個人事業主や法人では必ずビジネス口座が必要になり、法人口座開設をすることでようやくビジネス取引できるようになります。
このとき、お金のチェックや送金指示をするとき必ずしもパソコンを利用するとは限りません。急いでいるときは携帯電話を取り出し、スマホアプリを利用して口座取引の内容をチェックしたいと考えるのは普通です。
それでは法人口座でモバイルバンキングを利用することはできるのでしょうか。個人であれば、広く携帯電話のアプリを利用して入金チェックや送金指示が可能です。ただ法人だと、可能なのかどうか不明なケースが多いです。
スマホ経由で操作できれば便利です。そこで、法人口座でどのように携帯電話経由で入金チェックや送金処理を考えればいいのか解説していきます。
もくじ
ネットバンキングは携帯電話からアクセス可能
パソコンであっても携帯電話であっても、ネット環境さえあれば自由にインターネットへ接続し、ネットバンキングへログインすることができます。パソコンでもスマホでも、同じ画面を確認できるというわけです。
例えば以下は、ネット銀行での法人口座のパソコンログイン画面です。
まったく同じ画面について、スマホで確認すると以下のようになります。
同じURLではあっても、パソコン用からスマホ用の画面に変わります。そこで、スマホからこうした画面に移動すれば携帯電話経由で問題なく入金チェックや送金処理を行えるようになります。
アプリ経由でモバイルバンキングを利用できれば便利
ただスマホである以上、わざわざURLを入力したり、パソコン用のログイン画面を表示されたりするのは面倒です。携帯電話では以下のように、アプリ経由でアクセスするケースがほとんどです。
わざわざWebサイトにアクセスしてログインし、必要な処理をするとなると面倒です。そのため、多くの人が携帯電話にアプリをインストールして、モバイルバンキング経由で法人口座の取引ができないか考えるのです。
これについて、銀行によっては法人口座でアプリ経由のアクセスが可能です。ただ対応可能な銀行は限られるため、事前にどの銀行が優れているのか理解しなければいけません。
メガバンクや地方銀行は期待できない
まず一般的な話をすると、メガバンクや地方銀行を含めて、支店をもつ銀行はアプリを用意していないことが多いです。
東南アジアであれば、マレーシアやカンボジアなどの発展途上国であったとしても、法人口座用のアプリがあるのは当然です。
ただ日本は世界的にも金融規制が強く、地方であっても多くの弱小の金融機関が生き残っており、業務改善の意欲がまったくありません。そのせいもあり日本国内では、基本的にメガバンクや地方銀行、信用金庫を含めていまの時代であっても法人口座のアプリ利用は期待しないほうがいいです。
個人向けであればアプリ利用できるケースはあるものの、法人口座となるとなぜか開発していないのです。
そもそも日本国内のほとんどの銀行は、生活するうえでインターネットが当然である2020年以降であっても、「営業担当者の個別メールアドレスの設定がなく、対面や電話、FAXにこだわっていた」という異常ぶりです。これについては以下のようにニュースにもなりました。
出典:NHKニュース
こうした実態を考えると、金融規制によって強固に守られており、競争がまったくない日本の銀行にアプリ開発を期待するほうが間違いといえます。
なお日本には、地方銀行や信用金庫まで含めると無数の金融機関が存在します。そこでメガバンクや地方銀行を含め、あなたが住んでいる地域でメインに活躍している銀行について、法人口座向けのアプリが存在するかどうか独自に調べるようにしましょう。ただこれまで述べた通り、あまり期待しないほうがいいです。
ネット銀行はスマホアプリ可能なケースが多い
一方で例外もあります。それがネット銀行です。それまでの旧体質の銀行とは異なり、ネット銀行はIT企業が手掛けているケースがほとんどです。有名なネット銀行だと、例えば以下のようになります。
- GMOあおぞらネット銀行:GMOインターネットグループ
- 住信SBIネット銀行:旧ソフトバンクグループ
- 楽天銀行:楽天グループ
- PayPay銀行:ソフトバンクグループ
このように、それまでの銀行とは違って新たな挑戦をするIT企業グループばかりであり、さらにはインターネット企業であるため、スマホアプリについても当然ながら対応しているというわけです。
私がメインで利用しているネット銀行の法人口座であれば、以下がスマホアプリのログイン画面です。
もちろん実際には常にログインしている状態になるため、Webからログインするときのように面倒なパスワード入力などはありません。ただ、このようにスマホのアプリ経由で簡単にログインし、モバイルバンキングとして携帯電話から操作できるようになっています。
認証アプリ利用など、手続きが簡単になっている
なおこうしたネット銀行であれば、携帯電話を利用した認証が可能なのも基本となっています。
銀行での送金では、お金が関わるので「本人のよる送金指示かどうか」を確認しなければいけません。そのため、支店をもつ銀行では以下のようなカードキーを利用して、毎回非常に面倒な入力をしなければいけません。
一方でネット銀行では、専用の認証アプリを携帯電話にインストールすることができます。これを利用することによって、面倒なパスワード入力をしなかったとしても送金できるようになっています。
例えばパソコンで送金処理をした後、経営者または経理担当者のスマホに通知が届きます。この通知について、ネット銀行の認証アプリを利用して承認をすることによって処理できるというわけです。
スマホを利用すれば、確実に本人による送金指示であると判断できます。非常に強力なセキュリティであるものの、こうした便利なアプリ機能は基本的にネット銀行のみ利用できます。
ネット環境については、どうしてもネット銀行が優れやすいです。スマホアプリ対応なのは当然として、ネットバンキングに無料にて24時間365日接続でき、振込手数料が圧倒的に安くなっているのはネット銀行のみです。
支店をもつ銀行について、ネット銀行と比べて融資機能を除きすべてのサービスが劣ります。スマホアプリについても、法人口座で利用したいのであればネット銀行を活用しましょう。
ネット銀行の法人口座で携帯電話アプリを利用する
強力な金融規制に守られているため、日本の銀行は競争をする必要がなく、その結果どの金融機関も使い勝手が悪いです。事実、発展途上国であっても法人用のアプリを使えるのは当たり前なのに、日本ではメガバンクや地方銀行を含めて利用できないことが多いです。
日本は金融後進国なので、まずはこの現状を認識しましょう。ただ唯一の例外として、ネット銀行があります。
IT企業がネット銀行を運営しています。昔からある銀行に比べて革新性の高いIT企業であり、さらにはオンラインビジネスをメインにしているため、当然のようにモバイルバンキングを備えています。つまり、スマホアプリを利用できるようになっています。
また認証アプリを用いた処理も可能であり、送金・認証の手続きも楽です。そのため法人口座で携帯電話用のアプリを利用したい場合、ネット銀行にて法人口座開設するようにしましょう。
すべての個人事業主・法人で必須になるのがネット銀行での法人口座開設です。メガバンクや地方銀行からネット銀行に変えるだけで、月40件ほどの振り込みであっても年間24万円以上の無駄な経費を削減できます。
またネット銀行だと24時間365日ログインできるのは当然として「1口座で20のサブ口座を保有できる」「外貨預金が可能」「自動での定期払いを設定できる」など非常に高機能です。
もちろん融資については微妙なため、融資が必要な場合は地方銀行などとも付き合う必要があります。それでも、振込をネット銀行へ変えるだけで大幅なお金の節約につながります。
ただ、ネット銀行とはいっても多くの数があります。また、ネット銀行によって特徴がそれぞれ異なります。そこで、ネット銀行の中でも優れた銀行についてランキング形式にて以下で記しているため、この中からあなたのビジネス活動に最適なネット銀行を選択するようにしましょう。