非常に税率が低くなっている国や地域をタックスヘイブンといいます。オフショアとも呼ばれていますが、世界にはいくつものタックスヘイブンが存在します。

こうしたオフショア地域として非常に有名な場所が香港です。中国の一部ではありますが、いまでも香港は世界の金融拠点として非常に優れています。香港が金融でのし上がっているのは、タックスヘイブンによって世界からお金が集まってくるからでもあるのです。

そのため富裕層であると、香港へ移住することで大きな節税効果を得たいと考える人もいます。ただ、そうしたことの実現は可能なのでしょうか。

実際のところ、香港に法人設立して節税するのは非常に大変です。そのため、実情と照らし合わせながら香港で節税するべきかどうかを考えるといいです。

香港で低くなっているオフショアでの法人税

オフショアで有名であることから、香港では法人税率が非常に低くなっています。具体的には、法人税率が一定の金額までは8.25%です。

香港では二段階の法人税を採用しており、以下のようになっています。

  • 利益が200万香港ドル以下(約3,000万円以下)まで:法人税率8.25%
  • 利益が200万香港ドル超(約3,000万円超):法人税率16.5%

実際のところ、大企業でない限りは年間で3,000万円を超える利益を出すことなどできません。そのため、中小企業にとって「香港での法人税率は8.25%」という認識で問題ないです。

日本だと法人税率は約30%です。これだけ高額な税金を課せられるわけですが、香港法人というだけで税金は3分の1以下になります。

参考までに、香港では2018年3月まで法人税率が一律16.5%でした。ただ、中小企業のスタートアップを支援し、さらには香港企業の国際競争力を大きくするためにこうした減税措置を取ることになりました。

日本政府はできるだけ税金を取ることに必死ですが、香港では逆の考え方をします。つまり、減税によってできるだけ企業の競争力を付けさせ、世界で稼いでもらうことで利益を大きくしてもらい、それによって税収を上昇させようとするのです。

所得税も非常に低い香港

また、同時に個人に課せられる税率についても非常に低くなっています。香港では累進課税によって所得金額が高くなるほど税率が上昇するため、これについては日本と同じです。ただ、累進課税での税率が圧倒的に低くなっているのです。

香港だと、所得税は最高税率17%です。どれだけ年収が多かったとしても、所得の17%しか課税されません。

12万香港ドル(約180万円)の課税所得で最高税率17%に達するため、香港では簡単に最高税率が適用されます。ただ、実際には基礎控除があるので年収が高めでも課税所得は低くなりますし、かなりの高額所得者になったとしても税率は一定なのです。

日本であれば、課税所得が年195万円を超えるだけで税率20%(所得税+住民税)です。課税所得が330万円超になると、その時点で税率30%です。これが富裕層になると、最高税率55%で半分以上が税金です。

そのため、例えば日本で年収3,000万円だと手取りは約1,800万円であり、約1,200万円が税金で消えます。一方の香港であれば、年収3,000万円だと所得税は約450万円で済みます。当然、年収が多い人ほど日本と比較したときの節税メリットは大きくなります。

富裕層だと日本では半分が税金ですが、香港に移住した瞬間にわずか17%の所得税率だけで済むようになります。しかも、ここからさらなる減税もあるので実際にはもっと多くの手取り金額になります。

ペーパーカンパニーではタックスヘイブン税制が適用される

このように税金面でのメリットが非常に大きいため、タックスヘイブンの地域へ法人登記して減税メリットを受けようと考える人は非常に多いです。

ただ、香港などのオフショア地域に会社設立しただけでは節税できません。日本にはタックスヘイブン対策税制というものが存在するからです。

タックスヘイブン対策税制では、海外にペーパーカンパニーを設立して現地で税金を納めたとしても、日本の税制が適用されて日本でも税金を納付する必要があります。つまり、まったく節税できないようになっています。

そのためペーパーカンパニーでは意味なく、香港でビジネスをしているという実態を持たせなければいけません。つまり、現地法人で実際にビジネスをしていたり、現地に住んでいたりする必要があるのです。このため日本に住んでいる場合、オフショア節税は実質的に不可能になっています。

節税目的だと就労ビザは下りない

ただ、どの地域・場所に住んでいたとしても問題ない人であれば、香港へ移住することによる節税メリットが大きいです。そのため、実際に居住することで少ない税金支払いにしたいと考える人は多いです。

リアルビジネスをしている中小企業だと難しいですが、株式投資やFX、仮想通貨の投資家であったり、IT業をしていたりする人なら、場所に関係なく同じパフォーマンスで仕事をすることができます。

このとき、香港に移住して会社設立するためにはビザの取得が必要不可欠です。単なる観光ビザでは不十分であり、適切なビザを取らなければ不法就労となります。しかし、香港の場合だとビジネス目的でビザを取る難易度が非常に高くなっています。

香港の企業でサラリーマンとして働いたり、現地で起業して香港へ貢献するために会社設立したりする場合であれば、問題なく就労ビザが下ります。ある程度のハードルはあるものの、会社を作るにしても香港人を社員として雇うことで、現地でビジネスをすることは可能なのです。

ただ、節税目的での移住だとビザ申請は圧倒的に難しくなります。

節税目的だと多くの場合、香港に住んだあとに「日本で得たお金を香港本社に送り、法人税を安くする」「香港の会社から役員報酬を出し、所得税を少なくする」のが基本になります。

そうなると現地人を雇う意味はないですし、日本でビジネスをしているので、香港でビジネス展開するために法人設立しているとはいえません。節税対策のために就労ビザが下りることはなく、門前払いされてしまいます。

香港に会社を作ること自体は誰でも簡単にできます。ただ、就労ビザが下りることはないので現地に住むことができず、結果として節税できません。

移住して香港法人を設立し、投資ビザを得る難易度は高い

そのため、本当の意味で節税するために香港移住を考えている場合、ビザの問題を金で解決する方法があります。要は大金を積むことにより、ビザを金で買うのです。

富裕層だとこの方法を選択することになり、現地の香港人を雇う必要はないです。また香港向けのビジネスプランを考え、それを実行に移す必要もありません。

これを投資ビザといいます。投資ビザを取得する場合には、1,000万香港ドル(約1億5,000万円)の投資が必要になります。これだけの高額な現金を用意したうえで一括で投資できなければいけません。そのため、超富裕層に限定されます。

しかも、2015年に投資ビザは停止になってしまい、いまは受付されていません。投資ビザの申請者の内訳をみると、「脱法的に海外籍を取得した中国人」が大半であることが判明し、中国国内の人が税金を抑えるために香港籍を取得していました。

元々は海外からの投資を呼び込むためのものでした。しかし、「日本人のような外国人が香港へ投資するために投資ビザを取得する」というよりも、中国在住者(中国人)の租税回避目的で主に利用されており、これによって投資ビザが中止になったのです。

そのためお金を積んでも移住のためにビザを取ることはできず、香港内でビジネス展開するプランを練って就労ビザを取得するしか方法はありません。当然、このときは香港人を会社で雇うことも要求されるため、単に節税面だけを考えて香港に移住するのは微妙だといえます。

実際に香港へ住むときの様子を考えるべき

ただ、それでも実際に香港向けのビジネスを行い、社員として香港人を雇うつもりがあるのであれば、問題なく就労ビザを取得することができます。それまで日本でビジネスをしており実績があるのなら、法人設立と共にビザを取ることで香港に住むことができます。

このときは、節税メリットだけでなく「実際に香港へ住み続けることができるのか」を考えるようにしましょう。

先進国の香港ですが、中心部ではなく地方(香港中心部から電車で20~30分の場所)であれば無意味なほど家賃が高いわけではありません。東京でも六本木や新宿では家賃が高騰しますが、郊外だと安めの家賃になります。これと同じように、香港でも手軽に住むことは可能です。

もちろん、超富裕層が非常に多い都市が香港であり、高級マンションであれば上限なしに家賃は高額になります。ただ一般的な住宅であれば、そこまで高額にはなりません。

また中華料理はおいしいですし、世界のお金が集まるハブでもあるため、世界中どこにでも気軽に行くことができます。ちなみに、以下は実際の香港の様子です。

治安もいいですし、英語も当然のように通じます。居住面をを考えると特に不自由なことはありません。

ただ国土は狭いので、日本に比べると飽きやすいです。こうしたことが問題ない場合のみ、香港への移住を考えるようにしましょう。

一般的にはマレーシアで海外法人を作り、節税する

なお、香港での事例を出しましたが節税目的で移住し、海外法人を立ち上げるとき普通はマレーシアが第一候補になります。タックスヘイブンだと香港やシンガポールが有名であるものの、香港の事例で示した通り、これらの国・地域は土地が非常に狭く、簡単には外国人にビザを出してくれません。

現地向けのビジネスプランを考えて現地人を雇ったり、大金を積んでビザを取得したりしなければいけないのが現状です。

一方でマレーシアであれば、ラブアン島というオフショア地域に海外法人を設立して大幅な節税が可能です。香港やシンガポールのように移住のハードルは高くなく、簡単に就労ビザが下ります。

しかも法人税率は3%であり、所得税も香港に比べて圧倒的に低くなっています。そのため、特別な理由がない限りは「香港ではなく、マレーシアに移住して節税するのが海外移住を用いた節税スキームの基本」と考えるようにしましょう。

香港での税金事情を理解する

世界の超富裕層が集まっている地域として香港があり、納める税金が非常に少なくて済むタックスヘイブンとしても知られています。イギリスは世界にオフショア地域を作っていましたが、イギリス植民地時代の名残として、いまでも税金を抑えることで世界のお金が集まる仕組みになっているのです。

そのため、税金を抑えるために香港に海外法人を作ろうと考える富裕層は多いです。

しかし、実際のところ香港法人を登記して移住するのはハードルが高くなっています。現地でのビジネスプランを考えなければいけませんし、香港人を社員として雇う必要性もあります。お金を積むだけのビザ申請は厳しくなっているのです。

こうした香港での事情を考慮したうえで、海外移住を考える場合はどこが最適なのかを考えるようにしましょう。会社を作るだけなら誰でも可能ですが、住むとなるとハードルが高くなってしまうのが香港なのです。


年間350万円以上を節税

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