外貨での投資を実践するとき、考慮が必要になるポイントに為替レートがあります。海外不動産投資は日本円ではなく、外貨での投資をすることになるため、為替リスクがあるのは当然だといえます。特に購入時と売却時の為替レートは非常に重要です。

また海外不動産投資で考えなければいけないのは為替リスクだけではありません。確定申告のとき、税金計算でも重要になります。

日本ではなく海外での投資になるからこそ、事前に為替変動についてどのように考えればいいのか理解しておかなければいけません。

ここでは、海外不動産投資で注意するべき「為替リスクへの考え方」「確定申告での正しいやり方」について解説していきます。

海外不動産投資で必ず発生する為替リスクの存在

日本円だけで投資する場合は関係ありませんが、外貨にて投資する場合はどのようなケースであっても為替リスクが発生するようになります。

特に海外不動産投資の場合、運用期間は7~10年ほどです。短い投資期間で売却を考える人は存在しません。これは、海外不動産投資は東南アジアでもアメリカでも不動産価格の値上がりを期待するからです。キャピタルゲイン(売却益)を狙うのが基本なのです。

またアメリカ不動産の場合、個人や法人で節税するために投資する人も多いです。そのため、やはり長期保有を考えなければいけません。

ただ為替レートを予測するのは非常に難しく、これが7~10年先となると将来の状況はさらに分かりません。例えば、以下は日本と米ドルでの10年間の為替相場です。

このように、為替相場は大きく変動していることが分かります。「1ドル=80円以下」のときがあれば、「1ドル=120円超」のときもあります。

1ドルが80円と120円では、円の価値が1.5倍も変わるようになります。米国不動産へ投資して例えば10万ドルを儲けたとしても、1ドル80円なら800万円の儲けです。一方で1ドル120円なら1,200万円の儲けです。日本円に換算したとき、このようにまったく利益が異なってくるのです。

投資時と売却時の為替レートが非常に重要

そうしたとき、特に重要になってくるのが投資時と売却時の為替レートになります。海外不動産投資をするとき、投資時よりも不動産売却時の為替レートが優れていれば、大きな得になります。

具体的には、円高になると日本円に換えるときに交換できる日本円が少なくなり、大きく損をします。一方で円安であれば、円の価値が低いので外貨から日本円に交換するとき、多くの日本円を手にすることができて得をします。

もちろん毎年の賃料収入はありますが、不動産では投資時(不動産を購入するとき)と売却時で非常に高額なお金が動くようになります。これが、投資時と売却時の為替レートが重要になる理由です。

ただ前述の通り、為替レートの変動については7~10年後がどうなるのか誰も予測することができません。そのため、こればかりは運になるといえます。

新興国通貨だと信用度が低く失敗リスクは高い

ただ運とはいっても、投資先の国をどのように選定するのかによって、ある程度はリスクを予想できるようになります。例えば海外不動産投資の中でも、新興国への投資だと非常にリスクが高くなります。米ドルやユーロであれば特に問題ないものの、新興国の通貨は長期的に通貨安になりやすい(円高になりやすい)からです。

例えば、海外不動産投資ではメインとなりやすい国の一つにマレーシアやフィリピンなどが知られています。ただフィリピンでは、長期的に通貨安(円高)となっています。以下の通りです。

新興国だとリスクが高くなりやすいのは、海外不動産投資でキャピタルゲインを狙うからだけではありません。こうした通貨リスクも大きいからだといえます。

これがタイバーツであれば、長期的に通貨高(円安)になっているため、こうした通貨であれば新興国の中でもまだ安心できます。またカンボジアであれば、米ドルにて投資できるので世界基軸通貨での海外投資で安心できます。

しかしいずれにしても、海外不動産投資では為替レートが重要になり、投資する国で通貨リスクがどうなっているのかを確認しなければいけません。

信用の高い通貨で資産分散するのは重要

なお海外不動産投資では、通貨分散できることがメリットの一つでもあります。さすがに新興国へ海外不動産投資を行い、新興国の通貨をそのまま置いておく人はいません。通貨安リスクが非常に高いからです。

ただそうではなく、米ドルやユーロにて資産を保有しておくことを考える人は多いです。特に米ドルは世界基軸通貨であり、最も信用されている通貨になります。

そこで、日本円よりも圧倒的に信用されている通貨を保有して資産分散するのです。アメリカ不動産投資やヨーロッパ不動産投資に限定されますが、以下のような不動産へ投資して、米ドルやユーロなど日本円より広く取引されている通貨を保有しておくことは大きな意味があります。

また、これらの通貨を日本円に交換しなければそもそも為替リスクは発生しません。そのため最初から米ドルやユーロ資産の保有目的で資産分散したい場合、米ドルなどで置いておけばいいです。

為替レートは対象月の月ごとの計算が最も一般的

なお、為替レートの存在があると他にも問題点があります。それは、納税時の収支計算です。これについては、税金の計算で必要になります。

海外不動産投資であるため、現地での納税が発生します。ただこれについては、現地通貨で納めるので特に大きな問題は起こりません。現地通貨のまま計算すればいいです。

一方で現地に限らず、日本でも納税義務が発生します。日本の居住者だと、海外で得たお金については日本でも納税しなければいけません。もちろん二重課税を排除したうえでの納税になりますが、それでも日本で税金が発生するのです。

そうしたとき、為替レートの変動がある場合は日本側の収支をどのように計算すればいいかというと、一般的には以下のような手法が利用されます。

  • 月初の為替レートを使う
  • 月平均の為替レートを使う
  • 月末の為替レートを使う

どれを利用してもいいですが、「この方法で計算する」と決めたらその方法をずっと使い続ける必要があります。また一般的なのは月末時点での為替レートを利用し、日本円に直したときの収益を計算するという手法です。収益計算は月末までの収益で計算するため、月末での為替レートで計算する方法が最も分かりやすいといえます。

毎年の確定申告で経費を多くする裏技

なおこのように為替変動がどうしても発生するわけですが、毎年の確定申告で経費額を多くする方法が存在します。同じお金を支払うにしても、当然ですが経費額を多くできればその分だけ無駄な税金支払いを抑えることができます。そこで公表されている為替レートで計算するのではなく、実際に取引される為替レートを利用します。

外貨にて投資し、外貨にてお金を受け取る場合、このときの両替は銀行を通じて実施するのが一般的です。

ただ銀行の場合、どの国内銀行であってもぼったくりレートを採用するのが普通です。そのため通常は海外の銀行にて、ぼったくりレートなしで両替するのが基本になるものの、収支計算するときは日本の銀行が広く公開している以下のぼったくりレートを活用できます。

両替ではこのように、「外貨→円」「円→外貨」で差益を出すようになります。このとき銀行だとぼったくりレートになるわけですが、これを利用できるというわけです。

そのため、お金を支払うときは「円→外貨」のぼったくりレートを利用することで、より高額な日本円を支出したことにできます。一方で賃料収入を受け取ったり、不動産を売却したりしたとき、「外貨→円」で通常よりも少ない日本円にて収益を得たと計算できます。

特に海外不動産投資では、不動産の購入や何年もの賃料収入、最後の売却まで考えると非常に高額なお金を動かすようになります。そのため銀行のぼったくりレートを積極的に使えば、それだけで日本で支払う税額がまったく違うものになります。

ちなみに上図であれば、米ドルだと1ドルにつき2円もの違いがあります。仮にアメリカ不動産投資で400,000ドル(約4,000万円)の不動産であれば、レートについて何も考慮しない場合と比べて、「不動産の購入時と売却時でまったく金額が同じ」であっても80万円もの違いになります。それだけ経費額が異なるため、確定申告のときに税金を大幅に減額できるのです。

そもそも海外からの送金が問題ないかは重要

なお為替レートを考えるのは海外不動産投資で非常に重要ですが、そもそも海外にて不動産を購入する場合、海外から日本への送金が可能かどうかは事前に必ずチェックするようにしましょう。

アメリカやイギリスなど先進国での不動産投資であれば確実に問題ありません。現地から海外送金するにしても、特に受け入れを拒否されることはありません。また、現地通貨のまま(例えば米ドルのまま)で日本の外貨口座へ移すこともできます。

ただ新興国だと、お金を移すときは日本円に換えるのが当然です。ただ、投資対象の国に住んでいない人(非居住者)だと海外送金が難しくなっていることがあります。例えばベトナムがこれに該当します。ベトナムは社会主義の国でカントリーリスクが非常に高いわけですが、海外送金が難しいことで知られています。

そのため海外不動産投資でベトナムへ投資すると、後悔する確率が非常に高くなります。為替レートについて学ぶのであれば、同時に「投資先の国について、現地から日本への海外送金が問題ないかどうか」についてもきちんと理解するようにしましょう。

為替相場の変動を事前に理解するべき

海外不動産投資であるため、どうしてもリスクとして切り離せないのが為替になります。ただ海外投資をするのであれば、為替リスクについては事前に理解していると思います。

ただ為替レートの変動があるとはいっても、どの国に投資するのかによってリスクの程度がまったく異なるようになります。通常は海外不動産投資というと米国不動産が対象になりますが、新興国へ投資すると為替リスクが非常に大きくなることは理解しましょう。

なお、こうした為替相場の特徴を理解しておけば、確定申告のときに経費金額を多めに計算できるようになります。日本の銀行は広くぼったくりレートを利用しているため、購入時や保有時、売却時の確定申告ではこの数字を利用させてもらいましょう。そうすれば、大幅に税金を減額できます。

確実に発生するのが為替リスクです。もちろん米ドルなどの現地通貨のままずっと保有する場合、為替リスクは発生しないものの、いずれにしても為替変動について理解しておかなければいけません。海外不動産投資を開始する場合、どのように為替レートの変動を利用すればいいのか事前に学んでおくいいです。

米国不動産投資で個人・法人が節税し、利回り7%以上の物件で資産運用する

最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。

東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。

ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。

これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。

なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。

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