法人で銀行口座を開設するとき、必ず必要になるものがあります。それが実印です。法人印として印鑑を用意しなければ、法人口座を開設することができません。

また、このときは同時に印鑑証明書を用意することになります。法人設立後は何枚もの印鑑証明書を役所で入手しておいたほうがいいですが、これは会社用の銀行口座を開設する際に必要なのが理由の一つになります。

そうしたとき、法人が印鑑を作成するときは注意点があります。また、法人口座開設のときについても、正しい考え方によって申込書類の提出をしなければいけません。私も銀行での実印登録の実情を理解しておらず、苦労することになりました。

そこで、「会社が銀行口座を開設するときの印鑑について、何に注意しなければいけないのか」について、私の実例をもとに解説していきます。

事前に作成しておくべき印鑑(実印)の作成

日本はハンコ文化であるため、会社設立したときに必ず必要になるのが法人印です。いまではネット上で契約を結べる方法があるものの、それでもハンコを用いなければいけない場面がいくつも存在するのです。

法人口座を開設するときがこれに該当し、基本的には法人の実印がなければ会社用の銀行口座を作れないと考えましょう。日本は印鑑という形で「正式な契約として有効かどうか」を確認するため、あなたの法人専用の印鑑が必要になるのです。

当然ながら、私の会社についても実印が存在します。以下のように、会社を作るときに専用の印鑑を作成したのです。

そのため会社を作ることが決まり、法人の名称を決定したのであれば、早めに会社の実印を作成しておくようにしましょう。こうした印鑑がなければ、銀行口座開設など作業を進めることができず、ビジネスをスタートさせることができないからです。

法人印についてはネットショップなど安い店舗で作成すれば問題ありません。4,000円ほど出せば作成できるため、そこまで高いわけではなく、もし保有していない場合はいますぐ印鑑を作るといいです。

印鑑作成のとき銀行印は不要

なお、私が初めて法人印を作るときに失敗したこととして「印鑑を作りすぎた」ことがあげられます。私の場合、さきほどの写真で示したように、以下の3種類について印鑑を作成しました。

  • 代表取締役の印(実印)
  • 銀行印
  • 角印

このうち、正式な印鑑は「代表取締役の印」になります。会社組織としてビジネスをするとき、最も活用する印鑑になります。

ただ法人印を作るとき「銀行印」についても同時に格安で作成できたため、私はついでに銀行印を作ってしまいました。

銀行印とは、その名の通り「銀行で何か手続きをするときに使用する専用の印鑑」になります。ただ、実際には銀行印は必要なく、代表取締役の印で兼用できます。つまり、わざわざ銀行印を作る必要はなく、代表取締役の印だけで問題なかったわけです。

私が法人でビジネスをするとき、銀行印についても作っていたため「あるときは代表取締役の印を利用し、またあるときは銀行印を利用する」ことになりました。両者を使い分ける必要があり、非常に面倒です。そのため、「銀行印を作成せず、代表取締役の印だけ作成すればよかった」と後悔したのです。

なお、角印については代表取締役の印のように正式ではないものの、一応は法人印としての効力を持ちます。そのため社員がたくさんいて「法人印を従業員に管理させたくない」という経営者は、社員にいくつもの角印を管理させます。

そうしたとき、私は中小零細企業だったので角印を利用することがなく、最終的に至った結論は「代表取締役の印だけを作ればいい」ということでした。

法人登記後、役所で法人印を印鑑登録する

ここまでのことを理解したうえで、必要な実印だけを作成しましょう。ほとんどの会社は実印として「代表取締役の印」だけ作れば問題ありません。社員が多い場合、実印とは別に角印を検討すればいいです。

その後、実印を作成したら役所(法務局)で法人印を登録します。作成した代表取締役の印について、「この印鑑が会社の正式な印鑑である」と法律上でも認めてもらうようにするのです。これが印鑑登録になります。

個人で印鑑登録する制度はありますが、これの法人版だと考えましょう。

なお、法人印の印鑑登録は「会社の登記と同時に行う」のが一般的です。法人登記は司法書士へ依頼することになりますが、印鑑登録も司法書士へ丸投げすれば問題ありません。

印鑑証明書を何枚も取り寄せておくといい

そうして印鑑登録が完了したら、早めに印鑑証明書を取り寄せましょう。もちろん、取り寄せるのは個人の印鑑証明書ではなく、法人の印鑑証明書になります。

参考までに、以下が私の会社の印鑑証明書です。

なお、役所(法務局)で取り寄せるのは法人の印鑑証明書に限りません。登記簿謄本(履歴事項全部証明書)についても何通も取り寄せるといいです。

これら登記簿謄本と法人の印鑑証明書については、法人口座開設のときに原本の提出を求められます。また銀行口座の作成に限らず、法人カード(法人用のクレジットカード)を作るときにも必要です。もちろん、他にも提出が必要になる場面があります。

会社を登記したばかりのころというのは、会社用の銀行口座開設を含め、行うべき手続きが非常にたくさんあります。そこで、事前に印鑑証明書をたくさん入手しておくのです。

会社の銀行口座開設で印鑑証明書を郵送する

こうして、印鑑証明書を入手した後は実際に銀行口座の開設を進めるようにしましょう。前述の通り、法人口座開設では印鑑証明書が要求され、原本の提出が必須となります。

リアル店舗を有する銀行であっても、ネット銀行であっても、必ず法人の印鑑証明書と共に「実印を押した口座開設申込書類」を提出しなければいけません。例えば、以下は私がネット銀行にて法人口座開設をしたときの書類になります。

ここには「実印」を押す場所があり、ここに法人の印鑑証明書と同じ印鑑を押すようにします。また、届出印は「実際に銀行で手続きをするときに必要な印鑑」になります。

例えば、口座振替(銀行からの自動引き落とし)などによって支払いをする場合だと、届出印で押した印鑑を利用して手続きをすることになります。このとき銀行印を活用してもいいですが、前述の通り煩雑になるだけなので、代表取締役の印(実印)を活用するといいです。

規模の大きい会社であれば、「経理担当者へ銀行印をもたせる」などのように使い分けてもいいかもしれません。ただ中小企業で社員数が少ない場合、使い分ける意味はなく「代表取締役の印=銀行への届出印」とすればいいです。

そして最終的に、法人の印鑑証明書と共に「実印を押した書類」など必要書類が揃ったら、口座開設手続きを進めるために銀行へ郵送・提出します。

銀行口座を作るときの実印や印鑑証明書の扱いを理解する

日本の法人であると、どのような会社であって必須になるアイテムが実印です。法人用の印鑑を作成し、印鑑登録しなければいけません。そうしなければ、あらゆるビジネスの場面で困ることになるからです。

そこで、法人を作るときは同時に印鑑の事前作成を考えましょう。このとき大きな企業なら他の印鑑を作成してもいいですが、私の会社を含め中小企業は「代表取締役の印」だけ作成すれば問題ありません。一つの印鑑だけのほうが分かりやすいです。

そうして司法書士によって印鑑登録してもらったら、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と共に何枚もの印鑑証明書を取り寄せるようにしましょう。法人口座開設で原本の提出が必要になるからです。

面倒ではありますが、法人では実印を活用する場面がいくつもあります。特に会社用の銀行口座を作るときは必ず印鑑証明書を要求されるため、これらの手続きを事前に理解しておくといいです。

振込手数料が安く、機能に優れる個人事業主・法人おすすめのネット銀行

すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。

またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。

もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。

ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。

おすすめのネット銀行