世界にはタックスヘイブン(オフショア)という存在があり、この地域では非常に税金が安くなっています。タックスヘイブンのエリアとしては香港やシンガポールなどが有名であり、オフショア地域として多くの富裕層が移住しています。

これと同じ制度がマレーシアに存在します。マレーシアのタックスヘイブンがラブアン島であり、ここで設立する会社がラブアン法人です。

ラブアン法人を設立すれば、税金をほとんど支払わなくてもいいという非常に大きなメリットがあります。事実、ラブアン法人を作るだけで、日本に居住する場合と比較して年間1,000万円以上の無駄な税金を省けるのは普通です。ただもちろんデメリットもあるため、それらの注意点を事前に理解しなければいけません。

そこでラブアン法人を活用してオフショア法人を設立するとき、どのようなメリット・デメリットがあるのかについて解説していきます。

ラブアン法人とは、ラブアン島で設立できる特別な法人

マレーシアで発展しているのは西マレーシアになります。マレーシアの西側に首都のクアラルンプールや、第二の都市であるジョホールバルがあります。また世界遺産の都市で知られるペナンも西マレーシアです。

一方でラブアン島はどこに位置するかというと東マレーシアになります。以下がラブアン島の地図です。

非常に狭い島であり、東マレーシア・ボルネオ島の沖に浮かぶド田舎の島がラブアン島です。一応はリゾートアイランドですが、そこまでリゾート地の雰囲気はなく、単なる田舎だと理解すれば問題ありません。

ただ同時に、税金がほとんど課せられないタックスヘイブンであるというわけです。ラブアン法人とは、こうしたラブアン島で設立できる特別な会社だと理解すれば問題ありません。

1国2制度を備えた珍しいマレーシア

つまりマレーシアは1国2制度を備えた珍しい国だといえます。一つの国であるにも関わらず、完全に別の基準が同じ国の中で動いているのです。

もちろん1国2制度とはいっても、香港のように「ほぼ完全に別の国のように機能しており、政府も別に存在する」などのような形ではありません。あくまでもマレーシア政府が完全に支配しており、一つの国に別の基準があるというわけです。

例えばイギリスであれば、同じ国の中にオフショア地域を作るのではなく「マン島(英国王室属領国)」「ケイマン諸島(イギリスの海外領)」など、自国外にタックスヘイブンをもちます。自国ではなく、別の国なので建前としては「他の国が勝手にタックスヘイブンを採用している」となっているわけです。

ただマレーシアの場合、同じ国の中にラブアン島というオフショア地域があるため、1国2制度として活動しているというわけです。

最大のメリットは法人税3%の節税効果

このときラブアン法人を利用する一番のメリットは節税です。むしろ、節税メリットのみを考えて富裕層がオフショア地域に移住してきます。金持ちが香港やシンガポールなどのタックスヘイブンに移住する理由は節税以外にあり得ないと考えましょう。

そうした中でも、ラブアン法人は異常なほど税率が低いです。これは香港やシンガポールなど他のオフショア地域に比べても低く、法人税率は3%です。

それぞれの税率を比較すると以下のようになります。

日本 ラブアン 香港 シンガポール
法人税 30% 3% 16.5% 17%
所得税&住民税 55% 年間12万円 17% 22%
相続税 55% なし なし なし
贈与税 55% なし なし なし
消費税 10% なし なし なし
キャピタルゲイン税 20% なし なし なし

なお、実際には香港やシンガポールだと法人税率は8%ほどになります。ただ8%と比べたとしても、ラブアン法人の法人税率の低さが分かります。

・納税者番号が自動的に付与される

このとき、ラブアン法人では就労ビザの発行と共に納税者番号が自動的に付与されるようになります。税率が低いとはいっても、法人税や所得税を支払うことになるため、これについてはある意味当然だといえます。

こうした納税者番号が付与されると、確実に「マレーシアにて納税している」と言い張れるようになります。

マレーシアで有名な他のビザとしてMM2Hビザがあります。リタイアメントビザであり、このビザの場合は納税者番号が付与されません。そのため節税ツールとしては非常に弱いですが、ラブアン法人での就労ビザでは納税者番号の付与により、日本での納税義務はなくなります。

個人所得税も年間で約12万円と低い

それだけでなく、ラブアン法人のメリットは個人所得税もあります。個人で支払う所得税が非常に低くなっているのです。

細かい計算方法は省きますが、マレーシアに住んでいるラブアン法人の代表取締役というのは、日本人を含む外国人だと年間の所得税が4,000リンギット(約12万円)で問題ないとされています。そのため、ほぼ税金を支払う必要がありません。

・節税効果が圧倒的なラブアン法人

それでは、どれくらいの節税額になるのかというと、例えば「法人利益:1,000万円」「役員報酬:2,000万円」という会社の経営者だと、ザックリと日本で以下のような納税額になります。

  • 法人税:300万円
  • 消費税:500万円
  • 社会保険料:600万円
  • 所得税:430万円
  • 住民税:175万円

合計で2,005万円です。一方でラブアン法人だと、税金は合計42万円(法人税30万円+所得税12万円)だけです。ここから、ラブアン法人を設立して住む場所を変えるだけで、年間1,000万円以上の無駄な税金を削減するのが恐ろしく簡単だと理解できます。

外資のみ、外国人一人だけで設立可能

またラブアン法人で非常に優れる他のメリットとして、外資のみで設立でき、外国人一人だけでも登記可能なことがあげられます。

日本の感覚だと、当たり前のように感じてしまいます。ただ海外では、「会社を作るときは現地人が株式の60%以上を保有する」「現地での発起人を3人以上、入れないといけない」などのルールがあるのは普通です。

つまり外国人の経営者にとって圧倒的に不利な内容となります。事実、現地の人によって大切に育ててきた会社を乗っ取られるケースはよくあります。しかし、タックスヘイブンで知られるラブアン法人はそうした心配事がないというわけです。

実際、私のラブアン法人については私のみが株主であり、代表取締役として就任しています。以下はラブアン法人設立時の資料ですが、このように私のみが株主です。

株の割り当て者で記載されているのは私の名前だけであり、他の人は存在しません。そのため他の人に会社を乗っ取られることはなく、問題なく会社経営できるようになります。

あらゆる業種が可能であり、上場もできる

なおこのとき、ビジネスをしている場合だと既存のあらゆる法人にてラブアン法人の設立が可能になります。そのため、ほとんどの業種でタックスヘイブンを活用した節税が可能です。

「ほとんど」というのは、ラブアン法人を作ったとしても節税が不可能な業種が存在するからです。この代表的なものが日本国内の不動産へ投資する大家です。

不動産というのは、どの国でも「収益が発生した国で最初に税金を納める」ように規定されています。例えば地球の反対側に住んでいるブラジル人が日本の不動産へ投資して賃料収入を得たとしても、日本で納税しなければいけません。

そのため日本の不動産へ投資している人は何をどうやっても海外法人の節税が無意味です。ただ、反対にいうとそれ以外の人であれば業種に関係なく節税可能というメリットがあります。ラブアン法人では上場した会社もあり、会社の拡大も可能です。

ただ日本国内に会社や店舗を残す場合は注意するようにしましょう。日本の会社からマレーシアのラブアン法人へ売上を逃すにしても、過度の送金をすると税務調査で否認されます。そのためかなりうまく行動する必要があり、このときはラブアン法人に特化している専門の税理士と相談しながら節税を進めなければいけません。

日本の非居住者になるのが一番のデメリット

こうしたメリットのため、富裕層の多くがマレーシア移住して高額な節税を実現します。一方でデメリットとしては何があるのでしょうか。これについては、日本の非居住者でなければいけないことがあげられます。つまり、日本ではなくマレーシア(またはその他の国)で住むことが必須となります。

これは日本にタックスヘイブン対策税制の存在があるからです。日本に住んでいる人の場合、海外の売上を合算して日本で納税するように法律に規定されているのです。

つまり日本に住みながらラブアン法人を作ったとしても、節税は100%無理です。税務調査に入ったとき、確実に否認されると考えましょう。もちろん裁判を起こしても無駄であり、過去に敗訴した例が腐るほど存在します。

そのためマレーシア(またはその他の国)へあなたが移住できる覚悟がある場合のみ、ラブアン法人が有効だといえます。

・生活で不自由することはない

ちなみに私の場合は実際にラブアン法人を作っているわけですが、マレーシアへ移住するに当たり、日本の非居住者になることについては実はそこまでデメリットに感じていません。実際、日本人街に住んでいるので毎日日本食を食べており、特に困ることがないのです。

例えば、以下は私が毎日のように行く「すき家の牛丼」「ラーメン屋(奥にあるのが一番ラーメン)」です。

生活環境は圧倒的に日本より良いため、私の場合はデメリットとは思っておらず、むしろ日本以外で生活でき、他のアジア地域にてビジネス展開できるのでメリットのほうが大きいと感じています。

リンギット決済ができず、マレーシア国内の取引は不可

なお、その他のデメリットとして「マレーシア国内の個人や企業と取引できない」ことが挙げられます。そのため基本的にマレーシア・リンギットでの支払いや受け取りはできません。また米ドルでの支払いや受け取りであったとしても、マレーシア国内の個人・法人と取引してはいけません。

厳密にいうと多少は緩和されていますが、原則としてラブアン法人がマレーシア国内の個人や企業と取引をすることはないと考えましょう。あるとしても、秘書会社やスタッフへの支払いくらいです。

これについては、ある意味当然だといえます。マレーシアにてビジネスが可能な場合、マレーシアで一般法人を作ろうと考える人はいなくなります。全員がラブアン法人を設立しますが、そうしたことをできないようにしているのです。

ただ、マレーシア以外であれば日本やアメリカ、その他のアジアを含めてどの国でも取引できます。ラブアン法人というのは、マレーシア国外からもちこまれる外貨を狙ったオフショア法人だと理解しましょう。

クアラルンプールやジョホールバルなどに住める

なおラブアン島で発行される就労ビザに特徴的なことがあります。それは、西マレーシアに住めるようになっていることです。世界的に見ても、こうしたビザの存在はマレーシアくらいです。

タックスヘイブンへの移住節税をする場合、対象の国に住むのが大原則です。香港やシンガポールでも、その国に住むのが一般的です。ただラブアン法人での就労ビザについては、ラブアン島に住む必要はなく、クアラルンプールやジョホールバル、ペナンなどの西マレーシアにも住めるようになっています。

参考までに、以下はラブアン島の市街地です。

中心部でさえ、こうした田舎街の雰囲気になります。そのため、日本人がラブアン島で生活するのはかなりキツイです。ただ実際には西マレーシアの都市部で生活できるため、何も問題ないというわけです。

・教育には最も優れる環境

なお独身の人だとまだ関係ないですが、家族での移住の場合、子供の教育にとってマレーシアは最高の環境だといえます。要は、日本よりも圧倒的に優れるわけです。

  • 学校(保育園を含む)は見学後、翌日からでも入学できる
  • マレーシアは英語が普通のため、子供は勝手に英語を話せるようになる
  • 日本に限らず韓国や香港などの富裕層も多く、教育レベルが高い
  • 多民族国家で中華系の人も多く、子供は中国語も勝手に学んでくれる

参考までに私の場合、娘が1歳半のときにマレーシアへ引越し、以下のような現地の保育園に放り込みました。

マレーシア移住の1週間後にアポなしで見学し、その翌日から入園させて通わせるようにしました。マレーシアでは待機児童は存在せず、このようにすべてが自由で便利だといえます。

生活コストは大幅に下落できる

それだけでなく、マレーシアは生活コストが非常に安いです。オフショア地域だと、非常に国土が狭いにも関わらず多くの富裕層が移住するようになります。そのため香港やシンガポール、ドバイを含めてどこも非常に生活コストが高いです。

家賃だけで月40万円以上なのは当然であり、その地域に住むだけで年間500万円の家賃が自動的に消えていくのがタックスヘイブンでの海外移住です。

ただマレーシアについては、国土の広さがそれなりにあってクアラルンプールやジョホールバルに住めます。このとき、以下のようなプール付きのコンドミニアムでも1人暮らしなら月5万円ほどです。

参考までに私の場合、家族でクアラルンプールへ移住して130m2ほどのコンドミニアムを借りました。プール、テニスコート、バドミントンコート、ジムなどが備わっているコンドミニアムですが、それでも月10万円ほどです。

またマレーシアの物価は日本の3分の1といわれているため、あらゆるものが安いです。そのため、オフショア地域への移住でありがちな「生活コストが異常なほど高くなった」などのことはありません。

贈与税・相続の問題からも解放される

なおマレーシアへ移住する場合、法人税や所得税をメインに考えがちですが、その他の優れた効果もあります。それが贈与税や相続税です。マレーシアだと、贈与税や相続税がゼロです。

むしろ世界的にみると、日本のように高額な相続税を課している国のほうが圧倒的に珍しいです。例えば、タイだと相続税があっても親族の相続では税率5%です。またアメリカでも基礎控除が5億円以上なのでかなりの富裕層以外、相続税は関係ありません。

つまり、日本の税制が異常なわけです。いずれにしてもマレーシアに住むだけで無駄な贈与税・相続税がなくなり、親族へ無税にて資産を自由にいつでも好きなタイミングで渡せるようになります。

将来の相続まで考えると、日本以外の国にいまから住むことはメリットしかないといえます。それだけ、無駄な税金を削減できるようになるからです。

富裕層にとってメリットが大きいラブアン法人

ここではラブアン法人設立によるメリット・デメリットについて解説してきました。一番のメリットは節税であり、このメリットが圧倒的に大きいため、あらゆる富裕層が海外からオフショア地域へ移住してきます。

その中でもラブアン法人は圧倒的に法人税が低く、さらにはマレーシアなので移住後のコストも少ないです。

デメリットとしては「日本の非居住者になる必要がある」「マレーシア国内の個人・法人と取引できない」ことがあげられます。ただ私の場合、むしろ日本ではなくマレーシアに住むことのほうが子供の教育にも良く、生活コストも下げられるため、「日本の非居住者になることはむしろメリットだ」と考えています。

さらには贈与税・相続税の問題からも解放されるのがラブアン法人を用いた海外移住です。税金面を考えるだけで、会社経営者は圧倒的に手元にお金を残せるようになります。ほとんどの業種で利用できるのがラブアン法人のため、ラブアン法人とはどういう特徴・性質があるのかを理解し、海外移住を含めた大規模節税を検討しましょう。


年間350万円以上を節税

ビジネスの継続を考えるとき、最も重要なのは節税です。節税策を一つ実施するだけで100万円以上の無駄な税金が減るのは普通ですが、何も対策をしなければ会社経営者や相続額が多い人は無駄に税金を支払い続けることになります。

ただ、私は優秀な節税の専門家(税理士やファイナンシャルプランナー)に依頼したことで「家賃の個人負担が家賃総額のわずか6%」「出張に行くたびに30万円以上の非課税の現金を手にできる」「社会保険料を年間130万円削除」など、何も対策をしなかったときに比べて一瞬で年間350万円以上も節税できています。

現在では、海外法人(タックスヘイブン)の活用や再保険(キャプティブ)の利用など、あらゆる節税策によって年間にして何千万円もの節税を実現しています。

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