ビジネスをする以上、必ず経費の支払いが発生します。このときは個人事業主や法人を含めて、毎月決まったお金を支払う先が存在するはずです。分かりやすい例であればクレジットカード会社を利用しての口座振替が該当します。

このとき口座振替依頼書を提出することで、毎月の自動引き落としをすることができます。またネット銀行を利用するなど、定期自動引き落としを設定することによって確実なお金の支払いをすることも可能です。

定期的にお金を支払う場合、できるだけ無駄な経理処理は少なくしなければいけません。そうすることによってミスが減りますし、支払い忘れも発生しません。特に口座振替では利用条件を満たす必要があるものの、ネット銀行での定額での定期自動払いであれば、すべての個人事業主や法人が利用できます。

それでは、どのように口座振替や定期自動支払いなどによって支払いを自動化させればいいのでしょうか。ここでは、法人口座で口座振替や自動引き落としによって会計処理を簡素化させるための方法を解説していきます。

法人口座からの自動引き落としが可能

個人事業主や会社では、法人口座から自動引き落としによってお金を支払うことが可能です。最も一般的な方法としては、口座振替による自動引き落としがあります。

口座振替を設定すれば、たとえ毎月支払う料金が違ったとしても、自動的に相手の会社が料金を計算してお金が請求され、法人口座からお金が引き落とされるというわけです。最も一般的なのは、電気代や携帯電話料金などの公共料金です。

なお、自動支払いで最も効率的な方法はカード払いです。私の会社でも、以下のように法人カードを契約しており、これによって支払いをしているケースが非常に多いです。

実際のところ、自動払いしたいのであればカード払いが圧倒的に楽です。また、法人カード利用であればポイントも貯まります。そのため私の会社では、電気代やガス代の支払いを含めてカード払いです。

ただカード会社の支払いを設定するためには、最初に口座振替の手続きをしなければいけません。以下は過去、私がJCB法人カードに申し込んだときの書類ですが、こうした口座振替依頼書を対象の会社(今回の場合は株式会社ジェーシービー)に提出する必要があります。

こうして口座振替によって、法人口座からの自動引き落としが可能になります。

口座振替依頼書を取り寄せ、銀行で手続きを行う

そこで「クレジットカード会社への支払いを行う」「公共料金で口座振替を利用する」「高額な毎月払いについて、口座振替で支払う」などの場合、口座振替依頼書を取り寄せるようにしましょう。

口座振替を利用して、自動で法人口座から引き落としをするためには、何か銀行側に足を運んで手続きすることはありません。そうではなく、お金を支払う先の会社から口座振替依頼書を取り寄せ、書類を記入後に送り返す必要があります。

私がクレジットカード払いで株式会社ジェーシービーから口座振替依頼書を取り寄せ、株式会社ジェーシービーへ送り返したのと同じように、あなたの会社も同様の手続きをしましょう。要は、お金の支払先の会社が口座振替に対応していなければ、口座振替は利用できないというわけです。

口座振替の仕組みについては、金融関係の会社に限らずすべての会社が採用できます。口座振替依頼書のフォーマットは会社ごとに異なりますが、例えば以下は私の会社が利用している収納代行会社(お金を集める代行会社)での口座振替依頼書です。

私の会社は口座振替依頼書をお客さんに記載してもらい、書類を回収した後に収納代行会社に送ることによって、自動集金する仕組みを取り入れています。収納代行会社がお客さんからお金を集めたあと、私の会社に送金されるというわけです。

これと同じように、毎月お金を支払っている先の会社が口座振替に対応している場合、支払先から口座振替依頼書を取り寄せて、記入後に送り返すことによって、自動引き落としできるようになります。

ネット銀行なら口座振替依頼書すら不要

なおメガバンクや地方銀行であれば、口座振替依頼書などを利用することによって口座振替を完了させるのが一般的です。ただこれがネット銀行の利用であれば、「口座振替依頼書を取り寄せて送り返す」という面倒な作業を省けることがあります。

多くの収納代行会社では、オンライン申請にて手続きできる仕組みが整っています。この仕組みを利用すれば、オンラインだけで口座振替手続きが完結するというわけです。以下の通り、ネット銀行の法人口座でも「オンライン完結での仕組みを利用できる」ことが記されています。

手順としては以下のようになります。

  1. 支払先の会社に依頼して、オンラインから口座振替開始の申請をしてもらう
  2. あなたの法人口座にログインして上記の申請を承認する

口座振替依頼書を支払先の会社から取り寄せ、書類を送り返すことで口座振替できるようになることから分かる通り、オンライン上で手続きをする場合についても、相手会社に依頼して「相手会社がオンライン上から口座振替の申し込みをしてもらう」ようにお願いする必要があります。

その後、あなたが法人口座を開設しているネット銀行へログイン・承認することによって、口座振替依頼書の提出なしに口座振替が完了するようになります。

定期自動支払いをネット銀行で設定する

ただ口座振替を利用する場合、前述の通り相手の会社が口座振替に対応していなければいけません。それでは、口座振替に対応していない取引先であるものの、毎月の支払いをすることが確実な場合、何とかして自動にて支払いはできないのでしょうか。

これについて、毎月の支払額が変動する場合だと、そのつど振込処理をする必要があります。請求書を送ってもらい、振込処理をするのです。

一方で定額のお金を支払うことが決まっている場合であれば、相手が口座振替に対応していなかったとしても、定期自動支払いをセットすることによって勝手に毎月の支払いするように設定できます。

家賃や駐車場代は分かりやすい支払いの一つであり、支払う費用は毎月同じであるものの、クレジットカード払いや口座振替に対応していないケースがほとんどです。そうしたとき、定期自動支払いを利用すると非常に優れます。

メガバンクや地方銀行のネットバンキングだと内容は劣りますが、ネット銀行であればほぼこうした定額での自動支払いをセットできるようになっています。例えば以下は、GMOあおぞらネット銀行の公式サイトにある内容です。

このように、定額自動振込として自動引き落としに対応しています。指定した日に自動で振込処理が行われるため、家賃や駐車場代などで毎月ネットバンキングにログインして支払いをする必要がありません。

会計処理を大幅に簡素化できるため、毎月の金額が決まっている場合はネット銀行の法人口座を有効活用しましょう。

代表者変更・名義変更で必要な手続きは特にない

参考までに、こうした口座振替や定額自動振込のサービスを利用したとき、その後に代表者変更(名義変更)があったとしても、特別な手続きは必要ありません。

もちろん銀行に対しては、代表者変更に伴って「社長が交代した」ことを申請しなければいけません。銀行での名義変更は必須です。

一方で電気代・ガス代などの公共料金や携帯電話代、その他のサービスについて口座振替・自動引き落としを利用しているとき、代表者変更があったとしても特に何も手続きしなくてもいいです。

理由としては、あくまでも契約が会社だからです。口座振替や自動支払いでお金を払うにしても、法人口座から引き落とされるというのは、社長個人と契約しているわけではありません。会社との契約である以上、代表者変更があっても関係ないのです。

当然ながら、会社同士の契約なので、社名変更があった場合はすべての口座振替について再度手続きをしなければいけません。ただ会社の変更ではなく、代表者の変更なら手続きは不要というわけです。

法人口座を用いた口座振替・自動支払いの方法を理解する

ビジネスで会計処理は非常に重要であるものの、売上とはまったく関係なく非常に面倒になりやすい処理項目の一つです。そこで、可能な限り自動にて経理処理しなければいけません。

そこで、自動で引き落としできるように設定しましょう。最も良いのは法人カードの利用です。ただ理由があってクレジットカード払いに対応していない会社の場合、口座振替を利用して支払いをしましょう。口座振替依頼書またはオンライン上にて口座振替を完了できます。

また定額支払いなのであれば、ネット銀行を利用して自動引き落としの設定をしましょう。ネット銀行であれば、多くのケースでこうした仕組みを無料にて利用できます。

こうした方法があることを理解して、可能な限り支払いを自動化させましょう。自動化が無理な支払いは存在するものの、自動化できる支払いもあります。そこで口座振替や自動引き落としを利用することによって、会計処理を簡素化させましょう。

振込手数料が安く、機能に優れる個人事業主・法人おすすめのネット銀行

すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。

またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。

もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。

ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。

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