富裕層がタックスヘイブンを利用して無税にしたり、日本国内の会社の税金を抑えたりするとき、必須になるのがオフショア法人です。タックスヘイブンで設立できる無税の会社をオフショア法人と呼びます。

オフショア法人を設立するとき、すべての人が依頼する先として設立代行会社があります。自力でオフショア法人を設立するのは不可能なので、このような代理店を通さなければ何をどうやってもオフショア法人を作ることはできません。

それでは、どのように考えて代理店に設立を依頼すればいいのでしょうか。このときオフショア法人の形態は重要であるものの、最も大切なのは銀行口座です。法人口座開設をミスすればまったく意味のないオフショア法人になるため、銀行口座開設を第一に考えなければいけません。

そこでオフショア法人設立をするとき、どのように設立代行会社に依頼し、法人口座開設をすればいいのか解説していきます。

オフショア法人を自力で設立するのは無理

海外移住をすれば、すべての経営者で大幅な節税が可能です。日本国内に物理的な施設がなくてもビジネスできる場合は無税になります。一方で日本にオフィスや店舗など物理的な施設がある場合は無税が不可能であるものの、それでも個人税率を約20%に抑えるなど大幅な節税ができます。

それでは、こうしたオフショア法人を自ら設立できるかというと不可能です。そもそも日本であっても、法人設立は司法書士に依頼しなければ圧倒的に難易度が高いです。

一方でこれがタックスヘイブンの法人設立となると、現地の代理店を必ず通さなければいけないルールになっています。そのように決められている以上、あなたが自力で設立するのは無理です。

専門のエージェント(設立代行)へ依頼する

そこで、専門のエージェント(設立代行会社)に依頼しましょう。私についてもオフショア法人を設立し、大幅な節税対策をしています。私の場合はいくつかオフショア法人をもっており、以下は実際に法人設立したときの認証です。

オフショア法人というのは、ペーパーカンパニーのような存在です。ただ一応は海外移住によって日本の非居住者になっていますし、ビジネスをしているのは日本ではなく海外です。そのため大幅な節税が可能になるわけですが、ひとまず法人があることはこの書類によって証明できます。

ただこうしたオフショア法人を設立するためには、必ず設立代行会社を通すことを考えましょう。

最速だと1ヵ月以内に法人設立が完了する

このときタックスヘイブンにあるすべての法人に共通しますが、法人設立自体は非常に簡単です。設立代行会社に依頼して、最速1ヵ月以内に法人設立が完了します。

必要なお金を支払い、パスポートや居住地、ビジネス内容などの情報を提供すれば、設立代行の会社(代理店)がすべての段取りをしてくれます。こうして待っていれば、あらゆるオフショア法人で1ヵ月以内に会社を作れるというわけです。

タックスヘイブンでの法人設立は非常に簡単だと理解しましょう。このとき法人によって必要書類は異なりますが、ザックリと以下のようなものが必要になります。

  • パスポート
  • 住所証明(住民票、公共料金の明細書など)

基本はこれだけであり、必要書類についても少なく、タックスヘイブンでの会社設立は非常に楽です。

通常、外国人が海外法人を設立するときはビジネス内容の詳細を英文書類で提出しなければいけないなど、面倒な作業がたくさんあります。ただ、そうした書類は要求されないと考えましょう。

※ただほかにも法人口座を開設するための書類を集める作業があるため、すべての作業が完了するまでには、余裕をもって2~3ヵ月ほどかかると考えるといいです。

オフショア法人は種類が多い

ただ世界にタックスヘイブンは非常にたくさんあります。有名な租税回避地があれば、あまり知られていない会社もあります。その中でも、法人税ゼロが可能な地域としては例えば以下があります。

  • ケイマン諸島
  • イギリス領ヴァージン諸島(BVI)
  • バミューダ
  • 香港
  • ドバイ
  • パナマ
  • ベリーズ

一部を記しましたが、このようなタックスヘイブンは法人税が無税です。「香港は法人税率16.5%(軽減税率でも8.25%)ではないのか?」と思う人はいるかもしれません。ただ香港法人では、香港国外からの所得(香港の国外源泉所得)は非課税です。

これはすべてのタックスヘイブンで同様であり、オフショア地域では「国内で得たお金には課税するものの、国外からの収益は法人税ゼロ」にしているケースがほとんどです。

最も重要なのが銀行口座・法人口座の開設

こうしたオフショア地域の中から、どの会社を設立するのか選ばなければいけません。これらオフショア法人の中で最も重要な基準は何かというと、「銀行口座の開設が可能かどうか」といえます。

もちろん法人設立費用や維持費も重要です。例えばドバイのフリーゾーン法人は有名であり、法人税はゼロですが、設立費用200万円や維持費が毎年100~150万円とかなり高額です。

そのため、法人税はゼロであるもののドバイ法人を作る人は少ないです。他のオフショア法人であれば、維持費だと30~35万円と格安となることが多いからです。

ただ費用の安いオフショア法人はたくさんあり、その中で最も重要な基準が法人口座開設の難易度というわけです。

香港法人やシンガポール法人など、意味のない法人は多い

「法人を作れば銀行口座を開設できるのは当然では?」と考える人は多いですが、オフショア法人設立は簡単であっても、法人口座開設は非常に難しいです。

そもそも、日本であっても法人は口座開設が厳しいです。これはタックスヘイブンの会社も同様であり、オフショア法人は脱税やマネーロンダリングで頻繁に利用されています。そのため、簡単には法人口座を開設できないというわけです。

そういう意味では、例えば香港法人やシンガポール法人などを設立しても意味がありません。日本人だとこれらのタックスヘイブンが身近であるため、香港法人やシンガポール法人を考えがちですが、これらのオフショア地域に会社を作っても100%の確率で法人口座開設を拒否されます。

要は法人設立は可能であっても、法人口座開設ができずお金の受け取りができないため、会社として機能しないというわけです。ネット上には「香港法人で法人口座開設が可能!」と宣伝している設立代行会社はたくさんありますが、ウソまたは情報が古いです。

もちろん、「香港で飲食店を開業する」などのように、現地でビジネスをする場合であれば問題なく法人口座開設を許可されます。ただ節税目的でオフショア法人を設立する人がメインであり、節税目的では会社の銀行口座開設ができません。

オフショア法人設立では、節税目的での法人口座開設が不可能な会社がいくつもあります。こうしたオフショア法人を避けなければいけないため、情報を出している設立代行会社が最新の情報を正しく提供しているかどうかを判断しましょう。

ネットバンキングやデビットカードを確認するべき

また銀行口座開設で他にも重要なのがネットバンキングでの海外送金やデビットカードの有無です。

タックスヘイブンにあるオフショア法人を設立するとき、「過去に出向いたこともない国の銀行」にて銀行口座開設するのは普通です。そのためネットバンキングを利用して、海外送金が問題なくできなければいけません。

また同時にデビットカードの発行が可能かどうかを確認しましょう。実際のところ、多くのオフショア法人口座ではデビットカードの発行ができません。ただ少ないながらも、デビットカードの発行を受け付けている銀行があります。

こうした銀行を利用すれば、デビットカードを利用してカード決済できますし、ATMからお金を引き出すこともできます。参考までに、以下は私が保有するオフショア法人のデビットカードです。

法人税ゼロのオフショア法人では、ほとんどで会計監査がなく、決算書の提出もありません。そのため、法人口座にたまったお金はあなたが個人的に利用できます。そのため、カード決済やATMからの引き出しができれば、わざわざ海外送金する必要がなく非常に便利です。

そのためオフショア法人で会社の銀行口座を作るにしても、デビットカード発行が可能かどうかは非常に重要な要素といえます。

パスポート認証や書類の認証後、現地に郵送する

なお前述の通り、法人設立よりもオフショア法人用の銀行口座を作るほうが、圧倒的に難易度が高いです。同時に、提出しなければいけない必要書類も多いです。実際に現地に渡航する必要はなく、郵送でのやり取りで問題ないものの、銀行口座開設をするときわりと面倒な作業が発生すると考えましょう。

このとき、主に以下の2つが必要になります。

  • パスポート認証
  • 法人口座開設に必要な書類の認証

要は、銀行口座開設のときにあなたが送る情報について「パスポートの内容や法人書類の内容が偽物ではなく、本物である」という認証付きの書類を送る必要があります。日本在住者の場合、公証役場で認証してもらいます。海外在住者の場合、認証してくれる機関に出向く必要があります。

例えば以下は、私が設立したオフショア法人について、パスポート認証やその他の書類の認証をしたときの様子です。

こうした書類を現地に郵送し、法人口座開設の審査・許可をしてもらうことになります。もちろん認証費用や郵送費用は必要になりますし、公証役場に行かなければいけないので面倒です。ただ、これらの作業を完了することによって、オフショア法人の銀行口座開設が可能になります。

日本の銀行口座は開設が不可能

なおオフショア法人を設立することを考える人の中には、日本にて銀行口座を開設できないのか考える人もいます。ただ、これは不可能と理解しましょう。

タックスヘイブンにある法人というのは、前述の通り犯罪や脱税、マネーロンダリングで頻繁に利用されています。そのため、審査がゆるいはずのオフショア地域でさえ会社の銀行口座開設が厳しくなっています。

これが日本だと、より無理というわけです。そもそも「過去に犯罪歴のない真っ当な日本人」が日本で会社を設立し、日本の法人口座を開設することでさえ審査が厳しいです。日本で真っ当なビジネスをしていても日本法人の銀行口座を作るのは難しく、これがタックスヘイブンの会社だとより開設できません。

オフショア法人を作った後、日本の銀行口座をもつのは諦めなければいけません。設立したオフショア法人で開設できる法人口座は海外にある銀行のみとなります。

オフショア法人の設立代行で会社を作り、銀行口座をもつ

単にオフショア法人を作ればいいわけではありません。オフショア法人には無数に種類があり、その中で意味のある法人があれば、意味のない法人もあります。オフショア法人自体はどこも簡単に作ることができるものの、きちんと節税できる法人でなければいけません。

設立代行会社によっては、オフショア法人設立の情報が古いことは多く、例えば「香港法人で銀行口座を作れる」などのような説明になっているケースがあります。ただ、これはいまは正しくありません。

また法人口座開設ができるかどうかだけでなく、ネットバンキングやデビットカードの有無についても確認しましょう。これらを利用できる場合、海外送金やカード決済、ATMでの現金引き出しなどが自由です。

なお当サイトでもオフショア法人開設のサポートをしており、この場合は「設立費用や維持費が安く、ネットバンキングやデビットカード保有も可能な法人」を設立できます。こうしたオフショア法人でなければ、作る意味がないと理解しましょう。


年間350万円以上を節税

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