東南アジアにて海外不動産投資を考える人は一定数います。どうしてもリスクが高くなりがちな東南アジアでの投資ですが、正しく不動産投資すれば大きなキャピタルゲインを得られるようになります。
そうした東南アジアの中でも、先進国に属するのがシンガポールです。税金が非常に低い国として知られ、全世界から富裕層がシンガポールへ移住してきます。また低い税金から、多額の投資マネーが集まってくる金融の国でもあります。
東南アジアの先進国であるため、シンガポールの不動産へ投資するのはどうなのか気になる人は多いです。ただシンガポールについては、既に異常なほど不動産価格が高騰しており、知識のある人だといまから投資する人はいません。
つまり、いまのシンガポール不動産は魅力が薄いわけですが、「具体的な理由や現状がどうなっているのか」について、実際に公表されているデータをもとに解説していきます。
もくじ
東南アジアの先進国で人口は増加を続ける
非常に国土の狭い国として知られるのがシンガポールです。ただ香港を含め、国土の狭い小国で大きく経済発展している国だと、税金が非常に低いという共通点があります。また金融で国が成り立っている点も同じです。
またこうした先進国の場合、賃金水準が高いので周辺の国から多くの人が働きにやってきます。その結果、シンガポールでは人口が増え続けています。以下は実際のシンガポールでの人口推移です。
シンガポール政府についても、国の人口を増やす政策を打ち出しています。もちろん移民の受け入れなどによって人口を増やすことにはなりますが、安い税金を求めて質のいい富裕層がシンガポールへ住むため、結果としてシンガポールが大きく潤うというわけです。
不動産価格はなだらかな上昇
それでは、シンガポールの不動産価格はどのようになっているのでしょうか。これについては、長期的にみるとゆるやかな上昇になっています。
実際の不動産価格の推移については、以下のようになっています。
10年ほど不動産価格が停滞していた時期が存在するなど、シンガポール不動産の住宅価格の推移は予想が非常に難しいです。既に成長している先進国であるため、その他の東南アジアのように毎年高い不動産価格の値上がりがあるわけではないのです。
ただそれでも、長期的には不動産価格は上昇しています。日本のようにずっと下落するわけではなく、ゆるやかではあるが人口増による不動産への需要の高まりもあり、結果として不動産価格は上がっているわけです。
既に高騰しており、投資時の購入費用は圧倒的に高額
それでは、実際にシンガポール不動産へ投資するときの状況はどうなっているのでしょうか。これについては容易に想像できますが、投資物件は異常なほど高騰しています。
シンガポールは国土が狭いにも関わらず、先進国なので超高層ビルが乱立しています。その結果、不動産価格が非常に高くなっているのです。
参考までに、以下はシンガポールで100m2ほどのコンドミニアムでの金額になります。
2バスルーム、2ベッドルームのコンドミニアムで2,498,000シンガポールドル(約2億円)です。とんでもない金額ですが、シンガポールではこれが普通です。
当然ですが、海外不動産では何でもいいから投資すればいいのではなく、優れた物件へ投資しなければいけません。そうでなければ不動産価格の値上がりはないですし、部屋に住む人を見つけることもできません。
そうしたときシンガポール不動産では「どうしても高額な購入金額になるため、結果的にかなり微妙な投資内容になっている」と考えましょう。
税金(印紙税)が異常に高額なため、投資のハードルが高い
このように、シンガポールでは既に住宅価格が高くなっているわけですが、シンガポール政府は不要な不動産価格のさらなる高騰を抑えるため、不動産に対して高額な税金を課しています。厳しい税金支払のため、外国人の不動産購入はハードルが高くなっているわけです。
シンガポールへ投資する場合、外国人だと以下の税金を課せられるようになります。
- 不動産取得者印紙税:物件価格の約3%
- 加算印紙税:物件価格の15%(外国人の場合)
つまり日本人がシンガポール不動産得へ投資する場合、物件購入金額のうち約18%もの超高額な税金が発生するようになります。例えば物件価格1億円の場合、1,800万円もの税金が発生します。もちろん、これには不動産会社への手数料は含まれておらず、実際にはさらに購入時の費用は膨れ上がります。
これがシンガポールでの投資が微妙な理由になります。こうした税制は2013年などに導入され、それからというもの海外からのシンガポール不動産投資はほとんどなくなり、シンガポール不動産の値上がりはかなり収まっています。
なお、当然ながらこれに加えて固定資産税や所得税など、その他の税金支払いも発生します。ただ、購入時の高額な税金を確認するだけで、シンガポール不動産へ投資する意味がないのを理解できます。
表面利回りは3.3%ほどと低く、東南アジアで最低レベル
しかもシンガポールでは、東南アジアの中で最低レベルの利回りとなっています。既に不動産価格が値上がりしきっている国の場合、どこも割安感はなく利回りは低くなりますが、その中でもシンガポールは特に利回りが低くなっているのです。
参考までに、以下はイギリスの不動産調査会社が出している「東南アジアの不動産で利回りを比較した表」になります。
出典:GlobalPropertyGuide
このように表面利回りは3.3%ほどです。もちろん、これには税金やその他の経費は含まれていません。そのため、ここに先ほどの高額な税金支払いが上乗せされるだけで、利回り分の利益は一気に吹き飛ぶようになります。つまり、実質利回りはほぼゼロです。
また、さらに管理会社への支払いや修繕費が発生することですぐに赤字へと転落します。
日本でも表面利回りは低めの傾向ですが、地方都市で頑張って探せば、実質利回り20%ほどの物件を見つけることは不可能ではありません。ただシンガポールのように国土が狭く、首都や市などの概念がない国だと、高い利回りの物件を見つけるのは不可能だと考えましょう。
罠しか存在しないシンガポール不動産への投資
こうした現状のため、シンガポールでの不動産投資は絶対にしないようにしましょう。確実に損をする未来しか待っていないからです。
シンガポール人として現地に住んでいる場合であれば、外国人が投資をするときのような高額な税金は課せられません。もちろん、表面利回りが圧倒的に低く投資に値しないのは変わりないものの、それでも少ないながらも不動産投資によって利益を出すことが可能になっているのです。
税金の低いイメージのシンガポールですが、これは「ビジネスを展開して得たお金」「株式や保険など、金融商品で儲けたお金」に課税される税金が非常に低い(またはゼロ)というだけです。不動産については、価格の高騰を抑えるためにわざと高額な税金にしているというわけです。
東南アジアの不動産だと、「シンガポール不動産への投資は罠しか存在しない」ことを理解しましょう。
利回りは低く、税金の高いシンガポールの不動産
どのような国に投資をするのかについて、海外不動産投資では最初に考えなければいけません。その中でも頭に浮かんでくるのが、東南アジアの先進国であるシンガポールです。
ただ国土が狭く、それでいて先進国なので既に不動産価格は異常なほど高騰しています。たとえ銀行融資を得たとしても、物件価格は1億円以上になるのは普通なので、かなり高額なお金を自己資金として用意しなければ投資できません。
それでいて表面利回りは3%ほどと低く、これに高額な税金が上乗せされるため、管理費や修繕費などが加わることで簡単に赤字となります。
こうした現状を理解したとき、シンガポール不動産への投資だけはやめましょう。仮にシンガポール不動産を推奨している業者がいた場合、100%の確率で詐欺です。海外不動産投資ではシンガポールを無視して、正しい投資先を選ぶようにしましょう。
最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。
東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。
ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。
これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。
なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。