米国にて住むことを考えたとき、留学や現地就労などさまざまな方法があり、その中の一つに投資があります。アメリカ不動産投資などにより、永住権(グリーンカード)を得るのです。

米国永住権を得る方法はいくつかあります。その中でも、永住権をお金で買うことができるというわけです。こうした投資ビザをEB-5といいます。

ただ、当然ですがEB-5ビザを得るためには注意点があります。また投資家用のビザであるため、非常に高額なお金が必要になります。また投資先の選定が非常に難しく、一般的な米国不動産投資のようにはならないと考えましょう。

ここでは、どのように考えてアメリカにて投資ビザを入手し、ハワイやロサンゼルス、ニューヨークなどで過ごせるようにするのか解説していきます。

米国不動産などへ投資し、ハワイを含めどこでも住める

現地の国でビザを得るとき、通常はかなり厳格な審査に通過しなければいけません。ただ、国によってはそうした厳格な審査ではなく、きちんとした手順を踏めばわりと手軽に永住権を得られるようになるケースがあります。

こうしたものの代表格が投資ビザです。日本だと馴染みがないものの、投資ビザを採用している国はそれなりに多く、要は「お金さえ積めば私の国に好きに住んでもいいですよ」というものになります。

なぜ投資ビザを広く受け入れているかというと、非常に簡単に外貨を獲得できるからです。他の国に住んでいる富裕層が自分の国にお金を投じてくれるわけです。投資してもらったお金は当然ながら数年ほどロックされるわけですが、その期間は自国内で利用できるお金が大きく増えます。

また同時に、それだけの高額なお金を投資してくれる金持ちが自国に住んでくれるわけです。そうなると自国内でお金を落としてくれるため、その分だけ潤います。

そこでアメリカも投資ビザを採用しています。これが投資ビザとして、米国永住権をお金で買える理由です。お金さえ積めば、ハワイやロサンゼルス、ニューヨークなど好きな場所で住めるというわけです。投資ビザ取得にパスすると、以下のようなグリーンカードを取得できます。

ハワイに別荘を購入したとしても、永住権がなければ「ハワイで滞在するにしても、旅行ビザが切れる前にどこか他の国へ一度出る」という面倒な作業が必要になります。ただグリーンカードがあれば、そうしたことがありません。

通常の方法でグリーンカードを得るのはほぼ不可能

なお、投資ビザ以外の方法で一般的な日本人が永住権を得るのはほぼ不可能だと考えるようにしましょう。

最も一般的な方法としては、アメリカ人と結婚することがあげられます。配偶者が永住権を得られるのは、どこの国でも共通しています。ただ、それ以外の方法だと日本人が永住権を得るのは不可能に近いというわけです。

具体的には、「アメリカ人との結婚」「投資ビザ」以外だと以下の方法があります。

  • 抽選に当たる:実際にはほぼ当たらない
  • 特出した能力:科学や芸術、教育、スポーツなどで世界トップレベルの実力がある

これが、アメリカ永住権の入手が不可能といわれる理由です。まず、日本人だと抽選に当たることはほぼないです。またノーベル賞受賞やオリンピック金メダリストなど、特出した実力の持ち主でなければ永住権の対象になりません。

ただ特に能力がなくても、キャリアや英語能力、年齢すら求められないのが投資ビザです。本当の意味でお金さえ積めばアメリカ永住権を得られるというわけです。

投資ビザでは90万ドル(180万ドル)の高額資金が必要

それでは、このときどれくらいの額のお金を投資すればいいのでしょうか。これについては非常に高額であり、以下のような条件になります。

  • 「失業率がアメリカ平均の150%を超える地域(TEA)」に90万ドル以上を投資し、2年以内に10人の米国人を雇用する
  • 180万ドル以上を投資し、2年以内に10人の米国人を雇用する

投資ビザ(EB-5ビザ)というのは、アメリカでの失業率改善を目的としたものになります。外貨を得るという意味もありますが、外国人のお金を利用し、米国人の雇用を創出するというアメリカ政府にとって非常に都合のいい制度になっているわけです。

その代わりとして私たちは永住権ビザを入手できるわけですが、失業率の悪いエリアをTEA(Target Employment Area)といいます。こうしたエリアへ投資する場合、90万ドル(約9,000万円)以上の投資で問題ないというわけです。

一方でTEA(失業率の悪いエリア)以外に投資する場合、180万ドル(約1億8,000万円)以上の金額を投資しなければいけません。

EB-5ビザでの米国人雇用10人は直節雇用でなく間接雇用

なお、このとき気になるのが「米国人の雇用が10人以上」という条件です。これだけ見ると、現地で会社を作ってビジネスを行い、直接雇用しなければいけないように感じてしまいます。

ただ実際には、現地で起業してアメリカ人を雇用する必要はありません。文字通り投資ビザであり、お金を預けるだけで大丈夫です。つまりお金だけ投資してグリーンカードを得た後、ハワイの別荘でずっとのんびり過ごすことも可能です。

投資ビザでの雇用というのは、間接雇用で問題ありません。実際の投資をするとき、投資プロジェクトによって投資先は異なりますが、以下のような場所や対象へ投資することになります。

  • 不動産(商業施設やビルなど)
  • 医療・介護施設
  • 農園

このようなプロジェクトへ投資してビジネスをしてもらうことで、結果としてアメリカにて雇用が生まれることになります。投資ビザを得るために90万ドル(または180万ドル)という高額なお金を投じるため、10人分の雇用を生み出すのは問題ないというわけです。

法改正により、条件が厳しくなる

なお、いまは90万ドル(または180万ドル)という金額ですが、2019年以前は投資ビザ(EB-5ビザ)を得るための金額は低く、50万ドル(または100万ドル)で問題ありませんでした。ただ、これが引き上げられたというわけです。

アメリカは継続的にインフレを起こしており、そうした現状も考慮して大幅な値上がりとなりました。

投資によってグリーンカードを得る方法というのは、昔からアメリカ経済や失業率の改善に寄与しているため、今後もEB-5ビザによる制度は続いていくと思われます。ただ、投資金額の値上がりを避けることはできないというわけです。

なお、いずれにしても高額なお金が必要になるため、どれだけ少なくても1億円以上の現金を保有している人でしか利用できません。そのため、かなりの富裕層のみ活用できる制度だといえます。

プロジェクト会社を通して不動産などへ投資する

こうした制度であるため、不動産投資などによって永住権を得るとはいっても、一般的な米国不動産投資とは内容がまったく異なると考えましょう。単にアメリカにて不動産投資をしたとしても、EB-5ビザを得ることはできないのです。

当たり前ですが、以下のような米国不動産へ投資したとしても、アメリカ人の雇用は生まれません。

あくまでも、投資によって間接的にでも雇用が生まれることが条件です。そのため投資ビザで永住権を得るためには、専門のプロジェクト会社を通す必要があります。

なお、投資家を募っても問題ないエリア・プロジェクトはアメリカ国内に1,000以上あり、それぞれで投資プロジェクトを募集しています。そうした中から投資先を選び、グリーンカードを得ると考えましょう。

「アメリカ不動産を購入する=永住権を得られる」と勘違いしている人がたまにいます。ただ、そうした性質ではないことを事前に学ばなければいけません。

投資先が微妙だとお金が返ってこず、永住権ビザも得られない

ただ心配なのは、「投資したお金が数年後に戻ってくるのか?」というものです。これについては、投資先が微妙だとお金が返ってきません。

  • 途中でプロジェクトがとん挫する
  • 投資家1人につき、アメリカ人を10人以上雇用できなかった

こうした場合、お金がまったく返ってこなかったり、投資したにも関わらずグリーンカードを得られなかったりします。EB-5ビザの取得で失敗した人は共通しています。それは、ダメな会社を通すことで、微妙なプロジェクトへ投資したケースです。

そのためEB-5ビザでグリーンカードを得るには、「永住権取得の実績がある」「お金の償還実績がある」などを確認しなければいけません。

なお投資であるため、投資資金の全額が返ってくることはあまり期待しないほうがいいです。一般的な米国不動産投資であれば、購入する不動産やエリアなどを調査し、あらゆるリスクを排除したうえで投資できます。ただ投資ビザは既にあるプロジェクトへ投資するだけであり、あとは他人任せになるため、どうしてもリスクを完全に排除することができません。

もちろん、失業率の悪いエリア(=治安の悪いエリア)は投資リスクが高く、リスクの分だけ投資でお金が目減りする可能性が高くなります。

アメリカ不動産投資だと、利回りは良くても治安の悪いエリアを避けるのが鉄則です。これは、それだけトラブルを避けられるからです。ただ投資ビザで90万ドルを選択する場合、治安が悪いエリアであることが確定なので、優良投資案件がほぼ存在しないことを認識したうえで投資する必要があります。

不動産購入でなく、プロジェクト投資で永住権を得る

アメリカには投資ビザがあるため、米国不動産投資などによってグリーンカードを得ることができます。米国永住権を得ることにより、ハワイやロサンゼルス、ニューヨークなどでのんびり過ごせるようになります。

しかも学歴や英語能力などは特に要求されず、単純にお金さえ投資すれば問題ありません。高額なお金であり、富裕層でなければ無理ですが、プロジェクトへ投資して間接的にでも「あなた一人でアメリカ人の雇用を10人以上創出」すればグリーンカードを得られるようになります。

ただ「一般的なアメリカ不動産投資とは内容がまったく異なる」ことを理解しましょう。通常の米国不動産投資よりもリスクは圧倒的に高く、必ずしもお金が全額返ってくるわけではないです。また、投資先の会社を間違えれば永住権さえ手にできない状況に陥ります。

そうはいっても、日本人が手軽に米国永住権を得る方法としてEB-5ビザは優れています。富裕層に限定されますが、1億円以上の現金があってアメリカに住みたい場合は活用を検討しましょう。

米国不動産投資で個人・法人が節税し、利回り7%以上の物件で資産運用する

最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。

東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。

ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。

これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。

なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。

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