売掛債権の売買をする方法がファクタリングであり、資金繰りを改善する大きなメリットがあります。その一方で売掛金以上の金額については買取が難しいというデメリットもあります。

そうしたとき、会社によっては「得意先へ請求する売掛金について、そこまで売掛債権の金額が大きくない」ことがあります。10万円や30万円など、少額の売掛債権を保有している場合です。こうした小口の金額であると、ファクタリング可能なのかどうか迷ってしまいます。

売掛金の売買では民間のファクタリング会社を利用するのが一般的です。そうしたとき、小口でも問題なくファクタリングできるケースがあります。

それでは、どのように考えて少額の金額をファクタリングすればいいのでしょうか。ここでは、小口金額のファクタリングが可能な業者を含めて解説していきます。

50万円以上や100万円以上が対象となるファクタリング

ファクタリングをするとき、民間の業者を利用するので会社ごとに審査基準や最低買取金額は違ってきます。そうした中でも、一般的なのは100万円以上の売掛債権を買取の最低金額としているケースです。

例えば以下は、ファクタリング会社の公式サイトに「100万円以上が対象」と明記されている実際のケースになります。

こうしたファクタリング会社の場合、金額の低い売掛金の売買を依頼したとしても断られます。売買の対象外となるためです。

なぜ少額ファクタリングは嫌がられるのか

それでは、なぜ小口ファクタリングが嫌がられるのでしょうか。この理由は単純であり、ファクタリング会社にとって利益が少ないからです。

売掛金の売買をするとはいっても、ファクタリング会社にとってみれば30万円の売掛金でも、1,000万円の売掛金でも労力は同じです。そうしたとき、30万円の売掛金なら手数料20%でも「30万円 × 20% = 6万円」しか利益が出ません。

一方で1,000万円であれば、手数料5%でも「1,000万円 × 5% = 50万円」の利益となります。同じ労力でも、金額が高額であるほどファクタリング会社にとって利益が上がっていくのです。

こうした理由があるため、小口ファクタリングに対応していない業者が多くなります。基本は100万円以上のファクタリングとなり、どれだけ少なくても50万円以上の契約を基本にしていることが多いです。

小口金額の買取が可能な業者は存在する

このように、ファクタリングではどうしても100万円以上などそれなりに高額な売掛債権が必要になってしまいます。それでは、少額の売掛金を早期現金化するのが無理なのかというと当然ながらそういうわけではありません。

ファクタリングはあくまでも民間業者を利用するのであり、銀行などの金融機関を活用するわけではありません。そのためファクタリング業者によって最低取引金額の基準はバラバラであり、このときは「少額ファクタリングでも問題なく対応してくれる会社」を選べば問題ありません。

例えば、以下の会社であれば30万円を買取金額の下限としています。当然、法人に限らず個人事業主であっても問題なく30万円の売掛金を買い取ってくれます。

確かに、一般的には100万円以上の売掛金を対象にしている会社が多いです。ただ、小口金額であっても問題なく受け入れてくれる会社は存在するのです。そのため、そうしたファクタリング業者へ依頼すれば問題ありません。

売掛金をいくつかを組み合わせるのは有効

ただ、場合によっては一つの売掛金がそこまで多くないケースもたくさんあります。一つの取引先で売掛債権が30万円にも満たない場合はどうすればいいのでしょうか。

これについては、いくつもの売掛金を組み合わせるようにしましょう。例えば20万円の売掛金が3つある場合、「20万円 × 3つ = 60万円」の売掛債権となります。ファクタリングでは、いくつもの売掛金を組み合わせるのは何も問題ありません。

例えば、ファクタリングで行われるものの一つに、クレジットカード債権のファクタリングがあります。カード払いしてもらったお金について、ファクタリングによって早めにお金に変えることで資金調達するのです。私の会社でもカード払いによる支払いがあり、以下のようにお客さんに決済してもらっています。

一つのカード決済金額は小さくでも、ひと月だと決済が積み上がっていくのでそれなりに高額になります。そのため、問題なくファクタリングの対象となります。

これと同じように、少額の売掛金しかなかったとしても、まだ支払われていない売掛債権を複数組み合わせることを考えましょう。そうすれば簡単に30万円以上の売掛金を作り、売掛債権の売買をしてもらうことが可能になります。

登記費用が必要なのは理解するべき

ただ、少額ファクタリングをするときに事前に理解しなければいけないのは、債権譲渡登記の費用も必要になることです。基本的にどのファクタリング会社でも登記が必須だと考えましょう。

このときの登記は、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)などに記載されるようなものではありません。動産(売掛金など)に関わる登記になり。これを債権譲渡登記といいます。当然、債権譲渡登記をするには費用が必要になります。一般的には、2~5万円ほどの費用がかかるようになります。

登記をするとはいっても、売掛金の場合は動産になるため前述の通り登記簿謄本には記載されず、法務局へ出向かなければファクタリングしていることが分かりません。そのため、よほどのことがない限りは問題ない登記となります。

参考までに、以下は国が提供する登記情報提供サービスであり、有料にて情報を取得できるようになっています。

なお、司法書士への依頼はファクタリング会社が準備するものの、当然ながら登記費用が必要になります。このときの登記費用はあなた負担になります。また債権譲渡のたびに登記する必要があるため、ファクタリングのつど登記をしなければいけません。

・小額ファクタリングは不利になりやすい

登記費用は一律であるため、売掛債権の売買金額が大きくなるほど登記費用の割合は小さくなります。ただ、これが30万円などの売掛金を対象にする場合、どうしても振り込まれるお金の割合が少なくなります。

例えば30万円の売掛金に対して売買を行い、手数料が15%だったとします。この場合、「30万円 × 15% = 4万5,000円」がファクタリングでの売買手数料になります。ただ、司法書士へ支払う登記費用が3万円だった場合、手数料の総額は以下のようになります。

  • 4万5,000円(手数料) + 3万円(登記費用) = 7万5,000円

そのため登記費用を加えると、実質的なファクタリング手数料は25%となります。少額ファクタリングだと、必然的に手数料相場が上昇してしまうことは理解しましょう。

・個人事業主は登記が不要

ちなみに、法人ではなく個人事業主だと登記費用が発生しません。債権譲渡登記には登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や法人の印鑑証明書が必要だからです。以下のような書類は法人でしか取得できません。

そのため個人事業主の場合、例外的に債権譲渡登記が不要になります。それに伴い、登記費用も発生しないのです。

掛目の関係で全額が買取対象にならない

他にも注意点があり、売掛金の全額が買取対象にはならないことも理解しましょう。売掛債権の場合、最終的な振込金額が前後することがあるからです。

そのため、一般的には「売掛債権の全額を買取するのではなく、70~90%を買取対象にする」のが基本です。これを掛目と呼び、掛目の分だけファクタリング会社が買取をする対象が少なくなります。

例えば30万円の少額ファクタリングをする場合、掛目が80%だと、以下の金額分が買取対象になります。

  • 30万円 × 80% = 24万円

つまり30万円の売掛金のうち、24万円の部分のみを買取します。これにより、売掛金の請求金額より少ない金額が振り込まれたとしても、問題なくファクタリング会社へお金を返せるようになります。掛目というのは、得意先に出した請求書の金額よりも少ないお金が振り込まれてしまったときの対策なのです。

10万円からの買取は期待しないほうがいい

ちなみに、中には10万円など非常に少ない金額のファクタリングは可能かどうか考える人もいます。ただ、10万円のファクタリングはやめたほうがいいです。ここまで述べてきたことがファクタリングの事情であり、10万円など少額すぎるファクタリングだと手数料だけでほとんどが消えるようになるからです。

例えば10万円のファクタリングをする場合、掛目80%だと「10万円 × 80% = 8万円」が売買の対象になります。売買手数料が20%であれば、ファクタリング手数料は1万6,000円です。

  • 8万円 × 20% = 1万6,000円

ここに債権譲渡登記の費用3万円が加わる場合、「1万6,000円 + 3万円 = 4万6,000円」が手数料の総額です。8万円の売掛金を売買して手数料が4万6,000円なので、手数料率は約58%にもなります。

30万円の小口ファクタリングであっても手数料率は約20%ですが、10万円など少額すぎる場合は手数料率が50%超えになるのも普通です。そのため、10万円からのファクタリングを考えても手数料倒れするので微妙です。どれだけ金額が少なくても、30万円以上の売掛金を相手にするのが適切だといえます。

・給料ファクタリングなら10万円から可能

参考までに、サラリーマンの給料を早めに振り込んでもらう給料ファクタリングであれば例外的に10万円でも意味があります。

会社経営者は無理であり、毎月決まった給料が振り込まれるサラリーマンでなければいけませんが、唯一の例外として給料ファクタリングなら10万円からの買取でも問題ないと考えましょう。

ファクタリング比較ラボ:売掛金買取で資金繰...
ファクタリング比較ラボ:売掛金買取で資金繰りを改善
https://finance-shikin.com/fac/kyoryo.html

小口でも可能なおすすめファクタリング会社

こうしたことを理解したうえで、小口金額の売掛金の買取を実施しなければいけません。登記費用が2~5万円とわりと高額になりますし、掛目の問題で全額が買取対象にならない以上、どうしても少額ファクタリングでは全体的な手数料相場が高くなってしまいます。

またファクタリング会社としても、高額な金額を取り扱ったほうが利益額は大きいため、小口だと対応してくれないことが多いです。

しかし前述の通り、少額ファクタリングであっても問題なく対応してくれる会社は少ないながらも存在します。

もちろん、そうした会社であっても登記費用のことを考えると、50万円以上などある程度の売掛金額であるほうが、手数料率が低くなるのは間違いありません。ただ、30万円などの小口でも問題なくファクタリングできるのです。

このとき考えるべきおすすめのファクタリング会社は以下になります。

小口買取専門のアクセルファクター

ほとんどの会社は100万円以上の売掛債権を対象にしています。しかし、実際のところ高額な売掛金を保有していない個人事業主や法人経営者は多いです。

そうしたとき、小口買取を専門にしている非常に珍しい会社がアクセルファクターです。30~3,000万円の売掛債権の売買を専門にしている会社となります。

最大の特徴は入金までの短いスピードです。少額に特化しているからこそ、非常に素早い審査が可能となるのです。また場合によっては、郵送など非対面での契約も可能です。さらに、法人に限らず個人事業主であっても対応しています。

30~100万円ほどの売掛金の場合、アクセルファクターだと売買手数料の総額は15~20%ほどになります(登記費用を含む)。そのため、非常に良心的な金額でファクタリングできる会社となります。

非対面で契約可能なウィット

小口買取に強いファクタリング会社としてウィットがあります。30~500万円の少額買取が基本であり、少ない金額でのファクタリングを考えている中小企業・個人事業主にとって優れています。

最大の特徴は非対面であることです。ほとんどの会社は対面契約が必須であり、「ファクタリング会社へ出向く」「ファクタリング会社の営業マンに来てもらう」ことが必要です。ただ、そうなると交通費の分だけ手数料が上乗せされます。一方で、ウィットではそういうことがありません。

また来店不要だからこそ、即日契約が可能です。来店ありだと、現実的に考えて即日での資金調達は難しいですが、ウィットであれば問題なく実現できます。

来店なしでも審査基準は低く、手数料は11~17%と高いわけではないため、少額買取を考えている場合は口コミ・評判の良いウィットを利用しましょう。

土日でも対応可能なえんナビ

ファクタリング会社の中でも、少額でも問題ない会社としてえんナビがあります。30~5,000万円まで対応できる会社です。えんナビについても、審査が非常に早いことで知られています。

一番の特徴は土日の申し込みでも問題ないことです。土日祝日であっても、スタッフが電話で対応してくれるのです。24時間365日対応となっているため、「お盆だが資金調達したい」「土日の間に話を進めておき、月曜に資金調達したい」ときなどに効果的です。

小口に特化しているわけではないものの、30万円ほどの売掛金であっても問題なく対応してくれる会社なので利用しやすいです。

また審査基準が低く、さらには個人事業主であっても売掛債権の売買をしてくれます。そのため、えんナビについても同時に利用するといいです。

ファクタリング会社の選び方とは

資金調達のためにファクタリングを利用する場合、ファクタリング会社はたくさんあります。このとき、会社によって審査基準はバラバラですし、申し込みをしないと手数料は分かりません。そのため、複数社にあいみつ(相見積もり)を取るのが失敗しないコツです。

また、「素早い資金調達は可能か」「手数料相場は低いか」「土日対応できるか」「少額買取に対応しているか」など、ファクタリング会社によって方針がバラバラです。そうした中で優れた業者を選ぶ必要があります。

当然、偽装ファクタリングをしている闇金業者ではなく、真っ当なファクタリング会社を選ばなければいけません。利用業者に失敗すると、後で大変なことになります。

以下のページでは、私が実際に何社ものファクタリング会社を利用した中から、特に優れた業者だけ厳選しています。それぞれの特徴を理解したうえで複数社に申し込みをすれば、売掛金売買での失敗をなくすことができます。

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