アジアの中でも、将来の成長が非常に著しい国としてインドが期待されています。知っている通り人口が非常に多く、既に人口減少が始まっている中国とは異なり、インドでは人口がずっと増え続けているわけです。

そうしたこともあり、将来はインドが非常に強い経済をもつようになると誰でも簡単に予想できます。そこで、インドでの海外不動産投資を考えるのです。

それでは、実際のところインドにて海外不動産投資をすることは可能なのでしょうか。また、利回りなどはどのようになっているのでしょうか。

これについては、結論を先にいうと投資する環境ではないですし、外国人への規制も大きいのでやめたほうがいいです。実際に現状がどうなっているのかについて、インドでの海外不動産の投資事情を解説していきます。

経済成長が激しいインドは将来性が大きい

新興国ではどこも共通していますが、経済成長が非常に著しくなっています。インドの場合、以下のように毎年6~8%ほどの高い経済成長率となっているのです。

一方で非常に多い人口から、インドはGDPランキングでいうと世界で10位以内に入っています。一方で国民1人当たりのGDPでいうと、世界では100位以内にも入っていません。つまり今後の成長度合いを考えると、国民一人あたりのGDPさえ増えれば超大国に成長する可能性が高いというわけです。

人口が非常に多く、その人数が増え続けているというのは、インドという国にとって非常に有利に働いているといえます。

不動産価値の上昇も激しい

こうした経済成長の成長もあり、当然ながらインドでは不動産価格も値上がりを続けています。アジアの不動産投資ではキャピタルゲイン(不動産価格の値上がり)を考えるのが当然になりますが、こうしたキャピタルゲインをインド不動産で狙えるというわけです。

例えば、以下は過去6年間でのインドでの住宅価格の推移です。

出典:National Housing Bank, India

このように、住宅価格が非常に高くなっている傾向が分かります。人口が多く、賃貸需要が大きいため、結果としてこのように不動産価格が上昇し続けるというわけです。

しかも経済成長率だけでなく、人口の伸び率も非常に高いため、結果として「今後何十年も住宅価格が上昇していく」と予想できるようになっています。

ムンバイやデリーなど、街は汚いが活気にあふれる

なおインドにて投資をするとき、アジアに共通しますが大都市にて投資をしなければいけません。こうした都市だと人口が非常に多く、賃貸需要はずっと高まり続け、不動産価値の値上がりを期待できるからです。

そうしたとき、インド不動産の投資ではムンバイやデリーへ投資するのが大原則になります。インドでビジネスの中心地がムンバイです。また、インドの首都がデリーです。いずれの都市も人口が2,000万人を超えています。

もちろんインドのため、大都市圏であっても非常に街は汚いです。参考までに、以下は実際のムンバイの様子です。

インドでは「5つ星ホテルの裏がスラム街」などのようになっているのは普通です。ただ、街は活気であふれているというわけです。

非居住者の外国人はインドで不動産投資できない

このように「これから発展する国」であることから、インドにて海外不動産投資をするのは優れた選択のように思えます。ただ、実際にはインド不動産へ投資するのは諦めなければいけません。

理由はいくつも存在しますが、一番の問題としては「そもそも投資できない」ことが挙げられます。

個人や法人を含め、日本に籍を置く人(インドの非居住者)の場合だと、インド国内の不動産へ投資できないことになっています。インドでは土地を含めて購入できますが、インドの非居住者ではどのようなケースであっても無理となっています。

もちろん、インド在住のインド人と話を付けて共同で不動産を購入することについても、インドでは違法となります。

反対にいえば、インドの居住者であれば問題なく不動産を購入できることを意味しています。この場合、観光ビザ以外の資格を保有し、インドに年間の半分以上を過ごすことになります。そうすればインド不動産の購入が可能です。

ただ実際のところ、海外不動産投資をするためにインドへ移住する人などいません。そのため、実質的にインドでの不動産投資はできないといえます。

土地所有を含め、不動産売買が非常に困難

さらにインドの場合、土地の所有者の特定が非常に困難になっています。「登記簿を確認すればいい」と思うかもしれませんが、先進国のように整備されていないのです。登記簿で公表される情報は限定的であり、不動産の権利関係の確認が困難なのがインドです。

例えば国土交通省の公式サイトによると、「インド政府の土地であるにも関わらず、別の人物が所有権を主張し、トラブルになるケースがよくある」と明記されています。

出典:国土交通省

このようにインドでは、誰の所有不動産であるのか容易に判断できないようになっています。また売主と商談がまとまったとしても、後になって「実際は私の土地だ」と名乗る人が出てきて、トラブルに発展することがよくあるのです。

通常では考えられないトラブルが次々と出てくるのがインドの現状です。そのため不動産投資するにしても、常識外のトラブルが続出することを覚悟しなければいけません。

自社での土地利用なら不動産購入が可能

それでは、どのようなケースであっても不動産の購入が微妙なのかというと、必ずしもそういうわけではありません。現地法人を立ち上げて土地などを購入する場合であれば可能になっています。前述の通りインド特有のトラブルには注意する必要があるものの、現地法人を立ち上げれば不動産へ投資できます。

日本に住んでいたとしても、例えばインド現地などに工場を作り、創業したいと考える人もいます。この場合、代表はインドの非居住者(日本在住)であるものの、インドの現地法人はインドに存在することになるため、土地を含めた不動産を購入できるのです。

ただ、あくまでも現地で実際にビジネスを行い、工場などを作る必要のある人に限られます。不動産投資の目的で現地法人を作ったとしても、インドの家を購入することはできません。

インドに現地法人を設立したとき、不動産の所有&賃貸が認められるにしても、以下のどちらかになります。

  • オフィス建物の一部の賃借
  • 製造工場での土地・建物の一部を賃借

そのためいずれにしても、純粋な不動産投資目的での現地法人設立は意味がないといえます。

利回りが圧倒的に低く稼げない

ただ、中には「インドでビザを取得して半年ほど我慢して現地に住み、不動産投資できる権利を手にすればいい」と考える人がいるかもしれません。または、既にインド現地に住んでいる駐在員もいるでしょう。その場合、問題なくインドにて不動産投資できます。

しかし、それでもインド不動産へ手を出すのはやめたほうがいいです。理由としては、圧倒的に利回りが悪いからです。

インドは人口が非常に多く、大きく経済発展することは誰でも分かります。そのため外国人に対する規制があるにも関わらず、インドへ投資を考える人が非常に多く、結果として既に不動産価格は高騰していて、優れた利回りがほぼ期待できなくなっているのです。

例えば、以下はイギリスの不動産調査会社が出している内容になります。

出典:GlobalPropertyGuide

このように、インドのムンバイへ投資するときの表面利回りは2.4%となっています。またデリーへ投資する場合、表面利回りは2%です。

もちろん実際には、これに税金や不動産会社へ支払う仲介手数料、管理会社への手数料、物件維持費・修繕費などさまざまな経費がかかってくるようになります。その結果、簡単に赤字へと転落します。当然、銀行融資に頼って高額な金利を支払う余裕などありません。

たとえ現地に住んでいて不動産投資が可能な状態であったとしても、インド不動産はかなりハードルが高くなっています。これには低すぎる利回りが理由としてあるのです。

参考までに、インドの銀行にて定期預金を組むと利子率7%以上です。そのため現地在住者でインド不動産へ投資できる環境があったとしても、不動産投資には手を出さずに銀行にて定期預金を組む方が圧倒的に資産を増やすことができますし、さらにはリスクが非常に低いといえます。

インド不動産への投資はしないのが賢明

どの国へ投資するのか、最初に決めなければいけないのが海外不動産投資です。その中でもキャピタルゲイン狙いなのがアジア不動産への投資ですが、今後の経済成長の可能性を考えたとき、「インド不動産へ投資できないか」などと考える人は多いです。

しかし、インドへ海外不動産投資をするのは異常なほどハードルが高くなっています。

  • 非居住者の外国人は不動産を購入できない
  • 登記簿の内容があいまいで、権利者が明確でない
  • 利回りが圧倒的に低い

こうした外国人の不動産投資家にとって悪い条件ばかり揃っているのがインド不動産です。土地を含めた不動産価格は既に高騰しており、純粋に現地で工場などを建設してビジネスを展開したい人以外は、インドでの不動産購入をお勧めできません。

投資目的だと、確実に失敗する未来が見えているのがインド不動産です。海外不動産投資では、インドではなく他の国での投資を考えるようにしましょう。

米国不動産投資で個人・法人が節税し、利回り7%以上の物件で資産運用する

最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。

東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。

ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。

これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。

なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。

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