一回の手数料は数百円であるものの、取引回数が多いため、非常に高額な費用になりやすいのが銀行を利用した振込手数料です。
中小企業で社員数が少ない場合であっても、給与支払いだけで年間にして何十万円もの無駄な手数料を支払っているのが現状です。ただ方法によっては、この振込手数料をゼロにすることができます。それだけで、高額なコスト削減が可能になります。
方法としては、必ずネット銀行を利用しなければいけません。ただ何でもいいからネット銀行を使えばいいわけではなく、正しいやり方があります。
そこで個人事業主や法人で従業員に対して給与振込をするとき、どのようにして法人口座の振込手数料をゼロにすればいいのか解説していきます。
もくじ
法人口座から社員へ給料を払うのはコストが大きい
すべての個人事業主や法人でビジネス口座をもっていると思います。こうした法人口座の場合、一般個人向けの口座と比べて手数料が高くなりやすくなります。
例えば、以下はメガバンクでの振込手数料です。
このように、3万円以上の振込によって660円もの手数料となります。給料や賞与(ボーナス)の支払いであれば、3万円以上の振込になるのが当然です。たとえアルバイト・パートへの支払いであったとしても、3万円以上が普通です。
参考までに、メガバンクや地方銀行(一部)について振込手数料は以下のようになっています。
自行宛 (3万円未満) | 自行宛 (3万円以上) | 他行宛 (3万円未満) | 他行宛 (3万円以上) | |
三菱UFJ銀行 | 110円 | 330円 | 484円 | 660円 |
三井住友銀行 | 110円 | 220円 | 550円 | 770円 |
みずほ銀行 | 220円 | 440円 | 490円 | 660円 |
横浜銀行 | 110円 | 330円 | 385円 | 550円 |
関西みらい銀行 | 330円 | 330円 | 605円 | 605円 |
銀行によって手数料はこのようにバラバラですが、いずれにしても非常に高額になりやすいです。
具体的な手数料をシミュレーション
それでは、具体的にどのような給与振込での手数料になるのでしょうか。世の中は個人事業主や中小企業がほとんどなので、20人の社員やアルバイトが働いているケースを考えてみましょう。
この場合、振込手数料が660円だと以下のようになります。
- 660円 × 12ヵ月 × 20人 = 年15万8,400円
このように従業員として社員やパート・アルバイトが20人ほどであったとしても、年間にして15万8,400円の手数料支払いとなります。仮に利益率10%の会社であれば、158万円もの売上に相当します。
こうした数字を確認すれば、給与振込での手数料を減らすことがいかに重要であり、利益改善に役立つか理解できます。
ネット銀行であれば手数料を大幅削減できる
ただ銀行での振込手数料を安くすることを考えるとき、メガバンクや地方銀行、信用金庫の利用では不可能です。既に記した通り振込手数料は非常に高額ですし、ネットバンキングの利用料も月2,000円ほどかかります。
そこで、ネット銀行を利用しなければいけません。ネット銀行にすれば、社員に対する給与振込は当然として、取引先に対する振込手数料についても安くなります。例えば主要なネット銀行であれば、以下のような振込手数料になります。
自行宛 | 他行宛 (3万円未満) | 他行宛 (3万円以上) | |
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 一律145円 | |
住信SBIネット銀行 | 無料 | 一律145円 | |
楽天銀行 | 52円 | 150円 | 229円 |
PayPay銀行 | 55円 | 一律160円 |
このように、メガバンクや地方銀行と比べて半分や4分の1の手数料になっていることが分かります。そのため、ネット銀行からの給与支払いにすれば一瞬にして無駄なコストを削減できます。
もちろん、「銀行融資が必要のため、リアル店舗をもつ銀行との取引を継続したい会社」は多いです。ただそうしたときであったとしても、「社外取引先や従業員への振り込みなど、振込作業についてはネット銀行をメインにする」ことは可能です。
楽天銀行やPayPay銀行は同行宛てでも手数料が必要
ただネット銀行にしたとしても、振込手数料が必要になるのが基本です。このとき社外の取引先に振込をするとき、手数料が必要になるのは仕方ありません。ただ社員やパート・アルバイトに対する支払いについては、方法によっては無料にできます。
まず、給与振込をするときは「同じ銀行同士での送金」にしましょう。社員に対して、法人口座と同じ銀行の口座を開設させ、その口座に対して振込処理をするのです。そうすれば同行宛ての送金になるため、送金手数料を大幅に圧縮できます。
これがリアル店舗をもつ銀行であれば、地域ごとの特徴があるので難しいです。特に異なる都道府県に店舗をもつ会社の場合、社員ごとに主要なメインバンクが異なるので不可能といえます。
ただネット銀行であれば、住む場所に関係なくどこに居住していたとしても口座開設できます。そのため、全社員について銀行口座をもたせ、同行宛ての送金ができます。
ただ先ほどの表を確認すると、ネット銀行であっても同行宛ての振込で手数料がかかります。楽天銀行やPayPay銀行と手数料が必要なのです。
確かにメガバンクや地方銀行に比べると費用は良心的です。ただビジネスでは、できる限り無駄なコストを省かなければいけません。
・GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行なら手数料ゼロにできる
そこで、ネット銀行の中でもGMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行を利用するようにしましょう。GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行であれば、同じ銀行への送金手数料が法人口座であっても無料です。以下のように、公式サイトにも明記されています。
そのため給料やボーナスの支払いをする法人口座としてGMOあおぞらネット銀行を開設し、同時に社員についてもGMOあおぞらネット銀行で口座を作らせましょう。その後、給料支払いをGMOあおぞらネット銀行内で完結させれば、給与振込の手数料を完全ゼロにできます。
大企業であったとしても、経理処理の簡素化のために「社員に対して特定の銀行の口座を開設させ、そこに給料を振込する」のは普通です。これをGMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行指定で行うだけで、高額なコスト削減が可能になります。
またGMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行の場合、他行宛ての振込についても非常に手数料が安くなっているため、給料やボーナスの支払いに限らず、あらゆる支払いをこれらの銀行経由にすると費用を抑えられます。
導入費用なしで給料・賞与(ボーナス)の大量振込に対応
なお個人事業主や法人を含めて、規模が小さいケースであっても2~5人ほどの社員やパート・アルバイトを雇っているのは普通です。少し規模が大きくなれば、10~20人以上の社員になります。そうなると、毎月の振込処理だけでも大変です。
このときリアル店舗をもつ銀行であれば、ネットバンキングの仕組みが整っておらず、手間がかかります。例えば、24時間で利用できなかったり、土日に処理できなかったりするのが基本です。もちろん、給与振込も面倒になりやすいです。
一方でネット銀行であれば24時間365日で対応できるのは当然として、利用料金ゼロにて総合振込のサービスを利用できるようになります。
一回の手続きによって何千件もの振込が可能であり、特別な専用ソフトが不要なのは、あらゆるネット銀行で共通しています。GMOあおぞらネット銀行や楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行とすべてのネット銀行で利用可能です。
ただその中でも、GMOあおぞらネット銀行であれば同行宛ての振込手数料も無料であるため、費用が完全ゼロにて利用できるというわけです。
・GMOあおぞらネット銀行での活用例
なお、実際に給料や賞与(ボーナス)の支払いをする場合、ネット銀行であれば必ずネットバンキングにて操作することになります。例えばGMOあおぞらネット銀行の場合、以下の部分にあるボタンをクリックすることによって、一括にて給与支払いが可能になります。
ここからCSVファイルなどをアップロードすることによって、一括にて給料やボーナスの支払処理をすることができます。一件ずつ振込処理をする必要はなく、こうした機能を利用料金ゼロにて利用できます。
給与振込で銀行手数料を無料にできる
どのようにして無駄な費用を削減するのかは重要です。その中でも、従業員として働く社員やパート・アルバイトの人数が多くなるほど高額な負担になるのが給与振込での銀行手数料です。
どちらかというと、銀行振込のときに手数料負担を考えていない経営者が多いのではと思います。ただその場合、社員数が少なかったとしても毎年高額な手数料支払いが発生しているといえます。
そこで、ネット銀行での支払いに変えましょう。さらにいうと社員にも法人口座と同じネット銀行で口座を開設させ、同行宛ての送金にするといいです。またネット銀行の中でもGMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行を利用する場合、手数料を無料にできます。
これだけでも年間でのコスト削減金額は非常に大きくなります。振込する社員やパート・アルバイトの数が多いほど威力を発揮するので、可能な限り無駄な経費を抑えるため、こうしたネット銀行を利用して給料や賞与(ボーナス)の支払いをするようにしましょう。
すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。
またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。
もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。
ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。