ネット銀行の中でも振込手数料が非常に安く、さらには審査に通過しやすい銀行としてGMOあおぞらネット銀行が知られています。さらには複数口座を保有できたり、同行宛ての振込が無料だったりとメリットが大きいです。
そのため多くの個人事業主や法人でGMOあおぞらネット銀行に申し込むことを考えますが、このときは事前に審査基準や必要書類を理解しなければいけません。
当然ですが、審査に通過しやすいとはいっても「無条件で法人口座開設できる」というわけではありません。やり方を間違えると審査落ちになるため、正しく必要書類を集めなければいけません。
それではどのように必要書類を集め、提出すれば審査落ちを防げるようになるのでしょうか。GMOあおぞらネット銀行で審査落ちを防ぐため、どのように必要書類を提示すればいいのか解説していきます。
もくじ
ネット銀行の中でも審査基準の低いGMOあおぞらネット銀行
銀行ごとに特徴があり、一般的にメガバンクは非常に審査が厳しいです。そのため、中小企業は地方銀行またはネット銀行で法人口座開設をするのが一般的です。
またいまでは振込手数料の安さから、ネット銀行で法人口座開設をするのは普通です。私の会社についても、手数料の安さからネット銀行をメインで使用しています。具体的には、GMOあおぞらネット銀行をメインバンクにしています。
以下の通り、GMOあおぞらネット銀行にて法人口座用のキャッシュカード（デビットカード）をもっています。
ネット銀行によって特徴があり、例えば楽天銀行や住信SBIネット銀行などは審査基準が非常に高いことで知られています。
例えば以下は、過去に私が楽天銀行の法人口座開設に申し込み、審査落ちになったときに受け取った実際のメールです。
当時は法人5期目でずっと黒字経営だったにも関わらず、このように審査落ちとなりました。一方でネット銀行の中では、GMOあおぞらネット銀行は審査に通りやすくなっています。
提出書類が多く、詳しく審査される
なお法人口座の審査に通りやすいというのは、前述の通り「審査基準がゆるく、どのような会社であっても審査落ちにならない」という意味ではありません。GMOあおぞらネット銀行では厳格な審査を実施します。
厳格な審査にも関わらずなぜ法人口座開設しやすいかというと、提出書類が多いからです。法人口座開設をするとき、他のネット銀行に比べてGMOあおぞらネット銀行ではたくさんの書類を提出しなければいけません。
必要書類が多いとなると、面倒なように感じてしまいます。ただ、法人口座開設の点からいうとむしろメリットです。たくさんの書類を提出するからこそ、「この会社はビジネスの実態があり、口座開設の許可を出しても問題ない」と思ってくれるようになるからです。
提出書類が多いほど、ペーパーカンパニーではなく怪しいビジネスをしていないことを証明できるというわけです。
審査落ちを防ぐ基準を学ぶ
なぜ、審査落ちになるかというと理由は単純です。銀行としては、犯罪資金やマネーロンダリングとして法人口座を利用されることを恐れているからです。当然ですが、銀行は犯罪に加担したくありません。
そのため審査落ちになる会社は決まっており、「本当にビジネスをしているのか不明」なときです。「単にペーパーカンパニーとして法人口座を保有し、そこに犯罪資金を流すなどしてマネーロンダリングするのでは」と銀行側に疑われるのです。
ただ楽天銀行や住信SBIネット銀行のように、必要な提出書類が少ないと判断材料も非常に少なくなり、結果としてペーパーカンパニーと判断されやすくなります。
一方で法人口座開設をするとき、要求される必要書類が多いほど多方面から審査されるようになり、法人口座開設できるようになります。
これを理解すれば、GMOあおぞらネット銀行で審査落ちを防ぐ方法を理解できます。方法としては、ビジネス実態があることをあらゆる書類によって客観的に証明するだけです。その点でいうと真っ当なビジネスをしている人であれば、必要書類の多いGMOあおぞらネット銀行は審査に通りやすいというわけです。
具体的な必要書類は何があるのか
それでは、実際にGMOあおぞらネット銀行で要求される必要書類としては何があるのでしょうか。申し込み時期によって必要書類は変わる可能性がありますが、GMOあおぞらネット銀行の場合は以下になります。
- 法人番号の確認書類
- 代表者の本人確認書類
- 事業内容を確認できる書類（最重要）
それぞれの必要書類について、どのように考えればいいのか解説していきます。
法人番号の確認書類を国税庁のサイトから印刷する
会社として登記されている場合、必ず国税庁のサイトに掲載されるようになります。GMOでは法人番号の確認書類を印刷・提出しなければいけないため、「国税庁 法人番号公表サイト」へ行きましょう。
あなたの会社名をこのサイトで検索すると、以下のような画面になるはずです。
ただ、このページを印刷してもダメです。そうではなく、具体的な会社情報が記されているページを印刷しましょう。そのためには、「履歴等」のボタンをクリックする必要があります。
そうすると、以下のようなページになります。
このページを印刷することによって、あなたの会社が法人登記されていることを証明できます。
地方銀行で口座開設をする場合、法人番号の確認書類を提出しなくてもいいことが多いです。これは、銀行員がその場で印刷するからです。ただネット銀行ではあなた自身がこうした法人番号の確認書類を用意しなければいけません。
代表者の本人確認書類コピーを提出する
すべての銀行では社長（代表取締役）の本人確認書類を提出することになります。そのため、以下のような書類コピーのうち一つを提出しましょう。
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
- マイナンバーカード
- 住民票
- 在留カード（外国人の場合）
なお、当然ながら顔写真付きの書類のほうが審査に通りやすいです。そのため特別な理由がない限り、運転免許証・マイナンバーカード・パスポートのうちどれかのコピーを提出すると審査落ちを防ぎやすくなります。
会社概要と事業内容を確認できる書類を可能な限り入れる
法人口座開設の申請で審査落ちになるかどうかを左右する最も重要な部分が「事業内容を確認できる書類」です。GMOあおぞらネット銀行で審査落ちになる人の共通点として、ビジネス内容を書類から把握できないことが挙げられます。
そこで、可能な限りビジネス実態を書類で証明しなければいけません。その中でも、GMOあおぞらネット銀行では以下の2つが必要書類です。
- 会社概要が分かる書類
- 事業内容を確認できる書類
それぞれの内容について確認してきましょう。
・会社概要が分かる書類：一つ以上
あなたがどのような会社なのかについて、概要を理解できる書類を提出しましょう。具体的には以下になります。
- ホームページのコピー
- 会社案内、パンフレット、チラシ
- 事業計画書、他社への商品・サービス提案書
これらを提出するとはいっても、会社名や事業内容、取扱商品などが記されていなければいけません。要は、書類を確認することによって具体的にどのようなビジネスをしており、お客さんに何を提供しているのか把握できる必要があります。
例えば私の会社の場合、会社用のホームページは保有していません。当サイトを運営していることからわかる通り、Webサイトはいくつもあります。ただ、自分の会社の公式サイトを作っていなかったというわけです。そこで、以下のような会社概要説明書をパワーポイントで作成し、印刷して送付することにしました。
いずれにしても、このようにして「あなたの会社が何のビジネスをしているのか」を書類で説明しましょう。また、チラシやパンフレット、事業計画書など手元にある書類はできるだけ入れるといいです。
・事業内容を確認できる書類：一つ以上
会社概要を示すだけでは、本当にそのビジネスをしているのか分かりません。そこで、実際に事業をしていることを示すようにしましょう。具体的には、以下の書類がこれに該当します。
- 契約書：業務委託契約書、売買契約書など
- 他社発行の請求書、発注書、納品書
- 自社発行の請求書、発注書、納品書 ＋ 入金を確認できる口座明細
- その他、売上・仕入・活動状況を確認できる書類
こうした書類を一つ以上、用意する必要があります。例えば私の場合であれば、以下のような契約書をコピーして送付しました。
こうした書類があれば、契約を結んで実際にビジネスをしていることが明らかです。もちろん契約書がなくても、請求書や発注書などでも問題ありません。
中には請求書すらないケースがあるかもしれません。例えば、Amazonにて物販をしていたり、アフィリエイトにて収益を得ていたりする人が該当します。他には、株やFX、仮想通貨などの投資家も該当します。
ただ管理画面のスクリーンショットなど、何かしら証拠を提示することはできます。これは、必要書類でいう「売上・仕入・活動状況を確認できる書類」になります。
これらの書類について、ビジネスをしている証拠を提示するために一つではなく何枚も入れるようにしましょう。可能な限り書類を入れることによって、きちんとビジネスをしていることを証明でき、審査落ちを防げます。
なお売上や支払いがこれまでに発生していない人がいるかもしれません。その場合、「契約書を用意できるようにする」「最初は個人口座を代用してもいいので、売上や支払いを発生させた後に法人口座開設の申し込みをする」などのようにしましょう。
GMOあおぞらネット銀行では、以下のような会社概要の説明書に記載して提出することも可能です。
ただ、この方法はまったくおすすめできません。本当にあなたの会社がビジネスをしているのか不明であり、いくらでもウソを書けるからです。もちろん真実の内容を書いたとしても、「内容がウソなのでは？」と銀行側に疑われるというわけです。
そのため、圧倒的に審査基準が高くなります。また実際のところ、こうした書類で代用してしまうと高確率で審査落ちになります。そこで審査落ちを防ぐためにも、面倒であっても会社概要やビジネス内容を証明できる書類を集め、提出するようにしましょう。
代表者と取引責任者は必ず同一人物にするべき
なお会社によっては、銀行口座を経営者が管理したり操作したりする必要がないケースも多いです。例えば、経理担当が法人口座をメインで扱うのは普通です。
そのため法人口座開設をするとき、代表者ではなく経理担当者の名義によって口座開設することもできます。ただその場合、代表者ではないので「法人の印鑑証明書」「経理担当者の本人確認書類」など、その他の書類を提示しなければいけません。
しかし、代表者以外がメインで法人口座に触れるとしても、必ず経営者名義で法人口座開設をするようにしましょう。代表者と取引責任者が違う場合、面倒なことばかり起こるからです。
社長であるなら、すぐに会社を辞めることはありません。ただ、経理担当者は1年以内に会社を去る可能性があります。それなら、最初から経営者本人の名義で法人口座開設をすればいいです。
そうすれば提出する必要書類は少なくなりますし、その後のメンテナンスも減ります。代表者と取引責任者を異なる状態にするメリットはないので、必ず社長名義で法人口座開設を申し込みましょう。
審査に通過すると法人口座を使えるようになる
こうして必要書類を集め、提出すると審査が開始されるようになります。審査自体は一週間以内に完了するため、非常に素早い審査といえます。
ビジネス実態があることをきちんと証明できれば、以下のようなメールが届くようになります。
このメールが届けば、GMOあおぞらネット銀行にて審査が通り、法人口座開設に成功したことが分かります。その後、利用開始の案内やデビットカード＆キャッシュカードが届けられるようになります。
参考までに、以下は過去私がGMOあおぞらネット銀行で審査通過後、届いた書類になります。
こうした書類を利用して、法人口座を操作できるように手続きを進めましょう。法人口座の審査は個人に比べて圧倒的に厳しいですが、正しく必要書類を集めて提出すれば審査落ちを防げるようになります。
審査に通過し、GMOあおぞらネット銀行で法人口座を作る
法人口座を作るとき、できるだけ審査に通りやすい銀行を選ぶのが鉄則です。これはネット銀行でも同様であり、審査の厳しい銀行ではなく、起業直後や実績ゼロの会社であっても問題なく受け入れてくれるネット銀行を利用しましょう。
そうしたネット銀行としてGMOあおぞらネット銀行があります。審査がゆるいわけではないものの、必要書類が多いため結果として多方面から審査してくれるようになり、真っ当なビジネスをしている場合は高確率で審査に通過するというわけです。
審査落ちになる人は共通しています。違法行為に近いビジネスは論外として、「会社概要やビジネス概要の書類が具体的でない」ことが多いです。
そこで、ビジネス実態を証明できる書類を可能な限り提出しましょう。そうすれば、GMOあおぞらネット銀行での審査落ちを防げるようになります。
すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。
またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。
もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。
ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。
