海外不動産投資にはさまざまな種類があり、その中には投資に値する案件があれば、絶対に投資してはいけない案件もあります。例えばベトナム不動産は「不動産価格の値下がり」「海外送金が難しい」などの問題で絶対にやめるべきですが、他にも危険な案件が存在します。

そうした代表的なものの一つにハワイでのホテルコンドミニアム(ホテルコンド)投資があります。ホテルにある一室についてコンドミニアムとして投資し、宿泊料金を得るというものです。

ただ、ホテルコンドを紹介している不動産業者は確実に詐欺なので接触してはいけません。理由は単純であり、圧倒的に高リスクの案件で、むしろ赤字でお金が流出していくようになるからです。

このように断言できるのは、世の中に公表されている実データを読み解けば簡単に理解できます。そこで、ここではハワイ不動産でのホテルコンドミニアムについて、公表されている生データを読み解きながら「なぜホテルコンドに手を出すべきではないのか」を解説していきます。

通常のホテルと同じであり、管理をすべてしてくれる

ハワイは観光で成り立っているアメリカの州であり、非常に多くの観光客が訪れます。特に日本人には人気であり、空港に降り立ったときから街中に日本語があふれかえるようになります。またキレイなビーチがあり、このとき多くの人がホテルにて宿泊します。

そうしたとき、一般的な海外不動産投資では「現地に住んでいる人へ賃貸として貸し出す」ようにします。ただホテルコンドでは、ホテルの一室を購入するようにします。つまりコンドミニアムへ投資するとはいっても、ホテルの一室を所有して宿泊料金を得ると考えましょう。

これがハワイ不動産の中でのホテルコンドミニアム投資になりますが、通常とは違ってホテル側がすべての管理をしてくれるようになります。所有権はあなたですが、中身がホテルであり、清掃や顧客管理を含めてホテルがすべて実施してくれるのです。

この点が一般的なコンドミニアム投資と大きく異なる点になります。ホテルの一室へ投資し、観光客を相手にするのがホテルコンドミニアム投資だと考えましょう。

別荘として個人利用も可能

なおホテルの一室を利用するわけですが、このときはあなたが別荘として個人的に利用しても問題ありません。もちろんあなたの所有物であるため、特に宿泊料金を取られることはありません。清掃料などの費用は必要になるものの、一般の宿泊客のような高額料金は必要ないのです。

そこでハワイへ旅行したとき、ホテルコンドを所有していれば、あなたのホテルでゆったりとした時間を過ごせるようになります。

一般的に海外不動産投資というと、賃貸として貸し出したらそこへあなたが住むことはできません。既に住んでいる人がいるからです。ただホテルコンドミニアムなら、他の宿泊客が予約で入っていない場合、あなたが自由に利用できるメリットがあります。

・内装を指定することはできない

ただ一応はホテルであるため、内装を指定することはできません。もちろん、あなたが自由にリフォームすることも無理です。内装や管理を含め、すべてホテル側が指定するようになると考えましょう。

集客から部屋の管理までを含めてすべてホテルが実施してくれるものの、もちろんこれは内装なども含まれるようになります。ホテルの一室を所有するというのは、管理が楽であるものの自由度が利かないことも意味しているのです。

通常の一般向けコンドミニアムよりリスクが高い

なお、ホテル側が勝手に集客してくれてメンテナンスフリーであるというと、非常に管理面で優れているように思えてしまいます。ただ海外不動産投資の対象としては、ハワイ不動産でのホテルコンドミニアムには絶対に手を出してはいけません。

リスクが非常に高く、むしろ赤字を垂れ流すことになるケースが非常に多いからです。一般的にアメリカ不動産投資は非常に手堅く、日本の不動産投資よりも圧倒的に楽に資産運用できますが、ハワイのホテルコンドミニアムは別なのです。

少なくとも、ハワイ不動産でホテルコンドミニアムを勧めてくる業者はすべて詐欺だと認識するようにしましょう。

そもそも、ハワイ不動産は投資対象に向いていません。それにも関わらず、一般的なハワイの賃貸用コンドミニアムよりもさらにリスクが高いホテルコンドミニアムを客に勧める理由はないといえます。

観光業に影響があれば収入はなくなる

まず前述の通り、ハワイは観光業に依存している州になります。そのため、非常に不安定な州だともいえます。確かにリゾート地としては優れていますが、投資場所としては微妙なのです。

これがロサンゼルスなどの都市であれば、観光に限らずあらゆる産業が存在するため、何らかの社会状況のトラブルがあってもすぐに立て直すことができます。ただ、ハワイはそのようにはなりません。

  • リーマンショック
  • コロナショック

こうした世界的な事件があったとき、ハワイは観光業がストップして大打撃を受けました。ただハワイの賃貸用コンドミニアムであれば、一応は現地の人が賃料を支払ってくれるため、問題なく収入は入ってくるようになります。

しかし、これがホテルだとどうでしょうか。観光客がいなければ、当然ながら収入が入ってこなくなります。世界的な事件は何年かおきに来るため、そうしたときにホテルコンドミニアムだとあなたが大打撃を食らうことになります。これが、一般的な賃貸不動産に比べて圧倒的にハイリスクな理由です。

ホテルの客付けが順調でも実質利回り1%

またハワイ不動産が米国不動産の投資場所として優れていないのは、圧倒的な利回りの低さにあります。

通常だと、米国不動産では投資場所さえ間違えなければ問題なく表面利回り7%(実質利回り4%)ほどを生み出すことができます。私の場合についても、テキサス州ダラスにて以下の不動産へ投資し、実質利回り4%ほどになっています。

しかしハワイ不動産の場合、アメリカ不動産の中でも利回りは非常に低くなっています。具体的には、通常だと表面利回り3%(実質利回り1%)です。

・実質利回り3%以上は基本的にウソ

なお中には、ハワイ不動産で「実質利回りが3%ほど」と宣伝している業者もいます。ただ、これはほぼウソだと考えましょう。

ハワイで実質利回り3%は圧倒的に優れている物件であり、「日本でいう実質利回り20%超の物件」に相当します。それだけ珍しい物件になるわけですが、そうした超優良なハワイ不動産を普通の不動産業者がいくつも取り扱っていることはないと考えるのが自然です。

購入後の維持費や固定資産税が非常に高額

またこうしたホテルコンドミニアムの場合、維持費や固定資産税が非常に高額になるという問題点もあります。

ハワイ不動産だと、賃貸用であっても共益費が高いです。共益費が月5~10万円になるのは普通であり、家賃の半分が共益費で消えていくことはよくあります。

しかし、これがホテルだと清掃代や維持管理費がさらに高額になり、管理費やマーケティング費用として収益のうち7~8割を取られるようになります。つまり、あなたの手元に残るお金はほとんど存在しないというわけです。

またホテルコンドミニアムの場合、固定資産税が非常に高額になります。ハワイの場合だと、物件価値の約1.4%が年間の固定資産税になると考えましょう。

・これに金利が上乗せされる

また海外不動産投資を開始するためには、通常だと銀行融資に頼ることになります。アメリカの銀行だと、投資用ローンは金利5%程度であり高いですが、日本の金融機関を利用すれば金利3%以下で高額なお金を借入できます。

ただ、いずれにしてもこうした利子払いが必要になります。ハワイ不動産投資は元々の利回りが悪いため、こうした利子を支払うのも苦労することになります。

少しでも稼働率が悪ければ赤字

しかも前述の通り、観光客に依存することになるので稼働率が悪ければホテル料金が入ってこない仕組みとなります。

さらに悪いことに、ホテルコンドミニアムでは高額な固定費支払いが発生するようになります。賃貸住宅であれば、固定費があるはいっても固定資産税と銀行への利子払い、共益費くらいになります。ただホテルコンドミニアムだと、ホテルへの高額な管理費支払いまで発生するようになります。

ホテルコンドミニアムの場合、非常に高い稼働率を実現できて収支がようやくプラスになります。しかしホテル経営がダメであり、あまり客が入らなければあなたがすべての責任を背負うようになると考えましょう。

ホテル側にとっては確実に収益を取れ、リスクを投資家側に押し付けられるのでメリットは大きいですが、投資家としては最悪の条件というわけです。

公開されている実際の収支データを解説

それでは、なぜホテルコンドミニアムが詐欺になるのでしょうか。ここでは、実際にホテルコンドミニアムを経営している人の生データを借りて、その内容をもとに解説していきたいと思います。

ハワイにある高級5つ星ホテルとして、「トランプ インターナショナル ホテル ワイキキ」が知られています。このホテルについては、ホテルコンドミニアムとしてオーナーになることができます。このホテルの収支報告について、実際に運営している人が公表していた生データが以下になります。

出典:Hawaiil Lving

1ベッドルーム・2バスルームの高級デラックスルームですが、1ヵ月でのトータル収益は以下のようになっています。

  • 宿泊日数:24日
  • 総合収益:約12,540ドル(約125万円)

それに対して清掃費用やマーケティング費用など、もろもろの経費(Expenses)は約9,460ドルです。

出典:Hawaiil Lving

総収益のうち、約75%を経費として差し引かれている計算になります。このとき、この月については3,080ドルのプラスになります。

ただ忘れてはいけないのは、ここからメンテナンス費用と固定資産税という固定費が発生することがあります。このホテルの場合、それぞれ以下の費用になります。

  • メンテナンス費用:月1,735ドル
  • 固定資産税:月1,950ドル

こうした費用を差し引いた結果、総収益は-605ドル(約-6万円)となります。つまり、赤字です。しかも、ここには銀行への利子払いが入っていないため、実際にはもっと悲惨な内容になります。月のうち24日の宿泊客がいても、こうしたマイナス収支という結果になるわけです。

またこのホテルの一室については、1,650,000ドル(約1億6,500万円)で売りに出されていると記されています。

ただこの物件では、1億6,500万円ほどの高額投資をしたにも関わらず、毎月24日も稼働して月6万円以上の赤字であり、さらには銀行への利子払いも加わるようになります。もし不況に陥り、稼働率が悪くなればさらに収益は悪化します。

こうした実際のデータを見ると、なぜハワイ不動産投資の中でもホテルコンドミニアムが非常に凶悪な詐欺内容になっているのか簡単に理解できると思います。

不動産売却の出口を作りにくく物件としては最悪

しかも、より条件が悪い点としては、不動産の売却(出口)を非常に作りにくいことが挙げられます。アメリカ不動産へ投資する人では、全員が7~10年で売却することを考えます。ずっと不動産を保有する人などいません。

投資目的で考えたとき、アメリカ不動産は節税しながらキャピタルゲイン(不動産の売却益)を狙うのが一般的です。

賃貸用の不動産へ投資する場合であれば、アメリカでは「不動産投資家」「中古住宅を購入したい家族」の両方が売り先になります。アメリカでは中古の一戸建て住宅へ投資するのが基本になり、新築物件がほぼなく8割が中古住宅のため、こうした幅広い人が売却先のターゲットになるのです。

一方でホテルコンドミニアムだと、買い主が限られるようになります。しかも「収益性が圧倒的に悪い」と投資先に広く知られているため、ハワイのホテルコンドミニアムの状況をよく知らない「詐欺業者に騙された人」くらいしか売り先になりません。

つまり、物件を売ろうにも売れない状態となり、出口(最終的な売却先)を作れずに赤字をずっと垂れ流す状態に陥ってしまうのです。

移住や別荘利用であってもホテル投資・購入は微妙

なお、一般的にハワイ不動産の投資目的での購入はやめておいたほうがいいです。この理由は、先に述べた通りアメリカ不動産の中でも非常に利回りが低いからです。ただ移住や別荘保有の目的であれば、ハワイで不動産を購入するのは特に問題ないといえます。

日本人が住宅ローンを組んで自宅を保有するのと同じように、富裕層がハワイに家を持って住むのです。もちろん賃貸に出すわけではないのでお金は生みにくいですが、自分の家として居住するので特に変ではありません。

ただこうした移住や別荘利用であっても、ホテルコンドミニアムは絶対にやめましょう。無駄に購入費用が高額になり、さらにはそこに高額なメンテナンス料や清掃料金が上乗せされるようになるからです。

自分の物件とはいっても、ホテルである以上は高額な費用を課せられるのは理解しましょう。そうしたことを考えたとき、ハワイのホテルコンドミニアムを購入するメリットはゼロだといえます。

ハワイのホテルコンドミニアムで騙されないようにする

日本では非常に多くの不動産詐欺が存在します。有名なのは「ワンルームマンションへ投資し、節税をする」という案件です。これと同じように、海外不動産投資でも詐欺案件が大々的に販売されていることを知らなければいけません。

その一つがハワイ不動産のホテルコンドミニアムです。ハワイ不動産投資は元々が悪条件にも関わらず、これがホテルコンドミニアムになるとさらに最悪であり、少しでも稼働日数が悪ければ赤字へと転落するようになります。

しかも物件保有後の売却が難しく、投資をしたもののお金ばかりが減っていき、後悔するようになります。

海外不動産投資では知識を付けたうえで投資しなければいけません。そうしたとき、ここでは実際の収支データを含めて解説していったことからわかる通り、ハワイのホテルコンドミニアムがいかに危険か理解できたと思います。

ハワイのホテルコンドミニアムを勧めてくる業者は確実に詐欺です。そうした業者に騙されないように注意し、リスクを回避したうえで正しい海外不動産投資を行うようにしましょう。

米国不動産投資で個人・法人が節税し、利回り7%以上の物件で資産運用する

最もリスクが低く、条件が良い海外不動産投資の国がアメリカです。「海外不動産投資=アメリカ不動産」というほどであり、これには人口増加や空室率の低さ、物件価格の値上がりなどが理由として挙げられます。

東南アジアの不動産だとインカムゲイン(賃料収入)の利益を得られず、節税効果もありません。一方で米国不動産では「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」「節税効果」の3つを得られるため、圧倒的に優れた利回りを実現できるようになります。

ただアメリカ不動産の中でも富裕層向けでリスクが低く、さらには将来の値上がりを期待できる物件へ投資しなければいけません。

これを実現するため、アメリカ現地にオフィスをもつ優良の大手エージェント会社を紹介します。「すべて日本語で完結できる」「融資を引き出せる」「物件購入後の管理や売却までサポートしてくれる」という会社であり、米国不動産投資での問題点をすべて解決できるようになっています。

なおリスクの高い物件は取り扱っていない会社であり、インカムゲイン(賃料収入)での利回りは7~8%ほどになります。ただ、こうした利回りにて米国不動産へ投資し、数年後の物件価格の値上がりを期待しつつ、さらには個人・法人による節税まで可能になっています。

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