これから新規で法人口座開設をするとき、公式サイトについて気にする経営者は多いです。多くの場合、ホームページを確認されることがあるからです。
いまの時代、公式サイトを保有してビジネスをしているのは普通です。ただ当然ながら、必ずしも自社サイトを有さなければいけないわけではありません。事実、特にホームページなしでビジネスをしているケースは非常に多いです。
それでは法人でホームページなしの場合、法人口座開設をすることはできるのでしょうか。また、ない場合はどのようにして審査にパスすればいいのでしょうか。
公式Webサイトがない場合、審査に通過するためには事前に方法を理解しなければいけません。実際、私の会社は公式サイトなしの状態で法人口座開設をしました。そこで、ホームページがない場合の法人口座の開設方法について解説していきます。
もくじ
法人口座開設は公式サイトがあると有利
公式Webサイトを利用することによって、ビジネスでの集客をしている人は多いです。ただそれだけでなく、Webサイトをもつことは他にも優れた点があります。それは、法人口座開設を行いやすくなることです。
要は、会社のホームページを保有しているだけで審査に通過しやすくなるのです。
個人口座とは異なり、ビジネス口座の開設は非常に審査基準が厳しくなっています。事実、私の会社についても過去には以下のように審査落ちとなったことがあります。
ただ、法人口座がなければビジネスをすることができないため、何とかして審査に通過しなければいけません。
これが個人事業主であれば、個人名の口座を開設して「ビジネス用として利用する」ことが可能です。ただ法人の場合、法人名義での口座が必須です。そこでこうした審査落ちを防ぐため、ホームページを事前に作っておくと有利というわけです。
ホームページに必要な記載項目
なお、すべての法人口座開設で公式Webサイトの提示が必要かというと、当然ながらそういうわけではありません。銀行によっては、ホームページの提示が不要なケースもあります。ただ多くのケースにおいて、サイトを見せる必要があるというわけです。
このとき、単にサイトを見せればいいわけではありません。以下の内容について、確認できる状態になっている必要があります。
- 会社概要:法人名、本社住所、連絡先、社長名・役員名など
- 事業内容
- 取扱商品や内容
会社概要や何のビジネスをしているのかを含めて詳細に記しましょう。Web上にこれらを既に掲載しているのであれば問題ありませんが、そうでない場合は口座開設を申込する前に記載しておく必要があります。
法人口座開設でのホームページ確認では、こうしたルールがあります。そのため、以下のようなトップページを提示するだけではだめです。
そうではなく、会社概要が明確に分からなければいけません。
ビジネス実態があるかどうかが重要
それでは、なぜ公式サイト上に会社所在地や連絡方法(電話番号やメールアドレスなど)を含めて会社の概要を詳細に記す必要があるのでしょうか。これは、法人口座がマネーロンダリング(資金洗浄)として利用されるのを防ぐためです。
個人名義ではないため、法人口座は犯罪組織に利用されやすいです。そのため、例えば「詐欺などの犯罪で利用されたお金を法人口座に振り込み、後でクリーンなお金として引き出す」などが可能になります。
当然、銀行は犯罪に加担したくありません。そのため個人とは異なり、法人口座開設は非常に審査が厳しくなっているのです。
またホームページで確認されるのはビジネスの実態です。つまり銀行としては「この会社は本当にビジネスをしているのか。犯罪にてお金を得てマネーロンダリングしようとしていないか」を重視しています。だからこそ、公式サイトで会社の所在地や役員名、取扱商品などを確認できる必要があるのです。
ホームページなしの場合はどうすればいいのか
ただビジネスをしている人が全員、公式Webサイトを保有しているわけではありません。ホームページなしにて活動しているケースは多いです。
しかしながら、そうした人であっても問題なく法人口座を保有してビジネスをしているという実態があります。つまり公式サイトがあると口座開設時に有利ではあるものの、必ずしも必要というわけではないのです。
参考までに私の会社についても公式サイトは保有していません。私の会社は当サイトを有していることから分かる通り、保有するWebサイトはいくつもあります。ただ会社紹介用のサイトは存在せず、私の会社の所在地や連絡先が書かれているホームページはありません。
ただそれでも、特に問題なく法人口座を作っています。前述の通り審査落ちになったことはあるものの、審査基準の甘い銀行に申し込むことによって開設できたというわけです。
会社概要を確認できる別の書類を送付する
それでは、どのようにしてホームページなしに法人口座開設をすればいいのでしょうか。これについて、まずは審査基準の甘い銀行を選ぶ必要があります。
例えば、メガバンクは何か理由がない限り利用しないようにしましょう。振込手数料が異常に高く、銀行融資の基準が厳しく、さらには法人口座開設の審査基準も高いからです。
そのため普通は地方銀行またはネット銀行での口座開設になります。もちろん銀行ごとに特徴があり、例えばネット銀行の中でも住信SBIネット銀行や楽天銀行は審査基準が高いです。一方でGMOあおぞらネット銀行は審査に通りやすくなっています。
また公式サイトがない場合、多くのケースで「ビジネスの実態を確認できる代わりの書類を提出しなければいけない」となっています。以下のようになります。
このように、会社案内やパンフレット、チラシ、事業計画書などを代わりの書類として提出できます。
そのため私の場合、以下のような会社概要説明書を作成し、法人口座開設の必要書類として送ったことがあります。
既にホームページがある場合、こうした書類は不要です。URLを提示するだけでいいからです。ただ存在しない場合、会社案内やパンフレット、会社概要説明書などを提出するのが基本です。
審査で契約書や請求書・納品書を添付する
またそれと同時に、法人口座開設の審査では契約書や請求書・納品書などのコピーを提出しなければいけないケースがよくあります。「取引先が存在しており、きちんとビジネスをしている」ことを銀行側はチェックしたいためです。
私の場合についても、法人口座開設のときは以下のような契約書のコピーを提示しました。
場合によっては、こうした契約書や請求書、発注書などビジネス活動の内容や実態が客観的に分かる書類をもっていないケースがあるかもしれません。ただその場合、審査基準は圧倒的に厳しくなると考えましょう。
そこで知り合いの経営者に頼み込んでもいいので、何とかしてこうしたビジネス実態を示す書類を集めるといいです。怪しいビジネスではなく、真っ当なビジネスをしていることを証明するようにしましょう。
私の会社は公式サイトなしで法人口座を開設した
参考までに、既に説明した通り私の会社は公式サイトなしの状態で銀行口座開設に挑戦し、問題なく法人口座を作りました。
私の会社の場合、銀行融資のために地方銀行の法人口座は一応あるものの、メインバンクはネット銀行にしています。そちらのほうが圧倒的に振込手数料が安く、無駄な支出を抑えられるからです。以下は、私が実際に利用しているネット銀行のキャッシュカードです。
参考までに、前述の通り住信SBIネット銀行と楽天銀行は元々の審査基準が高いです。PayPay銀行は審査基準が低いものの、ホームページなしの場合は一気に難易度が高くなるという特徴があります。
そのため私の会社では、GMOあおぞらネット銀行にて法人口座開設をしてメインで利用しています。審査時の提出書類は多いものの、その分だけきちんと審査され、公式サイトなしでも問題なく審査に通過したというわけです。
ホームページなしでも法人口座開設は可能
審査のとき、すべての経営者で驚くのが法人口座開設です。個人では簡単に口座開設できるのに、法人だと急に審査基準が厳しくなり、審査落ちとなることが多発するからです。
ただビジネスで必要なため、どうにかして法人口座開設をしなければいけません。このときメガバンクを避け、審査基準が低くなりやすい地方銀行やネット銀行を利用するのは当然として、事前に金融機関の審査方法を理解しましょう。
この中でもホームページの有無は重要です。そこで、事前に公式サイトに適切な会社概要の項目を記しておくようにしましょう。ただホームページなしの会社もたくさんあります。その場合、その他の書類によって代用するといいです。
また契約書や請求書など、その他の書類も審査で必要になることがあります。ただ重要なのは、ホームページの有無ではなく「ビジネス実態があるのかどうか」といえます。そこで、真っ当なビジネスをしていることを銀行側に提示し、法人口座開設の審査に通るようにしましょう。
すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。
またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。
もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。
ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。