個人事業主や法人がビジネス口座を開設するとき、楽天銀行にて事業用口座を保有することを考えるケースは多いです。楽天銀行はネット銀行として広く知られており、一般の方に限らず個人事業主や法人経営者にも広く活用されているのです。

そうしたとき、楽天銀行を利用して法人口座開設をする際、会社経営者はどのように考えてこのネット銀行を活用すればいいのでしょうか。

楽天銀行で法人口座開設をするとき、メリットがあればデメリットもあります。そこで、事前に楽天銀行の特徴を理解しなければいけません。

ここでは、楽天銀行でビジネス口座を利用するとき、どのようなサービスが可能になるのかについて、デメリットや注意点まで含めて解説していきます。

ネット銀行の大手で多くの人にとって人気

非常に多くの個人事業主や法人経営者が楽天銀行にて口座開設をします。この理由は単純であり、ネット銀行の中でも大手であり、知名度が高いからです。

楽天のさまざまなサービスを利用している人は多く、そうした人だと楽天銀行での口座開設を考えるのは普通だといえます。

元々は2001年に設立されたイーバンク銀行が主体になっています。このイーバンク銀行が楽天と資本提携し、楽天銀行へと名称が変わりました。イーバンク銀行自体も当時のネット銀行の大手であったため、それを引き継いでいまでも楽天銀行で口座開設している人がたくさんいるというわけです。

楽天銀行では個人口座はもちろん、個人事業主の屋号口座や会社口座を含めて広く受け入れているため、どのような人であっても申し込みできるようになっています。

ネット銀行としての振込手数料は普通

そうしたとき、ネット銀行では費用が非常に安いことで知られています。そうしたとき、リアル店舗を有する銀行に比べて楽天銀行の手数料が低くなるのは当然です。

それでは、他のネット銀行と比べたとき楽天銀行の振込手数料はどのようになっているのでしょうか。これについては普通であり、他のネット銀行に比べて特別に振込手数料が安くなっているわけではありません。実際の価格比較については以下のようになります。

自行宛他行宛

(3万円未満)

他行宛

(3万円以上)

GMOあおぞらネット銀行無料一律145円
住信SBIネット銀行無料一律145円
楽天銀行52円150円229円
PayPay銀行55円一律160円

このように、可ではないものの不可でもないです。他のネット銀行に比べて振込手数料が安いわけではないことを認識しましょう。

20まで複数のサブ口座開設が可能

そうしたとき、楽天銀行では優れた部分があります。この一つに「1つのメイン口座を開設したら、20まで複数のサブ口座を保有できる」というサービスがあります。個人口座では無理ですが、法人口座であれば可能になるのです。

以下の通り、楽天銀行の公式サイトにも明記されています。

このように、法人ビジネス口座については複数所有できることが分かります(個人事業主は不可)。そのため、事業用途ごとにお金を管理できます。例えば、以下のように分けられます。

  • 事業内容:コンサル事業、EC事業など
  • 営業所の場所:東京支店、大阪支店など
  • 事業部門:営業部、経理部など

会社経営者にとって、どの事業でどれだけの利益を出したのか把握することは非常に重要です。そうしたとき、複数口座として分けて管理できる仕組みは非常に優れているといえます。

GMOあおぞらネット銀行やPayPay銀行などについても、楽天銀行と同じように複数口座の保有システムをもちます。ただ、住信SBIネット銀行のように複数口座をもてないケースもあります。そうしたとき楽天銀行については、いくつも口座を保有できるというわけです。

法人口座でPay-easy(ペイジー)の支払いが可能

また楽天銀行の他のメリットとして、Pay-easy(ペイジー)を活用できることがあげられます。楽天銀行やPayPay銀行などではペイジーを利用できるものの、他のネット銀行では利用できないことがよくあります。

税金や公共料金、各種料金などのお金についてネット上で簡単に支払いできるシステムがペイジーです。しかも、ペイジーを利用すると振込手数料が無料になります。そのためペイジーでの支払いが可能なのであれば、積極的にペイジーを活用したほうがいいです。

個人事業主や法人としてビジネスをしていると、税金の支払いを含めペイジーを利用できる場面が何回か出てくるようになります。そうしたとき、振込手数料をゼロにできるのです。

また振込手数料に限らず、ネット上からいつでも手軽に振込できるため、オンライン上だけで完結するという意味でもペイジーは手軽です。

審査基準は高く、多くで審査落ちになるデメリット

ここまで述べてきたことが楽天銀行を利用するうえでのメリットです。それに対して、楽天銀行では他のネット銀行と比較してデメリットがあります。これについて、一番のデメリットとしては審査基準が非常に高くなっていることが挙げられます。

ネット銀行の大手であり、知名度も高いため、楽天銀行では何も宣伝しなくても個人事業主や法人から口座開設の申し込みがたくさんあります。その結果、ネット銀行の中ではかなり審査基準が高いのです。

参考までに、私の会社についても以下のように楽天銀行にて法人口座開設で審査落ちとなりました。

当時、私の会社は既にビジネスを7年しており毎年黒字です。赤字はこれまでになく、さらには会社としてそれなりに真っ当にビジネスをしています。それにも関わらず、審査落ちになったというわけです。

法人口座開設はマネーロンダリング(資金洗浄)などの観点から、審査が厳しく簡単には審査通過しません。ただ、ネット銀行は一般的に審査基準がゆるいといわれています。しかし、楽天銀行については例外的に審査基準が高く、平気で審査落ちになることは理解しましょう。

法人デビットカードはJCBで還元率1%だが年会費が必要

また法人経営者の場合、ビジネスにてカード決済する場面がいくつもあります。そのとき法人クレジットカードを保有できればいいですが、人によってはクレジットカードをもてないことがあります。

そうしたとき、ネット銀行を開設すればすべての事業者で法人デビットカードを作れます。「ネット銀行で口座開設する=法人デビットカードを保有できる」となっています。

ただ、このとき楽天銀行の法人デビットカードは年会費として1,000円(税別)が必要です。通常だと、ネット銀行の口座開設で保有できる法人デビットカードはキャッシュカードと一体になっており、年会費無料です。ただ、楽天銀行は「年会費無料で法人デビットカードを保有できる」というわけではないのです。

そのため、年会費が必要な点については大きなデメリットだといえます。またJCBのため、海外でのカード決済では使い物になりません。

しかし還元率は1%であり、このときはキャッシュバックとなります。還元率については高めに設定されています。

そうはいっても、他のネット銀行が発行する法人デビットカードに比べると、年会費が必要な分だけどうしてもスペックが劣るようになります。さらに国際ブランドがJCBなので、海外で利用できない点についても微妙だといえます。

楽天銀行の海外送金は使うべきでない

他に楽天銀行で特徴的なこととして、海外送金が可能であることがあげられます。ただ、楽天銀行で海外送金は絶対に利用しないようにしましょう。100%の確率で損をするからです。

確かに、メガバンクや地方銀行を利用して海外送金する場面に比べると、楽天銀行の手数料は低めです。楽天銀行では、以下のような手数料になります。

  • 海外送金手数料:1,000円
  • 海外中継銀行手数料:1,000円
  • リフティングチャージ:2,500円

リアル店舗を有する銀行だと、海外送金の手数料だけで1万円以上です。しかし、楽天銀行なら4,500円の手数料になります。

ただ、本来は楽天銀行ではなく「Wise(ワイズ)」という海外送金専門のオンラインサービスを利用しなければいけません。このサービスだと、圧倒的に手数料を節約できます。例えば、以下は私がWiseを利用し、17万4,659円を送金したときの様子です。

このように、手数料はわずか1,939円です。楽天銀行に比べて、圧倒的に安価であると分かります。

また楽天銀行を含め、海外送金で銀行を利用すると必ずぼったくりレートとなります。そのため100万円を海外送金しても、現地通貨の95万円ほどの価値になるのが普通です。一方でWiseにはぼったくりレートが存在しません。そのときの市場レートにて通貨を交換することになるため、経費として支払うことになるのは純粋な送金手数料のみです。

楽天銀行では確かに法人での海外送金を利用できるサービスが存在します。ただ、利用すると確実に損をすることを理解しましょう。

ビジネスローンで銀行融資可能だが金利が不明でおすすめしない

また楽天銀行では、他にもビジネスローンの利用が可能です。楽天銀行で口座開設すると、個人事業主や法人は融資サービスにて借金することができるのです。

ただ、楽天銀行が提供する融資はまったくおすすめできません。以下のような条件となっているからです。

  • 審査に1ヵ月以上の時間がかかる
  • 担保や保証人の提供が必要
  • 契約確定まで金利の提案がない

通常だと、どれくらいの金利にて借入できるのかある程度まで分かった状況で申し込みをします。ただ、楽天銀行ではビジネスローンでそうした提示が一切なく、契約の直前まで金利がどうなるのか教えてくれません。

それでいて、担保や保証人の設定が必要になります。また、審査に1ヵ月以上の時間がかかります。つまり、融資のスペックが圧倒的に悪いといえます。

融資では地方銀行や日本政策公庫などに頼るのが一般的です。個人事業主や法人は楽天銀行での融資を無視して、その他の金融機関から借入するようにしましょう。

法人口座開設の必要書類は何があるのか

ここまでのメリットとデメリットを比較したうえで、楽天銀行にて法人口座開設をするかどうかを決めるようにしましょう。

それでは、実際に楽天銀行で口座開設するときはどのような必要書類を用意しなければいけないのでしょうか。これについては、以下のようになっています。

・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

会社が銀行口座を作るとき、どの法人でも必ず提出しなければいけないものとして登記簿謄本(履歴事項全部証明書)があります。法人の登記内容について記している書類になります。

これの原本を出す必要があるため、事前に役所(法務局)へ出向くようにしましょう。役所にて会社の登記簿謄本を入手できるようになっています。

・ 本人確認資料

代表取締役の本人確認書類が必要になります。これには運転免許証のコピーなどが一般的に利用されます。ない場合はパスポートや健康保険証、住民票などほかの本人確認書類で代用します。

・法人番号の確認書類

すべての会社について法人番号が割り当てられています。法人番号は「国税庁・法人番号公表サイト」から検索できるため、ここで法人番号を調べて書類を印刷します。

・ビジネス実態を確認できる書類

どのようなビジネスをしている法人なのかについて、ビジネスの実態を確認するための書類を提出することになります。このとき、以下のような書類のうちどれかを提出します。

  • ホームページ:アドレス(URL)を提示するだけだが、法人名やアドレスの明記が必須
  • 許可証のコピー:営業許可書、美容院検査確認証、宅地建物取引業者免許証など
  • 取引先からの発注書、納品書、請求書のコピー
  • 取引先との契約書のコピー
  • その他、ビジネス内容を確認できるもの:事業概要説明書など

これらを提出しなければいけません。どのようなビジネスをしているのか」を説明する書類の提示が最も面倒です。特に、起業したばかりの会社だと提示できるものがないケースはよくあります。そこで、早めに書類を用意しておきましょう。

バーチャルオフィスでも楽天銀行は問題ない

ちなみに楽天銀行については、バーチャルオフィスで登記している会社であっても問題なく利用できることが広く知られています。

銀行によっては、バーチャルオフィスだと審査が非常に厳しく、最初から受け付けてくれないケースがあります。ただ、楽天銀行では問題ないのです。

しかし前述の通り、楽天銀行は「もともと、審査基準が高い」ことを忘れてはいけません。私の会社については、バーチャルオフィスではないものの、それでも審査落ちになりました。またバーチャルオフィスの場合、以下のように追加で提出書類を求められます。

つまり公式サイトによると、以下の必要書類を提出しなければいけません。

  • 契約書のコピーや相手企業からの納品書・請求書
  • 許認可業の場合は登録完了を記す書類のコピー

必要書類と内容は少し重なりますが、ビジネスをしていることを記す書類をより多めに提出することが求められます。バーチャルオフィスの利用だと、どうしても審査基準が高くなってしまうのです。

楽天銀行を利用して個人事業主や法人がビジネス口座を作る

ここでは主に法人について、楽天銀行で法人口座開設をするときのメリット・デメリットに加え、何に注意すればいいのかを解説してきました。もちろん個人事業主のビジネス口座についても、似た内容になると考えれば問題ありません。

楽天銀行はネット銀行の中で名前が知られており、非常に有名です。そうしたとき、楽天銀行で銀行口座開設を考える経営者はたくさんいます。そこで楽天銀行で法人口座開設をするとき、メリットとデメリットを比較したうえで銀行口座を作るようにしましょう。

ネット銀行の中では、楽天銀行のスペックは普通です。さらに法人デビットカードで年会費がかかり、融資サービスも微妙です。ただ、20までサブ口座を保有できるのはメリットです。ペイジーでの支払いが可能なのも優れています。

銀行としての名前は非常に有名なため、これらの特徴を理解したうえで、楽天銀行を活用するといいです。

振込手数料が安く、機能に優れる個人事業主・法人おすすめのネット銀行

すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。

またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。

もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。

ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。

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