会社経営で社員を雇ってビジネスをしている場合、忘年会や歓送迎会など社内で飲み会を開催する機会が必ず出てきます。

そうしたとき、福利厚生費を利用すれば経費にできることは想像できます。ただ、福利厚生費として経費計上するためには一定の要件を満たす必要があります。どのようなケースであっても自由に経費にできるわけではありません。

また、そもそも社内の飲み会費用を会社のお金で出すべきなのかという問題点もあります。経営者にとってみると、飲み会費用の負担は節税ではなく単なる無駄遣いになってしまうことがあるのです。

そこで、「会社経営者が忘年会や歓送迎会の費用を経費化するときの考え方」について解説していきます。

全員参加なら飲み代や交通費が福利厚生費となる

社員に対するモチベーションアップのために認められているものとして福利厚生費があります。通常、特に理由なく従業員へ飲み会費用や交通費を支給した場合、その費用については給料を支払ったものと認定され、給与課税されるようになります。

ただ、福利厚生については例外的に経費にしても問題ないことになっています。そこで社内の打ち上げ費用やそれに伴う交通費を経費にするのは問題ありません。

例えば飲み会の帰りに車を運転するわけにはいきません。このときはタクシーを使うことになるため、タクシーが必要な人についてタクシー代を支給するのは大丈夫なのです。

なお福利厚生を利用するとき、全員参加が基本になります。特定の人だけ参加できるようになっている場合、確実に税務調査で否認されます。

もちろん、「誰でも参加できる状態ではあるものの、社員が個人的な理由で断った」というケースであれば特に問題はありません。ただ、いずれにしても全社員が平等に参加できるような状況にしておく必要があるのです。

・部署単位の開催でも問題ない

ただ、会社によっては支店が離れていることがあります。中小企業であっても、地方支店をもっているのは普通です。

そうした場合、同じ日に開催する必要はなく、部署単位で全社員が平等に飲み会を開催できるようにすれば福利厚生費として経費計上できます。特定の部署だけ忘年会や歓送迎会の費用を負担するのはできませんが、全社員の分を平等に負担する場合は福利厚生を利用できます。

忘年会・新年会の二次会や三次会の費用負担は可能なのか

このとき、実際のところ飲み会を開催して一次会だけで終わることはほぼありません。二次会や三次会も開催されることになります。このときの費用についてはどうなるのでしょうか。

二次会の費用については状況によります。つまり、経費になる場合とならない場合があります。

前述の通り、全員が平等に参加できる権利が設けられている場合は経費になります。そのため社長が特定の人だけを誘って二次会へ行っても経費になりませんが、一次会が終わった瞬間に全員に声をかけてスナックなどに連れて行く場合は経費化しても特に問題はありません。

参考までに、私が中小企業のサラリーマンをしていたとき、忘年会の一次会後は社長のお気に入りのスナックにいつも行っていたのですが、そこには女性社員を含め多くの人が二次会にも参加していました。そのため、当然のように福利厚生費で経費です。

もちろん、二次会でボーリングやカラオケに行く場面があるかもしれません。この場合についても、全員参加できる場合は経費にできます。二次会に参加しない人はいるものの、福利厚生費として問題ないのです。

ただ、いろんな支店を保有する会社だと微妙になります。「社長のいる本店が開催する忘年会・新年会は二次会で高級な店に行き、ほとんどの人が参加するものの、他の支店では一部の人しか二次会に参加しない」という状況になりがちです。

その場合、本当に「全社員が平等に利益を受け取ることができた」といえるのか微妙になり、二次会の費用を経費にできなくなります。

なお二次会までなら問題なくても、三次会の飲み会費用になると確実に経費化は無理なのは事前に理解するといいです。

法人の打ち上げ費用負担に上限金額はあるのか

ただ、実際に打ち上げ費用を損金計上するには「いくらまでの金額であれば認められるのか」が問題になります。通常だと「一人5,000円以下までなら、交際費ではなく会議費にできる」という決まりがあります。そのため、福利厚生でも5,000円を一つの基準に考える傾向があります。

しかし、実際のところ忘年会・新年会や歓送迎会を含め、社内の慰労で一人5,000円となると非常に質素な打ち上げになります。そのため、実際には一人5,000円を大幅に超えるケースが多いです。

そういう意味では、福利厚生費で社員の飲み代を負担するときの金額に明確な上限は存在しません。このとき、実際には一人1万円などの飲食代でも特に問題はありません。

従業員が頑張ってくれたために会社に利益がもたらされたわけです。そのため、普段では絶対に利用できないような高級な店に連れて行き、社員をもてなすのは非常に重要だといえます。そのため、以下のような懐石料理を出してくれる店で慰労会を開催しても大丈夫です。

利益が出ていて結果が良好なのであれば、社員に報いるのは当然です。そのため、一人1~2万円ほどの一次会であれば特に問題は起こりません。二次会でスナックなどに行く場合はもう少し一人当たりの値段は高くなりますが、いずれにしてもあまりにも高額すぎなければ大丈夫なのです。

さすがに一日の飲み代で一人5万円以上になると微妙になってきますが、常識の範囲内であれば税務調査で指摘されることはなく、明確な上限金額はないと考えましょう。

社員への景品代を経費にする

なお、ほとんどの従業員が参加する忘年会や歓送迎会の場合、余興として出し物やゲームが開催されることもあります。分かりやすいものはビンゴゲームです。

こうした余興がある場合、多くは景品が出されるようになります。そうなると、景品代を経費化していいのか気になります。

これについても、社員全員が平等に参加できるようになっている飲み会の場合、景品を提供したとしても福利厚生費で損金計上できるようになっています。ビンゴゲームを含め、こうした出し物を通すことで社員の親睦を図ることができるため、当然ながら経費になるのです。

注意点として、高額すぎる景品は税務調査で否認されます。一等賞がどれだけ高くても、一つ3万円以内に収めるなど常識の範囲にするといいです。また、景品の総額も何十万円にもならないように気を付けましょう。

ただ3万円の景品であっても、1泊2日の宿泊券ということにすれば、かなり豪華な温泉施設の宿泊券を贈呈できるので当たった人は満足してくれます。「少ない金額で喜んでもらえる景品」を用意するのが忘年会では重要になります。

金券・商品券などの賞金類は否認される

ただ、景品の中でも確実に税務調査で否認されるものが存在します。それが賞金です。いわゆる、以下のような金券・商品券がこれに該当します。

これらはお金と同じように利用できます。また、金券ショップにもっていけば95%以上の割合で現金と交換してくれます。

こうした賞金(現金)を贈呈した場合、「会社が社員に対して給料を支給した」と認定されます。給料には所得税や住民税を課せられますし、社会保険料の支払いも発生します。そのため、歓送迎会などの景品が商品券だと判明した場合、税務調査で見つかれば確実に追徴課税されると考えましょう。

確かに品物を景品にする場合は福利厚生費として経費計上できるものの、たとえ少額であっても金券は対象外になるのです。

社外の取引先へ参加したときはどうなるのか

ただ、法人経営者だと社内ではなく、社外の取引先の忘年会に参加することもあります。個人事業主・フリーランスとして活躍する自営業も同じように、取引先の飲み会に加わるのは普通です。

これについては、当然ながら福利厚生費ではありません。ビジネスで必要な飲み会に該当するため、交際費になります。

個人事業主・フリーランスであれば、交際費は無制限で経費にできます。中小企業であっても、年間800万円まで交際接待費を計上できます。そのため、大企業でない限りは得意先との飲み会については好きなように経費化して問題ありません。

当然、社外の人と飲むときに必要だった宿泊費など、あらゆるものが交際費で経費にできます。ビジネスに必要な飲み会というのは、どれも損金になって当然なのです。

経理処理や仕訳のポイント

なお、実際に飲み会を開催して節税をするとき、会計処理はどのようになるのでしょうか。これについては、前述の通り福利厚生または交際費で経費計上することになります。

そのため、福利厚生であれば「福利厚生費の勘定科目を用います。例えば、打ち上げの総額が20万円だった場合、以下のようになります。

勘定科目 借方 勘定科目 貸方
福利厚生費 200,000 現金 200,000

一方で取引先へ出向いての飲み会であれば、勘定科目は「交際費」です。このときの飲み会代の負担が5,000円だった場合、以下のように仕訳します。

勘定科目 借方 勘定科目 貸方
交際費 5,000 現金 5,000

もし、得意先の飲み会で交通費や宿泊代が必要だった場合、これらの勘定科目を使えば問題ありません。いずれにしても、そこまで難しい会計処理をすることはありません。

飲み会費用の負担は無駄遣いに注意する

なお、経営者が福利厚生で社員の飲み会費用を負担するとき、気を付けなければいけない点があります。それは、無駄遣いになっていないかどうかです。

福利厚生は確かに支出額の分だけ経費にでき、法人税を減らすことができます。ただ、福利厚生は使い方を間違えると無駄遣いになりやすい項目でもあります。

忘年会の費用を負担して社員のモチベーションが一気に上がり、仕事のパフォーマンスが向上して利益が押し上げられるのであれば問題ありません。ただ、実際のところそのようなことは起こりません。単に飲んで終わりとなるケースがほとんどです。

また、実際のところ大企業だと何千人、何万人もいる社員全員へ平等に忘年会費を出している余裕などなく、飲み会代を会社負担にしていないケースがほとんどです。社員は自主的に歓送迎会を開催し、自腹で打ち上げをしているのが実情です。

そうしたとき、「中小企業がわざわざ忘年会や新年会の費用を負担する意味があるのか」という問題があります。実際のところ、福利厚生で会社が費用負担せず、忘年会の開催費を自腹にしても特に大きな問題は起こりません。

確かに福利厚生で飲み代を出してあげれば節税になりますが、その分だけ現金が減っていることに着目しなければいけません。それなら、法人税を支払ってでも福利厚生にお金をかけないほうが、多くの現金を手元に残すことができます。

こうした事実を認識し、無駄遣いにならないように福利厚生を活用しましょう。もちろん、社員を大切にしたいのであれば、飲み会の費用を負担してあげるのは何も問題ありません。ただ、費用負担が大きくなりすぎないように福利厚生費を計上するようにしましょう。

飲み会のお金を経費にする

法人経営者であれば、忘年会や歓送迎会などで社員が飲み会を開催する場面があります。このとき、社員全員が平等に参加できるようになっている場合、居酒屋やレストランで支払うお金を福利厚生費で経費にできます。

景品についても経費での節税が可能です。金券・商品券であったり、高額すぎる景品でなかったりすれば損金計上して問題ありません。

また、社外の取引先の忘年会に参加する場合だと交際費で経費になります。もちろん、法人に限らず個人事業主・フリーランスなどの自営業でも経費化が可能です。

しかし、こうした支出が無駄遣いになっていないかどうかは必ずチェックしましょう。経営者は事業の継続を最優先しなければいけません。経費計上により節税を実現して法人税を減らしたものの、それ以上の現金が消えていては意味がないのです。ここまでを理解したうえで、飲み会の開催費用を経費化しましょう。


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