資産運用で重要な要素はいうまでもなく、「どれだけリスクを避けられるかどうか」にあります。できるだけリスクを排除したうえで、安全な投資を心掛けなければ確実に失敗するようになります。海外不動産投資だと、詐欺業者に引っかかることも多いです。
結局のところ、海外不動産投資で成功するのか失敗するのかの違いについては、現地投資先に関する生の知識を身に付けることだといえます。
当然ですが不動産業者は良いことしかいいません。そうした言葉だけを信じると投資詐欺に遭い、資産運用や節税で失敗することになります。
ただ、もちろん海外不動産投資の失敗リスクを避けるポイントはいくつもあります。これらの注意点を理解したうえで投資すれば、詐欺業者を避けて失敗せずに海外不動産投資が可能になります。
もくじ
投資先の国をミスるのが一番の失敗理由
海外不動産投資で一番の失敗理由は何か知っているでしょうか。それは、投資先の国をミスしてしまうことです。
例えば、以下のような国への投資を考えていないでしょうか。
- マレーシア
- ベトナム
海外不動産投資では「インカムゲインを得る」「キャピタルゲインを得る」の2つの方法があります。そうしたとき、アメリカ不動産への投資ならインカムゲインを得られるようになります。
一方で高額な不動産価格の値上がりを期待するのであれば、タイやフィリピン、カンボジアなどへの投資になります。米国不動産への投資に比べると、「インカムゲインを捨ててキャピタルゲインのみを狙う」ためにリスクは高いですが、うまくいけば売却益を狙えます。
一方でマレーシアやベトナムだと、インカムゲインもキャピタルゲインも狙うのが難しいです。新興国ではインカムゲインがほぼ存在せず、キャピタルゲインを狙うのが大原則であるものの、マレーシアは既に住宅価格が高騰していますし、ベトナムではむしろ価格下落のリスクがあります。
例えば、以下はベトナムでの不動産価格の様子です。
このように、キャピタルゲインを得ようとしても非常に怪しい状況であることが分かります。
投資前は正しく国を選別しなければいけません。何も考えずに不動産業者の話を信じ込むと詐欺に遭い、結果としての海外不動産投資で失敗するというわけです。
新興国ほどカントリーリスクや通貨リスクが高くトラブルになる
またリスクという意味では、どうしても新興国になるほど投資リスクが高くなるのは当然だといえます。それだけカントリーリスク(国のリスク)が高くなるからです。
例えば日本だと、いくら人口減少で「不動産投資の状況は悪くなる一方であり、キャピタルゲインを得られることもない」とはいっても、急激な経済悪化となることはありません。これはアメリカやヨーロッパの先進国も同様です。
ただ新興国の場合、前述の通りキャピタルゲイン狙いになりますが、「かつて日本で起こったバブル崩壊」のように急な不動産価格の値下がりが起こるなど、こうしたリスクを避けることはできません。
また通貨リスクも大きく、例えばフィリピンペソは長期的に見ると以下のようにずっと通貨安になっています。
同じアジアでも、タイバーツならわりと安定していますし、カンボジアであれば米ドルでの投資が可能です。そのため、こうした国なら通貨リスクはまだ回避できます。ただ、マレーシアやフィリピン、ベトナムなどで投資すると通貨安によって打撃を受ける可能性があるのです。
・ベトナムなど海外送金できないケースは最悪
また、その他の要因も考慮しなければいけません。先進国だと問題ないですが、新興国であるほど国の法律が急に変更され、資産が凍結される危険性があるのです。
例えばベトナムは社会主義の国であり、実際のところ海外送金が厳しく制限されています。そのため不動産投資したとしても、最終的にお金を日本へ送れないケースもあります。そうして資金を利用できず、現地の銀行からお金を引き出せないという最悪の事態に陥ることもあるのです。
プレビルドなど、ハイリスク案件を取り扱うとリスクが高い
また海外不動産投資では通常だと、中古物件に投資をします。日本でも新築ではなく、中古不動産へ投資するのが一般的であり、これは海外不動産投資でも同様だと考えましょう。
ただ海外不動産では、なぜか新築案件が多めになります。特にアジアで活発ですが、建築中のコンドミニアムへ投資する案件が非常にたくさん出回っています。これをプレビルドと呼び、「Pre-Build」という名の通り完成前に売るという手法になります。
以下のような建築中のコンドミニアムの部屋を購入すると考えましょう。
一般的にプレビルドは「実際の値段よりも安い金額にて購入できる」とされています。ただプロ向けであり、素人が手を出すと非常に危険です。
- 思ったほどキャピタルゲインを得られない
- 東南アジアの物件は新築ほど不具合が多い
- 融資の審査に受かっても、実際の購入時に取り消される
こうした多くの問題点があり、不明なことだらけだからです。
まず物件の正規料金より安く購入できるとはいっても、実際に市場で取引されている金額ではなく、建築業者が適当に値付けした不動産価格になります。そのため完成後に思ったほど値上がりせず、キャピタルゲインを得られないケースはよくあります。
また東南アジアでは、中古物件のほうが過去のトラブルや不具合が出尽くされており、安心して住めることが一般的に知られています。新築物件のほうが「スコールで毎日、雨漏りをする」「高層階なのにアリが家の中から継続的に出てくる」などの問題を生じやすいです。
さらにプレビルドでは工事の進捗に応じてお金を支払うことになります。このとき、最後の払い込みのときに現地の銀行融資に頼って審査に受かったとしても、直前になって「やっぱり融資できない」などと、状況が一転することはよくあります。この場合でも、それまで支払った工事代金は返してくれません。
新興国の投資ではリスクが高くなりますが、知識なしの状態でハイリスクのプレビルドへ投資すると、リスクが高くなるのは当然だといえます。
国が良くても、投資地域をミスすると意味ない
そこでトラブルを防ぐため、まずは投資先の国がエリアとして正しいかどうかを見極めましょう。
インカムゲインを狙う場合、アメリカ不動産の一択になります。人口が増え続けており、安定的な賃料収入を得ることができます。また不動産価格は常に上昇しているため、キャピタルゲインも問題なく狙えます。
一方でキャピタルゲイン重視であれば、タイやカンボジアなどへの投資になります。米国不動産でも値上がりを期待できますが、こうした新興国のほうがより大きな不動産価格の値上がりを望めるというわけです。
ただ、正しく国を選んでも投資地域は注意しましょう。例えばハワイ不動産は資産運用で失敗する代表例であり、実質利回りは1%台になります。修繕費が発生すれば、すぐに赤字になります。そのため、米国でも他の地域でなければいけません。
またタイであっても、バンコク・スクンビット以外の地域に投資をすると失敗確率が高くなります。それ以外のエリアだと外国人相手に住まわせることが難しく、無駄にお金を垂れ流すようになります。
成功のポイントは現地の居住環境を知ること
それに加えて、現地に住む人が好む家である必要があります。そのため、投資エリアの居住環境を理解することが失敗リスクを下げるポイントになります。
例えばアメリカ不動産へ投資する場合、アメリカ人は以下の特性があることを事前に知っておかなければいけません。
- 郊外の静かなエリアで一戸建て住宅に住む(日本人のように家族で賃貸アパートに住まない)
- 学区(周囲にある学校のランク)が非常に重視される
- シャワールーム2つ以上は必須
- 車庫が2つ以上あると喜ばれる
- 庭が広く、芝がキレイだと非常に有利
- 主要道路や空港に近いと優れる(日本人でいう駅チカのようなもの)
当然ですが、国が違えば住環境も異なります。そこで、現地の人がどのような家を好むのかを事前に知らなければダメな物件へ投資してしまいます。こうした状況を避けられればトラブルや失敗リスクを回避し、成功しやすくなります。
・東南アジアなら日本人相手が基本
また東南アジアでキャピタルゲインのみを狙った投資をする場合、日本人を相手に賃貸物件を提供するのが一般的です。東南アジアでは、ほぼ100%コンドミニアムへの投資になるため、現地人は相手にせず、駐在員などお金をもっている人が対象になるのです。
そのため東南アジアにある日本人街で投資をするのが失敗しない鉄則です。日本人相手なら「トイレにウォシュレットを付ける」などの対策だけで入居を即決してくれることも多く、日本人オーナーだからこそ日本人が好む家を理解できるといえます。
詐欺に引っかかるかどうかは知識の差で生まれる
そうしたとき、ここまでの知識をインストールするだけでも「詐欺に引っかかるかどうか」が分かれてきます。
例えば、ベトナム不動産の投資案件を勧めてくる業者はほぼ確実に詐欺だと分かります。海外不動産投資の中でも、ベトナム不動産の購入はインカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られる可能性が低く、さらには通貨安リスクが高く、しかも海外送金できなくなる可能性があります。つまり、最悪の投資先だといえます。
またプレビルドばかり取り扱っている業者も詐欺です。プレビルトは業者にとって得られる手数料が高く、さらには売主との調整がなく非常に楽に儲けることができます。ただ、ハイリスク案件ばかり提示してくる業者からの物件に投資して、良いことは一つも起こりません。
他には米国不動産でも、「ハワイ不動産で資産運用や節税を勧める業者」は100%詐欺だと分かります。前述の通りまったくインカムゲインを得られず、むしろ赤字を垂れ流す危険性も高いからです。
トラブルを避けて成功するポイントというのは、要は「あなたがどれだけ海外不動産投資の知識をもっているかどうか」だといえます。不動産業者の言葉を信じ、自分で調べず知識を付けていない場合、海外不動産の投資詐欺に遭うのは必然だといえます。
現地の税制や維持費、修繕費まで考慮するべき
また実際に不動産を購入することになるため、現地の税制や発生する維持費についても深く理解するのは、失敗やトラブルを防ぐために必須だといえます。日本の不動産へ投資するとき、固定資産税や管理費について全員が調べると思います。それと同じことを実践するのです。
例えば、フィリピンだと不動産維持のときに物件価格に対して以下のような費用が必要になります。
- 固定資産税:1~2%(マニラ首都圏だと2%)
- 特別教育基金:1%
- 火災保険料:約0.4%
これに加え、管理会社などにお金を支払っていると年間の維持費は年利4%を超えます。これに高額な利子支払いをしていると、インカムゲインはなくなります。アジアではキャピタルゲイン狙いなのでインカムゲインなしでも問題ないのですが、こうした事情があることは事前に理解するべきです。
・修繕費を考慮したシミュレーションにする
また海外不動産投資の業者が提示してくれるシミュレーションには、きちんと修繕費が考慮されているでしょうか。
不動産投資では「空室になって賃料収入が入ってこない」「予想外の修繕費用が発生した」などがよく起こります。そのため賃料収入見込みのうち、少なくとも、5~10%ほどの空室や修繕費などによる損失が発生するシミュレーションになっていなければいけません。
例えばアメリカだと、以下のような全館空調型の室外機(エアコン)を利用することがよくあります。
この値段は50万円ほどになります。また、雨漏りのために屋根を修繕するなら80万円ほどかかりますし、配管工事が必要な場合は100~200万円の出費になります。こうしたことを事前に盛り込んでおくのです。
当然ですが、シミュレーションの時点で税金や維持費、空室・修繕について考慮されていない場合、そのままの状態で契約書にサインすると詐欺に巻き込まれるようになります。
管理会社を間違える失敗・トラブルはよくある
なお、これらの失敗リスクをすべて把握したうえで優れた物件さえ購入すれば成功かというと、必ずしもそうではありません。他にも注意点は存在しますが、その中でもメインが管理会社の選定ミスによるトラブルです。
日本でも管理会社が非常に重要だといわれますが、海外だとこれがより顕著になります。仕事のできない会社というのは、本当にまったく仕事がダメなのです。例えば、以下のような状況です。
- 家賃があなたの口座に振り込まれない
- 投資先の不動産で空室期間がずっと続いている
- 収支報告が半年に一回など少ない
特に詐欺不動産業者を通すと、ダメな管理会社を紹介されやすくなります。
しかし、日本であれば日本語にてやり取りを行い、業者選びをするときは対面で打ち合わせすることで「問題ない業者かどうか」を見分けられるようになります。ただ、海外だと手軽に現地へ出向くことができませんし、新たな業者を探すにしても苦労します。
きちんと投資先の国を選定し、優れた物件へ投資するのは必須条件です。ただ、不動産業者から紹介された管理会社が問題ないかどうかについても、同時にチェックしておくのが成功するポイントになります。
知識を付け、致命傷のリスクをなくすのが必須
詐欺に近い投資内容は腐るほどあり、日本だと「ワンルームマンションへの投資」がこれに当たります。一方で海外でも同様にリスクの高い案件が多く、これらを信じて投資するとダメな物件をつかまされて失敗します。
そこで、事前にトラブルが発生するポイントを理解し、どのような注意点があるのか把握しなければいけません。例えばベトナムへ投資するとほぼ後悔することになりますし、ハワイ不動産へ投資するとまったく資産運用できないことに気づきます。
問題のある不動産業者は基本的に悪いことを隠し、良いことしか言いません。そのため、「実際のところはどうなのか?」という知識をつけることが失敗をなくす大原則だといえます。
リスクの低い国・地域へ投資し、失敗しない王道のやり方にて投資するのが海外不動産投資で成功するコツです。海外不動産投資では、どのような注意点があるのかを把握し、詐欺を避けながら正しく投資することで資産運用を成功へと導きましょう。
最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。
東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。
ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。
これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。
なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。