法人向けのクレジットカードには種類があります。そうした中でも、電子マネーとして活用したいと考える人は多いです。

これらの電子マネーとして、Apple社が開発したApple Payがあります。Apple社の製品をもっている場合、Apple Payを利用することによってApple製品をかざすだけで支払いを済ませることができるのです。

ビジネスカードを利用する個人事業主や法人経営者であれば、「Apple Payに登録できる法人カードとして何があるのか知りたい」と考えているケースが多いです。iPhoneやApple Watch(アップルウォッチ)などに登録するだけで支払いが可能だからです。

これには電子マネーに対応しているビジネスカードでなければいけませんが、どのようなクレジットカードで可能なのか確認していきます。

後払い式(ポストペイ)の電子マネーで可能なApple Pay

まず、どのようなときにApple Payを利用することができるのでしょうか。これについては、「後払い式の電子マネーを利用できるビジネスカード」を利用するときだと考えるようにしましょう。後払い式の電子マネーをポストペイといいます。

電子マネーとはいっても、その種類はさまざまです。非常に有名な電子マネーとしてはSUICAやPASMOなどが知られており、これらはプリペイド(前払い式)のクレジットカードになっています。

ただ、そうではなく後払い式の電子マネーでなければいけません。法人カードでは、そうした電子マネーしか対応していないからです。ポストペイの電子マネーとしては、以下のようなものがあります。

  • iD(アイディ)
  • QUICPay(クイックペイ)
  • Visaタッチ決済(Visa payWave)
  • Mastercardコンタクトレス

このうち、どれかに対応していればApple Payとしても使用することができます。iD、QUICPay、Visaタッチ決済、Mastercardコンタクトレスのうち、一つでも法人カードに機能が備わっていれば問題ないのです。

逆にいえば、上記に示した4種類の電子マネーのうちどれも対応していない場合、Apple Payでの支払いはできません。そのため、iPhoneやApple WatchなどでApple Payを利用したい場合、ポストペイの電子マネーに対応した法人向けクレジットカードを保有することを考えましょう。

Apple Payに登録できるビジネスカードは何がある?

それでは、これらポストペイ型の電子マネーを搭載している法人カードとしては何があるのでしょうか。これには、以下のようなものがあります。

法人カード対応の電子マネー

三井住友カード ビジネスオーナーズ

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

法人カードは利用用途が制限されがちであり、電子マネーを利用できないビジネスカードは多いです。ただ、これらの法人カードについては問題なくポストペイの電子マネーを活用できます。

また三井住友ビジネスカードの場合、以前は後払い式の電子マネーを利用できませんでした。しかし、現在ではこれらのビジネスカードについても問題なく電子マネーに対応しており、Apple Payに登録できるようになっています。

例えば、以下は私が保有する三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersであり、裏面にはiDのマークがあります。

ただ、こうした電子マネーを利用できない法人カードが未だに多いのは事実です。

  • ダイナースクラブビジネスカード
  • P-one Business MasterCard
  • ライフカードビジネスライトプラス

例えばこれら法人カードについては、Apple Payには対応していません。

※JCB法人カードについては、QUICPay(クイックペイ)には対応しているものの、Apple Payには対応していません。

電子マネーを利用するメリットは素早い決済

Apple社の製品をもっている場合、多くの個人事業主や法人経営者がiPhoneやApple Watchにクレジットカードを登録して電子マネー決済を行っています。それでは、なぜこうした電子マネーを利用するのでしょうか。

クレジットカードで支払ったとしても、Apple Payで決済したとしてもクレジットカード明細に同じように請求が載ります。そのため、実際のところ「普通にカード決済すればいいのでは?」と考えてしまうのです。

これについては、確かに通常のカード決済をしても問題ありません。ただ、これらApple Payなどの電子マネーを利用したほうが圧倒的に時間を短縮できます。

ビジネスカードを利用して決済する場合、基本的に暗証番号の入力やサインをしなければいけません。そのため、時間を取られます。特に急いでいる場面だと、1秒の違いで電車に乗り遅れることもあります。急いでいるときほど大きな威力を発揮するのがApple Payなのです。

電子マネーに対応している店舗だと、以下のような端末が店のレジに存在します。このときは「Apple Payで!」と店員に声をかけたあと、この端末にiPhoneやApple Watchをかざせば支払いが完了します。

暗証番号の入力を含め、特に面倒な手続きはありません。そのため、私についてもコンビニやドラッグストアなどで法人カードを利用する場合はいつも電子マネーを利用しています。

簡単なお使いを頼めて、店員に気を使わないのもメリット

なお、前述の通りiDやQUICPayなどポストペイの電子マネーを利用できる場合、Apple Payを活用できます。そのため、こうした電子マネーをうまく使いこなせば時間を短縮できるだけでなく、社員や家族に簡単なお使いを頼むこともできます。

法人向けクレジットカードをそのまま利用する場合だと、基本的に暗証番号やサイン記入が必要です。しかし、社員に暗証番号を教えることはできません。また、クレジットカードは本人しか利用できないので社員が勝手に名義人の名前を借りてサインをするのは禁止されています。

しかし電子マネー決済を有効利用すれば、こうした作業が発生しないので問題なくお使いを依頼できます。暗証番号やサインなしで、かざすだけで問題ないからです。

もちろん、社長自身のiPhoneやApple Watchを貸すわけにはいきません。そのため、このときはApple Payではなく法人カードに搭載されている電子マネーを利用することになります。ただ、このように電子マネーを利用すれば非常に便利になります。

・店員に気を使わなくてもいい

またカード払いに比べてApple Payなどでの支払いだと一瞬ですし、暗証番号の入力はなく店員にとっても楽です。

100円ほどの支払いをクレジットカードにする場合、カード払いはどうしても気を使ってしまいます。ただ、Apple Payでの支払いであれば店員に気を使うことがありません。

Apple社の製品を利用している場合、経費支払いのときにビジネスカードを登録して、Apple Payによる支払いを利用してみましょう。そうすれば、よりカード払いが楽になります。

iPhoneやApple Watchに登録し、設定する

実際にApple Payを利用するとき、iPhoneやApple Watchに登録し、設定するようにしましょう。Apple Payに登録できる法人カードを手元に用意していれば、5分以内に設定できるようになります。

例えばiPhoneの場合、設定画面で以下のように「WalletとApple Pay」があります。

iPhoneの種類によって多少名前が異なることはありますが、ここから設定できます。あとはカード追加をするだけであり、誰でも簡単に登録可能です。

カード番号や名義人、有効期限などは自動で読み取ってくれるため、自ら入力する手間さえも省くことができます。

Apple Watchについても、「Apple Watch App」のアプリをスマートフォンにインストールして、利用する法人カードを登録することができます。いずれにしても、スマートフォンを利用してすぐに設定・登録を完了させることができるのです。

なお、Apple Payについては1枚の法人カードでいくつものデバイスに登録できます。そのため、iPhoneやApple Watchなど複数のアップル製品をもっていたとしても問題ありません。もちろん、他の役員や社員のアップル製品にインストールさせることも可能です。

特に年会費支払などがなく利用できるのがApple Payです。時間短縮でのメリットが大きいため、Apple Payで支払いできるビジネスカードを用意して使ってみるといいです。

Apple PayのSuica、エクスプレス予約を利用可能

こうしたApple Payを利用できれば、電車に乗るときや新幹線利用のときについても支払いが簡素化されます。

例えばSUICAやPASMOについては、法人カードでオートチャージすることはできません。ただ、Apple PayのSUICA(アンドロイドユーザーはモバイルSUICA)にチャージすることで、携帯電話で電車賃を支払えるようになります。

そのつどアプリなどからチャージする必要はありますが、法人カードで電車賃をチャージすることで支払いの簡素化が可能になります。

特にApple PayのSUICAの場合、モバイルSUICAとは違って年会費が必要ありません。そのため、活用しないほうが損です。iPhoneをSUICAのように利用でき、さらにはビジネスカードからいつでもチャージできるので便利です。

・新幹線の乗車がより楽になる

さらにApple Payを使いこなす場合、新幹線での乗車でも有効活用するようにしましょう。

クレジットカードを発行する場合、法人カードによっては「プラスEX」というカードを、法人カードとは別に発行することができます。以下のカードがこれに該当します。

法人カードの中でも、プラスEXを作れる場合は以下のような特典があります。

  • いつでもネット上で新幹線予約が可能になる
  • 予約変更は無料で、何回でも可能である
  • 長距離乗車だと事前予約で割引がある
  • 指定席を「自由席と同じ料金」で乗車できる

そのため、必ず発行するべきカードになります。このとき、Apple PayのSUICAを登録しておけば、新幹線乗車口でプラスEXのカードを忘れたとしても、iPhoneやApple Watchをかざすことで問題なく通過できます。

携帯電話や時計を忘れる人はいないため、何も考えなくてもトラブルなくエクスプレス予約による新幹線特典を受けることができるのです。

法人向けクレジットカードでApple Payを利用する

ビジネスカードの中でも、電子マネーに対応しているクレジットカードとなると種類はどうしても少なくなってしまいます。ただ、問題なく電子マネーでの支払いは可能です。

こうしたポストペイで払うことができる場合、Apple Payにも同時に対応することになります。そこで、具体的にどのような法人カードでApple Payによる支払いが可能なのか確認するようにしましょう。

Apple pay対応の法人カードを利用し、事前にiPhoneやApple Watchに登録しておくことで、暗証番号の入力やサインなしに支払いが完了します。また、Apple PayのSUICAを利用することで電車や新幹線の利用が非常にスムーズです。

これらApple Payに対応している法人カードは以下の通りです。

三井住友カード ビジネスオーナーズ

初心者向けの法人カードの一つが三井住友カード ビジネスオーナーズです。年会費を永年無料で発行できるクレジットカードです。

電子マネーiD(専用)に対応しているため、Apple Payによる支払いが可能になっているビジネスカードでもあります。

審査基準は高くなく、法人であっても登記簿謄本の提出が不要です。そのため、ビジネス経験ゼロの個人事業主や法人であっても審査に通過できるクレジットカードになっています。このとき一般カードは当然として、プラチナカードでも簡単に審査通過します。

ポイント還元率は0.5%と普通です。ただ、新幹線予約がお得になるプラスEXを発行できたり、電車賃を安くできたりなどその他のサービスにも優れた法人カードです。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

プラチナカードではあるものの、年会費22,000円と低めの金額で保有できる法人プラチナカードとしてセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードが知られています。

QUICPayに対応しているビジネスカードであるため、Apple Payでの支払いが可能になっています。

電子マネーで支払いできるだけでなく、プラチナカードなので空港のVIPラウンジを利用でき、高額な海外旅行保険が自動でつき、コンシェルジュサービスまであります。

さらにはポイント還元率1.125%と非常に高くなっています。プラチナカードであるため、内容に優れた法人カードになっています。

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