ゴールドカードであるものの、年会費2,200円と非常に安価な法人カードがオリコ EX Gold for Bizです。初年度無料であり、次年度の年会費も安いものの、ゴールドカードとしての特典はしっかりとついています。
さらに、最大4000円オリコポイントが付与されます。これは年会費3年分にあたるため、初年度無料の年会費と合わせると、年会費4年分が実質的に無料です。そのため非常に低予算で発行できる法人カードだといえます。
なお、個人事業主向けと法人向けでは法人カードの性質や特性が少しだけ異なるため、これらを理解したうえで活用すると非常に便利なクレジットカードです。
EX Gold for Biz S | EX Gold for Biz M | |
対象 | 個人事業主 | 法人 |
券面 | ||
年会費 | 2,200円(初年度無料) | |
追加カード | なし | 3枚まで可能(年会費無料) |
還元率 | 0.6~1.1% | |
ETCカード年会費 | 無料 | |
ETCカード枚数制限 | 1枚 | 各カード1枚 |
限度額 | 10~300万円 | |
国際ブランド |
もくじ
オリコ EX Gold for Bizの基本情報
オリコ EX Gold for Bizは小規模の個人事業主や法人がターゲットです。そのため、ビジネスがまだそこまで大きくなっていない個人事業主や設立一年未満の法人にとってありがたいサービスになっています。
例えば、オリコ EX Gold for Bizの特徴としては以下のようなものがあります。
審査に通りやすい
いくら法人カードのサービスが優れていたとしても、審査に通過しなければ意味がありません。そういう意味では、小規模の個人事業主や法人を相手にしているEX Gold for Bizは他の法人カードに比べて審査に通りやすくなっています。
設立直後でも審査に通過できる法人カードは限られています。その中の一つがオリコ EX Gold for Bizだと考えてください。
カード会社によって審査基準が異なるため、他の会社がダメであってもオリコ EX Gold for Bizであれば問題なく審査通過できることはよくあります。ダメ元で申し込んだ場合であっても、審査で落とされず法人カードを手にすることができ、法人ETCカードも問題なく発行できたというケースは多いです。
つまり、起業直後の人が申し込むべき法人カードの一つとして、オリコ EX Gold for Bizがあるといえます。
なぜ、審査に通過しやすいかというと、それは決算書などの提出が不要だからです。カード会社側(オリコ側)としては、決算書が必要書類でないので会社の正確な利益額などを把握できません。
必要書類は本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)や登記簿謄本(履歴事項全部証明書)などコピーなどだけです。
これは個人事業主でも同様であり、確定申告書類などは求められません。カードの審査では、ビジネスでの利益額では判断されないのです。また、ビジネス経験年数は参考程度となります。
ちなみに、法人カードの審査期間は長めであり、カード発行までに一ヵ月ほどの時間が必要になるのが一般的です。オリコ EX Gold for Bizについても同様であり、滞りなく書類を発送して審査に通過したとしても、カードが手元に届くには一ヵ月ほどの期間になります。
年会費無料のETCカード
法人カードの審査に無事通過すると、法人ETCカードを発行することができます。このときの法人ETCカードは無料で発行することができます。ビジネスでは車を活用して高速道路を利用することがあるため、無料でETCカードを追加できるのは非常に優れています。
このとき、法人ETCカードは親カードにつきそれぞれ1枚ずつの発行になります。例えば個人事業主であれば、法人カードを1枚だけ発行することができます。そのため、法人ETCカードの枚数は1枚までです。
一方で会社組織であると、追加カードを発行することができます。代表取締役だけでなく、他の役員や社員にも法人カードをもたせたいときに社員用法人カードを作ることができるのです。このとき、追加カード1枚について法人ETCカードを1枚発行できるようになります。
どこでも使用でき、限度額も高い
VisaやMasterCardのブランドから選ぶことができるため、世界中のどこでも使用することができます。日本国内であっても、利用できない場所はほぼないと考えてください(メインはMastercard)。
また、法人カードを利用するときの限度額が高いです。限度額とは、大まかに「2ヵ月分を支払うことができるクレジットカードの利用限度額」だと考えてください。例えば限度額が100万円の場合、毎月50万円ほど利用することができます。
一般法人カードであると、限度額が最高100万円であることがあります。ただ、ある程度まで順調にビジネスが動き始めると、すぐに限度額100万円に達することはよくあります。一方でEX Gold for Bizであれば、限度額が最高300万円まで設定できます。
審査基準が甘く、設立直後の個人事業主や法人であっても審査に通過でき、さらには年会費が非常に安い法人カードの中では圧倒的に限度額が高く設定されています。
コンタクトレスの電子マネーため、かざすだけで決済可能
現在はSUICAやPASMOなど電子マネーを使う機会が非常に多いです。
クレジットカードであれば、電子マネー機能が最初からついてあることが多いです。個人クレジットカードであると、ほとんどのクレジットカードに電子マネーが最初から搭載されています。
ただ、法人カードであると個人クレジットカードとは反対に、電子マネーがほとんどのカードで付いていません。
そうした中、オリコ EX Gold for Bizは法人カードでは珍しく電子マネーの機能が搭載されています。法人カードの電子マネーが内蔵されるようになるため、新たに電子マネー用のカードを発行することなく利用できます。
このとき利用できる電子マネーは「Visaタッチ決済(Visa payWave)」または「Mastercardコンタクトレス」です。これらは後払い式の電子マネーであり、電子マネーとして使用した分はカード明細書に記載されて後で引き落とされるようになります。
なお、Visaタッチ決済(Visa payWave)やMastercardコンタクトレスに対応しているクレジットカードの場合、Apple Payにも対応しています。そのため、アップル製品をもっている人はオリコ EX Gold for Bizを登録してApple Payとして活用してもいいです。Apple Payも同じように、後でカード利用に合算されて請求されます。
店のレジで以下のような電子マネーやApple Payのマークがある場合、端末にカードをかざせば素早く支払いできます。
後払いでカード請求に合算されるとなると、わざわざ電子マネーを活用しなくてもいいのではと考えてしまいます。
ただ、ビジネスでは他の人にお使い(買い物)を頼む機会がよくあります。そうしたとき、電子マネーの機能があると非常に便利です。
普通にお使いを頼むとなると、後で経費精算しないといけないので非常に面倒です。ただ、法人カードを渡して買い物を頼むにしても、まさか法人カードの暗証番号を教えるわけにはいきません。
そこで電子マネーの機能があれば、サインや暗証番号の入力なしに買い物することができます。経費精算の処理を省きながら、ビジネスで必要な買い物を頼むときは非常に便利です。
また、Apple PayではSUICAなどにチャージすることができます。チャージの利用額に応じてポイントがつくため、単に現金でチャージするよりもApple Payなどを利用してチャージした方が得です。
自動付帯の海外旅行傷害保険
クレジットカードをもつとき、基準の一つとして保険付帯があります。
法人カードの場合、国内旅行傷害保険やショッピング保険を利用することはほとんどありません。そのため国内旅行傷害保険やショッピング保険は無視してもいいですが、海外旅行傷害保険は重要になります。
ビジネスで海外出張したり、個人的な旅行をしたりするときはよくあります。このとき、一般的なクレジットカードの場合は「利用付帯」となり、航空券や旅行ツアーでの支払いを対象のクレジットカードで支払わないと保険付帯になりません。
ただ、オリコ EX Gold for Bizは自動付帯であるため、クレジットカードをもっているだけで海外旅行傷害保険の対象になります。これであれば、海外でケガや病気になって現地の病院を受診したとしても高額な医療費は請求されなくなります。
わざわざ海外旅行保険に入る必要がないため、非常にお得な法人カードだといえます。
ただ、法人カードの中では年会費の安い法人カードであるため、自動付帯の中でも死亡・後遺障害「最高2,000万円 」と金額は低めです。ただ、傷害治療費用や疾病治療費用など、ケガや病気による補償が200万円まで付いているため、よほどの大けがや大病でない限りは問題ありません。
空港ラウンジの活用
ゴールドカードであるため、オリコ EX Gold for Bizは空港ラウンジを活用することができます。国内空港や国際空港であると、どの空港であっても「ゴールドカードと航空券を提示すれば入れるラウンジ」」が存在するのです。
例えば、以下のようなラウンジです。
飛行機に搭乗するとき、どうしても待ち時間が長くなります。そうしたとき、空港ラウンジを活用して時間を過ごすのは有効です。私の場合、飛行機を活用するときは必ず空港ラウンジを利用しています。
ただ、よりグレードの高い空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスは付かないので注意が必要です。あくまでも、ゴールドカードを提示して入れる空港ラウンジだけの利用になります。ただ、国内であればほとんどの空港でラウンジを利用できるようになります。
還元率が高いオリコ EX Gold for Biz
こうした特徴に加えて、オリコ EX Gold for Bizが特に優れている点として還元率の高さがあります。法人カードを利用することによって、多くのポイントが付与されるのです。
法人カードを使うことによってたまるポイントは「暮らスマイル」というオリコ独自のポイントです。1000円利用するごとに、1ポイントの暮らスマイルがたまります。「1ポイント=5円」なので、還元率は0.5%です。
ただ、EX Gold for Biz会員(EX Gold for Bizの法人カードをもっている人)はポイントが20%加算されるため、実際の還元率は0.6%です。一般的な法人カードの還元率は0.5%なので、他の法人カードに比べて高い水準です。
さらにEX Gold for Bizでは、年の利用額に応じてポイントの還元率が高くなります。年間の利用額合計に応じて、翌年のポイント加算が増えるのです。具体的には、以下のようになります。
1年のカード利用額 | ステージ | 翌年のポイント加算倍率(還元率) |
50万円未満 | ノーマル | 1.2倍(還元率0.6%) |
50万円以上 | ステージ50 | 1.7倍(還元率0.85%) |
100万円以上 | ステージ100 | 1.9倍(還元率0.95%) |
200万円以上 | ステージ200 | 2.2倍(還元率1.1%) |
年間200万円というのは、ビジネスでの支払いであればわりと簡単に基準をクリアできます。毎月17万円の支払いがあれば年間200万円に達するため、普通にビジネスをしている法人であれば高い還元率を実現できると考えてください。
例えば私の会社の場合、起業当初は法人用の携帯電話やその他の費用を合わせても月10万円ほどのカード支払いでした。ただ、そこから半年経ちビジネスが軌道に乗り始めると毎月のクレジット支払いは20万円を超え、年200万円の利用は軽く超えていました。
ビジネスを動かしてきちんと軌道にのせた場合、一番上のステージはすぐに狙うことができます。
マイルでポイントをためるときの還元率
それでは、オリコ EX Gold for Bizを利用してマイルをためる場合にはどのようになるのでしょうか。
1マイルの価値は高く、「1マイル=2~3円」になります。そのため、経営者の多くはカード利用のポイントをマイルでためます。たまったマイルは個人的な用途に利用して問題ないため、どれだけマイルを貯められるのかは重要です。
先ほど、デフォルトでの還元率は0.6%になると記しました。ただ、マイルはオリコとは関係ない他社(ANAやJALなどの航空会社)のポイントであるため、マイルでの還元率はこれよりも悪くなります。
ANAマイルの場合は、還元率は0.36%となります。またJALマイルでためる場合、還元率は0.3%です。
ただ、カード利用額に応じてポイント還元率は高くなることを既に述べました。これを考慮すると、還元率は以下のようになります。
1年のカード利用額 | ステージ | ANAマイル還元率 | JALマイル還元率 |
50万円未満 | ノーマル | 0.36% | 0.3% |
50万円以上 | ステージ50 | 0.51% | 0.425% |
100万円以上 | ステージ100 | 0.57% | 0.475% |
200万円以上 | ステージ200 | 0.66% | 0.55% |
オリコが提供するポイント(暮らスマイル)を利用する場合は関係ないものの、マイルをためたい場合は上の表にある還元率で考えるといいです。
リボ払いにも対応している
また、他の法人カードに見られない特徴として、リボ払いに対応していることがあります。リボ払いとは、「毎月5万円だけを返済する」など、返済額を決めて支払いを行う方式を指します。
個人用のクレジットカードであると、カード会社は積極的にリボ払いを勧めてきます。リボ払いは利子が高いため、リボ払いをしてくれるほど会社の利益が大きくなるからです。
一方で法人カードであると、ほとんどリボ払いには対応していません。個人とは異なり、会社は倒産リスクが高いため、リボ払いを認めると貸し倒れのリスクが非常に高くなるのです。そのため、リボ払い不可の法人カードが多いのです。
そうした中、オリコ EX Gold for Bizは1回払いだけでなく、分割払い、据置き一括払い、半年賦併用払い、リボルビング払い(リボ払い)と多くの支払い方法に対応しています。
ただ、法人である以上は基本的に1回払いを選択するようにしてください。リボ払いを選ぶと金利が10%を超えることがほとんどなので、何もしなくても年間の支払いが1割増えることになります。これは経営を大きく圧迫するため、緊急事態のとき以外はリボ払いなどを選択しないようにしましょう。
連帯保証人になる必要がない
また、他の法人カードにはないオリコ EX Gold for Bizの大きな特徴の一つとして、「連帯保証人になる必要がない」ことが挙げられます。
JCB法人カードや三井住友ビジネスカードなど、あらゆる法人カードで連帯保証人として代表者が指定されています。「法人会員はカード会員と連帯して責任を負う」などのように利用規約に書かれており、これはつまりカード発行者(個人事業主または法人の代表)が連帯保証人であるという意味です。
個人が自己破産することは少ないものの、会社では倒産するのが普通です。むしろ、経営に行き詰まって破綻する会社の方が多いです。そのため、カード会社は代表者を連帯保証人にするのです。
しかし、オリコ EX Gold for Bizではそうした規定がなく、連帯保証人を設定しなくて問題ありません。
ビジネスをする場合、万が一の事態を生じることがあります。そうしたとき、連帯保証人として代表者が設定されていない法人カードは、何かあったときであっても経営者は安心して利用することができます。
経営者である以上、リスクヘッジが必要です。そうしたとき、連帯保証のない法人カードをもっておくといいです。
個人事業主用と法人用の違い
先にも述べた通り、オリコ EX Gold for Bizには個人事業主用と法人用の2種類あります。個人事業主では「EX Gold for BizS」となり、法人では「EX Gold for BizM」になります。
基本的な機能は同じですが、両者には若干の違いがあります。その違いについて、以下で確認していきます。
個人事業主用:EX Gold for BizS
EX Gold for BizSには、キャッシング機能がついています。金利は非常に高いですが、お金を借りることができます。急な資金調達が必要になった場合、10~100万円までキャッシングすることができます。
ただ、ビジネスにおいてキャッシングは主な資金調達法ではありません。基本は銀行融資であり、銀行であればどれだけ金利が高くても3%ほどです。
一方でキャッシングであれば金利は15~18%になるため、銀行融資が下りないがどうしても緊急にお金が必要になったときなど、短期での利用に留めるようにしてください。
法人用:EX Gold for BizM
一方の法人用であれば、キャッシング機能がありません。急な資金調達が必要になっても、お金は借りられないと考えてください。
その代わり、EX Gold for BizMでは追加カードを年会費無料で3枚まで発行できるようになっています。個人事業主用では追加カードの発行を行えず、1枚しか法人カードを作れません。社員がいる人にとってみれば、追加カード無料は非常にありがたいサービスです。
前述の通り、法人ETCカードは親カードと一緒に発行できます。そのため、法人ETCカードも年会費無料で3枚まで追加発行できます。
個人事業主用: EX Gold for BizS | 法人用: EX Gold for BizM | |
追加カード | なし | 3枚まで可能(年会費無料) |
キャッシング機能 | 〇 | × |
オリコ EX Gold for Bizのデメリット
ゴールドカードではあるものの、実際のところはどうかというとオリコ EX Gold for Bizは一般カードとゴールドカードの中間という位置づけで考えるといいです。
実際、多くのゴールド法人カードに比べると年会費は非常に安いですし、保険付帯(海外旅行保険)が自動付帯とはいっても補償額はやはり他のゴールドカードに比べると低めです。
コンシェルジュサービスを含めた優待サービスも少なめです。
ただ、カードの審査基準が低くて還元率が高いなど、それを上回るほどコスパの良い法人カードでもあります。
機能性の優れたオリコ EX Gold for Biz
法人カードの中でも、「年会費が安い」「設立当初であっても審査に通過できる」「還元率が最初から高い(還元率0.6%)」の3拍子が揃った法人カードとしてオリコ EX Gold for Bizがあります。
まだビジネスが軌道に乗っておらず、個人事業主や創業間もない会社であり、低い予算の中で法人カードを活用したい場合はオリコ EX Gold for Bizを検討してください。
他の法人カードの審査に落ちてしまった場合であっても、諦めずにオリコ EX Gold for Bizへ申し込むようにするといいです。
ビジネスが軌道に乗ってくれば、EX Gold for Bizのサービスは物足りなくなるかもしれません。ただ、最初はこうしたクレジットカードを利用し、プラチナカードなど徐々にスペックの高い法人カードを活用するようになれば問題ありません。
なお、一つの法人カードだけを利用するのではなく、複数の法人カードを組み合わせて利用している会社は多いです。そこで、2枚目や3枚目の法人カードとしてオリコ EX Gold for Bizを利用するのでも問題ありません。
EX Gold for Biz S | EX Gold for Biz M | |
対象 | 個人事業主 | 法人 |
券面 | ||
年会費 | 2,200円(初年度無料) | |
追加カード | なし | 3枚まで可能(年会費無料) |
還元率 | 0.6~1.1% | |
ETCカード年会費 | 無料 | |
ETCカード枚数制限 | 1枚 | 各カード1枚 |
限度額 | 10~300万円 | |
国際ブランド | ||
電子マネー | Visa payWave、Mastercardコンタクトレス | |
海外旅行保険 | 最高2,000万円 | |
国内旅行保険 | 最高1,000万円 | |
ショッピング保険 | 最高100万円 | |
支払い方法 | 1回払い、分割払い、据置き一括払い、半年賦併用払い、リボルビング払い |