会社を成長させるためには、常に投資をしていくことが大切になります。投資をせずに会社の規模を拡大することは不可能です。
借金を恐れて投資をしない会社が大きくなることはありません。ただ、むやみやたらに投資をしていては資金繰りを悪化させることにつながりかねません。そうしたことを避けるためにも、投資に対する正しい思考をもっておくことが大切です。
そこで今回は「会社を成長させるために必要な投資への考え方」について解説します。
もくじ
生き残る会社と倒産する会社の違い
会社の中には、どんどん規模を拡大して成長している会社と、徐々に衰退していって倒産する会社が存在します。実際、中小企業においては、会社を設立して10年後も存続している会社は10パーセントに満たないのです。
そうした中で、生き残る会社とそうでない会社の違いはどこにあるのでしょうか?
成長する会社は投資をしている
事業が上手くいかない会社の多くは「今月をどうやってやり繰りしようか?」という現状を乗り切ることばかりを考えています。
その一方で、事業が上手くいきどんどん成長している会社は、常に「将来に向け、会社を発展させるために行うべきこと」について考えているのです。つまり、長年生き残る会社は、未来に向けた投資に力を入れているといえます。
資金繰りに困っている会社のほとんどは、いわゆる「自転車操業」に陥っており、投資について考える余裕すらないのです。
そのため、成長し続けて生き残る会社にするためには「経営者がいかに投資に注力しているのか?」ということが重要になります。経営者が、将来のために資金を使うことができれば、その分だけ会社が大きくなる可能性が高くなるのです。
自転車操業の会社は投資のイメージがない
自転車操業をしている会社は、そもそも投資をするイメージを持っていません。
例えば、売上目標を決める際なども、とにかく会社の資金繰りを維持するために必要な額を目標に設定するのです。その一方で成長する会社は、将来の投資を見据えた目標を設定します。そして実際に目標を達成した場合には、イメージした通りに売上を未来のための投資に回すのです。
このように、成長する会社は、売上を投資に回すお金の循環のイメージができています。それに対して、自転車操業をしている会社は、こうしたお金を循環させるイメージができていないのです。
会社における3つの投資
ただ、いくら投資にお金を回すことをイメージしても、適切な方法で投資をしなければ会社は成長しません。将来の売上につながらないことに対してお金を使っても、会社の成長には全く結びつかないためです。
適切な投資を行うためには「何に投資するのか?」ということを事前に検討しておく必要があります。そして、会社における投資には、主に「売上拡大のための投資」「キャピタルゲインのための投資」「事業円滑化のための投資」の3つがあります。
売上拡大のための投資
会社を成長させるためには、売上を上げることが必須です。売上がなければ投資する余裕もないため、会社の規模を拡大することができません。
例えば、売上を上げるために新しい事業を始めるとします。そうなると、新規事業に必要な人材や設備などを揃えるために、投資が必要となるのです。また、新規顧客の獲得によって売上を上げようとする場合にも、広告宣伝などに投資をすることになります。
当然、新規事業が上手くいかなかったり、広告宣伝しても新規顧客が獲得できなかったりした場合には、投資したお金は無駄になります。
ただ、それでも売上拡大のためには、こうした投資が必要なのです。
キャピタルゲインのための投資
キャピタルゲインとは、株式や不動産など、保有している資産を売却することによって得られる「売買差益」のことです。
つまり、事業以外によって利益を生み出す方法になります。
ここでいうキャピタルゲインのための投資とは、株式投資や不動産投資を会社で行うようなイメージになります。もちろん、こうしたキャピタルゲインを得るための投資は、一般的にイメージされているように「投資が上手くいくかどうかが環境に左右される」という注意点があります。
例えば、キャピタルゲインを目的に不動産を購入したとします。購入時に一時的に売却時価が下がっており、安く買えた場合には、投資が上手くいく可能性が高いです。
その一方で、逆に売却時価が高いときに買ってしまうと、損切りせざるを得なくなります。
このように、キャピタルゲインを得るための投資も、会社を成長させるための一つの手段だといえます。
事業円滑化のための投資
既に行っている事業を円滑化するために行う投資も、会社を成長させるために必要です。
例えば、現在はアナログで行っている作業を、デジタル化して効率化するためには、そのために必要なパソコンやシステムなどに投資をしなければいけません。また、商品の受注が増えて製造に関わる人員が足りなくなった場合には、人材投資を検討することになります。
ただ、当然ながらスタッフを増大した後に受注が減ってしまい、過剰人員になる場合もあるのです。そうなると、投資したお金が無駄になるだけでなく、その後も人件費を払い続けることになります。
そうはいっても、事業を円滑化するための投資も、会社を成長させるためには欠かせないのです。
投資で失敗しないために大切な3つのポイント
ここまで述べたように、どのような投資であっても、投資はハイリスク・ハイリターンだと考えることが大切です。上手くいけば事業拡大につながりますが、失敗すれば資金繰りを圧迫することになります。
もちろん、自己資金だけを元に投資を行えば、投資で失敗してもすぐに資金繰りが苦しくなることはありません。しかし実際には、投資が自己資金だけでまかなえることは少ないため、銀行などの金融機関に融資を受けることがほとんどです。
つまり、投資をするためには借金をすることが必須だといえます。
そのため、投資をする際には、事前のリサーチや予測が重要になります。特に「具体的な投資金額」「(設備投資であれば)使用可能期間」「投資によって得られるリターン」の3つは、投資する前に必ず押さえておくべきポイントです。
具体的な投資金額
既に述べたように、投資する資金を全て自己資金でまかなうのは現実的ではありません。ただ、全てを融資してもらうことも厳しいです。実際には、必要な投資金額の半分は自己資金で用意するようにしましょう。必要な投資額の半分を自己資金で用意できれば、銀行などの融資審査は非常に通りやすくなります。
そのため、まずは具体的な投資金額を決めることが大切です。そして、必要な資金額の半分を貯蓄するように計画しましょう。
当然のことのようですが、こうした事前準備が投資の成功を大きく左右するのです。
使用可能期間
設備投資を行う場合には「購入した機械が何年使えるのか?」ということを検討しなければいけません。機械が壊れてしまったときには、修理や再購入のために再投資が必要になるためです。
例えば、使用可能期間が5年だったとします。そうなると、5年後にはまた設備投資が必要になることが予測されます。そのため、5年後の再投資に向けて、資金計画を立てて貯蓄していかなければいけないのです。
投資によって得られるリターン
また、実際に投資によって得られるリターンについても算出しておくことが大切になります。そもそも、投資額以上にリターンを得られないような場合、投資をすべきではないためです。
例えば、1,000万円の設備投資を行い、購入した機械の使用可能期間が5年だったとします。そうした場合、新しい機械の導入によって5年間で1,000万円以上の売上増大が見込めないのであれば、設備投資は無駄になります。
このように、投資を成功させるためには、投資によって得られるリターンについても予測しておくことが必須です。
投資と投機の違いを理解する
投資と似た言葉に「投機」というものがあります。投資と投機は紙一重であるものの、投資ではなく投機をしてしまうと、会社に大きな損害を与える可能性が高いのです。
投資は、既に述べたように得られるリターンが検証された上で「儲かる可能性が高い」と判断されて行われます。その一方で投機は、そうした検証や予測ではなく「何となく儲かりそうだから」という感情によって行われるものです。
つまり、投資は理性で判断するものであり、投機は感情で判断するものだといえます。
特に、投資をして事業を拡大するときには、感情ではなく理性で物事を決めるように意識することが大切です。事業拡大をするときには、どんな人であっても気持ちが高ぶってしまうため、どうしても感情で判断してしまいがちなのです。
そうしたことを避けるためにも、まずは投資と投機の違いを理解した上で、事業拡大に向けた投資を行うことが大切になります。
もちろん、どれだけ意識していても投資と投機の判断がつかないこともあります。そうした際には、銀行に融資をお願いすることは、投資か投機かを判断する一つの材料となります。貸与者責任がある銀行が投資内容を吟味した上で融資をしてくれるのであれば、投資と判断して問題ないはずです。
今回述べたように、成長し続けて生き残っていく会社には、常に将来への投資を見据えているという特徴があります。
ただ、投資は適切に行わなければ、逆に会社を衰退させる要因になります。そうしたことを避けるためにも、投資に対して正しい思考を持つことが大切です。
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