値が変動することで、知らない間に会社にとってマイナスとなっていることがあるのです。
こうした価値の変動を考慮していないことが原因で、資金繰りが悪化する会社も少なくありません。
自分と他者のお金が区別できなくなる
経営者の中には、自分のお金と他者のお金の区別ができなくなって、資金繰りを悪化させてしまう人もいます。
例えば、金融機関から借金して会社の口座にお金が振り込まれると、会社の資金は一時的に増えます。ただ、これは純粋な会社のお金だけでなく、将来的に返さなければいけない借金が含まれています。
こうしたときに、会社のお金が増えたと勘違いして、お金を使いすぎてしまい、資金繰りが悪化するのです。
このように、会社を運営していると、会社が売り上げた以外のお金が入ってくることが多々あります。そうした際に、会社と他者のお金を区別できなくなることが原因で、資金不足になる会社もあるのです。
お金の流れが逆になる
多くの会社では、業績の管理を「売上 - 費用 = 利益」という流れで考えます。つまり、売上というお金が入ってくることを前提としているのです。
しかし実際のお金の流れは逆であり、先行投資としての支出(費用)が先で、その後に回収(売上)となります。
例えば、社員を雇うにしても、新人として入ってきた社員がいきなり売上に貢献することは稀です。ただ、その中でも給与は支払わなければいけません。そして、その社員が成長して売上を上げるようになってはじめて、先行投資として払ったお金が回収できるのです。
もちろん、先行投資などを行うことなく会社を運営していくのであれば、こうした問題は起こりにくいです。ただ、会社を成長させ続ける限り、将来の利益を得るための先行投資は必須となります。
そのため、基本的に会社は常にお金が不足しているものなのです。
このように、業績管理と実際のお金の流れが逆になっていることも、知らない間に会社の資金が不足する原因となります。
ケース別の資金不足の原因
会社の資金繰りが上手くいかなくなり資金不足となるときには、さまざまな状況があります。そこでここからは、ケースに分けて資金不足となる原因について考えていきます。
突然資金が不足する原因
会社の中には、これまで十分な資金を持っていたのに、突然資金不足の状態に陥る企業も存在します。予想外の事態が起こると、急に資金不足なる可能性があるのです。
例えば、得意先が急に倒産した場合には、売掛金が回収できずに資金不足になる会社が多くあります。売掛金とは、先に商品やサービスだけを渡していて、後から支払われるお金です。つまり、得意先が倒産して売掛金が回収できないということは、将来的に入るであろうと予測していたお金が入らないということです。
その結果、会社の資金繰りが悪化して倒産することになる会社も少なくありません。いわゆる連鎖倒産と呼ばれるものです。
このように、予想外の事態によって急に資金不足となる可能性もあります。こうした急な資金不足を引き起こす原因には、他にも以下のような例が挙げられます。
・不良商品による買戻義務
・火災による生産設備品、在庫品の破損
・事故による損害賠償責任
・保証先の破綻による保証債務の履行
売上が増えているのに資金が不足する原因
会社の中には、売上が増えているにも関わらず、資金が不足するような企業も多いです。むしろ、売上の増加が著しくなるほど、資金繰りは難しくなります。
例えば、商品を製造・販売している会社であれば、製品が売れるほど売上は上がります。ただ、急激に商品の販売数が多くなると、その分だけ製品を製造する量(在庫)も増やさなければいけません。
そして、製品を作るためには、原料を購入する必要があります。つまり、製造する製品の数を増やすほど、出ていくお金も多くなるのです。もちろん、増やした分だけ商品が売れれば、原料の仕入れにかかったお金は回収できます。しかし、たとえ売れたとしても、在庫として残っている間は会社にお金は入ってきません。
ましてや、商品の売れ行きが良いために在庫量を増やしていると、その分だけ仕入れにかかるお金が高くなります。その結果、実際に商品が売れてお金を回収するまでの間に資金繰りが苦しくなるのです。
このように、売上が増えているのに資金が不足している場合には、投資したお金を回収するまでのタイムラグが関係している可能性が高いです。
季節の違いによって資金が不足する原因
既に述べたように、販売する商品の中には、季節によって売上が大きく変動するものが多くあります。
例えばクリスマス関連商品以外にも、使い捨てカイロなどは冬に売上が急増するものです。こうした場合、12月以降の需要増加に向けて、生産期間も考慮して原料を需要気前の10月などに大量購入します。つまり、先行投資として多くのお金が無くなるということです。
しかし、当然ながら商品が売れてお金を回収できるのは、12月~3月にかけてです。そのため、原料を仕入れた10月からお金を回収する3月までの間は、会社はマイナスの状態となっています。
このように、予測によって商品を大量に生産することで、資金繰りが悪化するような会社も存在します。
ただ、こうした季節の変動による資金不足はある程度予測ができるため、大きな問題となることは少ないのが実際です。
今回述べたように、会社の資金繰りが悪化する原因はさまざまです。経営者であれば、資金不足とならないように、常にお金の流れを意識しておくことは大切です。特に、以上に上げた「お金が無くなる5つの原因」については、見逃さないように注意しなければいけません。
また、取引先の倒産など、予想外の事態によって資金不足なる可能性があることも知っておくことが大切です。
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