日本と非常に距離の近い国が台湾です。親日の国として知られており、同時に経済発展している先進国でもあります。そうしたとき、海外不動産投資をするときに台湾はどうなのかと考える人がいます。

海外不動産投資というと、普通はアメリカ不動産です。ただ中にはアジアの不動産へ投資する人も存在し、その選択肢の一つが台湾だというわけです。

ただ台湾不動産については、圧倒的に条件が悪くなっています。非常に利回りが低く、それでいて物件価格は高額です。特に税金が安いわけではなく、普通に台湾不動産へ投資すると簡単に赤字へと転落するようになります。

そのため投資するべきではない国の一つが台湾です。ここでは、台湾不動産がどのような投資内容になっているのか確認していきます。

日本と同様、人口減少となる台湾

海外不動産投資の魅力は物件価格の値上がりです。日本はずっと不動産価格が減少傾向にあるものの、海外に目を向けると「不動産価値が上昇し続けており、毎年の賃料も値上げするのが普通の国」が非常にたくさんあります。

そうした不動産需要を引きあげる要素として、最も分かりやすい指標に人口増があります。人が増えるほど空室率が低下し、賃貸物件の需要が高まるようになります。

ただ台湾については、日本と同じように人口減少する国となります。その他の東南アジアのように、これからも国が発展していくことはありません。また既に経済成長を果たした国でもあり、これに人口減少が加わるというわけです。

不動産価格が今後、上昇しない台湾

そうした現状もあり、台湾では不動産価格の上昇を見込むのは厳しくなっています。人口減少により、その分だけ住宅に対する需要が減るためです。

昔の台湾であれば人口が増加し、経済もかなりのスピードで発展していたため、それに応じて不動産価格は何倍にも膨れ上がりました。以下は過去20年ほどの台湾での不動産価格を記した推移です。

このように2001年から考えると、10年ほどで不動産価格は2.5~3倍ほどに膨れ上がっていることが分かります。昔に台湾へ投資した人だと、それだけで高額な不動産の売却益を得られたというわけです。

ただ2015年からは不動産価格の値上がりはなく、ずっと停滞しています。そもそも、いまの台湾不動産は「現地人の年収から考えて、あり得ないほど値上がりしている」という状況であり、物件価格は既に高騰しつくしています。

これに加えて政府からの「不動産に対する課税の強化」などの政策もあり、一気に台湾での不動産投資に対する熱が冷め、物件価格の値上がりはなくなったというわけです。そのため、今後の台湾不動産で不動産価格が上昇するとは考えにくいです。

外国人は問題なく台湾で投資できる

そうしたとき、日本人は台湾に対して不動産投資をすること自体は可能です。

台湾の法律では、「台湾人が自由に土地や建物を売買できる国であれば、その国の人についても台湾の不動産を自由に購入・売却できる」となっています(台湾の土地法第18条より)。

日本やアメリカ、イギリスなどでは土地や建物を含めて外国人でも自由に売買できます。そのため、こうした国籍の人は自由に台湾へ投資できると考えるようにしましょう。

台湾不動産の投資環境が微妙なのはさておき、投資すること自体は問題なく可能というわけです。オフィス住宅を含め、あらゆる形態の土地を所有できます。

非常に高額な台湾(台北)の不動産価格

それでは、台湾へ投資するときはどのエリアが最適なのでしょうか。これについて、台湾で最も栄えているのは台北です。アジアの不動産投資では、都市部へ投資するのが一般的な手法です。そのため、やはり台湾不動産の中でも台北にて投資することを考えるのが王道です。

そうしたとき、台北の不動産は既に高騰しています。しかも、見た目が非常に汚い物件でさえ高額です。例えば、以下は台北中心部のビルです。

台湾でも香港でも、中国系の国はなぜかどこもビルが汚い傾向にあります。

それでいて、値段は非常に高額というわけです。例えば、以下は台北市内にて売りに出されている85m2ほどの一室です。

このように、2,680万台湾ドル(約9,380万円)となっています。建築年1974年の物件ですが、1LDKの部屋の一室でこの金額です。そのため、どれだけ値段が高額なのか理解できると思います。

しかもこの物件が特別に高額なわけではなく、台湾不動産ではこれが普通です。そのため投資したくても、物件価格が高すぎて個人投資家にとって手を出しにくいです。

表面利回りは1.5%ほどと世界最低水準

それでいて利回りは非常に低いです。高額な物件購入をするにしても優れた利回りならいいですが、前述の通り現地の年収に比較して異常な不動産価格の高騰を見せているため、そこまで高い賃料収入を取れず、利回りは低くなっているのです。

イギリスの不動産調査会社によると、以下のように台湾での不動産投資は一般的に平均利回り1.5%ほどと明記されています。

出典:GlobalPropertyGuide

また同時に、台湾の不動産は利回りが世界最低水準であるとも記載されています。この理由については、これまで述べた通り無駄に不動産価格が高騰しており、それでいて現地の給与水準に合わせた賃料になるため、インカムゲインを得られないというわけです。

表面利回りが1.5%というわけであり、実際にはここから税金を支払うことになり、さらには不動産管理会社への手数料や修繕費なども発生します。その結果、ほぼ確実に赤字となってしまいます。

「台湾への不動産投資=ほぼ確実な失敗」と考えるようにしましょう。台湾不動産を紹介する業者はすべて詐欺であり、台湾不動産よりも日本の不動産投資のほうが圧倒的に安全で勝てるといえます。つまり、台湾へ投資する意味がありません。

税金水準はそれなりに高い

また税金についても、台湾ではそれなりに高額になります。元々の表面利回りが非常に低いため、基本的には税金を支払っているだけでトータル収益が赤字になることもよくあります。

台湾での税金については、例えば以下のようになります。

【物件の保有時】

台湾では固定資産税があります。日本でも物件評価額について毎年課税されますが、台湾でも同じような税金があるわけです。このときの税率は以下のようになっています。

  • 房屋税(建物への税金):1.2~5%
  • 地価税(土地への税金):1~5.5%

物件価格によって税率は変動しますが、どれだけ低くても物件価格の1%超の税金を毎年取られるようになります。

さらに所得税が加わるようになります。所得税は非常に高額であり、台湾の非居住者については収入に対して一律20%の税率となります。

【売却時の税金:キャピタルゲイン】

また台湾不動産を売却するとき、キャピタルゲイン税を課せられるようになります。不動産売却によって利益が出ていなければ関係ないですが、不動産価格の値上がりによって利益が出ればキャピタルゲイン税の支払いが必要になります。

このときのキャピタルゲイン税は累進課税となっており、売却益に対して20~40%の税率となります。日本だと5年超の保有で一律20%の税率ですが、それよりも高額な税率となることもあるのです。

ダメな国は必ず排除するべき

海外不動産投資をするとき、ダメな投資先は腐るほど存在します。例えば、以下のような国へ投資すると失敗がほぼ確実となります。

  • マレーシア
  • ベトナム
  • インド
  • インドネシア

こうした国は物件価格の値上がりが少なかったり、インカムゲインによる利益を得られなかったりします。それと同じ状況が台湾であり、むしろあらゆる国の中でも最低レベルの投資環境となっています。

台湾不動産を勧めてくる不動産業者は100%詐欺であり、台湾よりも圧倒的に優れている国や投資物件はいくらでも存在します。それにも関わらず、台湾不動産を顧客に勧める理由はありません。

海外不動産業者でも詐欺は非常に多いですが、その中の一つが台湾不動産の勧誘です。そのため、台湾不動産は投資先として必ず無視するようにしましょう。旅行場所としては非常に優れる台湾ですが、不動産投資としてはまったく適さないわけです。

台湾不動産への投資は魅力がない

ここまでのポイントを理解すれば、台湾不動産はまったく投資に値しないことが分かります。日本人だと台湾の土地・建物を含めて自由に投資できるものの、実際のところ異常なほど価格が高騰しており、利回りは低く、それでいて税金は高くなっています。

「どの国の不動産に投資をするのか」について最初に決めるのが海外不動産投資では重要になります。そうしたとき、台湾を選択する価値はなく、むしろ投資によって確実に失敗します。

2000年の周辺であれば、台湾不動産は圧倒的に魅力的でした。しかし、いまは投資すると失敗する国となっています。

物件価格の相場や利回り、税制など総合的に確認していけば、投資に適する国であるかどうかを見分けられるようになります。そこで海外不動産投資を考えるのであれば、台湾以外の国へ投資するようにしましょう。

米国不動産投資で個人・法人が節税し、利回り7%以上の物件で資産運用する

最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。

東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。

ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。

これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。

なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。

海外不動産投資の相談ページへ