不動産投資というと、日本に住んでいる多くの人は日本国内での投資を考えます。もちろん日本人である以上、日本での不動産投資は王道です。ただ、日本で投資をするのは人口減の影響で非常にレベルが高く、失敗確率が高くなっています。

一方でアメリカ不動産へ投資する場合、よほどダメな投資をしない限りは問題なく資産運用できるようになっています。

日本とアメリカでは投資環境がまったく異なります。もちろん「アメリカ不動産への投資=成功できる」というわけではなく、米国ならではの注意点も存在します。これを理解せずにアメリカで投資すると失敗リスクが高くなります。

ただ資産運用という観点だけで考えると、日本よりも米国のほうが優れているのは確実です。この理由や不動産投資における日本・米国それぞれのメリット・デメリットを含めて中立的な立場で解説していきます。

人口増で米国は住宅需要が大きく、空室率は低い

日本での不動産投資が非常に難しい一番の理由は人口減少です。日本ではずっと人口が減り続けていくことが確実です。つまり不動産投資を開始したとしても、対象の不動産に住む人がいないため、結果として不動産投資で失敗しやすくなってしまうのです。

以下は総務省が公開している、人口推移の将来予測を含めたデータになります。

出典:総務省:United Nations

それに対して、先進国の中では珍しくアメリカはずっと人口増となります。米国も日本と同じように、合計特殊出生率(一人の女性が産む子供の数の平均)は2.1を下回っています。2.1を下回ると人口減になるといわれていますが、米国では経済が世界一であり、他の国からの人口流入が非常に多くなっています。

そうした事情もあり、アメリカは常に人口が増え続けるようになっているのです。当然ですが、人口が増え続けていることもあり日本に比べてアメリカでは不動産需要が大きく、空室率も低いです。

例えば以下は、日本の不動産に対する空室率です。

株式会社タス「賃貸住宅市場レポート

このように東京23区であっても、空室率が11%以上となっています。これが周辺の県では、もっと空室率が上昇します。また関東でこの数字であるため、地方になると数字はより悲惨になります。

それに対してアメリカだと、全土を通して賃貸経営での空室率は7%ほどです。また空室率は以下のように下がり続けていることが分かります。

出典:アメリカ合衆国国勢調査局

なお、これがニューヨークやロサンゼルスなどの都市部だと空室率は3%台になります。ここから、いかにアメリカでの賃貸経営が日本よりも健全になりやすいのか理解できます。

市場に出回っているのは中古物件がほとんど

また日本の場合、新築物件が大多数になります。自分の家に住むとき、中古住宅を購入する人などほとんどいません。ほぼ全員が新築の家を購入します。また賃貸で借りるとなると、その多くはアパートやマンションになります。

一方でアメリカでは、家族で住むときは郊外の一軒家に住むのが普通です。アメリカ人は小さい家に住むのを嫌い、郊外の静かな場所で暮らすのが基本になります。そのため賃貸は必然的に一軒家になります。

また米国不動産で広く市場に出回っているのは中古物件になります。新築物件のほうが圧倒的に少なく、「アメリカ人は新たに家を購入するにしても日本人のように新築を建てるのではなく、既にある中古物件を購入する」と考えましょう。

例えば、以下はアメリカのニュース記事ですが「住宅市場のうち、約12.3%を占める新築住宅の販売が……」と記されており、こうした記事からもアメリカでは新築住宅がほぼ存在せず、中古物件ばかりであると理解できます。

日本人はほぼ全員が新築住宅ばかり建てるため、海外でも新築住宅の需要が非常に多いと勘違いしてしまいます。ただ、外国人からすれば新築ばかり求める日本人のほうが異常というわけです。

いずれにしても米国不動産へ投資する場合、「一戸建て住宅へ投資して人を住まわせやすい」「中古物件がメインのため、売却時に売り主を見つけやすい」という特徴があります。

・アメリカでは木造の住宅へ投資するのが普通

ちなみに日本で不動産投資というと、アパートやマンションへ投資するのが一般的です。ただ前述の通り、アメリカでは郊外の家に住むのを好むため、以下のような大きめの木造住宅へ投資するのが普通だと理解しましょう。

こうしたことも、日本とアメリカでの違いになります。

築100年以上も普通であり、住宅価格はずっと上昇

また土地が安く、建物に多くのお金を費やすことができるため、米国では築100年の木造住宅であっても非常に多く取引されています。

日本で築100年というと、お化け屋敷に住むような感覚を覚えます。ただ、アメリカではまったく違います。例えば、以下はロサンゼルスにて実際に売りに出されている築100年超の木造住宅です。

建築年(Year built)は1907年であり、100年以上の物件だと分かります。ただ見た目は非常にキレイであり、築100年超とは思えません。ただアメリカだとこうした物件は特に珍しいわけではありません。

また値段については530,000ドル(約5,300万円)です。築100年以上の普通の木造住宅が5,000万円以上で販売されるなど日本では考えられません。ただ、そうした日本での常識は海外では通用しないため、アメリカ不動産への投資では捨て去らなければいけません。

節税度合いがまったく違う

またアメリカ不動産へ投資する人だと、節税目的での不動産購入を考える人が多いです。単なる資産運用でも可能ですが、米国不動産では節税の意味合いが大きいのです。

日本は国土が狭く土地が異常に高いため、不動産投資をするときは価格割合が「土地:建物=8:2」となります。

一方でアメリカは国土が広く、土地がいくらでもあります。そのため土地の値段が安く「土地:建物=2:8」となります。

不動産投資をする場合、減価償却費を計上できます。「投資したお金について、分割して経費計上できるもの」が減価償却です。例えば1,000万円の投資で償却期間10年だと、年間で「1,000万円 ÷ 10年 = 100万円」を経費にできます。

重要なのは、不動産で減価償却した損失分だけ課税所得を減らせることです。不動産投資で出た損失と課税所得を相殺(損益通算)させ、その分だけ無駄な税金を抑えるのです。

アメリカ不動産への投資では賃料収入を得られるものの、それ以上に不動産投資による損失(計上できる減価償却費)のほうが大きいため、結果として節税できるというわけです。

なお、土地については値段の上下はあるものの、建物のように経年劣化するわけではありません。そのため土地は減価償却の対象になりません。そうしたとき、投資した金額のうち建物割合の大きい米国不動産のほうが圧倒的に節税できるというわけです。

不動産価格が下がらず、むしろキャピタルゲインを得られる

ただ節税になったとしても、不動産価格が下がっていったり、最後の売り先がなかったりしたら意味がありません。節税によって税金を抑えられたものの、それ以上に現金が目減りしたら節税どころではないといえます。

日本では「ワンルームマンションへの節税投資」が広く実施されているものの、詐欺案件であると一般的にいわれています。節税できるのは確かですが、「不動産価格の下落」「売り主が見つけにくい」「住む人が見つからない」と負の側面しかないからです。

また日本は人口減少の影響もあり、不動産価格は長期的に下落傾向にあります。少なくとも、不動産価格が上昇することがないのは全員が理解しているはずです。事実、新築物件よりも中古物件のほうが高く売れることは日本だとほぼありません。

一方でアメリカでは逆であり、新築物件よりも中古物件のほうが高い値段で取引されるのが普通です。不動産投資では7~10年と長期で保有するのが基本であり、このときアメリカの不動産価格は以下のように推移しているからです。

米国不動産が築80年や築100年であっても問題なく取引され、しかも高額な値段が付くのは人口増加による不動産価格の上昇が大きく影響しています。

そのため日本ではほぼ無理であるものの、米国不動産投資では「住宅価格の値上がりによるキャピタルゲイン(売却益)」を狙えます。節税になるだけでなく、最後に物件を売却することで大きく利益を得られるのが日本とアメリカでの違いになります。

治安や家の中身、場所などアメリカ人の住環境の理解が重要

このように日本に比べて、不動産投資で成功するための条件がそろっているのが米国市場です。それでは、アメリカ不動産投資では成功した人ばかりかというと、当然ながらそういうわけではありません。海外不動産投資のやり方を理解しておらず、失敗した日本人もたくさんいます。

単に勉強不足のためにアメリカ不動産投資で失敗するわけですが、これには「アメリカならではの特徴や住環境をどれだけ理解できていたのか」が大きく関わってきます。

例えば、アメリカは日本に比べて犯罪件数が異常なほど多く治安が悪いです。特にデトロイトのような治安が悪い地域だと、利回りはいいものの空き巣被害や家賃滞納が頻発するため、結果として損をするようになります。

また同じ州でも地域によって犯罪率がまったく違います。例えば、以下はサンフランシスコでの犯罪マップです。

色が濃いほど犯罪件数が多いことを記しています。当然ですが、犯罪件数の多い地域で不動産投資をすると失敗しやすいです。

それだけではありません。アメリカ人が好む住環境(家の内容)についても学んでおくといいです。例えばアメリカ人だと以下のような家が好まれます。

  • マスターベッドルームにシャワー室がある
  • 家にシャワールームが2つ以上
  • 車庫が2つ以上
  • 庭の芝が整備されている
  • 主要道路または空港から近いといい

アメリカの住宅で「マスターベッドルームにシャワー室が存在しない状態」というのは、日本の家でいう「バスタブがない」のと同じくらい致命的です。つまり、以下のようにベッドルームにつながるシャワールームがなければいけません。

またアメリカは車社会であり、父親と母親で車を一台ずつ保有するのが普通です。また車庫スペースが余ったとしても、倉庫として利用できるので車庫が多いほど優れた家になります。

さらにアメリカでは、日本でいう駅チカが「主要道路または空港から近い」ことに該当します。アメリカでの移動は車または飛行機であり、飛行機は日本でいう「新幹線に乗る」ような感覚です。そのため、アメリカ人は駅チカではなく主要道路または空港近くを好みます。

こうした基本的なことを理解せずに米国不動産へ投資すると、失敗するのは当然だといえます。そこで、アメリカ不動産投資を開始する前は米国での住環境を理解しなければいけません。

日本と米国の両方で確定申告が面倒

またアメリカの不動産で発生した収益については、アメリカにて納税しなければいけません。正しく行えばアメリカで納める税金はゼロにできますが、アメリカで確定申告をしない場合は源泉徴収税として「賃料収入の30%」という非常に高額な税金を取られます。

そのため、必ずアメリカにて確定申告する際に、米国にて確定申告できる税理士に依頼しなければいけません。

また同時に日本での確定申告も必要です。前述の通り米国不動産投資は節税でも広く活用されるわけですが、日本で確定申告することで無駄な税金を減らすように調節する必要があります。確定申告することで、還付を受けることで払いすぎた税金を取り戻すのです。

日本で不動産投資をする場合、当然ですが日本のみの確定申告で問題ありません。ただアメリカ不動産投資だと、日本だけでなく米国と2ヵ所での確定申告が必須です。

安全な投資が基本であり、日本のように実質利回り20%以上は無理

また海外での投資になるため、できるだけリスクを抑えた安全な物件に投資するのが大原則です。アメリカの住環境を把握しているわけではないため、「犯罪率が少ないエリアにて、不動産としての価値が高く、表面利回り6~7%(実質利回りは4~5%)」を目指すのが米国不動産投資です。

ただ日本で不動産投資をしている大家だと、優れた人では年利(実質利回り)が20%ほどになります。東京だと無理ですが、リスクを取って地方で良い物件を見つければ高い利回りが可能になるのです。

これは日本在住者であり、日本人だからこそリスクを取った投資が可能になるわけです。

しかし海外での投資では、どうしても「失敗をできるだけ排除した王道の投資」しか選択できません。それでも日本への不動産投資に比べると失敗リスクは少ないですが、日本で成功している不動産投資家が実践しているような高利回りは期待しないようにしましょう。

アメリカで高利回りを考えてもいいですが、下手にデトロイトのような治安の悪い地域へ投資した場合、何度も空き巣被害に遭遇したり、家に銃弾の穴が開いたりなどトラブルが連発し、結果として失敗するようになります。

高利回りの不動産投資というのは、自分がいま住んでいる国でようやく実現できます。日本の居住者がアメリカ不動産へ投資する場合、安全な投資のみを考えなければいけません。

日本とアメリカでは不動産投資の環境がまったく異なる

ここまで、不動産投資を検討するに当たり日本とアメリカでどのような違いがあるのかを解説してきました。一般的に広く知られていることをデータと共に説明しましたが、日本の常識は米国不動産投資でまったく通用しないことを理解できたと思います。

また日本とは違い、米国では人口が増え続けています。そのため、アメリカ不動産投資は圧倒的に成功しやすくなっています。

ただ、ここまで説明した通り米国不動産投資でうまく進めていくためには必要最低限のポイントを理解しなければいけません。そうしないと、確実に米国不動産投資で失敗してしまいます。空室率が低く、キャピタルゲインを得られるとはいっても、やり方を間違えるとダメな不動産へ投資してしまうのです。

米国不動産投資を考えるとき、日本の常識を排除したうえで、アメリカ人の住環境を理解することから始めましょう。不動産投資で考えるべき「国による特徴の違い」を理解すれば、海外不動産投資で失敗することがなくなります。

米国不動産投資で個人・法人が節税し、利回り7%以上の物件で資産運用する

最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。

東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。

ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。

これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。

なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。

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