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打ち合わせをするときなど、会社経営では必ず移動する場面があります。このとき、車で移動するときはどこかで給油しなければいけません。東京都内では電車だけで十分ですが、地方だと車は必須です。そうしたとき、ガソリンカード(給油カード)があると便利です。

営業車で移動するときに法人ガソリンカードがあれば、給油のときにガソリン代は直接会社の銀行口座から引き落とされます。個人のお金で建て替えておき、後で返してもらうなどの面倒な作業をしなくてすみます。

ただ、設立したばかりの会社など信用情報(クレジットカードなどの使用履歴)がない法人の場合、法人カードを発行できないことがあります。ただ、それでは経費精算の作業が煩雑になり、会計処理というビジネスとは関係ないことで時間が取られてしまいます。

そうしたとき、法人カードなしであっても法人ガソリンカードを発行できるETC協同組合に申し込むといいです。

クレジット審査なしで通過できるため、通常では法人カード発行を断られる会社であっても問題なく法人ガソリンカードを作れるようになります。

クレジット審査なしの実態

ガソリンを給油するとき、法人ガソリンカードを検討する人は多いですが、そもそもガソリンカードとはどういうものなのでしょうか。

ガソリンカードとはいっても、通常のクレジットカードと何も変わりがありません。

法人カードであれば、JCBや昭和シェルなどが法人ガソリンカードを発行しています。こうした法人ガソリンカードをうまく活用すれば、給油代がお得になります。ただ、ガソリンだけに使えるカードというわけではなく、飲食代の支払いやネットショッピングなど普通の買い物でも使用できます。

むしろ、「普通の買い物で〇円以上であると、〇円給油代を安くする」などの特典があり、通常の買い物でも法人ガソリンカードを積極的に使うように促しています。

「クレジット機能あり」とは、要は普通のクレジットカードと同じ機能を備えている法人ガソリンカードだと考えてください。

一方でクレジット機能なしの場合、通常の買い物では利用できません。あくまでも給油の場面だけで活用できます。ガソリンだけが対象であるため、ハイオクやレギュラー、軽油だけの支払いにカード決済できます。同じガソリンスタンド内であったとしても、洗車やオイル交換などには利用できません。

ただ、給油であればどのような場面であってもカード決済できます。代表者の個人車や営業車だけでなく、社員の車やレンタカーであっても給油可能なのです。

ETC協同組合のガソリンカード(給油カード)

それでは、ETC協同組合とは何者なのでしょうか。ETC協同組合は内閣総理大臣・法務大臣・文部科学大臣・厚生労働大臣などの省庁から許可をもらって運営されており、中小企業のビジネスが円滑になるサポートをしています。

その一環として、ETC協同組合は法人ETCカードや法人ガソリンカード(給油カード)の発行を行っています。

法人ガソリンカードを含め、前述の通りクレジットカードとしての機能がある一般的な法人カードは新規発行のハードルが高いです。個人でクレジットカードを利用している人であっても、法人カードの審査は通過できないことがあります。

個人クレジットカードに比べて、一般的に法人カードでは審査基準が高く設定されているのです。

ただ、それではビジネスを行うときに困ります。そこで、「法人設立5年未満の会社」「創業間もない法人・個人事業者」「カード会社に発行を断られた法人・個人事業者」をターゲットに法人ETCカード、法人ガソリンカードの発行を行っているのがETC協同組合です。

ETC協同組合が発行する法人ガソリンカードのメリット

それでは、ETC協同組合のメリットには何があるのでしょうか。

他の法人カードとは異なり、ETC協同組合の法人ガソリンカードにはたくさんのメリットがあります。こうしたメリットについて紹介していきます。

クレジット審査がないので審査に通過しやすい

最大の特徴としては、既に紹介した通りガソリンの給油専用カードであり、クレジット機能がないので、クレジット審査なしで非常に発行しやすいことがあります。

他の法人カード審査に落ちてしまった人であっても、クレジット審査がないのでETC協同組合であれば問題なくカードを手にすることができます。クレジット機能がないので車の給油だけに活用でき、他の買い物では使用できませんが、少なくともガソリンを入れる場面では法人カード決済が可能になります。

必要な提出書類としては、以下のようなものがあります。

・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー:法人の場合

・確定申告書のコピー:個人事業主の場合

・代表者の運転免許証のコピー

これらを送るだけで問題なく、非常に簡単な審査になります。基本的にカード審査で落とされることはないと考えてください。

通常のクレジットカードであると、個人信用(過去にクレジットカードの支払い遅延があったかどうか)や会社の信用情報(問題なくカード払いを履行してくれる会社かどうか)を詳細にチェックされます。そのため、カード発行できない人がたくさんいます。

一方でETC協同組合の法人ガソリンカードであれば、クレジット審査なしなので誰でも法人ガソリンカードを作れてしまうのです。

年会費や発行手数料が無料

また、年会費やカード発行の手数料も無料です。そのため、従業員に法人ガソリンカードをもたせることがある場合であっても問題なく、何枚でも追加発行することができます。他の役員や従業員にガソリンカードをもたせたい場合、追加カードを作るのが一般的です。これを枚数制限なく追加できるのです。

また、使用したガソリンの請求については、全国平均価格から換算して毎月の月末に給油したガソリン代がまとめて算出されます。その後、口座振替によって引き落とされます。

なお、ETC協同組合の法人ガソリンカードを作るとき、最初は出資金として1社につき1万円が必要になります。ただ、このお金は脱退時に返金されます。そのため、実質的に負担するお金は完全ゼロだといえます。

ちなみに、ガソリンスタンドとしてはエネオスと出光の2つから選ぶことができます。「エネオスと出光の両方を使いたい」など、重複はできないので頻繁に活用する方のガソリンスタンドを選ぶようにしてください。

エネオスは非常に店舗数が多く、給油対象となるガソリンスタンドが多いです。そのため、広範囲の移動が多い個人事業主や法人の場合、全国約11,000店舗あるエネオスのガソリンカードがお勧めです。

一方で出光はエネオスほどの店舗数はないものの、それでも多く存在します。いつも使っている近くのガソリンスタンドが出光の場合、全国約4,000店舗の出光がお勧めです。

経費処理がスムーズになる

ガソリンカードをもたないとなると、現金で立て替え払いをする必要があります。このときは経費精算の書類を記入し、レシートを貼り付け、経理担当の人にまわさなければいけません。その後、経理の人が処理をします。

ただ、この作業はビジネスにとって意味のある仕事ではありません。むしろ、無駄な経理処理の作業が増えることによってコスト増大につながります。銀行振込の手数料も無駄に発生します。

もちろん、社員の数が増えるほどコストが積み重なるようになります。そこで法人ガソリンカードを導入することによって、大幅なコストカットをするのです。

営業の人間にとっては、法人ガソリンカードの導入によって給油後の経費申請という作業を省くことができます。経理担当者にとっても、自動で計算してくれるようになるので仕事の負担が減ります。もちろん、経営者にとってみても銀行振込手数料がなくなって経費削減になります。

前述の通り、レンタカーでも給油できるなど車両制限はありません。給油の場面であれば、どのような場合であっても利用できる便利な法人ガソリンカードです。

ETC協同組合の法人ガソリンカードのデメリット

ただ、法人ガソリンカードはメリットばかりではありません。デメリットも存在します。こうしたデメリットを理解したうえで、法人ガソリンカードの導入を検討しなければいけません。

以下では、法人ガソリンカードのデメリットについて確認していきます。

不正利用の可能性がある

実は法人カードで最も多い不正利用は給油の場面です。自家用車への給油で社員が会社のガソリンカードを勝手に利用するのです。

社員数が少ない場合は私的利用が起こりにくいものの、従業員の数が多くなって社長の目が届かなくなるほど不正利用が発生しやすくなります。

そのため、あらゆる法人ガソリンカードにもいえることですが、社員が勝手に自家用車に給油することを防ぐようにしましょう。

フルサービス(スタッフさんが給油してくれるサービス)のガソリンスタンドであれば、車番(車両番号:ナンバープレート)が入力されます。そのため、社用車以外に給油すると簡単に不正を見抜くことができます。

※利用明細には「利用日時、車輌番号、利用ガソリンスタンド」が記載されます。

ただ、セルフのガソリンスタンドであれば不正を見抜けないため、セルフ給油でのガソリンカード使用は禁止させましょう。これを徹底させるだけでも、社員による私的利用は大幅に減少します。

また、休日や帰宅時などプライベートの時間にガソリンカードを持たせるのも禁止させましょう。こうした対策によっても、不正利用が起こりにくくなります。

そうはいっても、ETC協同組合の法人ガソリンカードでは一般的な法人カードに比べると「給油だけに利用できるカード」というように機能が制限されているため、私的利用は生じにくいです。

普通の法人カードの場合、給油以外にも「個人的な飲み会で法人カードを使われる」など、あらゆる場面の不正利用への対策を練らなければいけません。ただ、クレジット機能なしの法人ガソリンカードであれば、給油の場面だけに限定して私的利用の防止策を考えれば済みます。

ポイント還元率がゼロになる

クレジット機能のない法人ガソリンカードの最大のデメリットはポイントが付かないことにあります。つまり、ポイント還元率ゼロです。

通常の法人カードではカード利用に応じてポイントがつき、一般的に還元率0.5%です。つまり、200円の利用で1円分のポイントがつきます。法人カードでは決済額が高額になりやすいため、多くのポイント付与を期待できますが、こうしたポイントは付きません。

法人カードのほとんどは年会費があるものの、ポイント付与があるので年会費分を考慮したとしても結果的に得をすることができます。クレジット機能なしの法人カードでは年会費や発行手数料がないとはいっても、還元率ゼロというデメリットがあるのです。

高速道路の給油代は別料金になる

全国統一価格で給油できるため、問題なくガソリンを入れることができる法人ガソリンカードですが、中には例外があります。それは、高速道路での給油です。

高速道路でガソリンを入れる場合、非常に値段が高くなります。そのため、全国統一価格で給油できるとはいっても、一般道路にあるガソリンスタンドが対象になります。高速道路のガソリンスタンドでも給油できますが、そのときは高速道路にあるガソリンスタンドの給油代が適応されるようになります。

ただ、クレジット機能のある法人ガソリンカードであっても、「高速道路のガソリン代だけは例外となる」のは同じです。ETC協同組合の法人ガソリンカードが劣っているわけではなく、これについてはすべての法人ガソリンカードで共通しています。

法人ガソリンカード発行の選択ポイント

それでは、ガソリンカード発行の選択基準はどのように考えればいいのでしょうか。

ETC協同組合のガソリンカードは、全国平均の値段から算出されます。経費精算を含めた会計処理がスムーズになるというメリットはあるものの、ガソリン代が安くなるわけではありません。

また、法人カードを利用したときのようにポイントがたまるわけでもありません。

ただ、年会費や発行手数料は無料であり、他の法人ガソリンカードに比べて審査基準が圧倒的に低いため、通常では落とされる法人や個人事業主であっても問題なくガソリンカードを発行できます。

そのため、審査について問題なく法人カードを発行できる人(会社)であるなら、クレジット機能のある一般的な法人ガソリンカードを活用するといいです。それ以外の審査に通過しない個人事業主や会社組織の場合、ETC協同組合の法人ガソリンカードへ申し込みましょう。

ガソリン代が安くはならないといっても、ビジネスにおいて会計処理は非常に面倒です。この作業を少しでも減らせるだけでも、ガソリンカードをもつ意味は大きいです。

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