大企業であると、福利厚生が充実しています。社員の中には、より優れた福利厚生を求めて転職をする人もいるほどです。

ただ、個人事業主や中小企業であると大企業のような福利厚生を導入するのは難しいです。非常に高額なお金がかかるからです。

しかし、そうした個人事業主や中小零細企業であったとしても、法人カードの福利厚生サービスを活用すれば、かなり優れた福利厚生を導入できるようになります。大企業以上の福利厚生は無理であっても、それに並ぶ程度の福利厚生なら可能なのです。

それでは、どのように法人カードを活用して福利厚生を充実させればいいのでしょうか。ここでは、ビジネスカードを利用して福利厚生を導入し、社員満足度を高める方法について解説していきます。

ビジネスカードの福利厚生代行サービスを利用する

企業が実施する福利厚生としては、さまざまなものがあります。「借り上げ社宅制度」「交通費の支給」「職務手当」など種類は豊富です。会社によっては社員旅行を実施しているケースも非常に多いです。

ただ、実際のところ人によって求めている福利厚生は違います。旅行好きの社員であれば、ホテルに格安で宿泊できる福利厚生があると喜ばれます。一方で映画好きの人であれば、映画のチケットを格安で取れるサービスがあるとありがたいです。

そうしたとき、福利厚生代行サービスを用いると便利です。福利厚生代行サービスには非常に多くの福利厚生が存在するため、社員が好きなように活用できるようになるのです。

大企業であると、福利厚生として社員食堂を用意していて無料で昼ごはんを食べられることがあります。さすがにこうしたサービスは個人事業主や中小企業で難しかったとしても、福利厚生サービス社員がを勝手に利用してもらう形であれば問題なく低コストで実現できるのです。

クレジットカードの代行サービスでどれだけ安くなるのか

気になるものとして、「クレジットカードの福利厚生サービスを導入することによって、社員がどれだけお得感を覚えてくれるかどうか」があげられます。

福利厚生では料金面でのメリットがないと意味がありません。福利厚生代行サービスを導入することにより、従業員は満足してくれるのでしょうか。

例えば、以下は福利厚生代行サービスの大手であるベネフィット・ワンになりますが、こうした割引サービスが存在します。

・映画の割引チケット

TOHOシネマズで通常1,800円のチケットが1,300円になります。映画館では「毎月1日は映画が1,100円」などの特典を設けていますが、それらとは関係ない日で割引を受けることが可能です。

また席料の高い映画を見る場合、追加料金を払えば「割引された席料」で問題なく見ることができます。

・レンタカー

旅行先などで車を借りる機会は多いですが、ニッポンレンタカーの利用が割引になります。一般価格よりも20%以上は割引になるため、こうした福利厚生を通すことで大幅な割引を期待できます。

もちろん、ニッポンレンタカーに限らず多くのレンタカー会社の割引券を入手できます。全国展開している大手レンタカー会社の割引が可能になるのです。

・イベント

特定の決められた福利厚生に限らず、イベントなど期間限定の割引サービスやお得なチケットを取得できるようになっています。

上の特典は東京・お台場で開催された水かけフェスティバス&野外フェスですが、こうした期間限定イベントのチケットも割引販売されています。デートで活用したり、家族で出かけたりするときにも福利厚生代行サービスは有効です。

啓もうすれば大きな福利厚生になる

法人カードに付随する福利厚生代行サービスを利用すれば、他にもホテルに格安で宿泊できたり、人間ドックを安く受けることができたりします。そのためメリットは大きいです。

ただ、単に福利厚生のサービスに加入しても、活用していないのであれば当然ながら意味はありません。経営者自ら、福利厚生の代行サービスをしっかり活用するように従業員へ啓もうすることで、社員は「会社はこれだけ優れた福利厚生を用意してくれている!」とようやく認識してくれるようになります。

福利厚生を利用できるとはいっても、従業員はその内容を知りません。どれだけ優れた福利厚生を導入したとしても、社員が使ってくれなければ無意味です。そこで、社長自ら積極的に福利厚生代行サービスを利用し、そのメリットを社員に教えるように努力しましょう。

社員と話をするとき、「昨日は映画を家族3人で見に行ったけど、会社が加入している福利厚生サービスを利用したから一人500円(三人で1,500円)も安くなった!」などのように、何気なく伝えるだけで問題ありません。値段が安くなるため、当然ながら従業員は乗り出して聞いてくれます。

社員数が多かったとしても、メールで一斉送信して啓もうするなど方法はいくらでもあります。いずれにしても、法人カードの福利厚生代行サービスを導入した後、あなたが自ら代行サービスを使ってみて、その良さを積極的に社員へ伝えるようにしましょう。

ツアー旅行で社員旅行してもいい

ここまで述べてきた福利厚生サービスは「各社員が自分に興味のあるサービスを勝手に活用し、割引サービスを得る」というものでした。ただ、会社が実施する福利厚生はこれだけに留まりません。社員旅行にも活用できます。

社員旅行を検討する法人は多いです。社員旅行を企画するとき、新人社員に丸投げしてもいいですがその社員は「面倒な仕事を頼まれた」と考えるようになります。従業員の満足度向上のために企画する旅行にも関わらず、満足度を下げてしまうのです。

そこで、社員旅行をツアーで検討しても問題ありません。福利厚生代行サービスでは、多くでツアー代金を安くするパッケージが組まれています。

もちろん、HISや近畿日本ツーリストなど大手の旅行代理店にも申し込むことができるようになっています。例えば、福利厚生代行サービスを利用することで以下のような割引があります。

こうしたものを活用すれば、福利厚生での会社経費を抑えながらも社員旅行を楽しんでもらえるようになります。

ツアー会社が出している定価から割引があるため、確実に安い値段での社員旅行を実現できるようになります。なお、ツアーでは「航空券とホテルだけ取られており、日程はすべて自由行動」というものもあるため、そうしたものを活用しても問題ありません。

・福利厚生で社員旅行を利用するときの注意点

なお、国内旅行を福利厚生で行うときは「4泊5日以内」「全社員の半数以上が参加している」という条件が必要になります。また、一人当たりの金額が10万円ほどまでなら福利厚生費として計上できます。

海外旅行でも同様であり、最大で4泊7日(機中泊はカウントしなくてもよいため)までの旅行であり、一人10万円ほどであれば福利厚生費として計上可能です。ただ、日程は短いのでアジアなど近場の旅行がメインになります。

福利厚生を活用できる法人カード

それでは、どのようなビジネスカードを利用すれば福利厚生代行サービスを利用できるのでしょうか。

ビジネスカードの中には、福利厚生の代行会社と提携しているカードがあります。そうした法人カードを利用すれば、安い値段で福利厚生代行サービスを利用でき、社員に対してメリットを与えられるようになります。

これらのサービスを提供してくれる法人カードをおすすめ順で紹介していきます。

三井住友カード ビジネスオーナーズ

年会費が永年無料で申し込みできる法人カードとして三井住友カード ビジネスオーナーズがあります。

三井住友カード ビジネスオーナーズを利用すれば、ベネフィット・ワンに格安で加入できるようになります。前述の通り、福利厚生の大手代行サービス会社がベネフィット・ワンです。

私は起業前、グループで売上2兆円以上、社員数14,000人ほどの大企業(東証一部上場)に勤めていましたが、その会社が社員に提供している福利厚生がベネフィット・ワンでした。つまり、ベネフィット・ワンを利用すればこうした大企業並みの福利厚生を導入できるのと意味は同じです。

三井住友カード ビジネスオーナーズを利用すれば、以下の特別価格でベネフィット・ワンへ加入できるようになります。

  • 入会金:無料(通常は10万円)
  • スタンダードコース:月320円/1名(通常400円/1名)
  • ゴールドコース:月850円/1名(通常1,050円/1名)

加入プランについては、スタンダードコースで問題ありません。これだけでも多くの特典を得られるようになります。旅行ツアー代金や映画館、フィットネスジムの利用などあらゆる割引サービスが存在します。

ちなみにゴールドコースの場合、ホテルや旅館などの宿泊施設を利用するときに500~1,000円ほど安くなるようになっています。ただベネフィット・ワンを利用するとき、ホテル代については実はあまり安くなりません。そのため、スタンダードコースで十分です。

また、三井住友カード ビジネスオーナーズはベネフィット・ワンの利用以外にも、「追加カードを19枚まで発行でき、経費処理を簡素化できる」「新幹線予約が有利になるエクスプレス予約を利用できる」などの特典も充実しています。

安くベネフィット・ワンに加入できるだけでなく、メインのビジネスカードとしての機能も優れている法人カードです。ゴールドカードも存在するため、あなたの売り上げ規模に合わせて申し込みをしてみてください。

JCB法人カード

年会費の安い法人カードの一つとして、JCB法人カードがあります。JCB法人カードは年会費1,375円(初年度無料)です。

クレジットカードのスペックとしては、JCB法人カードは普通です。ポイント還元率0.5%と一般的であり、利用限度額もそこまで高いわけではありません。

ただ、福利厚生という観点でいえば、福利厚生倶楽部という優れたサービスに加入することができます。例えば、レジャーであれば以下のような割引となります。

  • 東京ディズニーランド:1,000円補助(一人年4回まで)
  • ナガシマスパーランド(ジャンボ海水プール):大人2,800円(通常 3,500円)
  • スパ・ラクーア:大人1,900円(通常2,850円)

期間によって値段は変動するものの、こうしたお得な値段になります。レジャー施設であれば、たいていは割引が存在するようになります。

また、フィットネスジムを法人会員料金で利用できたり、映画館やホテル利用での割引があったりします。福利厚生サービスを利用するという意味では、JCB法人カードの内容は非常に充実しています。

デメリットは福利厚生代行サービスの利用料金が高いことがあります。入会金は無料ですが、社員一人ごとに以下の月会費が必要になります。

  • 社員数1~99名:月940円/1名
  • 社員数100~999名:月840円/1名
  • 社員数1,000名以上:月740円/1名

JCB法人カード自体は年会費が低いものの、福利厚生代行サービスへ加入するとなるとそれなりに高額になってしまいます。そのため、費用対効果を考えながらJCB法人カードの福利厚生倶楽部を利用するようにしましょう。

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