会社を設立した後、どのような法人であっても銀行口座を開設しなければいけません。法人口座がない場合、ビジネスでの取引を円滑に進めることができないからです。

そうしたとき、法人口座開設では必要書類を銀行側へ提出しなければいけません。必要な提出物を集め、リアル店舗であれば持ち物として持参し、ネット銀行での口座開設なら郵送することになります。いずれにしても、必要書類を提示しなければ銀行口座を作れません。

そこで、事前にどのような提出物が必要になるのか理解しましょう。これら必要な書類を知っていないと二度手間になりますし、会社の銀行口座開設まで無駄に時間がかかってしまうようになります。

ここでは私が実際に会社を経営し、複数の法人口座を開設した経験から、どのような書類が必要になるのか解説していきます。

銀行の口座開設で必須となる書類

どのような人であっても、会社用の銀行口座を作るときは必要書類を提出しなければいけません。ビジネスでは法人口座が必要不可欠なため、できるだけ早めに口座開設をしたほうがいいです。そこで、必要なものに何があるのか事前に理解することは重要です。

このとき、どの銀行であっても要求してくる書類が存在します。具体的には、以下が共通する必要な持ち物になります。

  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 法人の印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • ビジネスの実態が分かる書類
  • 銀行指定の申込書

それぞれについて、どのようになっているのか解説していきます。

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と法人の印鑑証明書の原本は必須

個人が銀行口座開設する場合よりも、法人口座の開設は圧倒的にレベルが高く、さらには必要書類も多いです。そうしたとき、会社が存在することを銀行へ証明しなければいけません。そこで必要になるのが登記簿謄本(履歴事項全部証明書)です。

会社の登記内容が記されているものが登記簿謄本(履歴事項全部証明書)です。以下の書類が登記簿謄本になります。

こうした書類について原本の提出が求められます。そこで、役所(法務局)へ出向いて登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を何枚も入手しておくといいです。

特に会社設立した当初の場合、いくつもの銀行へ同時に審査依頼を出すのが基本です。結果が出るまで1~2週間ほどかかるため、時間短縮のために複数銀行へ申請するのです。また法人カードの申請など、他にも登記簿謄本を提出する場面があります。そのため、多めに取得しておきましょう。

また登記簿謄本(履歴事項全部証明書)だけでなく、法人の印鑑証明書の原本についても求められます。以下が法人の印鑑証明書になります。

法人の印鑑証明書についても、いろんな場面で原本の提出を要求されるようになります。そこで役所へ何度も足を運ばなくても問題ないように、法人の印鑑証明書を多めに入手しておくといいです。

本人確認書類を用意する:マイナンバーの取り扱いは銀行で異なる

また金融サービスを利用するときは、どの金融機関にも共通しますが、代表取締役の本人確認書類の提示を求められます。これには、以下のようなものが該当します。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 健康保険証 + 住民票
  • 在留カード(外国人の場合)

一般的には、このうちどれかとなります。多くの人は運転免許証を利用することになりますが、持っていない場合はパスポートまたは「健康保険証 + 住民票」となります。

なお、マイナンバーカードはどうなのか考える人は多いです。これについては、銀行によっては問題ないこともありますが、別の銀行についてはマイナンバーカードを本人確認書類として認めてくれないケースがあります。

例えば以下のネット銀行であれば、本人確認書類としてマイナンバーカードが認められます。

運転免許証を保有する場合であれば特に問題ありません。ただ、その他の書類としては何が有効なのかについて、申し込みをしたい銀行によって異なるのです。

ホームページや契約書、事業計画書など実態が分かるものを持参する

なお、法人設立で最も重要になるのが「ビジネスをしている実態の分かるもの」になります。審査に落ちる理由があるとすれば、ビジネス実態の提出書類の内容が甘かったからだといえます。

ホームページ(会社のWebサイト)があれば、どのようなビジネスをしている会社なのか把握することができます。ホームページに法人名や住所など必要事項が書かれてあるのは必要ですが、そうしたものを用意するのです。

また、取引先との契約書や取引先からの請求書でも問題ありません。契約書を見れば業務内容が分かりますし、契約している相手先の会社も明確です。また、相手会社が発行する請求書でも問題ありません。

他には、事業計画書や会社説明資料でもいいです。事業計画書などがあれば、そこから会社の活動内容を銀行側が把握できます。過去において会社の説明資料は特に会社の説明資料は作成していませんでしたが、銀行の審査を通すために以下のような会社説明資料を仕方なく作りました。

取引先に説明・提出する用ではなく、あくまでも銀行での法人口座開設の審査を通すためのものでしたが、これでも問題なく会社の口座開設の審査に通過しました。

いずれにしても、ホームページや契約書、事業計画書などによって、あなたの会社のビジネス実態を証明しなければいけません。銀行は法人口座を犯罪資金やマネーロンダリングに利用されるのを嫌うため、そうではないことを証明するのです。

銀行指定の申込書に記入し、法人印を押す

これらの必要書類に加えて、銀行指定の申込書に記入しなければいけません。これについては、リアル店舗を有する銀行であれば、銀行の窓口に書類が用意されてあります。書き方を理解している人はいないと思うため、銀行の窓口にて書き方をその場で聞くようにしましょう。

また、ネット銀行であればインターネット上で入力フォームへ記入することになりますが、手続きを進めていけば自動で専用の申込書が作成されるようになります。

例えば、以下は私がネット銀行で法人口座開設するときに自動作成された申込書になります。

こうした申込書を印刷した後、法人印(法人の印鑑証明書と同じ印鑑)を押して郵送することになります。

またリアル店舗を有する銀行なら、窓口で申込書を書いた後、その申込書へ法人印を押すことになります。そのため、持ち物として法人印を忘れずに持参するといいです。

必要に応じて提出する法人番号

なお、こうした「絶対に必要なもの」ではなく銀行によって必要になったり、そうでなかったりする持ち物もあります。その一つが法人番号です。

特にネット銀行だと、ほぼ法人番号の提出が必要になると考えましょう。このとき法人番号の検索方法は簡単であり、「国税庁 法人番号公表サイト」へ行けば問題ありません。または「法人番号」とネット検索して公式サイトを見つけてもいいです。

ここであなたの会社名を検索すれば、検索結果に表示されるようになります。以下のような感じです。

ただ、このときの検索結果ページを印刷してもダメです。そうではなく、正式な法人番号ページを表示し、印刷しなければいけません。そこで、上写真の「履歴等」のボタンをクリックしましょう。

そうすると、以下のように表示されます。

このページを表示させた後、印刷しましょう。「このページを印刷する」のボタンから、書類を印刷するといいです。法人番号を銀行へ提出するとき、検索結果ではなく「あなたの会社のみの法人番号を記したページ」を印刷しなければ受け付けてくれないと考えましょう。

なおリアル店舗を有する銀行だと、法人番号の提出を必要としていないケースもあります。これは、銀行員スタッフがその場ですぐにインターネットにて法人番号を検索できるからです。

定款や決算書は必要な持ち物ではない

なお、反対に必要ではない持ち物もあります。その一つが定款です。実際に「銀行の法人口座開設で必要な持ち物」を確認すれば分かりますが、定款を必要書類に入れている銀行はありません。私についても、これまで定款を銀行へ提出したことはありません。

定款に目的(どのような事業をしているのか)などが記されているとはいっても、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)にも同じ内容が記されています。

また定款を確認したとしても、実際のところどのようなビジネスをしている会社なのか不明です。定款を持参しても問題ないですが、よほどのことがない限り必要ないと考えましょう。例えば、以下は三井住友銀行の法人口座開設で必要な書類です。

メガバンクは銀行の中でも最も法人口座開設の審査が厳しく、提出書類も多いことで知られています。ただ、そうした銀行であっても「定款」という文字がどこにも存在しないことが分かります。

また、同じように決算書も不要です。銀行融資だと、事業計画書や決算書を提出するのが基本です。ただ、融資ではなくあくまでも法人口座開設です。銀行で口座開設するだけなのに決算書を要求されることはないのです。

そもそも法人口座開設だと、新規法人であることが非常に多いです。そうした会社は決算期を迎えていないため、決算書がありません。そのため決算書を求められることはないのです。

口座開設する銀行ごとに審査書類は異なる

なお、銀行とはいっても株式会社であるため、それぞれ会社ごとに独立して業務をしています。そのため当然ですが、法人口座開設をしたい銀行ごとに審査書類は異なると考えましょう。

ここまで記した書類が基本的な必要書類になります。実際のところ、地方銀行やネット銀行であれば、これらの書類を入手するだけで問題なく会社の銀行口座を作れるようになります。

ただ、特にメガバンクなど規模の大きい銀行になるほど必要書類が多くなり、口座開設の難易度が上昇します。例えば、先ほどの三井住友銀行であれば以下の書類を提出しなければいけません。

  • 本店事務所の建物登記簿謄本(自己所有の場合)または賃貸借契約書(借家の場合)のコピー

つまり、法人登記している場所の事務所に関する謄本や契約書を提出しなければいけません。自分所有の建物であったり、賃貸物件を借りたりしている会社は事前にこれらの書類の用意が必要なのです。

基本的な必要書類についてはここに記した通りであるものの、細かい提出物の要件は銀行ごとに異なるため、あなたが申し込みをする銀行でどのようなものが必要なのか確認するといいです。

必要な書類を集め、法人口座開設を行う

会社にとって最初の関門が法人口座開設です。銀行口座を作ることで、ようやく会社組織としてお金の受け取りや支払いが可能になります。

そこで、どのような書類が必要なのか事前に把握するようにしましょう。少しでも早く会社用の銀行口座を作らなければ、ビジネスを継続することができないからです。

特に「会社の事業内容を説明する書類」は重要になります。この内容によって、法人口座開設で審査落ちになるかどうかが決まります。特に登記したばかりの会社だと実態を証明できる書類が少ないため、「申し込みを行う銀行で、どのような書類を作ればいいのか」を確認し、早めに動くといいです。

これらのポイントを把握したうえで必要書類を集めることにより、スムーズに会社用の銀行口座を作れるようになります。

振込手数料が安く、機能に優れる個人事業主・法人おすすめのネット銀行

すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。

またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。

もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。

ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。

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