個人の給料について、給料日より早めに現金化する方法として給料ファクタリングがあります。会社で働くサラリーマンであったり、公務員だったりする人が主に利用する方法になります。

ただ中には、独立して仕事をしている人もたくさんいます。個人事業主・フリーランスはそれぞれが独立しており、自営業者として自分でビジネスを動かしています。こうした人については、給料ファクタリングを実施できるのでしょうか。

結論を先にいうと、個人事業主・フリーランスは給料ファクタリングを利用することができません。どこかの会社に所属して給料を受け取っているわけではないからです。

ただ、自営業者の場合は売掛金を保有しています。そのため給料ファクタリングではなく、通常の企業向けのファクタリング(売掛金の売買)が可能です。そこで、個人事業主がどのようにして早期現金化を図ればいいのか解説していきます。

個人事業主・フリーランスは全員が国民健康保険

給料ファクタリングを理解するうえで非常に重要なことに「社会保険かどうか」があります。これが給料ファクタリングの審査に大きく関わってくるからです。

サラリーマンとして働く場合、全員が社会保険に加入することになります。そのため、社会保険の保険証を保有することになります。

一方で、自分でビジネスをしている場合、社会保険に入っていることは基本的にありません。個人事業主・フリーランスは以下のような国民健康保険(国保)に加入することになります。

「会社で働くサラリーマン=社会保険の健康保険」「自営業者=国民健康保険」という認識で特に問題ありません。

国保加入(社会保険の保険証なし)の自営業は給料ファクタリングできない

そうしたとき、社会保険の保険証なしの場合だと給料ファクタリングが利用できません。給料ファクタリングでは、国保加入の人だと審査に通らないようになっているからです。これについては、以下のように給料ファクタリング業者の公式サイトに明記されています。

社会保険の保険証だと、保険証に社名が入るようになります。ただ国保だと、保険証には社名はなく、あなたの住所が記載されるだけになります。

そのため社会保険の保険証なしだと、自動的に給料ファクタリングの審査に落ちるようになります。

そもそも給料ファクタリングというのは、給料をもらっている人が利用できます。会社員や派遣社員、パート・アルバイトであれば働いた分に応じた給料が支払われます。そのため、こうした人たちだと給料ファクタリングが可能です。

ただ自営業だと給料をもらうことはありません。あくまでも、自らビジネスをすることによる事業収入になります。しかも社会保険の保険証なしのため、個人事業主・フリーランスが給料ファクタリングを活用するのは不可能だと考えるようにしましょう。

法人への売掛金でファクタリングが可能

それでは、個人でビジネスを動かしている人は早めの現金化ができないのでしょうか。これについては、そういうわけではありません。法人向けに行われているファクタリングを利用できます。

ファクタリングというのは、そもそも法人や個人事業主が利用するためのサービス名称になります。給料ファクタリングという言葉は、そもそも当初は存在せず、後で作られた造語になります。「正式なファクタリング」というのは、法人や個人事業主向けのサービスなのです。

こうした正式なファクタリングでは、給料ではなく売掛金を売買の対象にします。

個人事業主・フリーランスであれば、いまではほぼすべての業種で売掛金が発生すると思います。例えば、以下のような感じです。

  • クレジットカード決済による代金が2ヶ月後に振り込まれる
  • 商品・サービスを提供し、3ヶ月後に代金が振り込みされる
  • 自治体からサービスを受注し、半年後に代金が支払われる

このように「既に商品やサービスを提供しているものの、実際にお金が支払われるのは数ヶ月後」というのが売掛金になります。ただ、お金の振り込みが後だと資金繰りが悪くなります。そこで、ファクタリングを利用することで売掛金を早めに買取してもらうのです。

自営業でも売掛員買取をしてもらえる

このとき、売掛金の売買については個人事業主であってもファクタリングの利用対象になります。利用条件は「法人に対する売掛金が存在するかどうか」だけです。個人や自営業に対する売掛金ではなく、法人(または地方自治体)への売掛金が必須となるのです。

法人に対する売掛金であれば、「得意先である法人が存在するかどうか」「どのようなビジネスを売掛先がしているのか」を把握できます。こうしたポイントが審査で重要になりますが、個人への売掛金だと「本当に売掛金が存在するのかどうか」を判断できません。

こうした理由から、すべてのファクタリング会社について、利用条件に「法人への売掛金が存在するかどうか」があります。つまり個人事業主であっても、会社相手にビジネスをして売掛金があれば誰でもファクタリング可能です。

ちなみに、個人相手のビジネスをしていたとしても、カード決済を取り入れている場合は「売掛金が法人(カード決済代行会社)から支払われる」ことになります。そのため、この場合はファクタリングすることが可能になっています。

なお以下のように、法人を対象にしたファクタリング会社であったとしても、個人事業主の利用を可能にしているケースは多いです。

このとき売掛金売買を利用するときの審査書類については、以下のようなものが必要になります。

  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • ビジネス用の通帳コピー(Web明細でも可能)
  • 請求書

そのため、こうした書類を用意したうえでファクタリング会社に申し込み、売掛金の売買を開始するための審査を進めるようにしましょう。

2社間ファクタリングで売掛金の売買を行う

このとき、売掛金のファクタリングとしては多くは2社間で行うことになります。給料ファクタリングとほぼ同じ仕組みであり、「給料」が「売掛金」に代わっただけだと考えるようにしましょう。

個人事業主が行う2社間ファクタリングとしては、以下のような仕組みになります。

  1. 手数料を差し引き、売掛金についてファクタリング会社から早期支払いがある
  2. 数ヶ月後、取引先から売掛金が支払われる
  3. 入金された売掛金について、ファクタリング会社へ返す

こうした仕組みにより、売掛金を素早く現金化することで「取引先に知られることなくファクタリングする方法」が2社間ファクタリングになります。

小口買取が可能だと個人事業主・フリーランス向け

ただファクタリング会社によって特徴が大きく異なります。一般的には「100万円以上の売掛金でなければいけない」としているケースが多いです。

ただ個人事業主・フリーランスだと、そうした高額な売掛金を保有していないことがよくあります。その場合、少額ファクタリングであっても問題なく対応してくれる業者を利用するようにしましょう。小口買取を実施してくれるファクタリング会社の場合、30万円以上から可能になっています。

例えば、以下のファクタリング会社は自営業でも利用可能であり、売掛金30万円以上から買取可能であると明記されています。

そのため、こうしたファクタリング会社を利用することで問題なく売掛金の売買を行えるようになります。

・いくつもの売掛金を組み合わせてもいい

ちなみに個人事業主・フリーランスとして活躍している人の中には「一つの売掛金について30万円以上の売上が存在しない」という人も多いです。

その場合、いくつもの売掛金を組み合わせるようにしましょう。法人に対する売掛金を複数組み合わせて金額が30万円以上になる場合、早期の資金調達によって資金繰りを改善させることができるようになります。

相見積もりを取ってファクタリングする

ただこのとき、必ず行うべきものとして相見積もりがあります。一つのファクタリング会社だけに依頼すると、確実に損をするようになります。

ファクタリングの手数料はそれなりに高額です。自営業の場合、15~20%ほどの手数料率になるのが一般的です。そのため、できるだけ良い条件で売掛金の売買をしなければいけません。そうしたときに効果的なのが相見積もりなのです。

そこでいくつものファクタリング業者に依頼して、どのような手数料になるのか比べるようにしましょう。

  • 手数料の金額
  • 審査のスピード
  • 売掛金の買取上限額

これらを見比べながら、利用するファクタリング業者を決定しなければいけません。

審査の観点からも複数応募は必須

またファクタリングは非常に審査基準が低い(ゆるい)ことで知られているものの、場合によっては審査落ちになるケースもあります。ファクタリングといえども、以下のように審査落ちのメールが届くことはあるのです。

複数の会社へ同時に依頼するべきなのは、審査落ちのダメージを軽減できることも理由として大きいです。

資金調達はスピードが非常に重要なため、資金ショートを起こさないために素早いキャッシュフローの改善が必要です。そうしたとき複数社へ申し込んでおけば、一つの業者で審査落ちになっても大きな問題にはなりません。

自営業は債権譲渡登記ができない

ただ、ファクタリングをするにしても「法人が申し込むよりも、自営業者がファクタリングを申し込むほうが、審査の目は厳しくなる」のは事実として認識しておきましょう。これは、債権譲渡登記ができないからです。

通常の売掛金の売買だと、法務局へ「この売掛金については、ファクタリング会社のものです」と登記します。これが債権譲渡登記であり、法的にも売掛金がファクタリング会社に渡ったと明確になります。

そのため、ファクタリング後に得意先から支払われた売掛金について、支払い遅延などが起こるとファクタリング会社から損害賠償請求をされるようになります。

ただ個人事業主だと、法人ではないのでこうした債権譲渡登記をすることができません。これが、自営業だと法人よりも審査が厳しくなる理由です。

だからこそ、個人事業主・フリーランスのファクタリングで一社だけに申し込むのは非常に危険だといえます。審査基準が低いとはいっても、最初から複数に申し込むことで審査にパスする確率を高めておく必要があります。

自営業に適したファクタリング会社

このように、国民健康保険(国保)である個人事業主・フリーランスが給料ファクタリングを実施することはできません。社会保険の保険証なしだと、自動的に審査落ちになると考えましょう。

ただ自営業だと、多くのケースで売掛金を保有していることになります。給料ファクタリングは無理でも、法人への売掛金を早期現金化することが可能であるため、こうした本来のファクタリング手法を活用すればキャッシュフローを改善させることができます。

そうしたとき、資金繰りの改善で利用するべきファクタリング会社としては、どのような業者が最適なのでしょうか。

当然ながら、自営業に適したファクタリング会社が存在します。そこで、以下のファクタリング会社へ登録することで資金繰りを改善させるようにしましょう。

アクセルファクター

トップクラスのスピードで審査し、さらには審査書類や方法についても柔軟に対応してくれるファクタリング会社がアクセルファクターです。

個人事業主・フリーランスであっても利用可能であり、「法人に対する30万円以上の売掛金」を保有している場合であれば、すべての自営業で利用できるようになっています。また、手数料については総額を事前(契約前)に教えてくれるため、非常にクリーンな会社です。

対面契約を必須としており、「東京にある事務所へ出向く」「アクセルファクターの営業マンに来てもらう」のどちらかになります。アクセルファクターを利用することで、素早い資金調達を考えましょう。

ウィット

非対面にて、あなたの事務所にいながらファクタリングできる非常に珍しい会社にウィットがあります。通常だと対面契約が必須ですが、そうしたものがありません。そのため、非常に手軽に資金調達できるようになっています。

また小口専門の売掛金買取を実施しており、30~500万円の範囲で売掛金の売買が可能です。そのため、個人事業主にとって使いやすいファクタリング会社になっています。

それでいて手数料率はそこまで高くなく、11~17%ほどになっています。個人事業主・フリーランスが利用するとき、効果的なファクタリング会社がウィットです。

えんナビ

24時間365日でファクタリングに対応している会社がえんナビです。そのため、土日であってもスタッフが事務所に在席しており、問題なく売掛金の売買を申し込めるようになっています。

また審査基準という観点でいうと、あらゆるファクタリング会社の中でも最低水準になっています。そのため、他の会社に断られた自営業であっても、えんナビであれば問題なく利用できるケースが頻繁にあります。

もちろん国民健康保険(国保)の個人事業主であっても利用可能であり、30万円以上の売掛金があれば受け入れてくれます。「土日対応可能」「審査がゆるい」「少額でもオッケー」の条件を揃えているのがえんナビです。