ネット銀行の中でも、規模の大きな会社として住信SBIネット銀行があります。東証一部上場で知られるSBIグループですが、これのネット銀行部門になります。

大きい会社であるため、住信SBIネット銀行を活用して法人口座開設を考える経営者は多いです。実際、住信SBIネット銀行は振込手数料が非常に安く、さらには知名度が高いため、多くの社長が会社用の銀行口座を作成しています。

それでは、住信SBIネット銀行を利用するに当たって注意点はあるのでしょうか。実際に法人口座開設をするとなると、対象の銀行のスペックを理解しなければいけません。

そこで、ここでは私が実際に住信SBIネット銀行へ申し込んで活用してみた体験談を含め、実際のところの口コミ・評判がどうなっているのか解説していきます。

振込手数料(自行宛て) 50円
振込手数料(他行宛て) 3万円未満:160円、3万円以上:250円
外貨預金
デビットカード 還元率:0.6~0.8%
個人事業主(屋号あり) ×

振込手数料が他行向けで最安値となるメリット

会社の銀行口座を開設するとき、大手のネット銀行を考える人は多いです。そうしたとき、大手に属するのが住信SBIネット銀行です。

このとき、住信SBIネット銀行を活用する一番のメリットは何かというと、振込手数料の安さがあります。金額については以下のようになっています。

自行宛 他行宛

(3万円未満)

他行宛

(3万円以上)

GMOあおぞらネット銀行 無料 166円 261円
住信SBIネット銀行 50円 160円 250円
楽天銀行 52円 168円 262円
ジャパンネット銀行 55円 176円 275円

他行に対しての振込手数料だと、主要なネット銀行の中でも最安値になっていることが分かります。そのため他社への振り込み面ではかなり得になります。

自行宛てへの振り込みについては振込手数料が必要なため、多くの社員に給料振り込みをする場合、GMOあおぞらネット銀行などを活用したほうが経費削減になるケースは多いです。ただ、他行宛てへの振り込みをする場面では住信SBIネット銀行が優れているのです。

振込手数料が月10回無料になる優待プログラム

また住信SBIネット銀行の場合、振込手数料について月10回が無料になる優待プログラムが存在します。これについては、以下の条件のうちどちらか一方を満たすことで達成できます。

  • 他の個人・法人からの振り込みが月に10件以上
  • 法人デビットカードの利用額が月10万円以上

このうち1つの条件を満たすごとに「振込手数料が月10回無料」となるため、両方を満たせば月20回の振込手数料が無料になります。

他の人からの振り込みについては、個人からでも法人からでも問題ありません。また、住信SBIネット銀行からでも他の銀行からでも、どの銀行からの振り込みでもいいです。月10件以上、あなたの法人口座にお金が支払われれば問題ありません。

どれだけ取引先が少なかったとしても、月10件くらいであればお金の振り込みがあると思います。そのため住信SBIネット銀行を利用すれば、月10回ほど振込手数料が無料になると考えましょう。仮に3万円以上の振込を無料にできる場合、「250円 × 10回 = 2,500円」のお金を毎月節約できます。

ネット銀行だが融資の機能を有する:daytaのサービス

また住信SBIネット銀行で費用面以外の特徴だと、融資機能を備えていることが大きなメリットになります。通常、ネット銀行には融資機能がありません。つまり、銀行借入ができないのです。

一方で住信SBIネット銀行だと、借金をすることができます。このとき利用可能な借入額は毎月自動的に判定され、詳細が送られてくるようになります。このサービスを「dayta」といいます。

しかも決算書などのデータ提出は不要であり、ネット申し込みによって最短即日にて借入できるようになっています。担保なしに借入でき、すぐにお金が必要なときに有効活用できます。

・借入は容易だが、金利は高めとなる

なお注意点として、daytaを利用して借金するにしても金利は高めです。一般的な銀行融資のように、低金利になることはないと理解しましょう。銀行融資では信用保証協会を活用しますが、これを利用すると銀行側はリスクゼロになります。その結果、以下のような低金利にて融資を受けられます(この場合は金利1.5%)。

それに対して、住信SBIネット銀行では無担保の融資です。そのため銀行側としてはリスクが高くなり、その分だけ金利として上乗せされます。そのため金利は5~7%になります(実際に融資を受けるときの金利はこの数字になります)。

ただ、それでもビジネスローンなどに頼るよりも圧倒的に低い利率になるのは変わりません。そのため、地方銀行・信用金庫などでの融資が無理だったときに活用するといいです。

法人デビットカードはスペックが低い

ここまでが住信SBIネット銀行のメリットになります。そうした中でも、他のネット銀行に比べて住信SBIネット銀行にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。これについて、一つ目に法人デビットカードのスペックが低いことが挙げられます。

ネット銀行で口座開設する場合、必ずデビットカードを発行することになります。つまり、キャッシュカードとデビットカードが一体になっているわけです。以下が、私が住信SBIネット銀行で法人口座開設をしたときのキャッシュカード&デビットカードになります。

このとき法人デビットカードには還元率が設定されており、このときはキャッシュバックにてお金が返ってきます。還元率は以下のように設定されています。

  • Mastercard:還元率0.8%
  • VISA:還元率0.6%

このように還元率は0.6~0.8%です。ただ法人デビットカードの還元率を考えると、他のネット銀行であれば還元率1%などのように設定されているケースがよくあります。そのため、住信SBI銀行で発行される法人デビットカードはスペック内容が他のネット銀行と比べて悪いといえます。

ネット銀行の中でも審査基準は高い

また、他の問題として審査基準の高さがあります。ネット銀行は一般的に審査基準が低いといわれています。ただ、住信SBIネット銀行については審査基準が高めです。

個人口座とは異なり、法人口座開設は非常に難易度が高いことで知られています。そうしたとき、住信SBIネット銀行ではどのような法人でも受け入れているわけではないのです。

この理由として、一つはネット銀行での大手という理由があります。また、もう一つに「審査書類が非常に少なくザックリしている」ことが挙げられます。例えば、以下は「あなたの会社の概要やビジネス内容」を住信SBI銀行へ伝えるための審査用フォームです。

通常だと、ネット銀行であっても審査時は「事業概要説明書」「取引先との契約書」などのコピーを郵送するのが基本です。ただそうした提出物はなく、単にフォームにあなたのビジネス内容を入力するだけとなっているのです。

もちろん申請側からすれば、集めるべき書類が少ないので楽です。ただ、その分だけ「あなたの会社がどのようなビジネスをしているのか分かりにくく、結果として審査落ちになりやすい」ようになるのです。

参考までに、私の友人の経営者が住信SBIネット銀行に申し込みをしたとき、実際に法人口座開設で審査落ちになりました。このとき、以下のような書類が送られてきました。

このように会社の銀行口座開設では平気で審査落ちになりますが、特に住信SBIネット銀行では審査落ちの可能性が高いことを理解しましょう。

バーチャルオフィスの会社は確実に審査落ち

ちなみに、住信SBIネット銀行では「必ず審査落ちになる形態の会社」があります。そればバーチャルオフィスで登記している会社です。

いまの時代、バーチャルオフィスを利用するのは普通です。事実、非常に多くの会社がバーチャルオフィスを活用し、ビジネスを実践しています。もちろんバーチャルオフィス利用でもネット銀行での審査に通過しますが、住信SBIネット銀行ではバーチャルオフィス利用の会社を受け入れ拒否にしているのです。

以下は実際の公式サイトの内容です。

こうしたバーチャルオフィス拒否の事実からも、ネット銀行の中で住信SBIネット銀行の審査基準が高いことが分かります。ネット銀行だと、審査基準がゆるい傾向にあるのは本当です。ただ、住信SBIネット銀行だと審査が厳しくなりがちなのです。

ネットバンキングの機能が他より劣るデメリット

また住信SBIネット銀行を活用するとき、他にもデメリットがあります。それは、ネットバンキングの機能が他のネット銀行よりも劣ってしまうことです。

「24時間365日いつでもログインできる」「さまざまな外貨預金が可能」のはすべてのネット銀行で同じであり、これについては住信SBIネット銀行でも同様です。ただ、住信SBIネット銀行には「1つのメイン口座につき、複数のサブ口座を保有できる」などのような機能が存在しません。

また、他のネット銀行に比べると「毎月の自動支払いをするとき、高額な初期費用と維持費が必要」などのようになっています。

一般的なネット銀行だと、こうした「サブ口座の機能」「定期的な自動支払い」を無料で利用できます。ただ、住信SBIネット銀行はそうではありません。

・海外送金はほぼ無理だと考えるべき

ちなみに住信SBIネット銀行では海外送金の機能があります。ただ、これについては別途で申請許可を依頼することになります。ただ、ほぼ審査落ちになります。法人口座開設でさえ審査が厳しいのに、海外送金では圧倒的に審査基準が高くなっているのです。

また、海外送金ではTransferWiseという「圧倒的に審査基準が低く、さらには手数料の低いサービス」があるため、無駄に費用の高い「銀行の海外送金サービス」を利用してはいけません。

事業規模が小さく、社員がほぼいない法人におすすめ

このように住信SBIネット銀行のメリットとデメリットについて中立的に述べてきましたが、どのような状況の会社が最適なのでしょうか。これについては、以下の会社になります。

  • 事業規模が小さく、単一の事業しかしていない
  • 社員がほぼいない

事業規模が小さい場合、サブ口座を保有する意味はなく一つの代表口座だけで足ります。

また社員が多い場合、「同じ銀行間での振込手数料が無料になるネット銀行」を活用して経費削減すると効果的です。社員に同じネット銀行にて口座開設をさせ、給料の振込手数料を無料にするのです。ただ社員が少ない場合、それよりも他行あての手数料のほうが重要になります。

住信SBIネット銀行は同行あてで手数料が必要なものの、他行への振込手数料は最安値です。また前述の通り、他からの振り込みが月に10件以上あれば、振込手数料が月10件も無料になります。そのため、小規模の会社を経営する場合なら非常に優れているといえます。

申請での必要書類は簡素

そうしたとき、実際の法人口座開設で必要な申請書類には何があるのでしょうか。これについては、以下の書類を用意する必要があります。

・登記簿謄本と法人の印鑑証明書

すべての法人で提出が必要になるものが登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と法人の印鑑証明書です。登記簿謄本に会社の登記内容が記載されていますし、法人の印鑑証明書によって印鑑が正しいものであるという証明になります。

これらの書類は役所(法務局)で入手できるため、早めに取得しておくようにしましょう。

・本人確認書類

運転免許証や住民票、健康保険証など代表取締役の身分を確認するための書類になります。これについても提出が必須です。

・法人番号の印刷書類

すべての会社に対して法人番号が割り当てられています。このときの法人番号について「国税庁・法人番号公表サイト」で検索し、書類を印刷したうえで郵送する必要があります。

・銀行が規定する申込書

実際の申し込みでは公式サイトを利用することになるのですが、このときは銀行が規定する申込書を送らなければいけません。ただ、これについては公式サイト上の入力フォームへ記入することで、自動的にPDFファイルが作成されるようになります。このPDFファイルを印刷して必要な押印を済ませると、郵送する申込書が完成します

以下は私が実際に住信SBIネット銀行へ申し込みをしたときの書類であり、これを同封することになります。

・法人設立届出書(設立半年以内の場合)

起業したばかりで設立半年以内の法人に限られますが、このときは法人設立届出書のコピーを提出することになります。

ちなみに法人設立届出書ではなく、青色申告承認申請書や事務所の建物登記簿謄本、事務所の建物賃貸借契約書でも問題ありません。いずれにしても、起業直後の場合はこうした書類を提出する必要があります。

ホームページがあると優れる

ここまで述べた書類がすべてです。そのためネット銀行で口座開設をするとき、他のネット銀行に比べると、住信SBIネット銀行では異常なほど必要書類が少ないです。そのため書類を集め、提出をするという意味ではかなり楽です。

しかし前述の通り、必要書類が少なく「あなたのビジネス内容に対する判断材料」が乏しいため、結局のところ住信SBIネット銀行では審査が厳しくなっているというわけです。

・書類提出がないため、サイトがないとほぼ審査落ち

そのため、あなたの会社のビジネス内容を詳細に記載した公式ホームページを保有すると審査落ちを防ぎやすくなります。事業概要説明書や他社との契約書コピーなどを送る機会がないため、ホームページにてビジネス内容を提示するしか方法がないのです。

住信SBIネット銀行に審査書類を送ると、2週間後くらいに以下のようなメールが届くようになります。

最初のフォーム入力ではなく、なぜか必要書類を送ったあとに「あなたの会社の事業概要を入力してほしい」というメールが来ました。また、このメールを私は4/20に受け取りましたが、「4/23までに回答がない場合、法人口座開設を見合わせます」という文言が記されていました。

そのため急いで対応しなければいけませんでしたが、このときのフォームは以下のようになります。

このフォームであなたのビジネス概要を記しますが、会社URLを記入することで、どのようなビジネスをしているのか記しましょう。そうでないと、文章だけでは本当にそうしたビジネスをしているのかどうか判断できないからです。

当然、公式サイトには事前に以下の情報を掲載しておきましょう。

  • 会社概要:法人名、登記住所、連絡先、代表者名
  • 事業内容:商品・サービスの内容、価格、購入方法
  • 特定商取引法に基づく記載(通販業者の場合)

これらをホームページに事前に記載しておくからこそ、ようやく銀行側はビジネス概要を把握できるようになり、住信SBIネット銀行での審査落ちを防げるようになります。

どの会社が住信SBIネット銀行に最適なのか理解する

私も法人経営者としてビジネスをしているため、いくつか銀行口座を保有しています。このときの保有口座に住信SBIネット銀行があり、「他のネット銀行の銀行口座と比べてどのような特徴があるのか」について、実際の体験をありのままに口コミ・評判として記しました。

ネット銀行の大手ではありますが、すべての法人経営者にとって優れているわけではありません。住信SBIネット銀行が最適な経営者は限られます。

ただ「サブ口座が必要ない」「社員が多くない」という会社であれば、大手のネット銀行として住信SBIネット銀行を利用する意義は大きいです。他行への振込手数料が最安値なのも魅力的です。

「審査基準が高い」「法人デビットカードの還元率が悪い」などのデメリットはあるものの、これらが気にならない場合は問題ないといえます。これらの特徴や口コミ・評判を理解したうえで、住信SBIネット銀行にて法人口座を開設しましょう。