経営者である以上、ビジネスに集中するために他の人に手続きの代行を依頼することがあります。自分で動くのは面倒なため、他の人に頑張ってもらうのです。

そうしたとき、会社の銀行口座開設について委任状を作成し、代理人に動いてもらうことで頑張ってもらおうと考えるケースがあります。ただ、これについては非常に微妙であり、必ず代表取締役の本人が動くようにしましょう。

また中には、法人口座開設の代行をしている行政書士もいます。しかし、彼らに依頼するのは無駄でしかないためやめたほうがいいです。

それでは、なぜ会社の銀行口座作成で代理人の活用が微妙なのでしょうか。ここでは「口座作成で社長本人が行うべき理由」について解説していきます。

委任状の書式や書き方は?ダウンロードして代理人が申し込む

何らかの書類を提出するとき、代理人であっても問題ないことはよくあります。このとき、委任状を銀行の公式サイトなどからダウンロードし、記載すれば本人に代わって他の人が申し込み可能です。

これについて、「〇〇銀行 法人口座 委任状」などで検索しましょう。銀行の公式サイトを訪れれば、委任状をダウンロードできるようになっています。例えば、以下は三菱UFJ銀行の公式サイトにある法人口座開設の委任状です。

委任状自体は既に銀行側が用意してくれています。書式は既にありますし、書き方については非常に簡単です。あとは、用意されている委任状にしたがって記載していくだけで問題ありません。

こうした書類を書いたら、あとは代理人が銀行へ出向いて手続きをするだけになります。委任状の作成自体は非常に簡単だといえます。

銀行は法人口座開設の審査が難しい

ただ書式を考える必要がなく、書き方が簡単とはいっても、代理人に依頼して法人口座開設をするのは大きな問題点があります。それは、法人口座開設での審査が圧倒的に通りにくくなることです。

個人口座であれば代理人が口座開設するのは普通です。歩けない親であったり、障害をもつ子供であったり、こうした人たちの代理人として親族が手続きをするのです。

それに対して、会社となると意味合いが大きく違ってくるようになります。会社の代表者が「完全寝たきり状態」「重度の知的障害がある」という状況は考えにくいです。つまり、社長自身が銀行へ出向くこと自体は問題ないといえます。

さらに法人の場合、そもそもが銀行の審査に通りにくくなっています。創業して何年も経っている会社であっても、以下のように「法人口座開設の審査落ちの連絡」をもらうことはよくあります。

そうした状態で代理人が出向いたとしても、ほぼ審査に通りません。委任状を利用してもいいですが、個人口座とはわけが違うと考えましょう。

重要な口座開設の場面は代表者が実施するべき

銀行に出向いて法人口座を開設する場合、銀行側へあなたの会社のビジネス内容を説明する必要があります。このとき事前に書類を用意しておくのは当然として、その場で事業の内容を詳しく説明するのです。

そうしたとき、会社の社長ではなく代理人が事業内容について的確に答えられるかというと、残念ながら無理なケースがほとんどです。普通の方法でも法人口座開設が厳しいことを考えると、代理人を利用したら口座開設を断られる可能性が非常に高くなるのは容易に想像できるはずです。

銀行へ出向いての説明が面倒なのは分かります。ただ、会社の銀行口座を作るという非常に重要な手続きを実施するため、そうした場面くらいは代理人を立てるのではなく、経営者自ら出向くようにしましょう。

ネット銀行では委任状自体がない

ちなみに委任状については、リアル店舗を有する銀行に特有のものです。ネット銀行では委任状が存在しません。ネット銀行はリアル店舗の支店が存在せず、面談などはありません。委任状がないのは、こうした理由があります。

ネット銀行では、すべてオンライン申請と郵送だけで完結します。そのため委任状の書式や書き方などを考える必要はありません。社長自身が作業するのが面倒であっても、秘書など他の人に書類を集めさせて提出させればいいです。

例えば、以下はネット銀行での申請書類になりますが、オンライン上のフォームに入力すればこうした書類を自動で作成してくれるようになります。

あとは、ここに「登記簿謄本」「法人の印鑑証明書」「経営者の本人確認書類」などの必要書類を付け加えて送るだけになります。この作業については誰がしても問題なく、支店での面談もないため、ネット銀行では委任状という概念自体がないのです。

行政書士の代行サービスはお金の無駄

なお、会社の銀行口座開設を考えるとき、場合によっては行政書士による代行サービスを活用できないのかと考える経営者がいます。行政書士によっては、法人口座開設の代行を請け負ってくれるのです。

しかし、完全にお金の無駄です。行政書士に依頼する場合だと、成果報酬を含めて合計で5万円ほどの費用になりますが、5万円もの無駄な経費支払いが発生しているといえます。

そもそも、法人口座開設の手続き自体は非常に簡単です。メガバンクや地方銀行、ネット銀行を含めて申し込みは誰でも行うことができますし、必要書類を集めるのも簡単です。

なお、法人口座開設で最も難易度が高いのは「あなたの会社のビジネス概要の説明書」になります。ただ、この説明書はあなたが作成する必要があり、行政書士が代行して作ってくれるわけではありません。

こうしたさまざまな理由があるため、行政書士へ会社の銀行口座開設を依頼するのはお金の無駄でしかないと理解しましょう。

代行するべき場面でそうでない場面を理解するべき

ビジネスの場面では、専門家へ依頼しなければいけない場面とそうでない場面があります。会社設立の場面であれば、以下については士業を活用したほうがいいです。

  • 法人登記:司法書士へ依頼
  • 毎月の会計処理・決算:税理士へ依頼

法人登記については専門的な書類が多く、素人が実施するのは現実的ではありません。そこで司法書士へ依頼しなければいけません。自分で調べて行うと何ヵ月もかかる作業を司法書士がすべて代行してくれます。

同じことは毎月の会計や決算でもいえます。法人会計を素人が行うのは不可能に近いですし、決算は税理士に頼まなければ無理というほど専門性が高いです。そこで、顧問税理士を雇って丸投げしなければいけません。

一方で法人口座開設は難しい作業がまったくなく、素人でも行えます。むしろ、企業の概要説明など経営者が自ら作業しなければいけない場面のほうが多いです。会社の銀行口座作成というのは、行政書士の代行サービスを利用している場合ではないのです。

ビジネスというのは、他の専門家へ依頼するべき場面とそうでない場面があります。そうしたとき、法人口座開設は自分自身で行うべきだといえます。

委任状は無視して、代理人ではなく社長が手続きするべき

作業的には素人でも行える法人口座開設ですが、個人口座と違い、法人口座作成は非常にハードルが高いです。そのため「代理人が委任状を利用して個人口座を作成する場面」と同じように考えてはいけません。そもそも、代理人を立てて銀行口座を作ろうとする時点でほぼ審査落ちとなります。

代理人だと、銀行にて正しく事業概要を説明できません。経営者が手続きをしても普通に審査落ちになることも多いわけです。これが代理人だと審査にほぼ通らないのです。

また行政書士への代行サービスもお金の無駄です。法人口座開設に必要な書類は素人でも簡単に集められるものばかりですし、最も作成が面倒な「ビジネス概要の説明書」はそもそもあなたが作成しなければ意味がありません。それなら、自分で手続きをしたほうがいいといえます。

メガバンクや地方銀行、ネット銀行を含めて法人口座開設は自分自身で行うようにしましょう。そうしなければ、審査落ちになって無駄に時間がかかるなど不都合な事態に陥ってしまいます。

振込手数料が安く、機能に優れる
個人事業主・法人おすすめのネット銀行

すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。

またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。

もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。

ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。

おすすめのネット銀行