日本ではなく、世界中にある不動産へ投資したいと考える人は多いです。海外不動産投資だと、キャピタルゲイン(不動産の売却益)を得られるなどさまざまな魅力があるためです。

そうしたとき、かなり珍しい投資先にヨーロッパ不動産があります。EU諸国は先進国が多く、そうした国の不動産へ投資することで、優れた利回りを得ようと考えるのです。

ただ海外不動産投資の中でも、ヨーロッパ不動産の情報はほとんど存在しません。そのため、具体的にどのような国に投資すればいいのか分かりませんし、そもそも投資するべきかどうかの判断もつきません。これについて実際のところ、ヨーロッパ不動産は非常にリスクが高いので、投資するにしてもかなり慎重になる必要があります。

「ヨーロッパ不動産の実情がどうなっているのか」について、具体的なデータを示しながらも中立的な立場から解説していきます。

先進国でも人口が増加し続けるヨーロッパ(EU)

世の中の先進国は出生率が低いのが共通しています。これはイギリスやドイツ、フランスなどの国でも同様です。

ただ日本を除き、欧米諸国では出生率が低いにも関わらず人口が増え続けているケースがあります。例えば、以下はイギリスでの人口推移になり、人口はずっと増えています。

こうした人口増加の要因は移民です。EU諸国では広く移民を受け入れており、高い賃金水準を求めて周辺諸国から多くの人が住みつくようになるのです。アメリカが人口増加している理由は移民の受け入れですが、これはヨーロッパの先進国も同様だと考えましょう。

人口が増えれば、当然ながら不動産に対する需要も増えます。もちろん空室率は低くなり、賃貸価格も上昇していきます。そのため不動産投資に関する状況は日本とまったく違っており、ヨーロッパへ投資するのは日本の不動産への投資よりも条件が良くなりがちです。

不動産価格が下落せず、古い家ほど評価される

またヨーロッパ不動産へ投資する大きなメリットとして、「メンテナンスをほぼ実施しなかったとしても不動産価値の値下がりがほぼ発生しない」ことがあげられます。

「人口増と共に不動産価格が上昇する」という傾向については既に述べましたが、アメリカ不動産(木造住宅)や東南アジア不動産(コンドミニアム)を含めてメンテナンスが必要です。ただEUにある不動産だと、メンテナンスすら不要になりがちです。

これは、ヨーロッパ不動産投資だと石やレンガなどの家になるからです。以下のような感じの不動産になります。

ヨーロッパの家だと、築200年や築300年などは普通です。地震がなく、こうしたレンガ造りだと朽ちることもないため、非常に長い年月を使用できるのです。しかも、築年数の古い家ほどプレミアが付くので値段が高くなります。

日本だと、新築よりも中古のほうが高くなることはありません。ただEU諸国で不動産投資する場合、築年数が長くなる分だけプレミアが付与され、むしろ年月が経過するほど投資家としては喜ばしいこととされるのです。

投資先の国を見極めるのが重要

このように日本とは投資環境がまったく異なるのがヨーロッパ不動産です。そうしたとき、EUとはいっても投資対象の国はいくつもあります。そうしたとき、どのような国へ投資すればいいのでしょうか。

ヨーロッパ不動産を考えるとき、代表的な国としては以下の2つがあります。

  • イギリス
  • ドイツ

先進国としてはフランスなどもありますが、こうしたイギリスやドイツなどの国以外だとリスクが高すぎであり、詐欺業者くらいしか他の国を勧めてきません。

そもそも、ヨーロッパ不動産の中ではまともなイギリス不動産であっても、イギリス国内の詐欺案件を平気で勧めてくる業者が腐るほどあります。それでいて情報が少なすぎるため、どうしてもヨーロッパ不動産の中でも投資に値する国は限られるようになるのです。

一番の投資の候補先はイギリス

ヨーロッパで海外不動産投資を考えるとき、第一選択肢はイギリスです。イギリスはEU加盟国ではないものの、ヨーロッパの中では大きな国として知られています。

イギリスは非常に大きく人口が増えている国の一つであり、その多くは移民によるものですが、人口増に比例して住宅価格も以下のように伸び続けています。

外国人であっても問題なく土地を含めた不動産を購入し、投資できるようになっています。

このとき、ほぼロンドンなどへ投資することになります。この理由は、人口が増え続けているのがイギリスの中でもイングランドだからです。そのため、イングランドの首都であるロンドンが第一候補になるというわけです。

また、たとえロンドンへ投資したとしても表面利回りは以下の通り5~6%ほどになります。

出典:SDL Auctions

イギリスだと、物件購入時に支払う税金・費用は日本と同じくらいです。それでいて入居者を付ければ固定資産税の支払いがないため、実質利回りは非常に良いのがイギリス不動産です。

ただ「学生寮へ投資する」「ホテル投資の案件」など、イギリス不動産では詐欺案件もたくさん存在するため、こうした詐欺の不動産会社経由で投資しないことに注意が必要です。

またイギリスに住んでいない人だと銀行融資を受けることはできません。そのため高額なお金を自費で用意する必要があり、どれだけ少なくても3,000万円以上の自己資金が必要です。イギリス不動産へ投資するのは、かなりの富裕層に限られるようになります。

ドイツで日本人相手に不動産投資をする

一方でヨーロッパの中で一番の経済大国にドイツがあります。ドイツについても移民は広く受け入れています。ただ移民がいたとしても、ドイツは日本と同じように人口減が続くといわれている国になります。

移民がいる分だけ日本よりはマシですが、それでもイギリスのように人口増とはなっていません。

そうしたとき、ドイツ不動産は非常に取り扱いが難しいです。ドイツでは大都市がほぼ存在せず、首都ベルリンでようやく人口が350万人です。「東京:1300万人以上、神奈川:900万人以上、千葉:600万人以上」と比較して、「どれだけ都市部に人がおらず、地方に散らばっているのか」を理解できると思います。

ただドイツについては、世界有数の日本人街が存在します。人口60万人ほどの都市にデュッセルドルフがあり、ここには広く日本企業が存在し、日本人がたくさん住んでいるのです。以下は実際のデュッセルドルフの様子です。

そこでヨーロッパでは珍しく、日本人相手に不動産投資することが可能です。あなたが日本人であるため、日本人が好む家を知っている分、圧倒的に有利になります。またデュッセルドルフには日本人ターゲットの不動産会社がいくつもあるため、そういう意味でもやりやすいです。

なおドイツだと表面利回りが3.5~3.7%と低めです。そのため魅力は薄くなりがちですが、ヨーロッパ不動産にも関わらず日本人を相手にできるのがドイツ不動産というわけです。

ヨーロッパで、その他の国はリスクしかない

一方でフランスやイタリア、スペインを含め、イギリスおよびドイツ以外の国を考えてもいいですが、イギリス不動産やドイツ不動産に比べて魅力があるかというと、そういうわけではありません。

  • イギリス不動産:それなりに利回りを得られ、不動産価格も上昇している
  • ドイツ不動産:日本人相手に投資できる

ヨーロッパ不動産の中でもイギリスとドイツではこうした特徴があるわけですが、フランスやイタリア、スペインだとそうした特徴がありません。つまり、投資対象にする意味が薄いです。

しかも、詐欺業者になると「エストニアへの海外不動産投資!」などのような感じで、聞いたこともない国への不動産投資を勧めることもよくあります。ただ圧倒的に情報が少なく、現地の税制を調べるのでさえ苦労するため、こうしたよく分からない案件へ投資するほど失敗します。

アメリカや東南アジア以外は魅力が薄い

ただ実際のところ、ヨーロッパ不動産へ投資する価値があるかというと、正直な感想を言わせてもらうと「完全にゼロ」だといえます。たとえそれが、イギリス不動産の真っ当な投資案件であっても「ゼロ」です。

海外不動産投資というと、特別な理由がない限りはアメリカ不動産が対象になります。これは、アメリカ不動産に以下のような特徴があるからです。

  • 毎年の人口増により、住宅価格が常に上昇している
  • 表面利回りは5~6%(実質利回りは3.5~4%)を得られる
  • 節税効果により、日本での確定申告で税金還付がある

そのため、節税効果まで考慮すれば年利8%以上になるのは普通です。しかも方法によっては融資を受けられるため、投資資金の全額を自己資金で賄う必要はありません。

つまりイギリス不動産やドイツ不動産よりも、圧倒的に良い条件にて投資できます。これが海外不動産投資において、EUを含めたヨーロッパ不動産へ投資する意味がゼロの理由です。

・キャピタルゲイン狙いなら東南アジアの不動産

またインカムゲイン(賃料収入)での利益は狙わず、キャピタルゲイン(不動産の値上がり)のみを狙う人もいます。

そうしたとき、ヨーロッパの小国へ投資してキャピタルゲインを狙ってもいいですが、それなら東南アジアの不動産でいいのではと思います。東南アジアの不動産ならコンドミニアムへ投資することで、日本人を含めた現地の駐在員を狙えますし、投資するべきエリアや現地の税制も把握しやすいです。

つまりキャピタルゲイン狙いであっても、ヨーロッパ不動産へ投資する意味はありません。

取扱業者が少なく、詐欺業者が多いヨーロッパ投資

このように考えると、ヨーロッパ不動産の案件を取り扱っている業者自体が微妙だといえます。真っ当な海外の不動産業者であれば、日本人向けに販売するのはアメリカ不動産または東南アジアの不動産になるはずだからです。

そもそも東南アジアの不動産でさえ圧倒的にリスクが高く、きちんと調べなければ失敗するのにも関わらず、ほぼ情報が存在しないヨーロッパ不動産へ投資する意味が分からないといえます。

さらに問題なのは、ヨーロッパ不動産の取扱業者が少なく、そうした投資案件を保有している業者の多くが詐欺という事実です。例えば、先に述べましたがヨーロッパ不動産での詐欺案件に「イギリス学生寮への投資」があります。

イギリスは非常に大学が多いことで知られており、以下のようなキャンパスが非常にたくさんあります。

そこで学生寮への投資になるのですが、家族向けの一戸建て住宅とは違い、学生寮は売り先が投資家のみとなります(イギリスでは中古住宅の一軒家購入が普通)。

また学生寮だと、本来ならアパート一棟が投資対象になるのが普通です。これは日本の学生アパートを想像しても分かりますが、狭い部屋の一室だけに投資する不動産投資家はほぼ存在しません。そのためイギリスの学生寮の部屋の一室に投資しても売り先がなく、最終的な投資の出口を作れない現状があります。

これが詐欺案件である理由ですが、ヨーロッパ不動産の存在自体が微妙であることから、真っ当なEUの不動産を取り扱っている業者が非常に少ないという大きな問題点があります。

投資先の国や案件が真っ当かを確認するべき

投資で最も重要なポイントは、「どれだけリスクを減らせるのか」になります。そうしたとき、ヨーロッパ不動産に投資する価値があるかというと、正直ゼロです。

インカムゲイン(賃料収入)での利益を狙うのであれば、アメリカ不動産のほうが圧倒的に有効です。またキャピタルゲイン狙いでも、東南アジアへ投資すれば問題ありません。わざわざ、ヨーロッパ不動産を選択する意味がないといえます。

また情報が少ない分だけ、なぜかヨーロッパ不動産では「イギリス学生寮への投資案件」「スペインやエストニアの不動産」などの詐欺案件が出されやすいです。しかもEUやその周辺の国に投資する不動産は情報不足により調査しにくいという問題点もあります。

海外不動産投資は投資先の国を決めることから始めますが、ヨーロッパでは「現地の国に住んでおり、信頼できる不動産業者を通して優れた物件へ投資できる」という状況以外は投資しないのが正しいです。これがヨーロッパ不動産へ投資するとき、事前に把握しておくべきポイントだと理解しましょう。

米国不動産投資で個人・法人が節税し、利回り7%以上の物件で資産運用する

最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。

東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。

ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。

これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。

なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。

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